ホームワールド、集会場、イベント会場など、VRChat内の様々な場所に掲載されている壁新聞。ふと目に入ったポスターや壁新聞をきっかけに話題を膨らませた経験をした方は多いでしょう。
これまで多くのVRChatユーザーに話題を提供してきたとある壁新聞が、ひっそりと幕を下ろしたことをご存じでしょうか。
5年半運営されてきた壁新聞『週刊フレンドプラス』更新終了
もふもふクラゲさんが運営する壁新聞『週刊フレンドプラス』が2024年10月15日版を最後に更新終了しました。
『週刊フレンドプラス』は、2019年3月に創刊。VRChat内でユーザー間の話題を提供することを目的に運営され、これまで約5年半の間更新されてきた壁新聞です。
アセットはBOOTHにて無料配布されており、ワールド作者がUnityでワールドに設置すれば毎週自動で新しい話題をVRChat内に届けてくれていました。
1ページに様々な話題が詰め込まれていて、一目で内容を把握することができたので、初心者からベテランユーザーまで話題作りや情報収集に活用されてきた方も多いのではないでしょうか?
筆者にとっては、VRChatで初めて参加したイベントのワールドに掲示されていて、よく目にしていたことから印象深い壁新聞です。
『週刊フレンドプラス』はバチャマガの壁新聞と並んで掲示されているワールドも多く、バチャマガ読者の方なら見覚えのある方もいると思います。
5年半運営してきた、もふもふクラゲさんにインタビュー
そんな週刊フレンドプラスを運営してきたもふもふクラゲさんに、創刊のきっかけやこれまでの思い出などを伺いました。
――週刊フレンドプラスを創刊したきっかけは何ですか?
――更新を継続するために意識していたこと、継続の秘訣はありますか?
更新を続けるほど過去の自分に苦しめられる結果になると思ったので、志を高く持ちすぎないことを意識しました。 その結果、一人でやっていたわりには長い間続けられたと思います。
――記事のネタ集めはどのようにして行っていましたか?
VRChatの日本のコミュニティはツイッター(現:X)で発信することが多かったので、そこで毎日流れてくる情報をブックマークして溜めてました。
それでもよくネタ切れで困ってVRChat上で友人に最近の面白い話題を尋ねることがよくありました。
――更新を続けられてきた中での感想や印象に残った出来事があれば教えてください。
紹介する話題があるタイミングとそうでないタイミングの振り幅がきつかったです。どれを紹介するか悩むときがあれば、紹介するにはタイミングを逸したようなものしかないときもあるという感じでした。
印象的な出来事は個人的なことなんですが、週刊フレンドプラス1年目のちょうど5年前の今ごろ、当時仲良く付き合っていた人が病気で倒れてそれきり会えなくなってしまいました。以来、その人に対する想いを込めて活動を続けてきました。願掛けみたいなものですね。
――このタイミングで更新終了を決めたきっかけはありますか?
結婚して、子供ができて生活サイクルが大きく変わったことが大きいです。
VRChatはイベント参加などにまとまった時間が必要なことが多いですが、育児でまとまった時間が取れなくなりました。VRChatへのイン率が下がるにつれて情報収集のアンテナが下がってしまい更新がどんどん難しくなりました。
ありがたいことにそれでも掲載依頼してくださる方がたくさんいらっしゃったのでそれを頼りに続けていましたが、どこかで区切りをつけたいという思いがあり、掲載依頼が大きく途切れたタイミングを契機とすることにしました。
――最後に、これまで週刊フレンドプラスを読んできた方や掲載依頼された方に一言お願いします。
自分はVRChatが好きです。VRSNSという新しい領域で、楽しいことを探して毎日試行錯誤しているみんなは凄く純粋できれいな存在に感じます。 週刊フレンドプラスがそういった活動に少しでも力になれていたとしたら幸いです。これからも応援しています。
「志を高く持ちすぎないこと」を意識されていたとのことですが、それなりに高い気持ちが無いと長期にわたって更新を継続するのは難しかったのではないでしょうか。もふもふクラゲさん、これまで本当にお疲れさまでした。
当時外部取得型の掲示物として、すでにVRChatイベントカレンダーさんが運営されていたんですが、「どうやら基本的な仕組みは簡単らしい、じゃあ学級新聞的なの作れるんじゃない?」という実験みたいな軽い気持ちで始めてみたというのが実際のところです。
ワールド運営してる友人いわく、ホームワールドを集会場的に運営している人にとってコンテンツを定期的に提供できるものは需要があるということでしたし、宣伝ポスターも載せることで宣伝対象を応援している人も巻き込んで広められるのではという勝算もありました。結果上手くいって、どんどん広まっていったのでここまで続けられました。