アバター姿でお医者さんに相談ができる『VR医療相談集会』インタビュー

12月に入り、気温もグッと下がってきました。
皆さんお身体の調子はいかがですか?

体調を崩しやすい時期、「いきなり病院に行くのは気が引ける」「お医者さんに聞きたい事があるけど、どう相談していいか分からない」と思われる方は多いのではないでしょうか。

今回は、VR空間でお医者さんが直接お話を聞いてくれるVR医療相談集会にお邪魔して、イベントの様子や活動についてインタビューさせていただきました。

VR医療相談集会とは

――本日はよろしくお願いしたします。先ず、VR医療相談集会とはどんなイベントなのでしょうか?

ohanashiさん

VR医療相談集会とは、VR空間での医療相談、セカンドオピニオン、お医者様の紹介などVR×医療による総合ヘルスケアサービスとなっています。

私たちは現実世界で病院を運営しているんですが「あと2週間早く来てくれればもっと簡単に治せたのに」って例をたくさん経験していて。

もう少し気軽にお医者さんに相談できる空間を設けたいと思って、この集会を企画しました。

doracyanさん

平日なら会社休まなきゃいけなかったり、大きな病院にかかったら折角の休日が半日近く潰れちゃったり、病院にかかるっていうハードルは結構高いんですよね。

――私も、お金と時間の兼ね合いで病院に行くのいつも遅めですね……。「この程度で病院に行っていいのかな?」と悩んでしまう事もあるし、どの病院に行けばいいのか分からない時もあります。

ohanashiさん

そういう方にも是非集会に参加していただきたいです。

この場において、診察して処方箋を出す、といったいわゆる医療行為は法律上出来ないんです。
個人に対して「あなたの状態は肝臓のガンだから~」とか、ここでは言っちゃダメ。

なので、まずはお話を聞いて「その場合は一般的にはこういう検査をする事があります」といった具合に、病院にかかる一歩手前の相談をしてもらえたらなと。

ohanashiさん

VRChat上において、私たちが本当に医者であることの保証や証明って厳密に言えば出来ないじゃないですか。
なので、単純に『知り合いにお話を聞いている』という状態と変わらないようにしています。

doracyanさん

しっかりお話を聞いた上で「この人には介入が必要だな」って場合には、無料ではないですが、自分達のクリニックのオンライン診断に繋いだり、信頼できるお医者さんを紹介することも可能です。

とにかく、気軽にこの集会に来ていただいて色々話を聞いた上で、現実の病院に足を運ぶキッカケになってくれたらいいなと思っています。

集会の様子

――集会はどういった流れで行われるのでしょうか?

doracyanさん

名簿にお名前を登録していただいて、順番に相談に乗る、という形です。
イベント中はYoutubeで配信も行っていて、配信コメントから相談を拾うこともあります。

相談受付名簿
ohanashiさん

もちろん、配信に映るのは遠慮したい方や、個別にお話したい方は個室で相談もできます。

最近はありがたい事に、他の医療従事者の方が来て手伝ってくれることも増えました。答えられる質問の幅が広くなって、多分そこらの病院に比べたら30倍くらいは良い環境だと思っています。

プライベートな相談ができる個室

どんな相談ができるのか?

