バーチャルサンリオピューロランドの新しい大型企画『8Puronicles』は、パレードであると同時に新作のVRライブとしても見どころいっぱいだった!

みなさん、バーチャルサンリオピューロランドの新しいパレード『8Puronicles』をご覧になりましたか?
バーチャルサンリオピューロランドのグランドオープン(常設化)に合わせて発表されたこのプロジェクトは全八章の予定で、現在第一章、第二章が公開されています。公式ページによれば、8Puroniclesは「(ハーモニー星からやってきてピューロビレッジを作った)8人のピューロ(Puro)に対するリスペクトを持ちつつ、新たなピューロキャラクターとオリジナルのストーリーを作り、新たな物語を展開する予定」とのことです。

……と分かった風に書いていますが、筆者(きっどえー)は今回初めて「ピューロ」の語源を知った程度にサンリオとサンリオピューロランドについて詳しくない人間です。ですが、2023年の『Sanrio Virtual Festival』(以降『サンリオVfes』)をきっかけにいろいろなVRライブを見続けてきた者として大変面白く見ることが出来ました。なぜなら、第一章はキヌさん、第二章は約束さんという、サンリオVfesに毎年出演し続けていた素晴らしいクリエイターさんが監督を務めていて、その魅力を遺憾なく発揮していたので。


左:キヌさん 右:約束さん(ともにサンリオVfes2025のライブより)
キヌさんは2021年の第一回、約束さんは2023年の第二回以降、毎回サンリオVfesに出演してVRライブを行ってきました。
と、いうわけで本記事は「2023年以降のサンリオVfesライブパフォーマンスおよびVRライブを見てきた人が8Puroniclesの第一章・第二章を語る」記事となっております。筆者の個人的な感想・解釈が多めの内容になりますが、よろしければ最後までご覧ください。
本記事は8Puronicles第一章「ロイハッピー編:Imagine Your Starlight」と第二章「パルラ編:Only Your Voice」の内容に関する言及(ネタバレ)を含みます。ご注意ください。
目次
第一章(ロイハッピー編 監督:キヌ)



ハーモニー星からやってきたロイハッピーとキティちゃんを中心に、バーチャルピューロランドに新しいステージとパレードを作ろうとする「ロイハッピー編」。8Puronicles全体のプロローグを兼ねていることもあってか、派手な演出は控えめだったように感じました。……あくまで「過去にキヌさんが作ったライブ・パレードと比較して」ですが。
ですが、過去のキヌさんの作品とのつながりを感じずに居られない場面も多く見られました。特に「Nakayoku Connect」との。
「建築の物語」としてのロイハッピー編と『Nakayoku Connect』
『Nakayoku Connect』(ナカヨクコネクト)は2022年7月~23年8月までの間にリアルとバーチャル両方のピューロランドで開催されていたパレードで、バーチャル側のショーの監督を務めていたのがキヌさんでした。
リアル側とバーチャル側の開演時間が同一であり、パレードの最後の曲は双方の出演者が一緒に歌唱するなど、リアルとバーチャルの繋がり(コネクト)を強く打ち出したパレードだったのですが、この記事で強調したいのは「バーチャル側の舞台が『建築途中のピューロビレッジ』だった」ということです。



『Nakayoku Connect』が初めて公開された2022年7月はサンリオVfesの第一回が開かれた約半年後で、当時のバーチャルピューロランドにはピューロビレッジ(パレードの会場でもある「知恵の木」のあるエリア)がありませんでした。そこでバッドばつ丸を中心とした6名のサンリオキャラ達がクレーンを使ってバーチャルピューロビレッジを建築していた……というのが『Nakayoku Connect』のバーチャル側のあらすじでした。
以上の事を踏まえて8Puronicles第一章「ロイハッピー編」を振り返ると、偶然とは思えない関連性がいくつも見出せます。

建設現場(観客の左右方向)にバーチャル側の『Nakayoku Connect』に出てきたのとよく似た形状のクレーンがありますし、

出演しているキティちゃんとばつ丸くんはそれぞれ『Nakayoku Connect』のリアル側とバーチャル側のショーのメイン出演者です。
「バーチャルにピューロビレッジを建築する」という内容のパレードで共演したふたりが今度はバーチャルピューロビレッジの横に新しいステージを、そしてパレードを作ろうとしている……自分には監督であるキヌさんが「『Nakayoku Connect』で描いた先の、新たなバーチャルの建築の物語」を描こうとしているように思えてならないのです。
表現者として、『主役』としてのロイハッピーの苦悩
「ロイハッピー編」では主人公であるロイハッピーの苦悩も描かれています。


