『エンジニア集会 第0回ハッカソン』は2月23日に開会式が、3月3日に成果発表が行われました。成果発表では総勢20組が参加。観客も含めると50人ほどがインスタンスに参加し大盛り上がり!
今回のテーマは「バーチャルな○○」。参加者数が多いながらも、各々独自の発想で楽しんでいました。
目次
- 1 発表の様子をご紹介!
- 1.1 のりちゃんさん「バーチャルな茨城」
- 1.2 やがみんさん(チーム:株式会社EQWEL)「簡易バーチャル教室運用システムの構築」
- 1.3 PetiPetiさん(チーム:ぺちぺち)「バーチャルなボタン」
- 1.4 粗製おじさん「バーチャルな機構学」
- 1.5 Kuroné Kitoさん「バーチャルな”VRChat(のUI)”」
- 1.6 kikkaさん(チーム:菊花)「バーチャルな暮らし空間」
- 1.7 夜鍋ヨナさん、みざーさん、れもんさん、pokioさん(チーム:LSI制作委員会)「8ビットマイコンのZ80に8ビットOSのCollapseOSを載せよう!」
- 1.8 kakiさん「バーチャルなリアル監視カメラ」
- 1.9 guppiさん「バーチャルなリスナー」
- 1.10 Nawashiroさん「『NosHagaki β』の紹介」
- 1.11 manu_sobaさん「自作アーキテクチャCPUのシミュレータを自作した」
- 1.12 Karasuma-Kuroさん(チーム:カラスの巣箱)「VRChat向けカードギミック」
- 1.13 cleanttedさん(チーム:こゃーそ)「バーチャルなヒューリスティックコンテストのビジュアライザ作成」
- 1.14 forksさん「バーチャルな笑顔」
- 1.15 uezoさん(チーム:うな技研)「バーチャルな食体験~Food Virtualizationへのチャレンジ~」
- 1.16 neverClearさん(チーム:創好リナ)「バーチャルな仮想通貨」
- 1.17 えーさん「バーチャルなシリアルコンソール」
- 1.18 つきみさん「イベントカレンダー」
- 1.19 あまみさん(チーム:あまみラボ)さん「バーチャルなマシンで動く乱数付き電卓とそのコンパイラ」
- 2 まとめ・アーカイブ情報
発表の様子をご紹介!
本記事では外部非公開の物を除いた19組の発表をご紹介します!
のりちゃんさん「バーチャルな茨城」
ビデオ登壇となったのりちゃんさんは、茨城の危険運転「茨城ダッシュ」を元にしたブラウザゲームを制作。実世界では交通違反の「茨城ダッシュ」ですが、バーチャルなら可能……!
基本的には早押しゲームになっており、スコアや効果音、待ち時間などをこだわって調整されたそう。
もし検索からサイトへの自然流入が増えれば、ランキングなども実装していきたいとのことでした。
やがみんさん(チーム:株式会社EQWEL)「簡易バーチャル教室運用システムの構築」
やがみんさんは会社として参戦。ハッカソンでは諸事情で急遽バーチャル教室のシステムを作ることに。
エンドユーザーはシステムになれていない方も多くいるという事で、出来るだけ簡単に使えるような仕組みを目指して構築されたとのことです。
現在はクレジットカードでの決済が実装できていないため、今後は決済と継続利用の仕組みを整えていきます。新学期に間に合うと良いですね……!
PetiPetiさん(チーム:ぺちぺち)「バーチャルなボタン」
ぺちぺちさんはCSSを使って、3Dのボタンを作成することに。
CSSはWebページの見た目を整えるのにつかわれるもので、基本的に3Dの描画にはあまり使用されません。非常に特殊な使い方ですが、今回はCSSで立体的にボタンを描画していきます。
その結果、パッケージとしてインストールすると平面になってしまう不具合があるものの、開発ツールでは立体的に描画されるボタンが完成しました!
