ショルダーフォンからポケベル、メール、写真、そして動画…
人とのコミュニケーションや情報を共有する手段はここ40年で目まぐるしく変化してきました。
そして今、ソーシャルの最先端とも言われているのが、自らがネットの中に入る『メタバース』の世界です。
VRを活用したメタバースの中で今最もプレイヤーが多いプラットフォームの1つがVRChat。
今回は初めてVRChatに遊びに来たあのんちゃんと一緒にメタバースの魅力を学んでいきましょう。
ナビゲーターː桜羽ことねちゃん(@T8oNana)
VR/メタバース文化を盛り上げるためのNPO法人『バーチャルライツ』の第1期VR文化アンバサダーを務める、 『明るく元気に、自分らしく!』をモットーに、 メタバース内で活躍するアイドルだよ!
目次
メタバースってなぁに?
メタバースっていうのはインターネット上の仮想空間で、アバターを通じてたくさんの人とコミュニケーションを取ったり、遊んだりする空間の事だよ!
メタバースとゲームって何が違うの?
例えば一般的なゲームだと“ゲームに勝つ”という目的があるよね。
それで、その目的を達成する為にお友達とコミュニケーションを取ったりすると思うのね。
でもメタバースの世界では、プラットフォームからプレイヤーに目的が与えられる事が無いのが大きな違いかな。
目的が与えられてないからこそ自由に過ごせる、現実では出来なかったやりたいことをやったり、なりたい姿になったりできる世界なんだよ♪
メタバースはインターネット上に構築された3次元の仮想空間の事を言います。
メタバース内では世界中から日々たくさんの人が集まって、お喋りをしたり、友達と遊びに出かけたり、時にはイベントを開いたりして過ごしています。
どんな過ごし方をするかはその人次第!
メタバースは第2の人生と呼ぶ人もいるくらい自由な世界なのです。
でも“自由に過ごす”って言われてもどうしたらいいか分からないよ~!
大丈夫、私も最初来た時は何をしたらいいか分からなかったんだ。
でも今はいろんな人と関わりながら私なりの楽しみ方を見つけたの。
みんながどんな過ごし方をしているか一緒に見てみよう!
みんなのメタバースの過ごし方 in VRChat
①友達とおしゃべりする
たくさんの人と交流できるのがメタバースの大きな魅力の1つ。
特にVRChatでは日本のみならず全世界のユーザーが仮想空間に集まって交流を楽しんでいます。
アメリカ、オーストラリア、ドイツ、中国、韓国などなど…
現実では触れ合う事がなかなか出来ない、地球の反対側にいる人ともその場で会って会話が出来ます。
もちろん気心知れたお友達と集まってお喋りを楽しむのも良し。
メタバース空間で毎日会ってデートをしてるという遠距離恋愛のカップルも珍しくありません。
②旅行する
メタバース空間ではたくさんのワールドが日々更新されています。
その多くはVR空間を遊んでいるユーザーが制作したもの。
遊園地みたいなジェットコースターが楽しめるワールドや、お化け屋敷みたいなドキドキ感が味わえるホラーワールド、綺麗な景色が楽しめる幻想的なワールドなど多種多様。
中には企業が制作するワールドや、バーチャルマーケットを始めとした期間限定の展示ワールドもあります。
バーチャルライフマガジンではたくさんのワールドを紹介しているので是非チェックしてみて下さいね!
③ファッションを楽しむ
年齢や性別関係なく自分のなりたい姿になれるメタバースの世界。
ユーザーの間ではアバターを作ったり、販売されているアバターを改変して着せ替えをしたりして様々なファッションを楽しんでいます。
アバターや衣装の多くはBOOTHを始めとしたデジタルマーケットで販売されている他、バーチャルマーケットなどの展示イベントでは『WEGO(ウィゴー)』や『BEAMS(ビームス)』を始めとした、企業がプロデュースする3Dファッションの販売も一部行われています。
実は今回ナビゲーターを務めてくれている桜羽ことねちゃんが使っているアバターも、もともとは市販のアバターを改変したもの。
市販のアバターでも髪型や色を変えるだけで、かなりオリジナリティの高いモデルを作ることが出来ます。
また、自分で改変するのが億劫だという人に向けて、個人でアバター改変サービスを提供している方もいます。
④自分の特技を生かす・やったことないことにチャレンジする
メタバース空間ではたくさんのユーザーが自分のやりたいことを表現しています。
メタバース空間でイベントを開いたり、弾き語りをしたり、DJをしたり、ダンスを踊ったり、3Dモデルを作って展示イベントに出展したり、ワールドを作ったり…。
表現の仕方は無限大!
