大阪ヘルスケアパビリオンでXR体験ざんまい! 25年後の自分に出会い、アイルーをなで、大空や腸内を冒険【現地で体験!大阪・関西万博のXRコンテンツ特集!】

大阪ヘルスケアパビリオンは“REBORN”をテーマに、‟いのち”と健康を観点にミライの大阪の可能性を感じられる展示を発信するパビリオン。

健康データをもとに作成された25年後の自分(アバター)と出会い、ミライのヘルスケアや都市生活を体験できる『リボーン体験ルート』やXD HALLで展開されている『モンスターハンター ブリッジ』XR体験ができる出展企業ブースなどを体験してきました!

この度バーチャルライフマガジンでは、2025年日本国際博覧会協会(博覧会協会)や各パビリオンのご厚意で、XRやメタバースに関連するパビリオンを複数取材させていただきました。 当記事で使用している写真は、パビリオン・各出展企業のご担当者様に許可をいただいたうえで撮影・掲載しています。

ゲームの世界に没入する唯一無二の体験。『モンスターハンター ブリッジ』

まずご紹介するのは、『モンスターハンター ブリッジ』の体験レポート。

……体験させていただくものの恥ずかしながら、筆者は『モンスターハンター』シリーズで遊んでいたのはPSPの『モンスターハンターポータブル』時代のみ。
近頃のモンスターハンターは、全く履修していないけど、わかるのかな……?と思いつつ体験に参加させていただきました。

参加者に配られるAR機器

この『モンスターハンター ブリッジ』で使用するのは、Microsoft HoloLensにも似た……?『モンスターハンター ブリッジ』のために作られた独自のARデバイス。
――チップはSnapdragon XR Platformを使用し、105度のシースルーディスプレイ、赤外線を利用した6DoFセンサーを搭載……とのこと。

一緒に体験したメンバーは、体験というより、このARデバイスに大興奮。筆者より多く語れそうな気もしつつ……。

普通にデバイスとしてかっこいいフォルム

屋外にてチュートリアル映像を見た後に、屋内に移動しARデバイスをスタッフさんの指示に従いかぶり、しばらく待っていると、とあるチュートリアルが始まりました。

目の前に現れたのは、大阪・関西万博における“いのち”の象徴『こみゃく』。今回の『モンスターハンター ブリッジ』は、ハンドトラッキングを用いて操作するので、実際に手を使ってこみゃくに触れることが出来ます。
「え、ココでこみゃくをぽよんぽよん出来るの!?」と衝撃を受けつつ、手でぽよんぽよんとしながらチュートリアルを続けます。

チュートリアルをしている様子

そして、いよいよ本番。360度がディスプレイで覆われていている部屋に案内されます。
上下左右あらゆる場所を見渡しても広がる草原が映し出されており、まさにそこにいる感覚。VRじゃないのにすごい臨場感。

と、そこにアイルーが登場!「ボクと遊ぼう!」と声をかけてきてくれました。

ARデバイス越しのアイルー(ⓒCAPCOM)

この子にも触れることができ、触ると猫のように反応をしてくれます!
一通りアイルーとじゃれあい、ふと目を上げると、周りにはモンスターたちが。草食系の温厚そうなモンスターばかりかと思いきや……?

穏やかなモンスター『アプトノス』

突然攻撃的なモンスターたちに襲われてしまい、平和な空間が一変。轟音・地鳴りが響く中アイルーの言うがままモンスターを撃退することに。
手で物を投げる動作をすることで、石をモンスターにぶつけることができ、参加者全員で撃退を目指します。

火山に水中に船上に……めまぐるしく移り行く景色とモンスターに攻撃されるたびに身体にダイレクトに伝わる衝撃。
本当に地面が壊れてしまっているような揺れが参加者を襲い……どうなってしまうのか……!?

