VRアバターに物語を。 ユーステラが描く“キャラクターIPの未来像”、代表ALO氏インタビュー。【寄稿】

ユーステラはひと言で言うなら、「キャラクターコンテンツをつくるスタジオ」です。現在は私一人で経営・運営しており、大規模な会社というわけではありません。
3DアバターやLive2Dモデルといったキャラクター系、バイノーラル音声作品や音声素材集、『CeVIO AI ユニ』のような音声系、そしてLINEスタンプや抱き枕カバーなどのグッズ系。この3つが今のユーステラの大きな柱になっています。

VRChat向けには、フィーちゃんなどの3Dアバターを制作し販売しています。現在までに10体以上のアバターモデルをリリースし、パーティクルや関連アクセサリーなども販売しています。
また、アバターの集会イベントも開催し、ファンコミュニティも公式で運営しています。

ユーステラのアバターには、彼女たちの世界があります。VRChat向けに最初にリリースされたアバターはフィーちゃんですが、彼女にはボイスドラマや小説形式の公式ストーリーなどが存在するのが大きな特徴です。ただビジュアルだけが存在する３Dアバターとは違い、キャラクターとしての背景がありそれに触れて楽しむことができるのです。

ソルシエルシリーズのアバターたち、メロルちゃんやノイちゃん達にも背景設定やストーリーがあります。アバターの外見から興味を持ったユーザー様が彼女たちのバックグラウンドに興味を持ってくれたとき、様々なメディアミックスコンテンツを楽しむことが可能です。

様々なコンテンツがあるので、まずはユーステラのウェブサイトページ、『はじめてのユーステラはこちら！』から触れていただければと思います。『ユーステラ何から見たらいいか診断』というガイド用フローチャートもあるので、そちらも参考にしていただければ。
https://u-stella.co.jp/special/welcome/

メインのストーリーやサブストーリーは、チェックしやすいようにWiki形式でまとめられています。そちらは公式の「ユーステラ Wiki」から見てみてください。
記録の保管庫 ユーステラWiki

また、ユーステラのキャラクターコンテンツは二次創作も盛んです。フィーちゃんの音声合成ソフトを使用した動画作品は、ユーザー主体の投稿イベントが開催されるほど盛り上がっており、コミュニティの盛り上がりは公式も応援したいと思っております。興味を持った方は、ユーステラ 公式Discordサーバーなどもありますのでぜひチェックしてみてくださいね。

今は、全体を統括するU-Stella Group Holdings合同会社のもとに、

• 広告・広報まわりを担う ALSTEiL（アルステイル）
• 将来的に、メンタルケアが必要な方に支援を行う予定のNPO法人 iLiAS（イリアス）
• 音声レーベルや出版的な機能（ソルシエルレコード・アクイ出版）

など、いくつかの箱がぶらさがる形で構成されています。関連会社を設立することで、「小さいけれど立体的なグループ」に変わった、という感じですね。
U-StellaGroupHoldings Inc.

こちらはまだまだ始動段階なのですが、iLiASは元々２年ほど前から体調管理のソフトとして公開されていた名前で、イリアちゃんという吸血鬼のキャラクターがユーザーの体調管理をサポートしていくというコンセプトで開発されました。

私の身近にうつ症状に苦しむ人が居たのですが、彼らの状況として「まず”病院に行く”ということ自体が大変」という現状がありました。そんな人々がイリアちゃんを通すことで少しでも気楽に、ケアを行える環境を作っていくのが今後の目標です。
直近ですと、イリアちゃんを通したうつ病の診断ページを公開し、多くの反響を得ました。

私自身、１０年以上を入院病棟で過ごし、現在も週５で通院している身からしますと、一人での入院や通院は精神的にも重いものがあります。
イリアちゃんやルミアちゃんをより身近に感じていただくことで少しでも明るい人生と未来を築けることを願っています。

私は元々、東方Projectの二次創作同人サークルとして活動していたのですが、生まれつきの疾患で幼少期より入院生活が続きました。病室では、一人の時間が長く孤独なんです。誰か、寄り添ってくれるような存在が欲しかった。
そんな中で、キャラクターIPを作って広げていけば自分が居る限りはコンテンツの継続性が担保されるということに強みを感じ、2017年に「ユーレイちゃん」というキャラクターを生み出しました。

その後にVRChatを知り、VR環境の可能性を感じて３Dアバターモデルという形で関わる形になりました。もちろん、いちユーザーとしてもこの世界を楽しんでいます。

アバターモデルは本当に数が増えてきています。ただリリースするだけでは、数に埋もれてしまいユーザーに発見されることすら難しい。なのでユーステラでは先ほど伝えた「世界観」という強み、様々なメディアミックスからアバターに触れる導線を作っていきたいなと考えています。もちろん、新規ユーザー向けには改変不要で扱えるように広告を強くし、知ってもらおうと努力していきます。

また、AI技術の発展はここ数年でテクノロジーの世界に大きな影響を与えました。そこにキャラクター人格を与えるという形で生まれたのが、12月13日発売予定の新作アバター、ルミアちゃんです。

iLiASの設立と併せて、誰でもVRChatを楽しめるようにデザインされたのがユーステラのアバターの特徴です。手話やスタンプ機能など、ユーステラが販売している音声合成とも合わせて無言勢や音声でのコミュニケーションが難しい方でもVRChatを楽しめるような機能を充実させています。

ユーステラのキャラクターを広く知っていただくために、色々なことをやっていきたいと思っています。直近ではルミアちゃんがリリースされるため、彼女のモデルを使用したフォトコンテストを企画しています。

また、発売日直前の１２日まで開催中のイラストコンテストでは抽選でルミアちゃんアバターをプレゼントしている他、いいねRTだけでルミアちゃんがもらえるかもしれないキャンペーンも実施中です。

アバターの展開はルミアちゃんを最後として当面は予定しております。
ユーステラのファンが現在の100倍になったら、天使がモチーフのSOLCIELシリーズの6〜10体目も視野に入れています。また、フィーちゃんをはじめとするアンドロイドのカリカチュアシリーズに、ユニちゃんのアバターも作ってあげたいですね。

そしてこれはまだまだ構想段階ですが、いつかユーステラの世界観を元にしたゲーム作品を作ってみたいですね。アドベンチャー形式などで、ユーザーがインタラクティブにユーステラの世界観に触れられるような物語を作ってみたいです。

キャラクターを生活の一部に。

ユーステラはただ「自分が切実に欲しかったもの」を作り続けてきた会社です。
「病室で一人でも、傍にいてくれる誰かが欲しかった」
「自分の身体として纏えるアバターが欲しかった」
「一生付き合っていけるキャラクターと世界が欲しかった」
その延長線上に、今のユーステラがあります。

もしあなたの中にも似たような願いがあるのなら、ユーステラのキャラクターたちをあなた自身の物語の登場人物にして欲しい。キャラクターと一緒に、世界を広げていってください。ユーステラは、そういう人のための場所であり続けたいと思っています。