キティちゃんに「新しいパレードの主人公になって欲しい」と言われて引き受け、ステージの建設とパレードの練習に取り組むロイハッピーでしたが、彼の心をむしばむように闇の声が囁きます。
「本当にお前は主役にふさわしいのか?」「努力が足りないんじゃないのか?」
その声を打ち消そうと……いや、声の言うことを認めることへの恐怖心から、彼は1人で全てを抱え込もうとし、自分の殻に閉じこもりかけます。
……そういう感情は、(Webメディアのライターという形で)他人に向けてモノを表現して見せている者として共感できるものがあります。「お前は記事を書くのにふさわしい人間なのか」「良い記事を書く努力が足りないのじゃないか。お前は努力をさぼっているのか」という不安感・劣等感はかなり強烈なものがあり、まともに向き合い続ければ本当に何も書けなくなってしまう性質の物だと感じます。自分は周りの人に恵まれているのと、ある種の開き直りでここまでやってきてますが(ロイハッピーのようにとことんまで向かい合って苦しまなければ真に優れた表現者になれない、と頭ではわかっているのですが僕はそこまで強くなれていない)

同時に、「ロイハッピーの苦悩は(パレードの監督であり脚本を共同で執筆したという)キヌさんの思いも象徴しているのかも?」と感じました。キヌさんも表現者であり「VRライブクリエイターの象徴」というある種の『主人公』的な立場に立ち続けている方なので……
第二章(パルラ編 監督:約束)


第二章に登場するのは引っ込み思案だけど歌うのが好きな女の子、パルラ。ロイハッピーと同じくハーモニー星から地球にやってきた彼女がマイメロディと交流する内容の物語でした。


パルラの歌声と共に舞い散る光の粒子(パーティクル)は本当に美しく、ただただ見とれるばかりでした。
「表現物への評価」に苦しむパルラ、そしてそれへの力強い回答

しかし、そんなパルラにも闇からの声が襲い掛かります。
「ただのノイズじゃん」「全然響かない」「あの子(マイメロディ)は優しいから誉めてくれてるだけ」……
ロイハッピー編と同じく、これらの言葉も表現者としての筆者に突き刺さるものがあります。「自分の作った表現物に価値など無いのではないか?」という疑念もまた、もの作りをしている人の多くが感じる不安であるように思います。「お前の作品からは何も伝わらない」という他人の言葉が凶器になる事も含め。
ですが、パルラはマイメロディの助けもあって立ち直り、再び歌う事を決意します。
「この気持ちぜんぶ、歌にしてぶつけるんだから!」





そうして二曲目「音符の行進」が始まったのですが……正直言って、ぶっ飛ばされました。
前後左右、そして上下にも激しく移り変わる場面の中で歌い踊るパルラ……本当に可愛らしさにあふれたライブだったのですが、同時に「物凄いものをぶつけられた」感覚も覚えました。本当に、過去に見た約束さんのライブの120%、いや150%ぐらいの出力のライブを見せられたような、そんな気持ちでした。
パルラと同じく、約束さんも気持ちを全部このライブにぶつけてきたのかも。今振り返るとそう思えてきます。
まとめ~要するに、面白かった!

以上、8Puronicles第一章、第二章の感想をお送りしました。
感想をまとめると、「サンリオVfesライブパフォーマンスの延長線上にあるものとしてだけで見ても、8Puroniclesは面白い」です。
二作品とも、クリエイター・表現者が直面する不安や葛藤を表現している一方でそれぞれの監督の作家性が強く出ていたように感じました。そしてそれは、今まで見てきたライブパフォーマンスとも過去にバーチャルピューロランドで上映されてきたパレードとも違う新しい方向性のライブでありパレードである、という風にも言えるように思います。
今後の展開がどのようになり、それぞれの物語の監督が誰になるのかは正直言って予想付きませんが、どのような物語を、そして表現を見せてくれるのか今から楽しみです。
『8Puronicles』の次回上映は3月7日と8日!
そんな『8Puronicles』のサンリオVfes2026開催期間中最後となる公演が(今週末の)3月7日と8日に予定されています!

(※第二章 パルラ編の監督である約束さんによる宣伝ポスト(ツイート)。『8Puronicles』はサンリオVfes閉幕後にバーチャルサンリオピューロランド内で常設化される予定です)
すでに観た人ももう一度、そしてこの『ネタバレ』記事を読んで実際のパレードの様子が気になった方はこの機会にぜひ、観に行って欲しいです。
会場はこちら!
その他情報は8Puroniclesの特設ページもチェックしてみてください!
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開演日時:3月7日(土)、8日(日) ともに22時~