登場するモンスター『ラギアクルス』と戦う様子

……この迫力は、一言でいうと“4D映画”のさらにさらに上で、唯一無二な体験でした。
匂いや水しぶきがある4D映画と一緒にするのは、少し分野が違いますが、地響きに光の効果など身体に響く物理的な衝撃は、今までの人生では感じたことのないモノでした。

ARに関しては、部屋に広がる360度ディスプレイとARデバイスとが相互に補完しあっていて、あの演出は360度ディスプレイの映像で、コレはARデバイスの映像で……の差は言われないと気が付かないレベル。

ちなみに冒頭で「最近のモンハンはわからない」と言いましたが、わからなくても楽しめました。
むしろ迫力に圧倒されてしまって、誰が誰かは気にならない……?
初見の視点で「なんだあのモンスター、めっちゃかっこいい!」とも思ったりして、何も知らなくても十分、いや十二分に楽しめました!

こんな体験ができる『モンスターハンター ブリッジ』が、万博閉幕で体験できなくなるのはもったいないと思い、今後の展開について伺ったところ、「より多くのお客様に楽しんでいただくべく、現在、様々な可能性を模索中です。現時点では、詳細な回答は控えさせていただきます。」と回答を頂きました。

(Text by Note(のーと)

25年後の自分を直視する。『カラダ測定ポッド』と『ミライのじぶん』

大阪ヘルスケアパビリオンのリボーン体験ルート内で展開されている『カラダ測定ポッド』と『ミライのじぶん』は、様々な健康データから25年後の自分を見つめるという体験ができます。

健康データは、心血管、筋骨格、髪、肌、歯、視覚、脳、の7つのデータに分類されており、それらを専用のブースでひとりひとり測定するといった設計になっていました。

大阪ヘルスケアパビリオン全体が新しい建物なのもありますが、全体として“近すぎず遠すぎない未来”といった統一された未来感があり、カラダ測定ポッドも映える感じとワクワクするような雰囲気が同居した、洗練されたデザインでした。

駅前などで設置されている証明写真機をひとまわり広くしたようなブースに、健康データを測定する専用の機器が設置されています。ひとめ見て理解できるようなUIの良さを感じさせ、未来の公共空間が向かう先を見たような気がします。

筋骨格Eって…… でも年齢はちょっと若く出たからOK!

測定は正面に設置されたカメラとディスプレイを中心に行われますが、リアルタイムで肌や髪、そして歯といった自分のパーツが評価されていきます。今回は取材のため、特別に測定者とは別でカメラ撮影を行っていましたが、これがなかなか恥ずかしい……!

画面には動く私の顔に合わせて肌や髪の細かい測定データがリアルタイム表示されており、想像以上に詳しい分析が行われていることが伝わってきました。

測定を続けていると、筋骨格ランクがEという(たぶん)最低値を叩き出してしまい、運動不足を痛感させられたのは良い思い出です。VRCボクシングで鍛え直します!!

ある種の残酷さが25年という時間の現実味を突きつける

『カラダ測定ポッド』を抜けると、健康データをもとにした25年後の自分を再現できるディスプレイ群が登場します。入口で発行されていた“リボーンバンド”を端末に当てることで個人を識別。少し待つと、測定機で撮影された自分の写真から生成されたアバターがだんだんと“老いて”いく様子を眺められます。

ライターTrasqueの25年後 ちょっと北野武さんっぽくない?

この場所は多くの来場者が体験できるように、たくさんのディスプレイが設置されているのですが、必然的に25年後の自分の姿が周辺の人達にも見られてしまうという構造でもあります。

25年という遠いようで近い未来。ほとんどの来場者にとっては、まだ生きているであろう時代。だからこそ、バーチャルでありながらリアルな“自分ごと”として受け止めざるを得ない、そんな気恥ずかしさに戸惑うような気持ちが出てきます。

なんだか情けないような感覚と、それでいて今この時から自分はどう自分のことを気遣っていけばいいのだろうかといった前向きな気持ちとがないまぜになり、25年という時間の長さと短さを感じたパビリオンでした。