粗製おじさん「バーチャルな機構学」
粗製おじさんは、18年ごろに作成した「機構学ワールド」を今のスタイルで再作成することに。Unityの物理演算を使って歯車などを使った機構を展示するというものです。
ワールドの移植は出来たもののタイムアップに。今後はUdon Sharpと格闘しながら、機能追加をしていくそうです。
Kuroné Kitoさん「バーチャルな”VRChat(のUI)”」
VRChatのワールドを作る際、ワールド自体は綺麗にできたけど、UIがいまいち……そんな悩みを持った方は少なくないはず。そんな状況を解決すべく、Kuroné KitoさんはVRChatに馴染むUIを作成しました。
VRChatのメニューなどを参考にすればどんなワールドにもなじむUIになるはず!という事で登場したのが本UIです。色々なコンポーネントやアイコンが用意されており、今後も拡充予定。最終的にはLaunch Pad(メニューが並ぶ画面)のモックアップを作って、チュートリアル系ワールドに置いていただくことで、Visitorさんに手取り足取り解説できるような環境を作っていきたいとのことでした。
kikkaさん(チーム:菊花)「バーチャルな暮らし空間」
kikkaさんはVR黎明期の作品「Mikulus」を出発点に、キャラクターと暮らせる空間を目指した作品「リリヤスペース」を制作。
キャラクターにダンスしてもらったり、BGMの変更も可能。ワールドの空間設計もあえてシンプルな作りにすることで「キャラクターとの暮らし」を堪能できるようにしたのがこだわりポイントです。
夜鍋ヨナさん、みざーさん、れもんさん、pokioさん(チーム:LSI制作委員会)「8ビットマイコンのZ80に8ビットOSのCollapseOSを載せよう!」
今回のハッカソンでは最も多い4人で参加した「LSI制作委員会」では、「Z80マイコンでCollapseOS(※)を動かすためのコンピュータ」の設計をしていました。バーチャルな要素としては、マイコンボードを仮想化したとのことです。
※CollapseOS:最小限のスペックで動作することを想定して作られたOS
残念ながら期間内に完成させることはできませんでしたが、設計図やアプリケーションのデモ等を披露。今後も制作を続けていくとのお話でした。
kakiさん「バーチャルなリアル監視カメラ」
バーチャルな世界に浸っていると飼っている猫の様子が分からない……そんな悩みを持っていたkakiさんは、リアルの監視カメラを使って、猫を検知するとワールド上に猫が振ってくるシステムを作成しました。
業務アプリ作成サービス「kintone」と超小型のコンピュータ「ラズベリーパイ」を使用したデータ連携で、「猫が来たら猫を返す」物体検知の仕組みを構築。色々な技術を学ぶことができ、幸せな世界を実現しました。
guppiさん「バーチャルなリスナー」
guppiさんはコメントを返してくれるバーチャルなリスナーを制作。生配信でリスナーが「俺らもAIやしな」とコメントする場面から着想を得たとのことです。
コメントが流れるタイミングが工夫されており、会場からは、「うちの配信に導入していいですか?」という声も上がっていました。
最後に「実はお前らAIなんだって」と打った際の反応も千差万別。すぐに受け入れたり、ショックを受けたりするバーチャルリスナーが笑いを誘います。AIならではのやり取りも楽しめそうですね!
Nawashiroさん「『NosHagaki β』の紹介」
Nawashiroさんは「バーチャルな文通」を作成。ユーザーにバーチャルな住所が割り当てられ、その距離に応じて届く日数が変化するというサービスです。メッセージには消印がつき、文通らしさを引き立てています。
用意したロードマップでは21/25が完了しているものの、Nawashiroさんは「UI語彙を完成度の低いツンデレで統一する」が出来ず残念がっていました。
manu_sobaさん「自作アーキテクチャCPUのシミュレータを自作した」
manu_sobaさんは、お題からVirtual PC(実体のないシミュレートされたPC)を連想し、そこからさらに連想してCPUのシミュレーターを作成しました。
マシン言語をシミュレーターに入力すると、実行結果を見ることができます。今回は1+1のシンプルな計算を行う事が出来ました。
今後はシミュレーターとしての機能を拡充させていくとのことです!
