Vアーティスト特集♯1『AMOKA』VRと現実をつなぐ音楽

バーチャルの世界で会えるアーティスト!
VR生ライブを通してバーチャルと現実をつなぐ、『VRChat』発のバーチャルアーティスト『AMOKA』

音楽を通してバーチャルの世界を盛り上げたい!という彼らの思いを伺ってきました。

Virtualアーティスト『AMOKA』

【AMOKA】
VRChat発のバーチャルアーティスト。
あいぽ(Aipo)・もいさん(MOISAN)・からし明太子の3人ユニットでバーチャル空間を軸にライブ活動をしている。
直近では秋葉原エンタスのクラブイベント出演や、ニッポン放送のラジオ番組『ミューコミプラス』への出演などメディア露出も多く行っている。

ーーAMOKAさんはVRChatを主軸に活動していらっしゃいますが、音楽活動はいつから活動を始められたのですか?

あいぽ『名前を決めたのは去年の8月くらいですね。』

もいさん『結成のきっかけは去年の5月頃にメンバーがVRChat内でフレンドになって、お話をしている時にそれぞれ楽器をやってるとか歌をやってるとか、3人とも音楽やってるんだねって事がわかったんです。』

あいぽ『私がVRChatを始めたきっかけは音楽関係なく「新しいネトゲ始めようぜ!」って感じで始めたのですが、VRの中で音楽をやっている人がいるっていうのは知っていて、バーチャル音楽イベントの「アルテマ音楽祭」だとか、なんかイベントをやっているらしい、というのは聞いていたんです。

それで「VRChatで音楽やってる人とかいるのかな~?」って思ってたらちょうどからし明太子さんがいて…(笑)』

からし明太子『そうですね。もともと僕はDTMで音を作って遊んでいたのですが、Vtuberさんの流れを見て、なんかVRって面白そうって思ってVRChatに来た時にちょうどあいぽさんと出会って…

その日あった初日からあいぽさんは「ライブがしたい、ライブがしたい!」ってみんなに言ってましたね(笑)』

あいぽ『言ってたね(笑)たしかにね!
そこにもいさんも加わって、じゃあ3人でバンドやってみようか!ってなって。
とりあえずやってみようぜ!ってゲリラライブを去年の7月にやりました。』

もいさん最初は3人ともデスクトップモードで、スピーカー役のもいさんが真ん中に立って何曲かカバー曲を歌っていたんですけど、そうしたらいろんな人が遊びに来てくれるようになってきて。

あいぽ『そう!すごい人が集まってきてくれて。
そのあとに「じゃあ何かバンド名みたいに名前つけようか」ってなったんですが、そうしたらじゃあ私たちって何なんだろうって(笑)

3人のチームだけど全然姿かたちも違うし、みんな自由に好きな姿でやってるから、もう何かをイメージさせるような言葉とかね、造語とか思いつかないから、もうシンプルに頭文字を取って。

Aipoの“A”、MOISANの“MO”、からし明太子の“KA”、それで”AMOKA”でいいんじゃない?って(笑)』

音楽について

ーーAMOKAさんの音楽、個人的にも大好きでたくさん聴かせてもらっているんですけど、すごくストレートなJ-POPですよね。

あいぽなんかね、それ他の人にも言われたんですよ!
一翔剣さんっていうバーチャルアナウンサーの方がいらっしゃるんですが…中身はニッポン放送のアナウンサー・吉田尚記さんなんですが、AMOKAがミューコミプラスっていうラジオ番組に出させてもらった時にそのいしょけんさんから「いいポップスだなって思った」って褒めてもらったのが本当に嬉しくて。 それはつまり、バーチャルなのかリアルなのかとかのバイアス関係なく評価してもらえたのかなって。本当に嬉しかったですね。

もいさん『クラブサウンドとかあまりやってなくて…お子様にも安心な曲です(笑)』

あいぽ『でもバーチャルでポップスって逆にいないんだよね。難しい言葉とかも使ってないし。』

ーーそうですよね。バーチャルミュージックって言うと電波系だったり、サイバーチックだったり、クラブサウンド的なものが多い印象なんですが、そこにストレートなポップスが逆に新鮮というか。
浮足立ってない、街中で流れてそうな馴染みのあるサウンドがバーチャルなのに現実感があるっていう…。


あいぽ『そう言ってもらえると嬉しいです。
だからこそいろいろな所からお声かけ頂いたのかもしれませんね。ある意味尖ってないからこそ、バーチャルもリアルも関係なく、どこにでも音楽を届けられるのかも。』

ーー曲はどなたが作ってらっしゃるんですか?

