
皆さんは「紫電改」という戦闘機をご存じでしょうか。太平洋戦争末期に実戦投入された機体で、現存数は世界でわずか4機。国内では、愛媛県愛南町にある「紫電改展示館」でしか見ることができません。
そんな希少な展示館をVRChat上に再現した「バーチャル紫電改展示館」が、2026年2月1日に公開されました。なんと愛媛県公認のもと制作されたワールドで、現地さながらの威厳を放つ紫電改をじっくりと眺めることができます。
さらには、紫電改に乗って遊覧飛行ができるというバーチャルならではのギミックも!本記事では、実際にワールドを訪れた体験レポートをお届けします。
目次
バーチャル紫電改展示館 制作の背景
実際の展示館で翼を休める紫電改は、1978年に愛媛県愛南町の久良湾で発見されたもの。翌年に海底から引き上げられ、1980年より展示が始まっています。以降40年超にわたり、多くの方々に親しまれてきました。
一方、建物自体の老朽化の影響もあり、2026年には展示館の建て替えが計画されている状況。現在の展示館で、今の状態の紫電改を見られるのもあとわずかです。
また昨年(2025年)は、戦後80年の節目の年でした。戦争を直接知らない世代への記憶継承も、社会的な課題になってきています。
- 長年親しまれてきた紫電改展示館を、建替前の状態で記録し、次世代へ残したい
- 日本の空を守るために戦った「紫電改」という戦闘機がいたことを知ってほしい
- 戦争を二度と繰り返さないため、今と未来について考えるきっかけにしてほしい
歴史的背景を踏まえた上記のような想いから、今回の「バーチャル紫電改展示館」は誕生しました。
ワールド入場。空間そのものを忠実に再現した設計!
ワールドは大きく分けて、入場して右手に展示館、左手に広場という構成です。「実際の展示館を参考にした空間設計」になっているとのことで、実物が気になってついGoogleマップで旅をしてしまいました。
実際の紫電改展示館がこちら。
続いて、VRChat上にオープンしたバーチャル紫電改展示館の様子です。

展示館周辺の「空気感」まで感じることができる、その再現度に驚きます。
現地に行ったことのある方はもちろん、本施設をご存じなかった方や、いつか訪れたいと思っていた方も、きっと楽しめることでしょう。
館内|迫力ある紫電改がお出迎え。漫画家とのコラボ展示も
展示館内に入ると、早速紫電改とご対面。それと同時に、漫画のようなものがあちこちに見受けられます。

実は本ワールドでは、現在公開記念の第一弾企画を実施中。紫電改を題材とした戦記漫画を手掛ける漫画家「須本壮一」先生とのコラボレーション展示が行われています!
「紫電改343」をはじめとする、先生の漫画作品を間近で見られるチャンス。

紫電改の展示をゆっくり楽しみたい場合には、中央にある赤いボタンを押すことで、漫画を整頓することもできます(挙動はローカル)。

整頓すると、このように漫画を一覧可能に。ローカル挙動なので他ユーザーに影響もなく安心です。


紫電改本体は、スケール感も相まって圧巻の迫力!機体上部の電灯のみを灯す等、実際の展示館を倣った工夫も凝らされていて、確かな存在感を感じます。

実際の展示館は紫電改周辺に柵が設けられており、近づける距離には限りがあります。至近距離で眺めたり、翼に乗ったりすることすらできるのは、VRならではの大きな魅力です。
展示館は吹き抜けの2階建て構造で、紫電改を上から眺めることも可能。ワールド内はカメラ利用OKなので、いろいろなアングルから写真撮影も楽しめます。

なお、実は大変光栄なことに、本モデル(機体)の制作は筆者が担当させていただきました。可能な限り実機をそのまま再現すべく、特に以下3点に力を入れています。
- 実機写真を編集・加工し、実物のへこみや傷み具合を再現したテクスチャ
- 機体の割れ・ひび等、資料が不足していた箇所の手描きによる描き込み
- 速度に定評のあった紫電改の心臓部「誉エンジン」の作り込み

