11/22~26までの間、株式会社バーチャルパーティー主催のVRTRPGとボードゲームの体験型即売会である『バーチャルダイスパーティー with 冒険企画局』がVRChat内で開催されました。
目次
『バーチャルダイスパーティ』とは?
『バーチャルダイスパーティwith 冒険企画局』(以降の記事では『バーチャルダイスパーティ』と表記)はVRTRPG(VR空間で行うTRPG[テーブルトークロールプレイングゲーム])のためのシステム「CatsUdon(カツドン)」の開発などを行っている「バーチャルパーティー」社が主催したVRChat上での即売会です。
本イベントはVRChat社の協力を得た「VRChatパートナーイベント」として開催されており、メニュー画面にも特設の項目が設けられていたので目にした方も多いのではないでしょうか。
会場の様子
とはいえ、アナログゲーム(※本記事内において、TRPGやボードゲームといった『プレーヤーと対面で遊ぶことを前提として作られたゲーム』を『アナログゲーム』と総称しています)の世間一般での認知度はそれほど高いとは言えず、それのVR向けの即売会といってもそこまで大規模なものにはならない……
と正直甘く見てました。実際に会場に足を運んでみるまでは。
ここからは実際の会場の様子と展示ブースについて説明していきます!
イベントホール
エントランスホールから進んだところにある『イベントホール』の左側には各種イベントの会場となった芝生エリアがありました。
その向かい側(エントランスから見て右側)には、1987年に創立し『シノビガミ』や『迷宮キングダム』といったTRPGゲームシステムの開発などを手掛けている冒険企画局と、TRPGなどのアナログゲームの開発・販売をはじめ、小売やホビー商材やWebメディアなども手掛けるホビージャパンの両社のブースが設置されていました。
企業ブース
企業ブースの出展は7件。CatUdonや(アナログゲームの通販サイトを運営している)コノスといった企業の他、スマートフォン(現在iOSのみ対応)のカメラを用いて全身トラッキングを可能とする『TDPT』の展示を行っていた株式会社デジタルスタンダードや、3DCGアバターの作成アプリである『MakeAvater(メイクアバター)』の展示を行っていた株式会社Gugenkaといった、一見VRアナログゲームとは関係の薄そうな分野からの出展もありました。
会場を案内してくださった『バーチャルダイスパーティ』プロデューサーの『アディン・ヨハネ』さんの説明によれば、
・TDPT(などの全身トラッキング器具)→TRPGにおいて全身を用いた意思伝達や感情表現を重要視している人は多く、VRでも全身を用いた表現が出来るトラッキング器具には需要がある
・MakeAvater→カスタマイズされた3DCGアバターをUnityを用いることなくVRChatにアップロードすることが出来るため、VRChatを新しく始めるアナログゲームユーザーにとって使いやすい
といった形でVRアナログゲームとの関連がある、とのことでした。
一般ブース
最後に紹介するのは一般ブースエリアです。
TRPGのシナリオを紹介・販売しているものやVR上でアナログゲームを遊んでいるサークルの紹介、(VRワールド化されたものを含む)ボードゲームの紹介・案内といった様々な種類のブースが4層のエリア内に設置されており、ブースの総数は49に及びました(筆者調べ)
体験会の様子
『バーチャルダイスパーティ』のイベント期間中にはVRTRPGやボードゲームの体験会が行われました。その一部を紹介します。
VRTRPG体験会
体験会では『シノビガミ』『フィフスエディションRPG』『新クトゥルフ神話TRPG』の3種類のTRPGシステムにそれぞれ書下ろしのシナリオが用意され、『CatUdon』システムを用いたVRChatワールド内でのセッションが(各システムにつき4卓づつ)行われました。
中央にいる黒いスーツの人物がこのセッションのGM(ゲームマスター、進行役)の黒葉クローバーさんです。
筆者はその中の一つ、『新クトゥルフ神話TRPG』のシナリオ『その身に写る恐怖の影』(シナリオ作成:倉樫澄人さん)に参加してきました。
セッションの舞台は全て『CatUdon』システムにより構築されたものであり、上の二枚の写真もGMとプレイヤー(頭の上に名前やステータスが表示されている人物)以外の壁や天井、家具や人物といった要素全てが(ゲームの『マインクラフト』のように)システム内臓のパーツを組み合わせて作られたもの、とのことでした。
筆者がTRPGをプレイしたのはこれが2回目で、VRTRPGに至っては初体験だったのですが『プレイヤーが(コンピューターのRPGゲーム以上に)自由に世界を探索し、GMと共に一つのプレイを作り上げる』という所にTRPGの面白みを感じましたし、VRによって構築された世界を探索することでよりTRPGの世界に没頭して楽しむことが出来たように感じました。
VRボードゲーム体験会
『バーチャルダイスパーティ』では11団体、13種のVRボードゲームの体験会が行われました。
筆者はその中の一つ、空創Labさん開発の『BIRTH or BURST』の体験会に参加してきました。
このゲームをざっくり説明すると『各プレイヤーがそれぞれ持っている+7~-7のカードを相談なしで同時に出し合い、その合計値(の累計)が一定値以内(写真のケースでは+10~-10の間)に収まるよう調節し続ける』ものとなっています(より具体的なルールについてはこちらの公式ページを参考にしてください)
単にVRChatのワールド内にカードをオブジェクトとして配置してもゲームとして遊ぶことは難しいのですが、バーチャルパーティー社作成のギミックにより複数のカードの持ち運びやテーブル上へのカード配置が快適に行えるようになっていました。
体験会ではイベントスタッフや(原作)ゲームの開発者さんが参加者にゲームの説明や解説を行っていましたが、バーチャルパーティー社がVRゲーム化したアナログゲームワールドに関しては壁面に説明書(一部は説明動画)が掲示されており、初めて遊ぶ人でも安心してプレイすることが可能となっています。
これらのバーチャルパーティー社制作のVRアナログゲームワールド(リンク先からゲームワールドを含むバーチャルパーティー社制作のワールド一覧を見ることが出来ます)は11月末までの期間限定ワールドとして公開されており、期間内は自由に遊ぶことが可能となっています!
