『VRoid Studio v2.0.0』XWear・着せ替え機能正式リリース。『VRChat』『VRoid Studio』『VRM』それぞれの対応アバターや衣装を相互に対応可能。着せたかったあの服を自分で調整できるかも!【速報】

『VRoid Project』は本日2024年11月28日、『VRChat』『VRM』を含めた相互の着せ替え機能を新たに実装した『VRoid Studio v2.0.0』をリリースしました。

リリース記事:
https://vroid.com/news/26gn98sTuPJQ53LxDQRyFg

“XWear/XAvatar”形式への双方向変換機能で垣根を超える

エクスポート対象にそのままアバターPrefabを指定してエクスポートするだけで
衣装ごとまとめてXAvatar形式へ変換できる 手順は非常にシンプルだ

これまで、『VRChat』向けのアバターで着せ替えをさせるためには、そのアバターに対応して制作された衣装を購入し、Unity上で“入れ替える”形で作業することが一般的でした。

対応していない衣装でも着せ替えは可能ではあったものの、いわゆる技術者的な表現の「可能性はゼロではない」のようなもので、必要な知識や技術が一気に広がってしまい、難しい作業となっていました。

今回リリースされた“v2.0.0”では、新たに『XWear』『XAvatar』と呼ばれる形式へ変換できる機能が提供されています。『Unity』への拡張機能も合わせてリリースされているので、『VCC』でインポートすればすぐに使用可能です。

この機能は、いつものUnity上からそのまま『XAvatar』形式へ一発で変換可能で、これにより『VRoid Studio』で扱えるようになります。もちろんその逆も可能ですので、この変換を経由することで、『VRChat』想定アバター、『VRoid Studio』制作アバター、そして『VRM』形式アバターのそれぞれを、同じ『VRoid Studio』ひとつで扱えるようになりました。

とても簡単!ユーザーフレンドリーなフィッティング機能のUI

衣装ごと変換したXAvatarデータを『VRoid Studio』で読み込ませたすぐ後の画面
素体だけではなく、衣装もしっかりパーツごとに区分され、この時点でBlendShapeまで操作できるのは驚きだ

『VRoid Studio』へ、変換したXAvatarデータを読み込ませると、先程まで『Unity』上に表示されていたアバターがそのまま登場します。素体だけでなく、服やアクセサリーもきちんと分類されており、読み込ませた直後の時点で各パーツの表示/非表示やブレンドシェイプの操作まで行えてしまうのは驚きです。

早速『Unity』と『VRoid Studio』で非対応衣装を着せてみた

今回のリリースに合わせて、BOOTHからは『【XWear対応】BOOTH Avatar Cafe Waitress Apron』も配布されています。

試しに筆者が購入していた『ヌノスプ』へこの衣装を着せてみました。まず『Unity』上で『ヌノスプ』をインポートし、XAvatar形式でエクスポート。『Unity』の操作はこれだけです。

次に『VRoid Studio』へエクスポートしたXAvatarデータを読み込ませ、続けて“エプロン”のXWearデータを読み込ませます。

直後に表示されるのがこの画面で、こだわらず使用するだけならもうほとんどこれで良いとすら思える状態です。ここである程度、素体にあわせた位置へ衣装も自動調整されるのですが、これも非常に便利。

袖口が少しズレていたので気になるところを微調整。衣装のボーンをクリックすると、分かりやすいハイライトともに、座標を操作する矢印が表示されます。この手の3D操作はやりにくい……というのが定説だったりしますが、かなり直感的に操作できます。

ズレていたヘアピンの位置や角度調整。モデルを映すカメラ操作も直感的です。『Unity』などの操作経験があれば、ほとんど迷うことはないはず。初心者でもしばらく操作していれば慣れていけるように思います。

突き抜けメッシュ対応までお手軽!?

このエプロンはもちろん『ヌノスプ』を想定してつくられた衣装ではありません。細かいところを見れば、素体が一部突き抜けてしまったりといったことが発生します。『VRoid Studio』の自動調整でかなりの部分が解消するのですが、細かい調整も同じ画面上でできてしまうのです。

ブラシを使った“メッシュ削除”機能が存在しており、先の位置調整と組み合わせれば、これまで『Unity』や『Blender』で頑張るしかなかったような調整も手軽に行えます。こちらの操作はいつでも読み込み時のメッシュ状態へ戻せますので、何度でもやりなおして納得いくまで詰めていきましょう!

調整を終えた後、『Unity』へ持ち込めるようにXAvatar形式でエクスポートすれば完了です。

エクスポートしたデータも手軽に『Unity』へ戻せる!

『XWearPackager』で読み込ませたモデルをヒエラルキーに展開
もう『VRChat』へアップロードできてしまう

『VRoid Studio』でエクスポートしたXAvatarを、『Unity』にインポートしていた『XWearPackager』で指定し読み込ませるだけで、ヒエラルキー上に展開可能となります。

『VRChat』で使うだけならば、このままアップロードして完了です。この速報を書こうと『VRoid Studio』自体のインストールから作業検証、記事原稿を書き進めている今の時点でまだ2時間程度ですが、VRChat想定アバターへ非対応衣装を着せるという作業が済んでしまいました。しかも『Unity』の作業はほとんど発生していません。

『VRChat』で確認したところ、衣装の追従なども問題ありませんでした。メッシュの自動削除機能によって、衣装に重なっているメッシュを削除していたことから、首周りの肌が消えてしまいましたが、このあたりも『VRoid Studio』で後から簡単に調整可能なので、ここからは筆者のこだわりの時間ということにしたいと思います。

XWear/XAvatarという形式への相互変換を挟むことにより、多くの『VRChat』想定アバターや非対応衣装を取り込めるようになった『VRoid Studio v2.0.0』は、ただ手軽なだけではない幅広い可能性を秘めたアップデートでした。インストールから環境整備まで、非常に簡単ですのでぜひお試しあれ!

投稿者プロフィール

trasque
trasque
全然生活なりたってない人です

記事中でTrasque本人が使用しているアバターは
以下に権利表記を示すとともに、直接使用許諾の確認を頂いております
・『ナユ』『プラチナ』:有坂みと 様
・『キプフェル』:もち山金魚 様
・『ヌノスプ』:©トノダショップ 様