今年ライブハウスで見たい注目のVRバンド!

昨今のVRChatではVket 2022 Winter YAMAHAコラボイベントやSANRIO Virtual Fesを筆頭に、有志のイベントでもVRMFやAWAKE24など、大型の音楽イベントが相次いで開催されています。その背景にはVRでライブ活動を行うアーティストが増加していることがあげられます。今回はそんなアーティストの中から、今年ライブハウスで見たい注目のVRバンド2組を紹介します。

PHANTOM

PHANTOMの1st single「しらはえ」

 PHANTOMは2021年夏頃からVRChatでバンド活動をしているオルタナティブロックバンドで、メインメンバーの4人にサポートメンバーの3人の合計7人で活動をしています。
 この7人というメンバー人数はVR音楽グループとしては現在最多で、メンバー構成はギターボーカルのふぁんさん、ウインドシンセサイザーのさくまさん、ベースのはまちさん、キーボードのReinexxxさん、サポートギターのButcherさん、サポートドラムのhinokitakenokoさん、サポートベースのtimtamさんです。

 VRChatでの音楽グループとしてはYSSやPHAZE、不眠症女の少し後くらいに出てきたグループで、活動歴としては1年半以上と長いですが、ライブイベントに出演するようになったのはなんと2023年に入ってからで、それまでは動画投稿と彼らが主催のセッションイベントが主な活動とでした。

 2023年2月現在で投稿されている楽曲は5曲、そのすべてが現代の邦ロックシーンに強く影響されたオルタナティブロックで、どの楽曲もライブハウスで聞きたくなるバンドサウンドです。歌詞も恋愛や別れといったテーマが多く、まさに流行のロックそのものと言った感じ。

PHANTOMの3rd single「くらり」

 曲だけではなくMVもバンドらしいMV構成となっており、バンドメンバーがVRChatのワールドで演奏している風景であったり、女の子を歩かせてみたり、幾何学模様のモーショングラフィックスがあったり、そのどれもが邦ロックバンドを彷彿とさせる映像となっています。

Open Mic Bar -Spot Light Talks-でのステージ

 そして何よりもバンドらしいと感じるのが今年から始まったライブイベントでの演奏。場所はOpen Mic Bar -Spot Light Talks-(SLT)や玉響といった定番の音楽イベントからJapan Streetの路上まで、毎回30分ほどのライブを行っています。演奏する際はどのメンバーも基本的にVRを被った状態でステージに上がり、ところどころにメンバー紹介などのMCを挟みながらオリジナル曲の演奏を披露する内容となっています。2023年2月時点では、ライブを行う際はギターボーカルのふぁんさん、サポートベースのtimtamさん、サポートギターのbutcherさんの3人がステージに上がって演奏する形態が取られていますが、今後のライブによっては他のメンバーが演奏に参加することもあるとのことで、ライブの度に代わるバンド編成も今後のPHANTOMのライブの楽しみとなっていきそうです。

MESSCORE

MESSCOREの1st single「Daydream」

 MESSCOREは2022年4月に結成された4人組のバーチャルメタルコアバンドです。VRCの音楽グループでは初となるメタルコアバンドで、活動内容としてはライブイベントへの出演や主催とオリジナル楽曲の制作を行っています。メンバーはボーカルの柳緑さん、ギターのめたらびさん、ベースのShunさん、DJ/Samplerの黒猫ノラさんで、4人それぞれが個性を光らせながら活動しています。

 バーチャルメタルコアバンドらしく、サウンドはメタルコアそのもの。柳緑さんの艶やかな歌声とデスボイスの完成度はもちろんのこと、めたらびさんによるノイズ交じりのギターやShunさんのベースも強く鳴り響き、ライブではVR越しにもかかわらず全身をメタルコアらしい音圧がかけて抜けていくような錯覚を覚えます。つい重いVR機器を被っていることを忘れて頭を振りたくなりますが、首や背中、腰を痛める可能性が高いので、体を激しく動かすことはほどほどにしておきましょう。

CROWKとのコラボ曲「Polar Night」

 MESSCOREからリリースされている楽曲としてはVR Hip hop Unit CROWKとのコラボ曲もあり、ライブでもゲストにCROWKを呼んでの演奏が行われています。メタルコアとヒップホップという、なかなか聞かないコラボですが、まだVR音楽界隈自体がそこまで大きくなく、お互いの距離感がより近いVR空間ならではの組み合わせかもしれません。

Open Mic Bar -Spot Light Talks-でのステージ

 MESSCOREのステージもPHANTOMと同じく全員がVRを被った状態でステージに上がり、メンバー紹介などのMCを挟みながらオリジナル曲の演奏を披露する内容となっています。出演したイベントはSLTや玉響のほか、vjefでのV-kitazawa AWAKEなどがあります。また、MESSCORE自身の主催した「MESSFEST」ではゲストに不眠症女やCROWKを呼び、専用ワールドでの開催となっていました。ライブのMC中にはメンバー同士でそれぞれの会話が繰り広げられるほか、黒猫ノラさんがSamplerの音源を用いて合いの手を入れて盛り上げてくるといった、他のアーティストには見られないMCもあります。

 そんなMESSCOREのステージで他のアーティストにない特徴の一つと言えるのが、ハードコアやメタルバンドのライブではよく見られる「Wall of death」という観客のモッシュです。観客席の左右に観客が固まり、合図に合わせてお互いの方向に体ごとぶつかりあうという激しいモッシュで、リアルで行うと時には死人も出るほどです。しかしそれがVRならお互いのリアルコライダーの干渉を気にせずまっすぐぶつかり合えるので、最も安全なWall of deathを行えます。モッシュを行う曲の前にMCで説明があるので、初心者の方でも優しく安全にWall of deathを行うことができます。

海外の音楽イベント「RIZUMU」でのWall of deathの様子

 皆さんも是非一度、MESSCOREのライブイベントに参加してWall of deathをしたり、VRを被りながら頭を振ってみたり、VRで一番激しいライブイベントに参加してみませんか?

今後のライブ予定

 PHANTOMとMESSCOREの2組の今後の予定についてですが、この度本記事と連携してVRライブハウス「V-kitazawa AWAKE」でのツーマンライブイベント“「バーチャルライブマガジン」創刊号”の開催が決定しています。

バーチャルライフマガジン公式ライブイベント
“「バーチャルライブマガジン」創刊号”

日程 2月~3月の週末の夜いずれか1日 
  ※詳細はバチャマガ公式Twitter、Discordで追ってお知らせします!

開場 21時

開演 21時15分

場所 V-kitazawa AWAKE Friend+

出演 PHANTOM
   MESSCORE

イベントの日程等、より詳しい内容はV-kitazawa AWAKE、PHANTOM、MESSCOREそれぞれの公式Twitterから告知予定です。
 また、PHANTOMは3月の4・5日にVRChatで行われる音楽イベント「Melodia & symphony」2日目への出演が決定しています。各バンドの他のライブ予定や楽曲リリース情報はTwitterやVRChatのGroupからの告知が行われていますので、TwitterのフォローやVRChatのGroupへの参加もおすすめです。
 本記事で紹介した2組以外にも様々なアーティストがVR空間で活動されていますので、これを機にVR音楽イベントへ足を運んでみるのもいかがでしょうか。