大人になれたかはわからないけど、ぼくらはそれでもやっていく。「30歳になる覚悟ができていない20代後半集会」参加レポート

どうも。先月誕生日を迎えたゆーてるです。イェア

Twitterの風船が上がるみたいなワールドで調子に乗るゆーてる

この記事を読んでいるみなさんは20代後半、いわゆる「アラサー」でしょうか?

そうでないにせよ、年齢の十の位の数字が変わればそれなりに自分の生き方に何かしらの変化があるというもの。ちょっと身構えちゃうこともあるかと思います。

個人的な感覚ですが、「アラサー」という単語から恐怖感を受けるような反応が見られるのは、学生時代が序盤にあった20代と、30代とではいよいよ人生の舞台が大きく変わる感じがするからなのではないか、と思ってたりします。

そんな中、とある攻撃力の高い名前のイベントが開催されました。

「30歳になる覚悟ができてない20代後半集会」

「理系集会」の主催もやっている「Kuroly」さんがVRChatでフレンドと雑談していた内容をツイートしたらかなり反響があり、開催に至ったとのこと。

見ただけで「ヴッッッ!!」となるようなタイトルでしたが、このタイトルが指す感覚については非常に納得感があります。
ここには行った方が良いんじゃないか。そんな気がしました。

いいね1200件超、433RT。そして自分から提案してくるようなリプの数々。見てよこの盛り上がり。

このイベントで色々とためになるお話が聞けましたので、今回はこちらの参加レポートをお届けします!

アラサーの恐怖を抉りに抉るコンセプトな会場

キンキラキンの衣装で浮かれるゆーてる。あとで正装にもどしました。

会場は床に赤い絨毯の敷かれた、ちょっとフォーマルな立食パーティーが行なわれるホールを模したデザインでした。
……まるで、友人に誘われて参加する結婚式の会場のような……。(´;ω;`)ウッ…

見てコレ。ピザだけで3つもあるんだよ????

そしてテーブルに並べられた見るからにカロリーの高そうな茶色い食べ物たち!
「美味しいのは分かるんだ!でも、こんな夜中にこれを食べたら翌日の胃が…。」

参加者からそんな声が聞こえてきます。

30代、40代の先輩からのお話

「色々と覚悟が決まっている人いない人がいると思いますが、今回はみんなで楽しく30代を迎えるための覚悟を持つ会として、中の人が30代の方より、ありがたいお言葉を頂きます。」

と、アラサーたちが司会のKurolyさんの呼びかけで集められ、いよいよメインプログラムの「30代の先輩からのお話」に入りました。

今回はデータサイエンティストVtuberの「アイシア=ソリッド」さんにお越しいただき、4歳の美少女AIアイシアさんの学習対象である「マスター」の状況を踏まえたお話をしていただきました。

30代の先輩からのお話 by アイシア=ソリッドさん

今回のお話のテーマはこちら。
「30代になるとなんか色々ありますが、大丈夫!今までやってきたことをこれからもやるだけだし、だからやれるし、でもまあ皆さん諦めて30代になってください、というお話をします。」
と、スライドを進め始めました。

「あきらめて30代になろうぜ。」といった目次を表示した段階で会場からは悲鳴が。

アイシアさんの「マスター」の悩み抜いて乗り越えてきた人生経験が赤裸々に語られ、

そこからアイシアさんが至った結論が述べられました。

さらにこれまでの経験から「20代のうちにやっときゃよかった」と思った項目が展開されていきました。

要約するとこんな感じになります。

アイシア=ソリッドさんが思う「20代のうちにやっときゃよかった3連打」
  • 無理しよう!(30代で無理したら下手すると死ぬので限界値を把握しよう
  • 本読もう!(ビジネス書、自己啓発本は完全に信じるものではないが一部役に立つ
  • 上に頼りまくって、その分の恩は次の世代に返していく。

「完璧よ、さようなら」というタイトルで近況について語られます。

「朝起きたら陽の光を浴びながら公園に散歩、夜は風呂上がりに20~30分ストレッチ」
どうやら肉体・精神の安定を維持するにはこれらの行動を生活に組み込まないといけないようです。
いつか自己啓発本で読んだような「優雅な生活」は実は必須項目だったようで会場からはまたしても悲鳴が上がりました。

お話の最後にはアイシアさんからのエールが。
「あきらめと受け入れと、方針の転換をするのが30代です。」
「全員何かしら欠けていて、すごそうに見える人はそれを見えないようにしているだけです。」

締めの「おいで~~!待ってるよ~~意外となんとかなるよ~~~!」というコメントにはやはり「いやだ~~~~!」「2年後かなぁ…」と悲鳴が上がっておりましたが、それらの悲鳴は最初のものよりも少し声色が明るくなったように感じました。

アイシアさんのお話のフルバージョンのアーカイブ動画はこちら!