現実の特技を生かしてメタバース空間で活躍する人もいます。
もちろん今までやったことがないことをやってもOK。
とにかく『やりたい!』と思ったことが比較的すぐやれちゃうのがメタバースの魅力。
現実ではやったことないけどメタバースで初めて新しいことにチャレンジしてみたという人も多いですよ!
メタバースで活躍する人たち
3Marcoさん(@3Marco_VRChat)
日々様々なVR DJイベントに出演し、2021年末にはVRChat公式年越しイベントのDJとして活躍。全世界にその実力を魅せ付ける人気のメタバースDJ。
みなみにしさん(@southwest0302)
メタバース空間でビリヤードをしているバーチャルハスラー。
VRChat内のビリヤード台で遊んでる様子やトリックショットを動画で上げていて、Twitterのフォロワーは1万人以上!
ひととせハルさん(@sr_vrc)
VRChatを始めとしたメタバース空間でたくさんのイベントを企画するイベンター!
VRChat発のバーチャル旅行代理店YAL(ゆるふわエアライン)では旅先コンシェルジュとして初心者向けのツアーをはじめ、さまざまな旅行プランを提供してるよ♪
ここで紹介したお友達はごく一例に過ぎないから、私も知らないユニークな遊び方をしている人がたくさんいると思うよ!
そういう人に会いに行くのも面白そうだね♪
お友達をみつけよう!
いろいろな人に会いに行きたいけど私は英語が喋れないし、まずは日本人のお友達を見つけたいなぁ
それじゃあ日本人のお友達と仲良くなる方法を教えるね♪
①イベントに参加してみる
メタバース空間では日々色々なイベントが開催されています。
VRChatにおいては有志のユーザーが制作している『VRChatイベントカレンダー』というものがあり、カレンダーから気になるイベントを探すことができます。
イベントは喫茶店やBarを模した雑談集会から、飲み会、ゲームワールドで遊ぶ会、音楽イベントなど様々あります。
『VRChatイベントカレンダー』は日本人が制作したワールドを中心に設置されていることが多い他、WEBサイトからも確認することが出来ます。
VRChatイベントカレンダー https://vrceve.com/
他にも日本人が制作したワールドには今話題のトピックやワールド・イベントの情報が掲載されているポスターが設置されていたりするので、そういった情報をもとに遊びに行きたいイベントを探すのもおススメです。
音楽が好きだったら音楽イベントに遊びに行ったり、アニメが好きだったらアニメの話ができる集会に参加するとか、自分が人とお話出来そうだなって場所に行くのがオススメだよ!
ポスターが設置されている主なワールド
[JP]Tutorial World
VRChatの操作方法が日本語で書かれている、日本人向けの集会場ワールドです。
USiOPORT ウシオポート
人気のあるワールドのポータル(※1)がカテゴリ別で並んでいるワールド。
日本人コミュニティのポスターや動画、大規模イベントのお知らせなど、掲示物が定期的に更新されています。
(※1 ポータル…別のワールドに遊びに行ける入り口)
②SNSでお友達を見つける
SNSでメタバースを遊んでいる人を探してみるのも1つの手です。
特にTwitterではVRChatを始めたばかりの人が#VRChat始めましたのハッシュタグで呟いていることが多いので、自分と同じ時期にVRChatを始めたユーザーが見つかるかもしれません。
SNSで交流を図って一緒にVRChatに遊びに行ったり、イベントに遊びに行くのもいいですね。
自分と同じ時期にVRChatを始めた子と一緒にこの世界を冒険するのも楽しそうだよね!
③ワールドを旅してみる
偶然の出会いも楽しいもの!
メタバース空間で旅をしながら出会った人たちは現実の旅と同様、思い出深い出会いになるはずです。
新しくアップロードされたワールドは人がたくさん訪れていることが多いです。
2021年6月からは新たに日本サーバーが誕生したので、日本のリージョンで開かれているインスタンスは日本の人や日本に近い国の人と出会える確率が高いです。
自分の好きなテーマのワールドならその場にいる人と話が弾むかも!
