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プロの落語家、VRでも公演します!

2025年1月13日(月)、本職の落語家であるVRChatユーザーの瑠璃茉莉さんがワールド『VRCすえひろ亭』を舞台にイベント『VRC落語会』を開催しました。
これまで有志によるイベント活動で落語が披露されることはたびたびありましたが、本職の方がVRChatにてそれを行うのは、なかなか類を見ない試みと思われます。
「VRChat上で落語体験をする事で、リアルの落語にも興味を持って頂くきっかけになってほしい」という想いのもと立ち上がった『VRC落語会』。
今回は、定期開催予定の本イベントの魅力を少しだけご紹介します!
愛とこだわりが凄い!わずかな情報をかき集め再現した「VRの寄席」

イベント会場となる『VRCすえひろ亭』は東京都・新宿に実在する寄席『新宿末廣亭』が精巧に再現されており、イベントの没入感をさらに高めてくれています。
制作者のinukai sanは寄席関係者ではないのですが、お客さんとして足繫く通っていた記憶と、『新宿末廣亭』を細かく紹介しているYouTubeチャンネルの情報を元にこのワールドを作り上げたとのことです。
第1回の内容をかいつまんでご紹介!
枕(導入) 注意事項・解説

会が始まると他のイベント同様に参加に当たっての注意事項が伝えられます。
演者のアバターをちゃんと表示してアバターギミックを見れるようにする、演者のVoiceボリュームを調整するなど「あるある」な事項の他に、「舞台の演出の妨げにならないよう、舞台の上にはフライングカメラを出さない」といったものもあったのですが、ここに一工夫。

ゲスト演者の『雪代琴狐』さんが浮いていたカメラにバッサリと一太刀加え、カメラは退散。コミカルな形の注意となりました。
その後は「落語解説」。落語とはいったいどういうものなのか、それが持つ独特の表現や楽しみ方などの説明や小話を通してリアクションの練習をする場面もあり、落語を初めて聴く参加者も楽しめるよう丁寧に進行されていました。
ゲストによる演舞

オープニングアクトの位置づけで、今回のゲスト演者の雪代琴狐さんによる演舞が披露されます。

刀・扇・傘など多彩な得物捌きと華麗な舞が観客を魅了し、寄席からは「雅~!」と歓声が上がっていました。
演目「熊の皮」

いよいよ始まる落語会本編。出囃子鳴り響く中に瑠璃茉莉さんが再登場します。今回の演目『熊の皮』は夫婦のやり取りが元となるお話で、それにちなんだ枕として夫婦にまつわる小話をしました。

寄席での趣味が合う方同士の出会いから「あら、あなた落語好きなんですか。私も好きなんですよ。……お砂糖しませんか?」
なんてことがその場であってもいいじゃないですか。
今日のところは……なさそうでございますねw
※一般的に寄席ではこのようなジョークとしての観客いじりをすることがあります。
そのあとは落語での夫婦がどう扱われているかの説明をし、

羽織を脱ぐのが開始の合図。枕から流れるように演目が始まります。

強かな女房とどこか抜けたところのある旦那や、懐の深い町のお医者さんとの賑やかなやり取りに80人フルインスタンスになった会場からは笑い声が絶えず、二階席からも絵文字が飛び交う大喝采が上がっておりました。
演目のネタバレになるのでこの記事ではここまで。続きはご自分の目や耳でお楽しみください。
質疑応答

ワールド制作者のinukai sanご登場、今回の演目の解説をしたのち観客から質問を受け付ける時間に。

ちょっとご質問を二、三受け付けようと思います。
答えられないことは笑って誤魔化しますんでお気軽にw
質疑応答の一部
- Q:落語家をされてから何年目でしょうか?
A:身バレしてしまいますので、落語家の修行はちゃんと済ませた「若手」とだけお伝えしておきます。 - Q:師匠はどなたかいらっしゃいますか?
A:プロとアマチュアの区別は「師匠に弟子入りをして修行をしたかどうか」なので、もちろん師匠はいます。ですが誰かは秘密です。
『VRC落語会』誕生の経緯・今後の展望をインタビュー!
ーーどういったきっかけで『VRC落語会』を発足されたのですか?

『VR Japan Tours』のRiberTng(りばたん)さんからご紹介いただいたんですよ。
リアルでお会いして落語を見ていただいた際に、「上の年齢の客層が多い状況で、このまま5年後10年後どうなるかと考えたら、新しいお客さんを開拓したほうがいいんじゃないか」と言われまして。
それは私もずっと考えていたことで、VRという違った年齢層が入り混じる界隈から落語に興味を持っていただくのもいいかなと思ったのがきっかけですね。
ーーVRChatからリアルの方面へと興味の動線を繋げた活動をいくつか見てきましたが、「リアルだと躊躇ってしまう未体験の出来事」に対してそこへ踏み込んだ楽しさを先に「疑似体験」できるのはやはりVRChatの強みだなと感じています。

まさにそこだと思っていて、寄席って完全に初見の方からすれば威厳を感じる建物でちょっと入るのを躊躇うと思うんですよ。また落語自体も「伝統芸能」みたいに格式高いように思われているところもありますし。
『VRC落語会』はそこのハードルを下げるとっかかりになっていけるような活動にしていきたいですね。
ーー落語の普及活動以外に、VRでやってみたいことはありますか?

「VRならではの演出」を落語の演目に活用してみたいですね。落語の中には怪談モノもありますし、話の展開と連動して蠟燭の火がふっと消えるなどの演出が出来たら面白そうだなと思います。
あと、私はまだこのイベントでようやっとUserになったばかりなのでVRChatのことがあまり分からなくて。お笑い系イベントに参加したり、イベントの進行の仕方などを界隈のイベント団体さんから学びたいです。
ーーありがとうございました!今後のご活動、応援しております!

今回立ち上がった『VRC落語会』は月一で落語会を開催予定です。興味はあるけど見た事ないという方、ぜひこの機会にVRChatで落語体験してみませんか?
『VRC落語会』の今後の活動に乞うご期待です!
次回開催情報
- 第2回 2/22(土) 21:00-22:00 (Friend Only インスタンス)
- 第3回 3/22(土) 21:00-22:00 (Group+インスタンス)
第2回ご来場の皆様へお願い
- 軽量アバターでのご参加
- 演者のアバター表示
- 20:45-21:00瑠璃茉莉rulyにジョインしてください。(21時以降はステータス変更予定)
- ※事前に瑠璃茉莉へフレンド申請をお願いします。
https://vrchat.com/home/user/usr_cf60be6d-f525-4431-b949-79bfcbbb9bf7
第3回ご来場の皆様へお願い
基本的には第2回同様ですが、インスタンスの形式がGroup+に変わります。
※事前にVRC落語会のGroupへのご参加をお願いします。
https://vrchat.com/home/group/grp_d6323f3d-a94d-4cbc-a48e-73881ba63022

VRC上で落語体験をする事で、リアルの落語にも興味を持つきっかけになる事を目標とする団体。
X:https://x.com/ruly0106
※演者の「瑠璃茉莉さん」個人アカウント兼用
ハッシュタグ:#VRC落語会
関連記事・サイト
新宿末廣亭Webサイト https://suehirotei.com
投稿者プロフィール
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もし、カメラを舞台の内側に出してしまいますと……