——コメントでお医者さんに相談できるってスゴイ時代ですね。「答えられる質問の幅が広がった」と仰っていましたが、お2人の専門を具体的にお聞きしたいです。

ohanashiさん

私が泌尿器科の専門医です。腎臓や膀胱、陰茎陰部のお悩みがメインですが、最近は在宅医療のお手伝いもしているので、内科外科の一般的なアドバイスもできる状況ですね。

doracyanさん

私の専門は整形外科。あと、メンタルヘルス系の相談が出来る産業医の資格と、スポーツドクターの資格も持ってます。

ohanashiさん

獣医の資格も持ってます。
ヘビとかはちよっと難しいですが、ペット全般の相談もいけます。

doracyanさん

医療系ではないですが、お互い大学受験の塾講師の経験もあるので、受験勉強のお話も乗れますよ。

ohanashiさん

私たち以外の医療従事者さんだと、介護保険や社会制度のお話が得意な行政のベテラン保険医さん。薬剤師さん。理学療法士の方なんかもほぼ毎回この集会に来てくれます。

最近は小児科や精神科の先生も来てくれて、皆さんのご協力のおかげで本当に広い範囲をカバーできていると思います。

——泌尿器科や精神科は、足を運ぶのに特にハードルの高い科なんじゃないかと思っています。この集会で相談した後なら、現実の病院に行く不安も薄れそうです。

doracyanさん

最近は配信にも力を入れています。

SNSによって見てくれる層って全然違うんですよ。
夜の時間だと、TikTokから見てくれる人が多いですね。

若い方で、ご家族の相談をされる方もいらっしゃいます。
お母さんのことで質問したい、今となりにお母さんいます。みたいな。

ohanashiさん

5年間外に出てないって方が相談に来られた時に「電話やzoomは怖くて出来ないけど、アバター姿なら対話できると仰っていて、改めてVRってすごいツールなんだなって実感しています。

doracyanさん

障がい者の方からのご相談もあります。
知らず知らずのうちに見た目とか気にしちゃう方もいらっしゃいますが、VR空間なら関係ないですから。

——『相談のしやすい空気感』って現実の病院でも苦労している点ですよね。アバター姿ならお互いに緊張せずフラットな気持ちで相談できそうです。

ohanashiさん

病院っていう箱の中だと、優劣関係というか、ゲストさんは圧倒的不利な状態じゃないですか。ですが、このアバター姿なら相談のしにくさも緩和できると思いますね。
なにより、カワイイから使っているというのもありますが。

おふたりについて

——配信を行ったり、週2で集会を開いたりと、とても勢力的に活動されていますが、どういった経緯でこの集会は企画されたんですか?

ohanashiさん

元から現実の友人同士なんですけど、一緒に食事している時に「こういう集会開いてみるか~」って。
やるからには続けたいなと思っていたので、私は習慣的にジョギングをしているんですが、doracyanをジョギングに誘って継続性があるか試したんですよ。

doracyanさん

あれってそういう意図だったの?(笑)

ohanashiさん

しっかり毎回来てくれたので「これならいけるな」と。

もちろん、彼の性格や能力が好きで誘っているのもありますが、パートナーを選ぶとなったらそういう適正も見なきゃいけないです。

――集会を始めてどれくらいになりますか?

ohanashiさん

ちょうど半年くらいですね。

それなりに回数を重ねたイベントなので、最近は病院受診後の報告をしてくれる人も増えました。
「体調良くなりました」とか、「今はこういう治療をしてます」とか。

doracyanさん

続けているやりがい、みたいなのは感じてるよね。

ohanashiさん

doracyanがこのワールドやポスターを作ってくれたんですよ。
ドクターでVRに興味があっても、こういうところまで出来る人ってなかなかいないと思う。

今後について

——今後、ますますこういった新しい形で医療サービスが提供されていくと思います。これからのVR医療相談集会の展望をお伺いしたいです。

ohanashiさん

いま、我々二人で会社をつくってやっているんですよ。
将来的には、もっと色んな科の先生をお呼びして、24時間とまではいかなくても全日対応できるようなサービスになるよう目指しています。

doracyanさん

サービスとして、今以上に組織的なものにしたいですね。

ohanashiさん 

もっとこの集会の認知が広がれば、VR空間にいる医療関係者さんたちが色んな宣伝や知見を配信やワールドでお話してくれるんじゃないかな。

『医療系YouTuber事務所』みたいになったら楽しいし、面白いですね。

――貴重なお話ありがとうございました!

集会概要

VR医療相談集会
開催日時:毎週水・木曜日 22:00 ~ 23:30
参加方法:doracyanohanashiにフレンド申請後join

■公式Twitter:VR healthcare
■公式Youtube:VRhealthcare
■公式TikTok:vrhealthcare

投稿者プロフィール

dateyakiya
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バーチャル世界でなにもしないをしています。