残酷さのある展示だという印象も持ちつつ、それが現実を見つめさせてくれるのかもしれません。

ちなみに、『ミライのじぶん』に出会った後は、以下で紹介するような『ミライのヘルスケア』や『ミライの都市』のブースを体験することで、内容に応じて健康データのランクが上昇します。リボーン体験ルートの最後では生まれ変わった『ミライのじぶん』に出会えるようになっていて、行動することでミライを変えられるということを体感できるようになっています。

(Text by trasque

ロボティクスウェア(着るロボット)『T’s Exoskeleton』で自由に大空を飛ぶ体験を。『椿本チエイン』

株式会社椿本チエインは機械部品から搬送システムまで、幅広い分野で世界中の“動く”を支え続けてきた機械メーカー。大阪ヘルスケアパビリオンでは、“身体能力を拡張する着るロボット『Exoskeleton』(エクソスケルトン)のオーダーメイドができる未来のテーラー”というコンセプトのブースを出展しています。VRを使って大空を自由に飛び回る体験ができるということもあり、大人から子供まで大人気となっているブースを特別に体験させていただきました!

ブース正面に展示されている『Exoskeleton』は、“チエイン”と名の付く企業だけあって、よく見るとチェーンが用いられています。(なんでも世界最小クラスの『エプシロンチェーン』なんだとか!)25年後にはこれを着用して自由に空を飛ぶことができるのかな……と想像すると、体験前からすごくワクワクします!

キャリブレーションしているところ

ロボティクスウェアのベースとなるベストを着用し、Meta Quest 3を装着したら、いざ体験スタート!

MRモードで設定やキャリブレーションをやっているといつの間にかVR空間になっていて、その切り替えのスムーズさに驚きました。

右旋回している筆者

平泳ぎのように両手を掻けば前に進み、両手を傾ければ旋回する直感的操作で、爽快な飛行体験でした。VR体験でこれだけ気持ちよく空を飛べるなら、本当に空を飛べたらもっと気持ちいいんだろうな……。

風のトンネルを通り抜け……スピード感が気持ちいい!

思うがままに飛行する難しさも感じつつ、体験終了。再びMRモードに戻り、体験のリザルトでは、速度、旋回のテクニック、安定性の3つの項目で算出されたスコアをもとに、自分にぴったりな翼の『Exoskeleton』を提案してもらえます。

リアル⇔MR⇔VRとシームレスに遷移することで、より高い没入感を感じられ、直感的に飛行体験を楽しめました。コンテンツとしての作り込みはもちろんのこと、MRヘッドセットである『Quest 3』の、VRだけじゃない本当の力を感じた体験でもありました。

25年後はロボティクスウェア≒着るロボットが普及して、自由に空を飛んだり重いものと軽々と持ち上げることができたりと、人間の身体能力の限界を拡張できるようになる。そんな未来を体感できるブースでした。

(Text by やまびこ

森永乳業のブースはVRで腸内悪玉菌をボコボコにできるぞ!!

画像引用:森永乳業プレス資料より

ブースに辿り着くとそこは腸の椅子だった。

大阪ヘルスケアパビリオン出展企業のひとつ、森永乳業のブースではVRを活用したアトラクションを展開している──そんな情報をキャッチした編集部は、早速向かうことにしました。

カラフルでポップな内装に彩られたブースには、多くの家族連れが列を為していて、特に子どもたちの人気が高いようでした。ピンク色の腸を模した椅子が立ち並び、元気にはしゃぐ子どもたち。なんだこれは!! 攻めすぎでは!?