メタバースで人と仲良くなる方法
メタバースで人と仲良くするためにはどのようにしたらよいでしょうか。
まずは基本的なことですが、現実と同じくあいさつをするのが大切です。
『こんにちは!』『はじめまして』から始まり、グループで会話をしている人たちには『何をお話ししてたんですか?』と聞いてみたり、『おすすめのワールドはありますか?』と聞いてみるのも良いでしょう。
そしてメタバース空間の中でのあいさつは声だけではありません。
メタバース内ではボディランゲージでコミュニケーションを図ったり、空間内に文字を書いて意思疎通を図ったり、絵文字のスタンプを使って自分の気持ちを表現することが出来ます。
実際メタバースの中では“無言勢”と呼ばれる、マイクを使わないで遊ぶプレイヤーが一定数存在し、他プレイヤーと分け隔てなく遊んでいます。声を出すのが苦手だったり、様々な事情で声を出せない人でも自分のやりやすいコミュニケーション方法でお友達を作れますよ。
また、 いきなり人に声を掛けるのはハードルが高いという方は、他のプレイヤーがどのような会話をして楽しんでいるのかを眺めているだけでもコミュニケーションのヒントを得られるかもしれません。
現実でもメタバースでもまずはあいさつが大事!
仲良くしたいという気持ちを伝えられれば自然と会話が出来るよ!
VRChatの魅力インタビュー:ヤタノさん
ヤタノさん
VR空間にいる九尾の狐。毎日朝7時半にVRChatのワールド紹介、写真やクスッと笑えるショート動画等定期的に投稿する他、週3~4でVR系統の配信をしている。
■YouTube https://www.youtube.com/channel/UC445KYpV6LR1EtbpRU4rmbg
■Twitter https://twitter.com/fox_yata9
私がVRChatを始めたのは、とあるVTuberの動画がキッカケでした。
2018年頃にVTuberカルチャーがバズった頃、VTuberの1人がVRChatの紹介をしていたんです。
動画内ではいろんな人がごちゃまぜで騒いでたんですけど、とにかく楽しげに過ごしてる姿に衝撃を受けて…。
もともと自分は、現実の方では仕事行って帰って寝る…っていう、とりあえず生きてるだけという感じで過ごしていたんです。趣味と言えるものも特に無くて。何者でもないみたいな。
なのでみんな自由で楽しそうに過ごしているVRChatの世界に強い興味を持ちました。
最初はVR機材も無く、デスクトップモードで入り込んだんですが、実際やってみたら『あっ、面白いな』って思って。
そこからはとんとん拍子にVR機材を買って、トラッカーを買ってフルトラになって。
VRChatの世界に来てからは私の価値観はだいぶ変わりました。
それまで『こういうのが常識なんだ』とやってきた物が全部なくなりましたね。
例えばジェンダー的な事で言うならば、今までは『ゲームでは男性は男性キャラを選ぶものだ』という偏見があったんですけど、VRChatではそんなことは無く、自分のなりたい性別になっていい、というのが衝撃でした。
男性の姿のから女声のが出てても何も言われないし、逆もまた然り。異世界転生した気分です。
いい意味で常識が通じないですから、自分の中でこうだと決めつけていたものが他のコミュニティに行ったら全然通用しなかったり。近いけど微妙にずれてるとか。
今も思っていることですが、VRChatってインターネットの3D版みたいな世界なので、良くも悪くもめちゃくちゃなのがこの世界の楽しさの1つですね。
それからVRChatに来てからは知らない人に話しかけることに対する抵抗がだいぶ無くなりました。
とりあえず『こんにちは』『こんばんは』って挨拶して、相手の姿形を褒めたりして話題を振るとそれに合わせて会話が出来るっていうのが分かったんです。
今はVRChatの楽しさをみんなに伝えたいと思って、ワールドを巡ったり、イベントに参加したりして、その様子をTwitterやYouTube動画で配信する活動をしています。
日々動画を投稿している中で、ある時私の動画を見てVRChatを始めたという方が私に挨拶してくれたんです。『ヤタノさんの動画を見てVRChatを始めたんです』ってお礼を言われたんですよ。自分のやってることが誰かに届いたんだって思うと感慨深かったですね。
VRChatの世界はみんな口をそろえて『なりたい自分になれる』って言いますけど、その通りなんですよね。本当になりたい自分になれます。自由になれる。そしてそういった自由な姿の自分を受け入れてくれる人たちもこの世界にいる訳です。
未知の領域に踏み込むって最初は謎だらけで怖いかもしれないですが、興味がある人は是非1歩踏み出してほしいと思っています。
なりたい自分になれる場所・メタバース
やりたいことをなんでも出来るのがこの世界の魅力。
私もここに来てからは『やりたい!』って思ったことはぜ~んぶやってるんだ!
