ワールドやギミック、AIパートナーも!『PNGミュージアム x エンジニア集会 第1回ハッカソン』成果発表会の様子をお届け!【PR】

2024年9月8日に開催された『PNGミュージアム x エンジニア集会 第1回ハッカソン』。第0回から半年の期間を経て、本開催となりました!

ハッカソンとは?

ハッカソンはハックとマラソンを組み合わせた造語で、定められた期間に開発を行い、その成果物を発表するというものです。IT業界で良く開催されており、開発の練習や腕試しの場として用いられています。

今回のテーマは「展」。PNGミュージアムが展示形式のイベントという事で、チョイスされたテーマです。どんな成果物が発表されるのでしょうか……?

発表の様子をご紹介!

今回は1ヶ月の開発期間を経て、全19チームが集結!全チームの様子をダイジェストでお届けします!当日はミラーリング会場が用意されるほどの盛況っぷり。

TONZURAさんと、慕狼ゆにさん両名の司会進行のもと、大LT会が幕を開けました!

EG2 Studio「物体形状が変化するシェーダー」

EG2 Studioさんは、キューブを動かすと物体形状が変化するシェーダーを5つ制作。カスタマイズされたGPTを利用するサービス「Unity, Shader, and Technical Art Expert」を使用して、時短を意識した開発を行っています。

ChatGPTではShaderやUdonSharpの情報が出力されにくいのですが、カスタマイズを上手くすることで、情報が得られるようになったとのことです。

Mizari/みざー「全加算器の回路作成」

みざーさんは、全加算器の回路を作成。公開されている設計図データを元にして、動きを可視化出来るように進める予定でした。残念ながら同時並行で競技プログラミングの準備があり、思うように作業が進められなかったとのことですので、今後の進捗に期待です!

Nawashiro「Udon Zettelkasten Systemの紹介」

Nawashiroさんはテーマから「展開」や「展示」を連想し、グラフをだすワールドシステムを作成。

メモを整理する手法の一つ、ツェッテルカステン(刑事モノのドラマでメモ帳がたくさん貼ってあるアレ)をVRChatの中で実現できれば、メモの関係性を直感的に把握することが出来るようになり、色々な所で役立つギミックになります。

ギミックでは追加・編集・削除やデータの保存も可能!

このシステムはワールドとして公開されているほか、BOOTHショップでアセットとして販売予定とのことです!(※記事公開時点では販売中です!)

forks「VR QR Code」

forksさんは、QRコードをVRChat内で生成して、自分の「スキ」をいろんな人に展開できることを目指しました。今回はミニマムで、17文字まで入るようなものを作成。

アニメーションを使って、QRコードのドットを一つずつ表現していきます。イベント期間内では途中までの制作にとどまりましたが、徐々にQRコードが出来ていく様子に歓声が上がっていました。

あいさすP「AIで会議をまとめ太郎」

AIの普及が進む昨今ですが、セキュリティを求める業界や職場では、社外ネットワークにつながないローカルAIによる業務効率化が求められます。

あいさすPさんは、第一弾としてローカルで議事メモを作成する「AIで会議をまとめ太郎」を作成。

全ての処理をオフラインで行うこと、導入が簡単であることを意識して開発されており、オフィスに置いてあるような、一般的なPCでの動作を想定しています。まだ開発途中ではあるものの、実現すれば仕事効率化が進みそうですね!

りおくま「Tarot Card Spread System」

りおくまさんは趣味としてタロット占いを良くされていますが、その際に生じる不便を解決する事に。デスクトップでも、複雑なタロットの並べ方(スプレッド)が出来るようなギミック作成を目指しました。開発は初めてということで、ChatGPTとの二人三脚で進めています!

ネット上にUdonSharpの資料やサンプルコードが少ないため、苦戦しながらの作業に。同期周りで発生したトラブルの解決ができていないものの、ギミックを搭載したワールド公開をされています!