Karasuma-Kuroさん(チーム:カラスの巣箱)「VRChat向けカードギミック」
Karasuma-Kuroさんはタロットカードを引けるワールド「Card Deal Sys Test」を公開。カードの3Dモデルや、デッキからカードを引くシステムを制作しました。
タロットを占いに使用する場合は色々な並べ方があります。VRhat上では毎回手で配置するのが大変なので、一度に引けるようなギミックを作成しています。誤爆防止のための工夫も凝らされていました。
cleanttedさん(チーム:こゃーそ)「バーチャルなヒューリスティックコンテストのビジュアライザ作成」
同日開催された競技プログラミングのコンテストにも参加されたというcleanttedさんは、準備期間中に作成したものを発表していました。
書いたコードの入出力を可視化できる「ビジュアライザ」を制作。出力した結果のスコアや善し悪しが一目でわかるものになります。
気になるコンテストの予選は無事に通過されたそうです。めでたい!
forksさん「バーチャルな笑顔」
forksさんはVRChatのデスクトップユーザーに向けて、ユーザの顔の表情をアバターに反映させるアプリを作成。顔の動きを読み取るiPhoneアプリ「iFacialMocap」を利用して表情を判定、VRChatのOSCを使ってパラメータを操作していきます。
デスクトップユーザーは感情表現が大変ですが、この通り。
様々なアバターにバーチャルな笑顔を届けることが出来るアプリとなりました!
uezoさん(チーム:うな技研)「バーチャルな食体験~Food Virtualizationへのチャレンジ~」
人間は情報の手がかりとして視覚を強く用いており、食べ物を再現する際に、味覚の再現だけでなく、視覚をないがしろにすることはできません。
uezoさんは今回、視覚・味覚の両面から仮想メロンと仮想ウニを再現する試みを発表。
置き換えには成功しましたが、ウニやメロンの再現にはならなかったそうです。
また、実験に使用したはちみつが余ってしまったため、使い道を募集しているそうです。
neverClearさん(チーム:創好リナ)「バーチャルな仮想通貨」
neverClearさんは、バーチャルな仮想通貨、その名も「VVCoin」を制作。投げ銭とかで気軽に「数字」をやり取りできれば、実質的に(=バーチャルな)通貨になるのではないか?という事で制作されました。
デモではコマンドで通貨をやり取りしている様子が披露されました。UdonChipsのような使い方が出来るのでは?という事で意外な応用が出来そうなプロダクトです。
えーさん「バーチャルなシリアルコンソール」
えーさんは趣味で自宅にサーバー設置やネットワークの構築をされていますが、シリアル接続(サーバーやネットワーク機材の有線接続)が多いのが悩みでした。今回はWi-Fi接続ができるような環境を構築。
作成したプログラムをESP32に入れ、サーバーとシリアルで接続することでワイヤレス化。直接PCと接続することなく制御することが可能に。
再起動なども出来る、有線接続と比べてもそん色ないシステムが完成しました!
つきみさん「イベントカレンダー」
世に出ているVRChatのイベントカレンダーはGoogleカレンダーが多いですが、少し不便を考えていたつきみさん。ハッカソン前からイベントカレンダーの作成に着手していました。
開発の際にはメンテナンスしやすいこと、お財布に優しいこと、新しい技術を触ることを意識して制作されています。
カレンダーは定期イベントの登録が可能で、さらにGroup+のイベントにも対応。VRChatで欲しい機能が集まった物になっていました!
あまみさん(チーム:あまみラボ)さん「バーチャルなマシンで動く乱数付き電卓とそのコンパイラ」
あまみさんはプログラミング言語を作成。基本的な関数を備えており、四則演算なども行うことができます。
型の検査やエラーの検知もすることができます。今回の発表では、献立の決定をしてみることに。用意した献立からランダムに選んでくれます。
ブラッシュアップする部分もまだあるとのことでしたが、新しい言語の登場に驚きの声が上がっていました!
まとめ・アーカイブ情報
OSやネットワークなどの低レイヤーからアプリケーションなどの高レイヤーのプロダクトまで、様々な発表がされたハッカソンでした。
今回のハッカソンは「第0回」ですが、開催で得られた知見をもとにブラッシュアップした第1回も開催されるかも?Discordサーバーや集会でアナウンスがありますので気になる方はご参加下さい!
アーカイブはこちらからご覧いただけます!
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