どんな自分にもなれるから、現実の倍以上の人生を送れるのがとっても楽しいの!
なりたい自分になれる世界って素敵だね
じつは私ね…
じゃーん!えへへ、可愛いでしょ?
実は私、VRChatの中でアイドルをやってるんだ!
え~~~~!?
ことねちゃんってアイドルだったんだ!
『Happy★palette』っていうグループの副リーダーをやっていて、VRChatの中で時々ライブをやってるんだよ!
今日は一緒に遊んでくれてありがとう。
今度のライブ、あのんちゃんも是非遊びに来てね♪
メタバースの世界はまだまだ発展途上の世界です。
この世界を作るのはあなた自身!
たくさんの人と触れ合いながら、あなただけの楽しい思い出を作ってくださいね♪
オマケ:もしも困ったことが起こったら…
日進月歩の勢いで発展するメタバース。
新しい技術や文化にどう触れ合ってよいか分からず、困ってしまう事もあるかもしれません。
メタバースで困ったことが起きたらどうしたらよいか、メタバース文化をよく知る専門家の方にお話を聞いてみました。
kittenさん
第一東京弁護士会所属、NPO法人バーチャルライツの顧問弁護士。
AkizukiAkiさん
NPO法人バーチャルライツ事務局法務課長。メタバース/バーチャル文化の発信や文化の発展を図るため日々活動を行っている。
対人関係におけるトラブル
自分の考えと合わない人に会ってしまった場合、相手にどう接すればいいですか?
メタバースは世界中から人が集まるので、様々な人が様々な価値観で過ごしています。
時には自分の価値観と合わない考えの人もいるかもしれません。
そのような人と出会った場合、どのようにすればよいでしょうか。
例えば日本においては比較的宗教に寛容な文化を持っていますが、他の国では宗教に関して厳しい考えを持っている人もいます。
ですが、自分の考えと合わないからと相手を糾弾したり、どちらが正しいかと争うのは、最悪の場合トラブルに発展してしまう可能性があります。
様々な価値観が認められ、誰でも自由に活動できる事が魅力のメタバース。
宗教だけでなく、趣味や性的嗜好など、これまで自分が好きで取り組んでいたことや、楽しいと思ってやっていたことが、誰かから否定されたり、勝手にルールを作られて規制されてしまうのは悲しいですよね。
それは相手にとっても同じ事です。もし異なった価値観に出会った場合、『へぇ、こういう考え方もあるんだな』と受け入れると楽しく遊ぶことが出来ます。
どうしても苦手な場合は自分の方から距離を遠ざけたり、関わらないように自衛する姿勢が大切です。
メタバースは現実よりも幅広く人と交流が図れるので、いろんな価値観を勉強するのも楽しいかもしれませんね。
万が一メタバースの世界でネットストーキングに遭ってしまったらどうすればいいですか?
メタバースの世界では知らない人と気軽にコミュニケーションが出来る事が魅力です。
ですがその気軽さゆえに、相手との距離感が分からず近づきすぎてしまうことがあるかもしれません。距離が近づきすぎると、自分は望んでいないのに執拗に連絡をされてしまったり、人間関係のトラブルに巻き込まれてしまう危険性があります。
これはメタバース空間に限った話ではないですが、こうしたトラブルを防ぐためには自分の個人情報を言わない事、そして誰かの個人情報を第三者に言いふらさない事が大切です。
また『なんだか危ないな』と思ったら、近づかないことが大切です。
もし危ない人と接触してしまった場合、メタバース空間であれば即座にログアウトしたり、その場でフレンド登録を解除したり、ブロックすることが出来ます。そういった点では現実よりも万が一の際の距離の取り方が確立されているかもしれません。
とにかく連絡手段を絶つというのが一番。早い段階で逃げられたらトラブルも深くなりません。
メタバースを楽しく遊ぶためには、一般的なインターネットの使い方と同様、基本的には自分で自衛が出来ることが求められます。ですがそれでもしつこく居場所を特定しようとしてきたり、現実世界でも被害が及び始めた場合は、身の安全を守るためにも警察や弁護士に相談することが大切です。
まだガイドラインが未発達なメタバース空間。
特に未成年者がメタバース空間で遊ぶ場合は、ちょっとでも『危ないかも』という直感が働いたら近づかないことが大切です。
メタバースでも変な人にはついていかないこと。それからリアル側で相談できるオトナが1人でもいるといいですね。学校の先生とか、親とか、何かあったときに駆け込めるような広い視野を持ったオトナが見守ってくれる環境で遊ぶと安心ですよ。