展開していたスライドのデータはこちらで閲覧できます。

https://t.co/CWMgRmKN5h

40代の先輩からのお話 by VR蕎麦屋タナベさん

「リアルが40代のVR蕎麦屋タナベさんから、20代後半のみならず、30代にも役立つようなお話をしていただきます。」と案内があり、タナベさんのお話が始まりました。

「これから30代、40代になるんですけど、皆さんはゆっくり死んでいくんです。肉体的にも、精神的にも。これを受け入れるしかないなと。

参加者一同からまた悲鳴が上がるのを眺めつつ、VRを始める前と後とで自分が人間的に成長したエピソードが話され、

46になってもVRChatは楽しいすし、この歳になっても吉本興業に所属するなど面白い未来も待っていますと。何が起こるか分からないんで楽しんでいきましょう。んで死ぬときは死ぬんで受け入れましょう。」

と、お話を締めました。

てんていさんからのサプライズ!

先輩お二方からのお話を終え、VRシンガーソングライターのてんていさんからサプライズとして、この集会のために書き下ろした新曲『ドントクライアラサー ボーイズ&ガールズ』が披露されました。

「20代から30代に上がる、この辛い、一番色んなものを諦めて、それでも頑張っていこうと思うこの時期、一緒に生き抜いていこうではりませんか!」

というMCの後、各々が手元に歌詞カードを持ち、コーラス部分の「ドントクライアラサー ボーイズ&ガールズ」をともに歌いました。

コーラス部分でなくても共感するところがかなり多い歌詞であったためか、まるで曲の合いの手かのように「わかる~~!」「やめて~~~!」と悲鳴が上がりつつも、会場の皆の心は一つになりました。

「「ドントクライアラサー ボーイズ&ガールズ!」」

※2023年8月14日追記
「ドントクライアラサー ボーイズ&ガールズ」のMVが公開されました!

歌い終えたあとは集合写真。
「アラサー、最高~~~!」の掛け声とともにイベントは幕を閉じました。

イベント終了後も「お前もアラサーにならないか?」「ならないためには鬼になるしかないんだよなぁ」と初対面の人同士でありながらも交流が続いておりました。

登壇された先輩方にインタビュー!

今回のイベント終了後の歓談タイムにて登壇されたアイシア=ソリッドさんと、VR蕎麦屋タナベさんにインタビューしてみました!

アイシア=ソリッドさんにインタビュー!

ゆーてる

今回はありがとうございました。
お話をお聞きすることで目を背けがちなことへ目を向けるハードルがだいぶ下がったと思います。

アイシア=ソリッドさん

今回の登壇は、Kurolyさんからお話を聞いた時に「何でも出来るよ!やれるよ!元気だそう!」ってのはなんかイベントのコンセプトとは違うかなと思いまして。
参加者にとって本気のテーマだと思うので、私も真剣に向き合って「諦めてこっちおいで~」という方向性にしました。

ゆーてる

職場の上司とかがやってる「優雅な生活」が実は「生存戦略」だったことには驚きました……!

アイシア=ソリッドさん

確かに生存戦略で大変とはいえ、工夫の結果そういう生活になるのも悪くはないと思います!(笑)

ゆーてる

やはり皆さん何かしらの工夫をしてらっしゃる。。。
ちょっと相談なんですが、いま徹夜できなくなりつつあるんですよね~。
この時間まで起きたい、って思ってももう体が寝かしにきちゃって…。
これどう対応してますか?

アイシア=ソリッドさん

決まった時間に起きる、バランスよく食べるなどの「小学校で習ったことに帰る」というものが私の指針なんです。
寝てるときに体力は回復するし、食べたもので体は出来るので。
もともと夜型なんですけど、朝日を浴びると14時間後には眠くなるので、そのタイミングで寝る、とか色々工夫してみると、だんだん楽しくもなってくると思いますよ!

ゆーてる

どのみち向き合うことになるステータスなので、楽しくやれたほうがいいですもんね!
今回の話を参考にぼくも色々工夫してみます!ありがとうございました!

VR蕎麦屋タナベさんにインタビュー!

ゆーてる

今日のお話はとても学びになりました!不安になってもどうしようもないなって、ある意味前向きになれました。

ゆーてる

一つお聞きしたいのですが、

ぼくたちVRChatユーザーの大半って本業終わったあと「第二の人生」が起動するじゃないですか。
でも体の耐久値というか限界が来るスパンはどんどん短くなる一方ですし、アイシアさんが話してた「これやらないと死ぬ」な必須ケアを踏まえると、今後はだいぶ「生活」に時間を取られることになると思います。
そして年を重ねるごとにケアのレベルも上げないといけなくなりますよね。使える時間はどんどん限られて来ると思います。

副業VRワーカー兼イベンターとしては、そのあたりってどのようにやりくりされていますか?
また、その際に諦めた、やらないでおこうと決めたことは、何かありますか?

タナベさん

ケアについて。
私個人の感想ですが、人間を動かす原動力はメンタルだとおもってます。
なのでメンタルケアとして、そんな大層なもんじゃないのですが

  • ストレスを貯めないこと
  • 動物のように生きること

を心がけています。

「動物のように生きること」とは、「食いたい時に食って 寝たいときに寝る」ですw これ最強。

タバコが健康に悪いと言われてても世の中にゃ100歳近い爺さんがタバコぶかぶか吹かせて生きてるわけで、確率的に健康に害があるのは証明されていようがそっちと吸わないストレスどっちとる?というお話ですねw

ゆーてる

確かに!
ビール飲みまくっても長生きしるお婆さんもいる……!

