VRChatには二次創作的な文脈でアバターを用いてコスプレをしたり原作を再現する文化があり、時々お互いのコスプレ改変やフルスクラッチアバターを披露する集会が開かれたりすることもあります。
その集会は二次創作のコスプレ全般だったり、作品ごとに分かれて開催されることもあります。
今回はそうした集会うちの一つ、「ロックマンエグゼ」シリーズのファンがアバターを改変して集まる「VRCネットナビ集会」があるとお聞きしたので、ぼくもいちファンとして参加してきました!
今回はこちらの様子をお伝えします!
※本記事は「ロックマンエグゼ」シリーズ作品内のニッチな用語が大量に含まれます。ご了承下さい。
目次
「ロックマンエグゼ」シリーズとは?
ゲームボーイアドバンス発売に合わせ登場した、ロックマンシリーズ派生作品のひとつ。
まだ当時の子供たちにとって未知の世界であるインターネットや電子機器を冒険・探検できるダンジョンに見立てた電脳世界、そこで人間に代わって活動するネットナビとその使い手であるオペレーターたちの出会いや成長を描く。
一方で各ステージのボスがネットワーク内で悪さをすることによっておこる事件を通して、便利ではあるが多くの作業をネットワークや電子機器に頼り切ることの危うさも暗に示されている。
これまでのロックマンと違う形で時代を先どったような新しい未来的世界観と登場するキャラクターのリアルな心情描写、そしてゲームシステムやストーリーの高い完成度とバトルにおけるカスタマイズの自由度から2000年代のロックマンシリーズ人気を牽引し、アニメ化や漫画化、携帯アプリ化など他媒体で展開された作品。
参照:ピクシブ百科事典
イベント会場「VRCスクエア」
「ネットナビ集会」の会場は「VRCスクエア」というワールドです。
この「〇〇スクエア」という表現は、「ロックマンエグゼ」の劇中に登場するネットナビたちの憩いの場の呼称としてよく使用されており、よくわかってるワールドです!
このワールドは主催のうえきマンさんによるほぼ完全自作です。
※楽曲は魔王魂より使用
ちなみに、ワールドで最初に設計されたのがこのスポーン地だったそうです。
第4回になる今回は、ちょうど「ロックマンエグゼ」1~6までがNintendo Switchに移植された作品
「ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション」の発売を記念して開催されていたとのこと。
丁寧な解説付きのフォトスポット
「VRCスクエア」には「ロックマンエグゼ」ファンが喜ぶフォトスポットが用意されており、
初めてこの作品に触れる人でも置いてかれないように解説も添えられています。
縦横無尽に駆け巡った「あの18マス」
「ロックマンエグゼ」シリーズの戦場としておなじみの赤・青サイドに分かれた18マスの空間です。
ここでネットバトルのシーン再現どころか、なんと「アバターバトルシステム」を組み込むと臨場感のあるバトルが実現できちゃうかも!?
この日のために作ってきたんだ!こだわり改変の数々!
作品愛の強いユーザーが集まっていることもあって改変の個性もバリエーション豊か!
各々の好みのネットナビの姿にコスプレした改変をたくさん見ることが出来ました。
中にはアバターにギミックまで仕込んでいるユーザーや、
それ、オジゾウサンの裏からめっちゃ撃ってきたやつじゃん!
他のユーザーのギミックを操作するギミックを用意してきたユーザーも!
バトルチップ、ロングソード、スロット・イン!
バトルチップシステム実装しちゃったよ……。
ネットナビ以外にもなんか色々いたぞ!?
開催回数を重ねていくに伴って参加者の多様性も増していくようです。
会場にはネットナビのみならずウィルスもたくさん発生してました。
スイコミで引き寄せられてスウォードラに斬りかかられたりとか。
この組み合わせで出てきて苦戦した思い出が蘇りますね……。懐かしいなぁ……。
ほかにも……
どうもミステリーデータです。何色がいいですか?
ミステリーデータまでいるの!?
この後も
各タイトルのラスボスが結集した地獄絵図が生まれたり、
フォトスポット化する「マグネットマン」の「NSタックル」など、
皆さんで持ち寄ったアバターでわちゃわちゃ遊びながら楽しいひと時を過ごしました。
「VRCネットナビ集会」主催にインタビュー!
実は前々からこのイベントを取材したいって思ってたんですよ。
ありがとうございます!
ぼくはこれまでに販売されたゲームや放映されたアニメに「ソーシャルVR原体験」のようなものがあると思っていて、どっかしらそういったコンテンツに感化された人がこの世界に来ている、と仮説を立てています。
「ソーシャルVR原体験」として位置づけられそうなのが、このロックマンエグゼやサマーウォーズであったり、SAOあたりの作品かなと。
「インターネット上でリアルの自分と異なった姿の分身体で交流する」という概念は世間一般的には抵抗のある類のものだと認識しているのですが、VRChatでそれが前提として成り立っているのは、おそらくそういった素地がユーザーのどこかしらにあることも理由の一つじゃないかなと思っているんです。
それもあると思いますね。やっぱりそういった原体験になりそうなコンテンツのアニメやマンガが流行っていた世代からすると、「一つの憧れ」ですよね。このVRChatみたいな空間って。
VRChatを始めた時に「電脳世界がマジで来たんじゃないかコレ!?」って感じたんですよ。
そういった方はこのイベント含む私の観測範囲上でも多く見かけますね。
とはいえ、かつてロックマンエグゼで遊んでいてネットナビを操る夢を見ていた僕たちが、まさか今ネットナビみたいな存在になっているとは思ってもみませんでしたね。
wwwwwwwww
オペレータじゃなくってナビの方にねw
PETみたいなものが出てくる前からフルシンクロしちゃったみたいなww
今回で開催は四回目とのことですが、いつから主催されていたんですか?
だいぶ前、2年半くらい前だったような気がしますね。
VRChatで遊んでいるうち、ふと「VRChatがあるおかげで今の私たちってあの頃夢見ていたネットナビの世界にいよいよ近づいてきたよな」って思った時に「VRCでネットナビ集会とかあったらいいよね」とTwitterでつぶやいたんですよね。
そこにたくさんの反応をいただいて、うおおすげぇ誰かやってくれないかなって思ったんですが、
やっぱりここは言い出しっぺがやるのが筋だなと思い、「やります!!!」と開催を宣言しました。
このイベント、ほんとに夢や楽しさでいっぱいですよね…!
やっぱりちょうど世代がいい感じだったんでしょうね。
子どものころ、こうした世界観にめっちゃ憧れていた人たちが大人になった時に、偶然にもVRChatという空間が生まれて、それに伴って技術力も付けていったことで
何というか、大人になって身に着けたもののおかげで、子どもの頃見てた夢に手が届いたんだなって。
テレビアニメ「ロックマンエグゼ Stream」OPの歌詞に”Answer must be somewhere” とありましたが、電脳世界への夢を抱き続けた「あの頃の子どもたち」にとって一つの「答えの姿」がこのバーチャルの世界にいることで、ぼくたちは大人になってもまだまだ夢を見続けていいし、いつか叶えることだって出来るんだなって改めて思いました…!
今回はインタビューにお付き合いいただきありがとうございました!
「創造し、それをシェアして、みんなで遊ぶこと」で
やりたいことがだいたい出来るこの素敵なバーチャルの世界では
今日もどこかの誰かが「あの頃の夢」を叶えているのかもしれませんね。
ボクセル使ってオリジナルナビ作ってきたんですよ。
ソードとか、ガンデルソルとかも出せますよ。