メタバース内での被害についてはまだ事例が少ないのですが、メタバース外にも被害が及び始めた場合、悪質な場合は警察は迷惑行為に該当する者へ警告・逮捕を行うことができます。
被害を訴える場合はどれくらいの期間どれくらいの頻度でつきまとい行為が発生したか、またどのような嫌がらせを受けたのかを日付が分かるようSNSのスクリーンショットを行う、動画で記録するなど、ある程度事情を資料として提出できるよう記録しておくことが大事です。
著作物について
もの作りもメタバースの楽しみの1つ。
作った作品をすぐにメタバース空間にアップロード出来たり、販売サイトを通じてたくさんの人に購入してもらえたり、目の前にいる人に作品を褒めてもらったり…。クリエイターの人にとっては胸が躍る世界です。
でもこれまで物を販売したことが無い人にとって、どうやって人に作品を販売したり、譲渡したらいいのか分からないという人も多いのではないでしょうか。
3Dモデルの配布について、どういった点に気を付ければいいか、また、万が一トラブルがあった場合はどうしたらいいのでしょうか。
メタバース空間で使えるアバターや3Dモデルを作ってみたい!
でも作ったアバターの著作権ってどうなるの?
アバターの著作権は原則としてアバターを作成した個人に帰属します。
著作権法上、著作権者である製作者の同意なくしてアバターの譲渡・利用を行うことは違法であり、アバターの販売に関する条件や配布については著作権者であるアバターの制作者の同意のもと決定されるのが原則です。
BOOTHを始めとした各種3Dモデル販売サイトにはそれぞれの作品の販売ページにモデルの利用規約を記載することができます。
アバターの購入者はDLをすることにより、DL時のアバターの利用規約に黙示的に同意したものと通常は推定されるので、これらの規約に反した利用をした場合は著作権者であるモデル製作者からモデルの配布使用契約を解除され、以後アバターを使用できなくなる可能性があります
細かな規約について、どういった規約を設ければいいか分からない…!という人は、有志によるボランティア・プロボノ(社会貢献活動)として作られている、『VN3 License』という3Dモデルのライセンステンプレート(ひな型)があります。
サイト内には条件を選択&項目に入力することで、モデル制作者の望む利用規約を作れる『利用規約ジェネレーター』があるので、 そちらを活用すると便利です。
販売している作品の規約を変えたいんだけど、途中で規約を変えたら今まで購入してくれた人たちにも変更後の規約が適応されるの?
後から規約を変更したり、規約に追記事項を書き加えた場合は、規約変更後に購入したお客さんに対しては変更後の規約が適応されますが、変更前に購入してくれたお客さんに対しては配布当時の規約が適応されます。
なので購入後のお客さんに対して後付けで制限を加えることが原則的には出来ません。
規約を変更する際はトラブルを避けるため、いつ規約を変えたのか商品ページに記載したり、変更前の規約をスクリーンショットや印刷などで保管しておくと良いです。その際は日付が分かる状態で記録を残しておくと良いでしょう。
もしも自分の作った作品が許可なく勝手に使われていた場合、どこに相談すればいいの?
アバターの著作権者の許可なしにアバターを利用することは原則として違法です。
アバターの著作権者であるアバター製作者は、違法な利用をしているアバターのユーザーに対してアバターのデータの使用の差止やアバターに関するデータの破棄の請求、アバターの違法な利用によって著作権者が被った損害の賠償を請求を行うことができます
ただ、個人がいきなり民事訴訟を起こすのは大変な労力がかかるので、まずはプラットフォームや販売先のサイトの通報機能を使い、プラットフォーム側から厳正な処置を行ってもらう事が望ましいです。
アバター制作で生計を立てているフリーランスの方や、会社でアバター販売などをやっている場合、法的なケアを個人が全てカバーするのは事実上難しいので、法的なケアが出来る顧問弁護士を用意するのがおすすめです。
協力:NPO法人バーチャルライツ https://www.npovr.org/home
モデル:こよりLabo オリジナル3Dモデル『あのん』ver.1.02 https://nagatorokoyori.booth.pm/items/3564947
そもそもメタバースってなんだろう?