「読書を廃す、これ自殺なり」とは明治時代の小説家、国木田独歩の言葉だが、それならば読書の集積地である図書館とは魂の病院と言えるだろう。あらゆる書物が立ち並ぶ静かで穏やかな空間を好むものは多く、何が言いたいかというと「図書館って、イイよね!」ということだ。
そしてそんな図書館のひとつ「Q’s Library」が、VRChat上で公開された。本記事で紹介するこちらは名前の通り図書館をモチーフにしたワールドで、その優雅で気品のある光景がSNSで話題になっている。
上の画像を見ただけで身震いする愛書家も多いのではないだろうか。開放的な吹き抜けとアーチ状のガラス張り天井、段差状に並ぶ書架、そして壁一面を埋め尽くす本の山……と、夢に描いた図書館のような魅力がこれでもかとばかりに詰まっている。
その上品な雰囲気は折り紙付きだ。まるで大英博物館ような優美さとアカデミックさを両立した知的空間は、そこに立っているだけで賢くなった気すらしてくる。
クリエイターのこだわりが光るポイント
広く開放的な空間、立ち並ぶ本棚、満天の星空、とそれだけでも図書館として百点満点だが、しかしこのワールドはそれだけではない。ワールドに遊びに来た人々を楽しませる様々な仕掛けがあるのだ。
館内の壁にはアルパンの鏡のように美しい絵画が3点飾られている。童話の登場人物のような姿が描かれた人物画は図書館内の空気に非常にマッチしており、本記事の読者諸氏はその流麗な筆致をぜひその目で確かめて欲しい。
館内奥にはグランドピアノが鎮座している。
階段で上階に登ることもできる。あまりの素敵空間に興奮し図書館にも関わらず走り出したくなってしまうかもしれないが、バーチャルなので駆け回っても怒られない! これは一部の人間には大変な朗報だろう。
そしてもうひとつ大きな仕掛けが。書架の中央で確かな存在感を放っている一冊の本に触ると……
この空間に、
大きな動くモニュメントが!
天体の軌道を模したかのようなモニュメントが頭上に出現したとき、そのハイセンスさに筆者は思わずため息を漏らしてしまった。まさに何時間でも滞在したくなるような図書館だ。
3階のテーブルにはティーセットが置かれている。一人でリラックスするもよし、友人と遊びに来て最近読んだ書籍の話をするもよし、様々な時間の過ごし方を楽しめるだろう。
本ワールドには記事では紹介しきれなかったギミックや要素もまだあるため、それらを探しにぜひ遊びに行ってはいかがだろうか。