VRゴーグル不要の巨大全天周ドーム内でシアターライブ!新宿歌舞伎町のど真ん中で開かれた360度映像作品イベント「PULSE DOME」鑑賞レポート

2026年1月に東京都新宿区で行われた映像イベント「PULSE DOME」を見に行ってきました。

会場は新宿歌舞伎町にある「シネシティ広場」。「ゴジラビル」として知られる「TOHOシネマズ 新宿」に隣接した広場です。

参考:新宿シネシティ広場に集う人たちとゴジラ(夜間)

そして、上映作品には、きくお『よるとうげ』FZMZ『FZMZ LIVE “DEEP:DAWN”』・team:beyond_a_bit『Beyond a bit – 想像のちょっと先へ』 など、過去にバチャマガで取り上げた事のある傑作VRライブのタイトルが多く含まれていました。

「この3作品が同じイベントで上映されるだけでも凄いこと。それを物理現実の、新宿歌舞伎町という日本有数の繁華街のど真ん中でやるって……?どんなものになるのかこの目で確かめたい!」

……という事で、新幹線に乗って新宿まで行ってきました。宿泊費がかさむ週末を避けて8日(木)~9日(金)の日程で。

会場となった”PULSE DOME”とは?

1月8日の昼前に現地に到着。高層ビルの間に挟まれた広場に白い半球型のドームが設置されていました。

このドームは直径13m×高さ7mとなっており、大型バスが横に二台並んだぐらいの大きさでした。

内部の様子。ドーム内に観客用のグリッドが設けられており、一回の最大閲覧人数はだいたい50人ぐらいでした。

ドーム内の音響も本格的で、広場の南側・西側で常時鳴り続けていた屋外広告の音声が上演中は全く気にならないほどでした。上映作品の製作者の一人であるTakaomiさんのポスト(ツイート)によれば、水平に11台+斜め上に4台+真上に1台+LFE(ウーファー)2台=計18台のスピーカーが設置されており、上下・前後・左右のあらゆる方向から音が聞こえるように感じる「立体音響」の表現が可能な環境となっていました。

各アーティストの公演内容

現地にあったタイムスケジュール。日付が見切れていますが筆者が行った1/8は公演2日目(左から2番目)になります

ここからは、上映された各アーティストの紹介をしていきます。まずはその日の一番手だったキヌさんから。

キヌ

キヌさんのライブは昨年(2025年)初演の「voices feat.kinu (torchlight edit)」と活動初期からの代表作である「バーチャルYouTuberのいのち」を本イベント用に再構成した内容。一曲目の(ポエトリーリーディング楽曲である)「クロスプラットフォームの旅人2026」からは「物理現実という『プラットフォーム』でもこれからやって行く」という決意が伝わるようでした。

Beyond a bit

この作品のために結集したクリエイターユニットにより2023年の『Sanrio Virtual Festival』(サンリオVfes)で初めて上映されたのがこの『Beyond a bit』。独特の世界観と共に、「周りの壁が壊れて宇宙に放り出される」感覚はPULSE DOMEでも健在でした。

TORIENA

2023年のサンリオVfesが初演の、歌手・作詞作曲家・音楽プロデューサーのTORIENAさんのライブ。壁を破壊して登場し、生肉(!?)と一緒に大暴れする一曲目と、モノクロームを主体としたステージで内省的な歌詞が展開する二曲目との対比が印象的な内容です。

FZMZ

覆面アバターバンドFZMZ(ファゾムズ)によるVRライブ“DEEP:DAWN”。VR版と比べて視線が上になるように工夫してあるな、と思いながら見ていたらFZMZのメンバーに前後左右囲まれる演出にびっくりしました。あんなのVRでやってなかった……

きくお

世界を股にかけるボーカロイドPである「きくお」氏がVRChat内で公開しているワールド「よるとうげ」を再構成した今回の上映。ポップさと混沌を併せ持つような音楽と映像が新宿歌舞伎町という大繁華街の真ん中で行われている事に感慨を覚えました。まるで現代芸術が街中に展示されているのを観た時のような。