タナベさん

というわけで私は動物的に生きてますwww

使える時間をどうやりくりするか問題なのですが、単純に2倍速で動きます。

ゆーてる

2倍速……?

タナベさん
  • 睡眠時間は削らない
  • 寝たい時に寝る
  • 自分の頭がもっともクリアーな時間を探す
  • そこで作業する

です。

ゆーてる

なるほど!!
うおおおお睡眠の重要性……!

タナベさん

右足が沈む前に左脚を出します。そうすると水の上を歩けます (絶対参考にならねぇえこれ!w)
でも私はこれやってかれこれ五、六年経ってますね。

ゆーてる

なんというか、衰えに対処するってより常に先手を取りに行く、というか追っかけていってる感じがしますね…!

タナベさん

そうっすね。
46歳ですしやりたいことやりつくして燃え尽きて、なんなら爆発したいとおもってます。

ゆーてる

言葉の通り今ご活躍が大爆発してらっしゃる…。
有言実行、かっけぇ。。。

タナベさん

せめてVRの世界だけは生き様ふくめて自分のなりたいようにしたいじゃないっすか。それをしてます。

ゆーてる

最高です……!
なんかぼくもそういう風に年を取っていきたいなぁ……!
今回はありがとうございました!

主催にインタビュー!

ゆーてる

おつかれさまでした!
このイベント、いったいいつから準備していたんですか?

Kurolyさん

イベント当日から1週間前くらいの「このイベントをやりたい!」というツイートが「興味ある!」「行きたい!」と引用RTされたりなどめっちゃ伸びて、そこに対して「じゃあ来ませんか?せっかく来るならなにかやりませんか?」とリプライで直接オファーし、打ち合わせをDMで行って進めました。
ワールド下見等の事前調整とかはなく、全部ノリで進んでましたね。
実はタナベさんもてんていさんもお会いしたのはイベント当日が初めてです。

おうむどりさん

ワールドはアセットを駆使してなんとか3日で仕上げてみました。

ゆーてる

このスピード感で物事が進むあたり、年齢を感じさせませんよね。
でもそんな皆さんと年齢の話ができる、というのはいいことなのかなと。

ゆーてる

どうしてこのイベントを開催したのですか?

Kurolyさん

VRChatでは年齢の話をするのがタブーのような雰囲気がうっすらとあることもあり、このイベントは賛否両論あると思うのですが、だいたいボリューム層はこの年代だと思うので悩みは同じ。
一度あけすけに話してみようよ、と思って開催してみました。

ゆーてる

カウンセリングに近い活動を行っている場もありますが、こういう年齢特有の悩みというのはやはり当事者でしか分からない、ということもありますし、こういった場は必要だとは思いましたね。

Kurolyさん

今回オファーする皆さんに共通して提示したのは「悲観的にならずにポジティブにいこう、なるべく皆で明るく30代を迎えよう」というコンセプトだったんです。

ゆーてる

今回のアイシアさんのお話は、参加者が抱く不安に寄り添いつつ、明るい方向に持っていく構成でとても良かったと思います。

Kurolyさん

そこがアイシアさんほんとにすごくて。ぼくら20代後半には子どもだましのポジティブは効かないんですよ。
だからため息つきつつ「でもやるしかねぇか」って諦め半分、前向き半分のいい落とし所にしてくれてとても助かりました。

ゆーてる

なんとかしようってレベルじゃなく、もうどうにかなってしまうのは目に見えているので、隣で一緒にゼェハァいってる仲間がいればまあ頑張れる気がしますよね。

おうむどりさん

ワールドの食べ物が茶色いものばかりなのは、わざとです。
そういうオーダーがあったのでそうしました。
生ハムの原木とかちゃんとリアクションされててうれしかったですね。

ゆーてる

塩分がエグいんだって!見た人から悲鳴が聞こえてましたよ~

Kurolyさん

その反応が欲しかったんですよねw

ゆーてる

参加者の気持ちに寄り添ったステキな会場でした。

おうむどりさん

年齢近いからあの短期間でもKurolyさんとイメージがいい感じに共有できたんですよね。

Kurolyさん

みんな思うこと同じですもんね。

ゆーてる

今後はこのイベントをまたやっていきますか?

Kurolyさん

このイベントはもうこの場が一つの完成形みたいなものなので、もうこれっきりでいいかなと思ってます。

それよりも、年齢という切り口のイベントは様々な需要があると思っていて。
リアルで同い年でも同じ学校であったり職場であったりと似たような話になりがちですよね。
でもVRChat上なら自分と異なった同年代の視点から色々と話が聞けるので、今後も年齢の話はしてもいいとは思うんですよね。
そういった場のためにこの会場をパブリック化しようかなと思っています。

ゆーてる

自分とは異なる場所にいる人たちだからこそ、相談できることや話せることはあると思うので、この場はとてもいい場だなと思います。
今回はインタビューにお付き合いいただきありがとうございました!

誕生日翌日、改めて自分の人生を見つめ直すきっかけとなりました。