すでに訪れた方からは「フォトグラメトリみたい」との大変ありがたいお声もいただいています。未熟な点もございますが、ぜひ細部まで楽しんでいただけますと幸いです!
思いを込めて鶴を供えよう
紫電改の前には、実際の展示館にも設置されているという「折り鶴コーナー」が用意されていました。

折り鶴は「平和への願い」「未来へ残したい記憶」の象徴とされています。置いてある折り紙には、実際に鶴を折れるギミックも。

折り鶴の折り方はとっても簡単。左クリック/トリガーを2回押すだけの2STEPです。
まずは一回目のクリックで、お好きな折り紙を手に取って……

もう一度クリック!すると、自動的にパタパタと折りたたまれていき、綺麗な折り鶴が出来上がります。

実際に鶴を折れないという方でも心配はいりません。

上手く折れたら、隣にあるコーナーから折り鶴をお供えしましょう。折り鶴を持った状態で近づけば、パーティクルが現れると同時に折り鶴が天へと昇っていきます。

一人でも、フレンドさんとでも、みんなで恒久平和を願いましょう。

広場|紫電改に乗って遊覧飛行!愛南町の景色を上空から楽しめる
本ワールドのもう一つの見どころは、紫電改に乗って遊覧飛行ができること!展示館を出てまっすぐ進んだ先にある広場の最奥部に、搭乗用の紫電改が待機しています。

そばには乗り方の説明も。難しい操作は一切なく、搭乗さえすれば後は自動操縦で誰でも空の旅を楽しめます。

大変恐縮ながら、VR酔いしやすい筆者はデスクトップでの搭乗……!紫電改は速度が優秀な機体だったこともあって、本機もそれなりの速度で飛行・旋回します。

最初は少し怖かったものの、上空から見る愛南町は景色が良くとても素敵。機内アナウンスも用意されており、約3分間の飛行を存分に楽しむことができました。

飛行中、万が一気分が悪くなってしまった場合でも、移動キーを入力することで強制的に降りることができます。その際も、搭乗地点にリスポーンされる親切設計。空中に放り出されることはありません。
デスクトップでもとても素敵な景色でしたので、次はぜひVRでも楽しんでみたいと思っています……!

愛媛県・愛南町の魅力を発見!観光情報も充実
広場には、愛媛県や愛南町の魅力をまとめた案内看板がずらっと並んでいます。こちらを見ることで、地域の名産物や観光スポット等を知ることができるのも、本ワールドの特色です。

観光と言えば、やっぱり食べ物は気になりますよね。愛媛は柑橘系がとても有名ですが、そのほかにも水産物やB級グルメ等、たくさんのおいしいものがあるようです。じゃこ天、食べてみたい……!

私の住んでいる地域から愛媛県はかなり遠く、これまでは縁の薄い場所だと思っていました。
ですが今回、本ワールドの制作にかかわったり、再現された施設や観光情報を見たり、Googleマップで検索してみたり……としているうちに、もう第二の故郷と言えるくらいに親近感が湧いています。
「愛媛県/愛南町に行ってみたい!」と思わせてくれる魅力が、本ワールドにはあると感じています。

VRだからこそ残せる「記憶」と「体験」。歴史を未来へつなぐ架け橋となるワールド

愛媛県公認で制作が進められたということもあり、空間の再現度が高いのはもちろん、地域の魅力がぎっしり詰まった、非常に温かみのあるワールドだと感じました。
それに加え、本来は柵が設置されていて近づけない紫電改を間近で見ることができたり、紫電改での遊覧飛行ギミックまで用意されていたりと、VRChatならではの楽しさもたっぷりです。
「紫電改」という忘れてはいけない大切な記憶に触れつつ、愛媛県・愛南町の魅力も存分に感じることができる「バーチャル紫電改展示館」。今後さらなる企画展示も予定しているとのことですので、ぜひ皆さんも足を運んでみてください!

グループ情報:紫電改の機窓から
本ワールドには、展示解説や企画・イベント告知を目的とした専用グループが用意されています。
今後開催されるイベント情報等をいち早くご確認いただくことができますので、ぜひお気軽に参加してみてください!
- グループ名:紫電改の機窓から
- グループID:343.2096
- URL:https://vrc.group/343.2096
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