はるまきごはん

2014年より活動し、楽曲だけでなくイラスト・アニメーション・MV制作まで手掛けているボーカロイドP「はるまきごはん」はバーチャルコンテンツを主としたクリエイティブスタジオ「株式会社MIGIRI」と組んでの作品。とにかく立体音響が凄かった……ライブの間、常に声や音の聞こえてくる方向が変わるという、VRライブの一つの形が表現されたような内容でした。

Kanaria & LAM

この日最後に観たのが、ボーカロイドP、シンガーソングライター兼VTuberとして活躍するKanariaさんとイラストレーターであるLAMさんの共同名義による作品。360度にイラストが広がり、飛んでいく表現に「もしYouTubeやニコニコ動画の『絵師』がVRの世界に来たらこうなるのでは?」という未来絵図を感じました。

月白 累(VRChat内会場)

映像作品の上映という形式だった他のアーティストと異なり、「生公演」という形で期間内一度だけ、歌舞伎町の会場とVRChat内で同時に行われたVTuber月白累(げっぱく・るい)さんのライブ。日程の都合もあり、筆者はVRChat会場の方を見に行きました。

会場の両側にはドーム内の中継画像が。

MCではドーム内の様子に言及する一方、VRChat会場の様子(観客のアバター)に言及したり、「せっかくだから皆さんと目を合わせていきますね」といってVR会場の観客の方を見つめながら歩いたりと、VRと物理現実の両方がつながった世界でのライブ会場に居合わせたような感覚を覚えるようなライブでした。

観終わっての感想

VRゴーグル(HMD)を持っていない人にVRの魅力をどうやって伝えるか」というのは自分を含めたVRユーザーにとって長い間懸案であり続けているように思います。

HMD無し(スマートフォンやPC)でもVRの世界を体験する事は可能ですが、仮想空間の中に入り込むとしか言えないような体験はHMDを装着して初めて味わえるところがあります。その一方、費用の高さや設定の複雑さなどから「未経験者がVRの世界を体験する」ことが出来る機会は今なお限られているように感じます。

そういう状況下において、「半球型のドームを設置し、立体音響を可能とするような音響システムと一緒にドーム内で画像を上映する」という今回のイベントはVRの世界をHMD無しで疑似体験する方法として(仮設の施設で行うものとしては)非常に優れた形式だったように思います。

このような形のイベントを無料で、それも歌舞伎町という日本有数の繁華街で開催してもらえた事は本当に喜ばしいことですし、VRライブの世界に浸かって来た筆者も楽しく見させていただきました。

このイベントでVRの世界に興味を持ってくれる人が少しでも増えることを願っています。

月白累さんのVRChatライブが3/15(日)に開催!

本記事で紹介したVTuber「月白累」さんのVRChat内ライブが3月15日(日)に開催予定です!

(バチャマガで掲載中の月白累さんライブ開催の告知記事です。詳しくはこちらの記事をどうぞ!)

YouTubeでの同時配信は行わず、VRChat内のみで先着70名限定(※本イベントはGroupインスタンス1つのみでの開催になる模様です)で行われるこのライブ、興味を持たれた方はぜひ。

ライブ詳細

・開催日時 2026年3月15日 16:30開場 17:00開演

・参加方法 
(1)事前にVRChat内のグループ「Hakoniwa Interface」に参加
(2)当日開場時間にLaunch Pad(メニュー)内のGroups(グループ)から「Hakoniwa Interface」のグループタブを選択
(3)その中の「Instances(インスタンス)」タブに表示されたワールドにJoin(参加)する
(※定員を超えている場合は待機列(Queue)に並ぶことになり、ライブ中に空きが出た場合のみ入場可能となります)

詳しい参加方法については(月白累さんの所属事務所である)VEEの公式ホームページの案内も参考にしてください!

投稿者プロフィール

きっどえー_ kidA_jp
きっどえー_ kidA_jp
VRの世界に生きる「少年A」……なつもりの人。