「期間限定公開って、それ以降はどうなるの?ワールドが閉鎖されちゃうの?」と思った読者の皆さん、ご安心ください。12月以降はバーチャルパーティー社が開設するECサイト『VazaR(バザール)』で各VRゲームのアクセストークンが販売される予定となっています!
VazaR(バザール)が12月上旬公開予定!
『バーチャルダイスパーティー』期間中の11/24に、株式会社バーチャルパーティーから新しいECサイト『VazaR』の発表が行われました。
VazaR(バザール)について – バーチャルパーティー (virtualparty.jp)
ここからは、新しい形のECサイトである『VazaR』について、『バーチャルダイスパーティ』のプロデューサーでありバーチャルパーティ社の代表取締役兼CEOでもある『アディン・ヨハネ』さんから直接お聞きした情報も交えて紹介していきます!
VRChatと直接紐づけされたアクセストークンが販売予定!
『VazaR』ではVazaRのアカウントとVRChatのアカウントを直接紐づけすることが出来るようになっており、パスワードやユーザー名登録などを行うことなくVRChat内で購入者特典を楽しむことが可能となっています。
『購入者特典』の内容は出店者のプランによって異なります。
プラン1.バーチャルパーティ社がVRゲームワールドの作成を代行する場合
先に紹介した『BIRTH or BURST』のような、バーチャルパーティ社が作成を代行するVRゲームワールドの場合『当該ゲームワールド内に入場すること自体は可能だが、実際にプレイするにはアクセストークンを持ったユーザーが1人以上必要』な仕組みになる、とのことです。また、途中でアクセストークンを持ったプレイヤーがワールドから居なくなった場合は一定時間後にワールド自体が閉鎖される仕組みになる模様です。
プラン2.出店者がアクセストークンの発行のみを希望した場合
プラン1以外に『出店者が自分でVRゲームワールドを制作・運営し、VazaRからアクセストークンのみを発行してもらう』というプランも存在しており、このプランの場合上記プラン1の内容に限定されない、より柔軟な内容の購入者特典が導入可能になる、とのことです(例えば『基本的に無料でプレイできるが、購入者限定で特典コンテンツが使用可能になる』など)
クラウドファンディングも設置予定!
また、VRプロジェクト専用のクラウドファンディングサイト『VazaR Rocket(バザール ロケット)』が制作中であることも発表されました。
こちらについての詳細はまだ明らかになっていませんが、去る10月にワールドが公開され人気を博したVRカードゲームワールド『VRガンナガン』(リンク先は当該ワールドの固定ページ)がバージョン2.0制作に向けたクラウドファンディングをこのサイトで行う事がすでに発表されています!
『ガンナガン』の拡張パックである『ガンナガン OVERHEAT』のVR化を目指すとのことです。
まとめ
今、VRアナログゲーム界がアツい。そう思わずに居られない内容でした。
新型コロナの影響でアナログゲームを取り巻く環境が大きく変化した現在、『離れた場所に住んでいる人同士でも、アイコンタクトや身振り手振りといったコミュニケーションが取れる』VRというメディアはアナログゲームと相性が良く、今後発展していく可能性のあるジャンルであると感じます。
また今回、外部サイトを介さずにVRChat内で有料コンテンツを遊ぶことが出来る『VavaR』というECサイトが誕生することでVRアナログゲームというジャンルがさらに活性化する可能性が出てきたように思えます。今後もVRアナログゲーム界から目が離せません。
『バーチャルダイスパーティー』会場ワールドの紹介
イベントは終了しましたが、会場となったワールドは約1年程度を目途に公開を続ける予定とのことです。記事を読んで興味を持った方は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
※Quest版会場の内容はPC版会場とほぼ同じですが、ワールド容量の都合で3つのエリア毎にワールドが分かれています。
上記「ステージエリア(エントランスも含む)」以外のエリアへのリンクは以下の通りです(ワールド内のポータルを経由して各エリアを行き来することも可能です!)
・企業ブースエリア
・一般ブースエリア
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