
どんな曲にも、“言葉が生まれた瞬間”がある。
しかし、その瞬間を、私たちはあまり知らない。
「RHYME BEHIND」は、アーティストが自身のリリックを語る場所。
曲の背景、作詞時の心境、そしてパンチラインに込めた“言葉の裏側”にあるリアルを追う。
音楽の表層を超え、創作の“核心”に迫る。
本記事では、nebosukeさんが自身のリリックを語ります。
nebosuke 1st EP 『どうイキるか』、 boothにてリリースしました! https://t.co/mKWbmtPWQT
— nebosuke (@nebosuksociety) April 29, 2025
新曲や、既にyoutubeで公開した曲の別Ver.等を含めた計4曲入りです。
MIXはWisK(@wisk_from_vr )さんに全投げしました。ホンマにありがとう…
XFDはこちらから聴けます↓↓ https://t.co/lyNRP3iCmT pic.twitter.com/jJctJ4NPgh
“ひとり遊び”から見えた景色

ーー本日はよろしくお願いいたします。nebosukeさんの楽曲には個性的なワードが散見されますが、リリックを書く際意識していることは?
nebosuke:人と同じような方向にあんまり行きたくないというか、単語のオリジナリティって言うんですかね。それは入れようと意識しています。
例えば「ひろゆき」ってワードはみんな思いつくから、似たような事を言うときはあえて「岡田斗司夫」を使ったりとか。HIPHOPとは畑が違う人「向井秀徳」の名前を出すとか。

あと、俺って友達少なくて。人生の割合でひとり遊びしてる時間が圧倒的に多いんですよ。ゲームしたりとかYouTube見たりとか。そういう自分の経験談を元にラップをしてます。
みんなと居るの嫌いじゃないんですけどね。
背中に跨り両手添えるだけ 歪な存在
胡座かいてる俺 さながらフォルムが 独自路線
東京モード学園 本気モード覚醒
nebosuke:オリジナリティって意味で言えば、ドラゴンって曲は俺の中でもブレイクスルーな曲ですね。
ドラゴン以前に上げてた曲はちょっと保守的に作ってた部分がありました。
ドラゴンで使わせてもらっているbeatは最初「これどうやってラップすればいいんだろう?」って1年近く放置してて、その1年の間で色々経験積めたのもあって、1年越しにbeat聴いたらすんなりリリックが浮かんできたんですよ。
今までの自分だったら周りの目を気にして言えなかったような言葉が出て、その時は覚醒した~って感じでした。

nebosuke:「胡座かいてる俺 さながらフォルムが 独自路線」とか、誰とも被りたくないっていうさっきの話と完全に繋がってます。改めて振り返ってみると結構面白いっすね。
HIPHOPに触れたキッカケ

nebosuke:元々バンドやってた時期がありまして。VRChatを知ったのもVRでバンドやってる人がいるって情報を見たのがキッカケでした。
そうゆうのもあって、自分の音楽のルーツはヒップホップではなくてロックなんです。ナンバガとか神聖かまってちゃんとかをよく好んで聴いてましたね。
ある日、当時のバンドメンバーから電気グルーヴをオススメされて。彼らの初期の作品にハチャメチャな歌詞をラップ調で歌ってる曲とかあるんですけど、一時期それを死ぬほど聴いてました。よく聴いてたラップを強いて挙げるとすればそれですかね。厳密にはヒップホップじゃないかもですが笑
その後、フリースタイルダンジョンをすごく観るようになって、漢とか呂布カルマとか聴くようになって……って感じです
なんというか、こう『リアルな情景の歌詞』『リリシズム』って感じのラップが好きです。
漢の「護送車から見えた風景」みたいなリリックがあったんですけど、それって漢だから見えた景色で、漢だから書けるリリックだと思うんですよ。そういうのが深みのあるラップが好き。

nebosuke:自分って影が薄い人間だったんですよ。だからなのか、リリックに『自分を残したい』って方向にいってます。
なんていうんだろう、自分を登場させたい。誰かのスタイルをなぞるような事すると、なんかそれは自分じゃないような気がして。上手くまとまらないけど、そういうマインドは大事にしてます。 ラップは割と自分の色を残した者勝ちみたいな所あるから、性に合ってるかもしれないですね。
音楽は自己表現
ーー初めてこの曲を聴いたとき「ついにこういう楽曲が出てきた!」と心を揺さぶられました。
寿司打で好成績残せなかったタイピングスキルも速すぎてお前の眼には遅く見えているだけだぜ? ヘリコプターのプロペラの羽根の如く。 そうだろ?
置かれた所で咲いとけ しょうもねぇ老ぼれ 適当ほざいとけ 慈悲深き眼差しのディアンケトに 耳貸すの早くね、知らんけど?
nebosuke:三連符のタタタタっと言葉を詰めてく感じがなんとなく漢さんがよく乗るbeatだなって感じがしたので、最初は漢さんから着想を得ながら制作しました。
『ヘリコプターのプロペラの羽根の如く』は、三四郎って芸人のコント「ドリフ」から引用しています。
内容は、8時だョ!全員集合のオープニングでドリフターズがやってるダンスをボケ担当の相田がめっちゃゆっくり踊るんですけど、その時にツッコミ担当の小宮が「これは早すぎて遅く見えてるんだ!」って言うんです。そこから持ってきました。

nebosuke:寿司打がめっちゃ遅かったのもあって、俺って基本的な能力がだいたい低いんですよ。でも「置かれた場所で咲きなさい」って言われると、いやいや(笑)って思う。
「今更やっても遅いんじゃない?」って遊戯王カードの治療の神 ディアン・ケトみたいに優しい眼で言ってくる奴に対して、逆にその判断するの早くない?って。周りはどうこう言ってくるけど、せいぜいほざいとけよって感じです。

nebosuke:読書感想文ってあるじゃないですか。アレが本当にニガテで、全く書けなかったから本の内容を写経して提出したんですよ。自分の考えのほうが強かったから感想とか思いつかなくて。
そういう過去もあって、自分の考えをアウトプットできる音楽をやるようになった。
音楽って自己表現だから。
VRChatに来てからこの話に共感してくれる友人もできたし、これからもVR中心に活動していきたいですね。VTuberじゃないけど、バーチャルの存在として音楽ができたら良い。
ーー本日はインタビューありがとうございました!
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1st EP 「どうイキるか」:https://t.co/HuZk8bJI