2023年9月14日、阪神タイガースがプロ野球セントラルリーグで「アレ」を達成しました。
【阪神】18年ぶり6度目のリーグ優勝!球団最速&岡田監督は2度目V 9月負けなし41年ぶり11連勝で決める 佐藤輝が20号2ラン(TBS NEWS DIG Powered by JNN) – Yahoo!ニュース
この記事では、メタバースの一種である「VRChat」内にあるワールド「バーチャル道頓堀」で開かれた阪神の「アレ」ことリーグ優勝を祝ったイベントの模様をお届けしようと思います。
目次
阪神タイガースの「アレ」とは?
阪神タイガースの今年のチームスローガン「A.R.E.」(エー・アール・イー、それぞれ英単語の”Aim”、”Respect”、”Empower”の頭文字)をローマ字読みしたのが「アレ」となります。
……というのはおそらく建前で。
今年から阪神タイガースの指揮を執る岡田彰布監督が就任当初から優勝の事を「アレ」と呼んでいたことがこのスローガンとなった理由であると考えられています。
どうして優勝の事を「アレ」と言うようになったの?
岡田監督が優勝の事を「アレ」と言うようになったのは、彼がオリックス・バファローズの監督をしていた2010年の事だそうです。
この年のセ・パ交流戦の際、選手が意識しすぎないように「優勝」という言葉を使わず「アレ」という表現を用い、コーチや報道陣までが「アレ」という表現を続けた結果、交流戦の初優勝を飾った、というのがきっかけだったようです。
(参考:【阪神】来季スローガンは「A.R.E.」 岡田監督が就任初日に発言「アレ(=優勝)」 – プロ野球 : 日刊スポーツ (nikkansports.com))
チームの外でも「アレ」って言ってたのはなぜ?
これについては、以下の投稿を紹介するのが分かりやすいと思います。
阪神タイガースが前回リーグ優勝したのは2005年です。
その3年後の2008年に最大13.0ゲーム差をつけ、関西のメディアが「Vやねん!タイガース」と銘打った雑誌を発行した程だったにも関わらず読売ジャイアンツにひっくり返されて優勝を逃す、という出来事がありました。
その時の監督こそが岡田彰布現監督です(この年限りで5年指揮を執ってきたタイガースを離れ、翌2009年末にバファローズ監督就任したあとに「アレ」という表現を使いだした、という経緯だったわけです)
2021年にも2位とのゲーム差を最大7.0つけ、関西のTV局が「#あかん阪神優勝してまう」という特番を放送したら(参考:「#あかん阪神優勝してまう」思わず言いたくなる?6月にABCが特番 – 芸能 : 日刊スポーツ )その後チームが失速し、ヤクルトスワローズに優勝されるという出来事がありました。
これらの経験から「シーズン中に首位を独走していても『阪神が優勝する』と口に出したら優勝出来なくなってしまう」というジンクスのようなものが関西のメディアやファンの間に定着した、という経緯があります。
そこに2008年のV逸時の監督だった岡田氏が阪神に復帰し、優勝の事を「アレ」と呼び始めたので、チームの中だけでなくメディアやファンまでもが「アレ」という表現を使うようになった、という事のようです。
なぜ道頓堀に飛び込むのか?
メタバースに関係ない話が続いて恐縮ですが、もう少しお付き合いください。次は「なぜ『道頓堀ダイブ』が起きるのか?」です。
道頓堀は大阪ミナミという繁華街の真ん中を流れる河川の名称です。水質が良いとはとても思えない河川に最初に飛び込んだ人はいったい何を考えていたのか。
……実は、道頓堀に最初に飛び込んだ人は特定されていて、TVや新聞などの取材を受けている様子がネット上でも見ることが出来ます。
道頓堀ダイブ第一号は現在は落語家として活躍されている「桂福若」さん。彼が1985年の阪神タイガース優勝時に飛び込んだのが最初だったそうです。
経緯をざっくり説明すると「当時高校生の巨人ファンだった福若さんが阪神ファンの友人と言い争いをした流れで『阪神が優勝したら道頓堀に飛び込んでやる!』と約束したら本当に優勝してしまったので飛び込んだ」という事だそうです。
動画内で桂福若さんも言ってますが道頓堀への飛び込み行為は危険を伴う行為で、実際に死亡事故も起きています。道頓堀への飛び込み行為は絶対にやめてほしいです!
……少なくとも現実世界(リアル)では。
バーチャル道頓堀について
道頓堀の観光名所として有名である「戎橋(えびすばし)」を中心とした範囲をメタバース上で再現したのが「バーチャル道頓堀」(【JP】Virtual Dotonbori in OSAKA)です。
このワールドが公開されたのは2022年3月の事で、(関西出身であるかどうかは関係なく)「関西に興味のある人」同士がVRChatやDiscordなど交流することを目的としたイベント団体「VRChat関西部」の活動の中から生まれたものです。
今年春、「バーチャル道頓堀」公開一周年記念を兼ねたDJイベントが開かれ、その時の様子がこの「バーチャルライフマガジン」でも紹介されています。良かったらそちらもどうぞ。
「阪神のアレ」に伴うバーチャル道頓堀ダイブ企画が!