(物理的に)腸と向き合い続けたライターが(設備的に)腹をくくって挑戦してみた

森永乳業株式会社が出展しているのは、VRシューティングアトラクション『VR腸内クエスト』です。

海外から輸入してきたアニメに声優さんが自由すぎるアテレコをした昔の作品のような、コテコテなノリの悪役が出てきます。そういえばここ大阪だったわ。

先のリボーン体験『カラダ測定ポッド』と合わせて、こちらもライター個人の興味で担当しました。長らく腸に関する疾患と向き合い続けてきたこともあり、大阪ヘルスケアパビリオンは恰好の取材対象だったのです。

脳波ビームを全力で発射しているライター2名の様子。
どういうことかと言うと、とにかく脳波ビームで悪玉菌を攻撃しています。

大阪ヘルスケアパビリオン全体に流れる近代的で清潔な雰囲気から、はじめは堅い感じの内容を想像していたので、これは良い意味で裏切られました。何より家族連れが楽しそうにVRコンテンツを体験しているというのが嬉しいですね。

しかもこの『VR腸内クエスト』は、私達にとってはおなじみのVR3D空間でゲームをするだけではなく、演出に合わせて腹部に振動が加わるという特別仕様!! 振動デバイスを文字通り腹にくくって、いざ腸内への冒険がはじまります。

あまりにも直接的すぎる表現の腸内フローラに思わず突っ込んでしまった。
VRで見るとすごいきれい

腸内フローラってお花畑やないかい!! 全力で一面のお花畑やないかい!!

確かに、腸内フローラという名称は「様々な細菌が集まっている様子が花畑のようだから」と付けられたものではあります。何も間違ってない。

平成でもなかなか見る機会のなかったタイプのコテコテな悪役として登場する悪玉菌をやっつけていきます。

操作はQuest3が備えているハンドトラッキングを存分に活用したもので、両手を使って狙った悪玉菌をひたすら倒すレールシュータースタイルのゲームとなっていました。

緑色のY字がビフィズス菌
「ビフィズス菌!」としっかり叫ぶことでボムとして発動できる 叫ぼう

両手で射撃できるとはいえ想像以上にゲーム展開が高速で、悪玉菌も大量に出現するので、しっかり対応しなければ撃ちもらしがでてきてしまいます。

シューティングゲームとしておなじみの“ボム”要素もあり、これを活用して高得点を狙えるという設計で、一筋縄ではいきません。たぶん、完璧に攻略しようと思えば子どもではかなり難しいレベルだと思います。

そしてこのボム要素こそ、ブースのテーマとなっている“ビフィズス菌”の活躍する場面なのですが…… なんと「ビフィズス菌~~!」としっかり発言しないと繰り出せないという仕様だったのです!!

恥ずかしがるな!! 取材だろ!! 叫べ!! ビフィズス菌!!

“音声さえ入力すれば発動するのでは?”とか姑息なことを考えて、途中「あ~~」とか言ってみましたがダメでした。悪玉菌を倒すため、全力でビフィズス菌を叫びましょう。ここは腸の中なんです。誰も聞いていませんよ。

ゲームが終わるとリザルト画面が表示されます。総合ランキング1️位は3倍近い得点を叩き出しており、そんなにポイントを稼げる余地があったのか……!? と驚きつつ、やり込むために通っているプレイヤーが存在することへ思いを馳せ、その場を後にしたのでした。

(Text by trasque

バーチャルでも楽しめる大阪ヘルスケアパビリオン

大阪ヘルスケアパビリオンのバーチャルパビリオンは、『バーチャル万博~空飛ぶ夢洲~』と『REALITY』の2つのプラットフォームで展開されています。

バーチャル万博のパビリオン内は、リアルパビリオンで特徴的ならせん状の柱も再現

『バーチャル万博~空飛ぶ夢洲~』では、パビリオン内のアトリウムエリアの内装がリアル同様に再現され、展示内容の説明パネルやマスコットキャラクターの『もずやん』と記念写真を取ることができます。

『REALITY』で展開される『バーチャル大阪ヘルスケアパビリオン』では、“ミライ”をイメージした空間で、出展企業の展示や複数人プレイのアトラクションなど用意されています。こちらも併せて楽しんでみてください。

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バーチャルライフマガジン編集部
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