総チャンネル登録者数8600万人、月間ユニークユーザー2000万人以上のVTuber事務所『ホロライブ』を支えるカバー株式会社のIP戦略とは!?勉強会にお邪魔しました!

SNSや動画サイト、VRSNSといった様々な場面で目にする機会が増えてきたVTuber。大手VTuber事務所の一つであるホロライブ、そして運営会社であるカバー株式会社では、どのような戦略がとられているのでしょうか?カバー株式会社主催の「VTuber市場に関する勉強会」にご招待いただきました!

IPビジネスが収益のメイン!カバーのビジネス構造の変化

スーパーチャットの売上がメインだったのも今は昔、現在のカバーはIPを使った収益の比率が多くなっています。

VTuberのビジネスはテクノロジーの進化と共に発展してきました。
例えば、ホロライブ最初の所属アイドルである、ときのそらのデビュー当時の配信を見比べると分かりやすいでしょう。

現在では3Dモデルのクオリティや背景といった視覚的な部分や、音質なども格段に進歩しています。演出面もパワーアップしており、様々なアングルから映すこともできます。

ファンとの共創も!

ホロライブにおける強みとしてファンとの共創が挙げられます。

これまでのIPビジネスは、PGC(Professional Generated Content)として、一次創作をファンが消費する形が一般的でした。ホロライブでは配信やライブなどのPGCに加え、切り抜き動画や自作ゲームなどのUGC(User Generated Content)も多く見られます。

二次創作ガイドラインを作成しており、切り抜き動画や二次創作ゲーム向けのゲームブランド「holo Indie」では収益化が可能になっているのが特徴です。様々な人がコンテンツを作っていく事で、全体としてのコンテンツ量が多くなり、多くの人にコンテンツを届けることが可能になっていきます。

こういった取り組みの具体例として、宝鐘マリンの「美少女無罪♡パイレーツ」では、YouTube再生回数3390万回再生となっているが、TikTokでは楽曲使用動画が6万本、使用動画の総再生数は3億回にも上ります。

AITuberとの関わりは?ファンがつくVTuberって?質疑応答も沢山!

Q.生成系AIを用いたいわゆる「AITuber」も多く登場しています。カバーでは将来的にAITuberを登場させるビジョンはあるか

前提として、すでに配信での利用は行っている。そのうえで可能性はないと考えている。

AITuberとVTuberではビジネスモデルが異なる。AITuberでは技術的な面白さや、コンテンツ自体の面白さにお金を払う人が多く、どちらかというとボーカロイドのコンテンツにお金を払うようなニュアンスと近い。一方でVTuberビジネスの本質は、「その人を応援する」という部分にある。応援するところから発展してサブスクリプションの登録やライブに足を運ぶため、方向性が異なる。

Q. 皆に広く受け入れられるVTuberはどういうものか?というのを言語化で来ているか。

「広く受け入れられるVTuber」が正解なのかという話がある。今までのVTuberで需要が満たせていないから、新しくデビューしたVTuberが人気になる場合もある。
例えば、儒烏風亭らでんは美術に造詣が深く、配信でもよく言及している。彼女がデビューする前にはそういったタイプのVTuberは存在していなかった。新しいコミュニティを取り込むことで、ファンを増やしていける事もある。


カバーでは、ホロライブ全体や、ユニット単位でどれだけ受け入れられるのかを考えている。タレント個人を見てみると、配信頻度が高いため、好きなことじゃないと続かない部分がある。そこで新しい需要を喚起できないとファンもつかないため、今までになかった需要を満たすのが重要なのではないかという考えを持っている。

まとめ・関連記事

質疑応答も盛り上がる中、勉強会は終了!
既存のIPビジネスの枠を超えて、VRChatの連携など新しい動きも見せているホロライブは今後も注目です!