タイガースリーグ優勝へのマジックナンバーが1となり、「阪神のアレ」が目前となった9月14日の昼、ある企画が誕生しました。
「現実世界ではやってはいけない『道頓堀ダイブ』をメタバース上で実現する」というこれらのイベントはゲーム系webメディアで開催情報が紹介されるなど、開催前から大きな反響がありました。
この後、イベントに実際に参加した様子を画像などを用いて紹介していこうと思います。ぜひご覧ください!
これらのイベント及び当記事は現実世界での道頓堀への飛び込み行為を推奨するものではありません。
遊泳に適さない道頓堀への飛び込み行為は健康に悪影響を及ぼしますし、生命にかかわる事故が生じる恐れも高いです。
くれぐれも現実世界での道頓堀への飛び込み行為は行わないようお願いいたします。
阪神が「アレ」した瞬間の「バーチャル道頓堀」
上記イベント開始前に試合が終了しかけていたようで、イベントより一足先に「バーチャル道頓堀」では多くのユーザーが「阪神のアレ」を待ち望んでいました。
「阪神のアレ」が「優勝」へと変わったその瞬間がこちらです。
みんなとにかく飛び込む飛び込む。この瞬間からもうお祭り状態です。
各会場で遭遇した、ノリのいいアバター改変していたユーザーたち
「バーチャル道頓堀」に足を運ぶと今回の「阪神のアレ」に備えて雰囲気に乗ったアバター選定や改変をしているユーザーと出会うことがあり、中にはかなり凝ったものもありました。
その場の雰囲気に適したアバターを準備することそのものがこのお祭りへの没入感をさらに高めているようです。
燕谷古雅さんの「バーチャル道頓堀でダイブしよう集会」
こちらと後述するイベント開催中は、「バーチャル道頓堀」のワールド内に本来存在しないはずの優勝記念パネルがSouzouThurkさんのアバターに仕込まれたギミックにより展示されていました。
会場を彩るはDJ 3marcoさんの「関西オンリー」のセットリスト。
なんと彼は後述するもう一つのイベントでもDJとしてイベントを盛り上げていました。
他にも、リアルの道頓堀ではいまこうなっているであろう警官とのやり取りを再現していたり、
見るからにやる気マンマンのマッチョマンが飛び込んでいたりと各々が自由に過ごしてる中、
大の阪神ファンであるサウスさんを中心とした「六甲おろし」の大合唱。
リアル距離による遅延で声はバラついているものの、みんなの阪神を想う心は一つ。
盛大に盛り上がっていました。
柳透さんの「Vやねん!アレ決まるか!?バーチャル道頓堀にダイブ!」
この興奮はいち会場では収まりません。
はしご酒ならぬ「はしご道頓堀」で柳透さんのイベントへと足を運びました。
またこの「バーチャル道頓堀」がすごく盛り上がってくれて嬉しいです~!
自分のイベントでなくてもいいのでもうとにかく阪神を祝ってほしい!
※この時すでにワールドの同時接続数は300名を超えていたそうです。
こちらの会場ではVRChatユーザーの阪神タイガースにかける様々な想いに触れることができました。
生まれてからずっと阪神ファンで、成人するまで今まで優勝したところを見たことがなかったんです。
今回、人生初めての阪神優勝を目の当たりにすることができました!もう最高です!感激です!
18年ぶりの阪神優勝は大人になった少年の心に強く刻まれたようです。
また、
ちょっと時間いいですか?
そう声をかけてきたユーザーが見せたものは、とある色紙でした。
こちらは「2022年セ・リーグで4月15日(金)に6連敗で迎えた伝統の一戦「阪神vs巨人戦」で、連敗を脱出した試合後に当時の監督が読み上げた色紙」をメタバースに持ってきたものであるとのこと。
阪神タイガース連敗ストップ!連勝に一役!?矢野監督が紹介した文字職人とは???
監督みずから試合前の円陣で読み上げた色紙の正体
ちなみに「ちょっと時間いいですか?」の声かけも元ネタである監督をリスペクトしています。
球団の苦境すらも共にした根強いファンたちが今この瞬間、大きな喜びをメタバースの道頓堀で強く噛みしめていました。
ぜひこのまま日本シリーズでも活躍してほしいですね!
この大きな喜びを胸に!道頓堀へダイブ!
阪神が優勝したことで「アレ」の抑圧から解き放たれたユーザーたちが、次々と喜びを露わにし道頓堀へと飛び込んでいきます。
もうかなりのお祭り騒ぎで、「野球はあんまり知らないんだけど…」という人だって
みんなで何かを賑やかに祝う現場には、いるだけでも楽しいし、一緒に何かするともっと楽しい。
今回のイベントではそういった声もありました。
色々と世知辛いニュースが多い現代で必要なものは、もしかしたらこうした誰でも参加できるライトな「お祭り」なのかもしれないですね。
ユーザーが自分の「好き」を求めて表現活動をしてきたことで、毎日どこかで誰かの「お祭り」が行われているのが、このメタバースの世界です。
ぜひ、あなたの「お祭り」を探しにふらっと遊びに来てみませんか?
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私は「阪神のファン」というよりは「野球というスポーツそのもののファン」なんです。
だから今回のイベントはファンの誰かがやるんじゃないかなと思って様子を見ていたところ、なさそうだったので思い切って立ち上げてみました。
阪神の大ファンたちが大喜びしてくれていたのでこちらとしても嬉しかったです。