MINAGI「動く本の製作」

MINAGIさんは動画に雑誌風のマスクを重ねた、動く本を製作!本ギミックを使用することで、実際にめくれるようになりました。

しかし、マスクがかかっている部分が無駄になったり、ページ数が増えると画質が荒くなってしまう問題が。シェーダーを書き換えることで改善されました。

一方で設定項目が長くなってしまったため、動画の配置が大変に。解決のために、動画の割り付けを探索するプログラムを作成。どのようなパラメーターをいれれば良いかを教えてくれます。

ギミックはPNG4.9の方に展示されています!

ふぁう゛「PNGmuseum5 ワールド制作記」

PNGmuseum5のワールド制作を通して、様々なギミックを製作されたふぁう゛さんですが、今回は3つのギミックについて発表されました。

1つ目は拡張メニュー。PNGmuseum5用に作成されたもので、デスクトップ用のショートカットやVR用のスティックによる呼び出しも実装。デザインやサウンドにもこだわりが詰まっている機能です!

2つ目は壁越しに他のユーザー位置が分かるNavigationシステムです。UnityのNavMesh機能を使用して、ユーザーの最短経路を表示してくれます。

3つ目は古代文字を作りたい!という事で作られたPNGmoji。文字自体はらくちゃさんが制作されています。

ギミックの詳細はnoteでも公開中です!

https://note.com/favnirrr/n/n2da3516c8837?sub_rt=share_pb

ChatGPTがいるから一人じゃないもん「自分だけのAIパートナーを作ろう 激闘編」

ChatGPTがいるから一人じゃないもんさんは、AIパートナーを6月ごろから作成していました。nikeさんという方が開発されている「AITuber」を参考に、色々なキャラに変えれるAIパートナーを作っていました。

今回のハッカソンに合わせて公開できるかと思いきや、開発に使っているMacに水がかかるというトラブルが……。1日で何とかサブPCの環境を整えて開発を整え、Google Cloudでデプロイすることが出来ました。

AIパートナーは公開されているとのこと!旧AIパートナーは色々なキャラクターが選べ、新AIパートナーはプレゼン発表が出来るようなシステムがあるそうです。

A-kun「人の記憶を都合よく改変する技術」

旅行写真をアバターで撮るのが好きというA-kunさん。人の記憶をどうやって思い出すのか?というのを調べたところ、写真や映像、ニュースといった周辺情報から思い出すことが多いとのこと。そこで、周辺情報と一緒に思い出せばより鮮烈な記憶が思い出せるのではないか?ということでシステムを開発されました。

写真、撮影した場所の地図、その日の天気やニュースを一緒に表示するワールドです。

撮影用のARアプリも開発されており、リリースも目指されています。

いとじゅん「日展システム」

普段から日記を書いているいとじゅんさん。書くのを忘れてしまったり見返すことが無かったりといった課題も感じていました。

まずはBotのリマインドを使って忘れるのを防止。さらに、メモ作成ソフト「Obsidian」を使って整理をしていましたが、日記の内容からキーワードを抽出してノード化することで、さらに楽しいものになりました。

今後は表記ゆれの対応やキーワード抽出の改善を行いつつ、誰でも使えるようなものを目指していくとのことです。

きねるく「The Game -展-」

きねるくチームでは、「展」の漢字が戦うゲームワールドを製作しました。ミニゲームをクリアすると実績解除、一定の実績が解除されるとラスボスと戦うというものになります。

最初に最低限のデータ容量を読み込み、段階に応じてプレファブを追加で読み込む形にしています。

あらかじめ作成したプレファブをテキストデータとして抽出してサーバーに保存していきます。プレファブ自体は空のままで読み込んで置きつつ、中身を後からサーバーにリクエストして読み込んでいく事で、全体の負荷を下げると同時に拡張性をもたせる事ができます。

ワールドの公開が楽しみですね!

Project“FUTiOOn”「地震等災害情報アバターシステム」

VRChat用の地震等災害情報アバターシステム『MOFT』を製作されました。地震情報をリアルタイムで伝えるグループ『地震情報Beta』があります。

『MOFT』はアバターシステムとして製作されており、差別化を図っています。『地震情報Beta』と『MOFT』の両方を使用することで、より多くの手段で緊急情報を得ることができます。

みかん電機「VRC内ポスターをスプレッドシート管理したい」

VRChat内でのポスター更新は結構大変。従来の方法では画像を変えるだけでも再アップする必要があり、意外と労力がかかります。これをスプレッドシートで管理する事で、簡単に差し替えが可能になるのでは、という事で2023年末から製作開始。お休みしていた時期もありましたが、今回のハッカソンを利用して作り上げました。

実際にテストワールドで動作確認も完了!管理画面の調整が終われば間もなく公開できそうとのことです!

はるまきちくわ「IMGin VRChat用個展システム」

PNG Museumの機能を一部切り出し、画像をWebにアップロードしてVRChat上で画像を表示することができるシステムです。

VRChatでは外部から大量の画像を一度に読み込む方法がありません。そこで画像を組み合わせたものを動画に変換して、フレームを分割する事でVRChat上に配置するようにしています。

Webアプリ、ワールド用アセットの両方を配布!これを使えばPNG Museumライクなシステムが作れるかも!

チームレッドプル「英語日記ボーイアプリ」

VRChatで外国人と話したい!でも語彙が出てこないというところから、「英語日記BOY」という仕組みをヒントにアプリを開発。

日本語で日記を書くと、それを元にAIが問題を作成。Googleフォームを使って、フレーズの問題や添削をすることで英語学習が効率的に行えます。

これを使えば英語を完璧にマスターして、VRCライフをエンジョイできる!?

あえにみぬ「オリジナルのQvPenを作った」

今回、0からQvPenの作成にチャレンジ。書いた文字の編集(伸縮・移動・回転)、保存と呼び出しが可能になります。クリップボードに書いた文字を保存できるので、VRChatの外に持ち出したり、時間をまたいで話を続けることができます。

同期処理やセーブに問題があるなどの不具合がありますが、拡張性もある物となっています。

(※記事執筆時点で、これらの不具合は解消されたの事です!)

NekoMikan「竜宮城エリアの隠しギミック」

PNG Museumの竜宮城エリアにある隠しギミックについてお話をされました。展示のワールドでは、意外とバリエーションが少ない事に気づいたNekoMikanさん。その空間が一番作品の魅力を引き出せる物ではありますが、果たしてそれはVR世界でも同じなのか?というところから出発点に、竜宮城エリアが誕生しました。

さらに、作品はいじれないが、作品に対して変化が欲しいというところから、隠しギミックとしてクラゲを触ると展示されている作品が動く仕組みを作成。

レールを配置して、それに沿って作品が動いていく事でダイナミックな体験が可能になりました。

aruma256「展なワールドを作ってみた」

これまでに作ってきたワールドはパズルワールドや、部屋など狭い物が多い……ということで広がっている感じのする「展」なワールド製作、さらにそこから発展して、見通しが良いのに事故が起きてしまう「コリジョンコース現象」を体験できるような物を目指しました。

運転アセットを無人/有人でも同期的に動くようにする、HMDの視野角に合わせた見え方を追求するといった苦労がありましたが、無事に再現が可能になりました。

マルチプレイ時に同期ずれが起こる等の課題もありますが、公開に向けて開発を続けられています!

まとめ

「展」の一文字から広がり、多岐にわたる成果物が発表された本ハッカソン。第0回とはがらりと成果物のジャンルが変わり、ソフトウェアやVRChat用のギミック・ワールドが中心となりました。アーカイブも近日公開予定ですのでお楽しみに!

ハッカソンは年一回の頻度で開催される予定です。Discordサーバーや集会でアナウンスがありますので気になる方は是非ご参加下さい!

エンジニア集会Discordサーバー:https://discord.gg/zaTjFtDRP7

エンジニア集会X:https://twitter.com/VRENGAssoc

PNGミュージアムDiscordサーバー:https://discord.gg/GqkCUA8HWM

PNGミュージアムX:https://x.com/png_museum_vrc

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寝る間をオシム
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ひよっこ投稿者です!