もいさん『メインはほぼからし明太子です。ほぼめんたい、たまにもいさん。あとは楽曲提供いただいたものを歌ったりとか。

自分も趣味で歌を歌ったり楽曲を作ったりするのが好きだったんですが、それがVRChatだと本当に生で音楽を届けられるのが面白いですね。

でももともと音楽をやりにVRに来たわけじゃないので肩書を説明する時にすごく難しいんですが…(笑)
僕の感覚としては“音楽をやっているVRChatユーザー”って感じなんですよね。』

からし明太子『自分もAMOKAとしてオリジナル曲を作るときにどういう曲を作ろうかなって考えたんですが、自分の中で“AMOKA”として活動していくときに思い描いたイメージっていうのがキラキラしてて優しい感じなのかなーって。

そういうのが自分は好きだなって思って。そこが僕の一番落ち着く楽曲なのかなと思います。』

もいさん『からし明太子の作る曲って歌詞にもトゲが無いので。人が死んだりしないし(笑)』

からし明太子『でもそこに関しては実はそういう曲も作ってみたいってのはあるんですけどね。今のところはトゲが無いように息をひそめてます(笑)』


ーーーAMOKAさんは音楽もそうですが、PVやポスターもすごくこだわってますよね。そういったものもご自身で作られているのですか?

あいぽそうなんですよ。全部自前です!
ポスターやロゴ制作は私がやっています。この間参加させてもらった秋葉原「エンタス」の音楽イベントの会場に貼ってあったポスターも私が作りました。

PVに関しては撮影自体はVRChatのフレンドのありんこさんが撮影してくれているんですが、編集は私ですね。全部自前で頑張って作っています!!

ーーたくさんのVtuberさんがいらっしゃいますが、PVまで自前で作るっていうのはすごいですよね。しかもVRChatというロケーションを使ったPVっていうのはすごく珍しい!

ロケ地があるわけだからPVに出てた場所に遊びに行けちゃうのも今までにない新しい形だなと思います。『あっ!ここがAMOKAが歌ってた場所だ!』って。

あいぽ『そうそうそう!実際にファンの人がVRChatで写真撮って「ここで撮影したんだ~」ってツイートしてくれたり!
今インタビューしているここもそうなんですよ。最初にリリースした楽曲「colorful」でロケ地として使わせてもらっています。』

あいぽ『毎回MV撮るときはワールドを作った制作者の方に「ここのワールドをロケ地で使っていいですか?」って聞いてるんですけど…』

もいさん『なんかある種のコラボレーションに近いよね!』

あいぽ『そうなんです!私たちの音楽を通してワールドを作ったクリエイターさんたちのことも知ってもらいたいんです。

Unity上でロケーションを作って作品を作るのもいいんですけど、私たちは普段VRChatユーザーとして遊んでいるので、“この世界にいるんだよ”っていうのを伝えたくて。

あいぽ『「俯瞰の空、彼は歌う」のMVを撮るときに使わせてもらったワールド「Treehouse in the Shade」を作った1001さんって方は心不全で亡くなってしまったんですけど、でもワールドとしてはずっと残るし、私たちの作品もずっと残るので…。

なんか、形にしておくことってすごい意味のあることだなって。

だからこそ、よりVRChatの中で撮影することが大切だなって思っています。』

『俯瞰の空、彼は歌う』のロケーションとして使われたワールド『Treehouse in the Shade』


ーーAMOKAさんの音楽やMVって、なんだか“生きてる感じ”がしますよね。
単なるアイコンやキャラクターに終わるのではなく、バーチャルなのに“生”な感じがすごく新鮮です。
実際今もこうしてあいぽさんやもいさん、からし明太子さんと対面してお話もしているわけで…!

あいぽ『そうそう!いるからね、ここに!』

からし明太子『この世界にいるっていう現実味が面白いのかなって思います。』

あいぽ『作られたアニメーションとかではなくて、ちゃんとトラッキングしてリアルタイムで動いてるからね。』

VR SNSだからこその繋がり “口コミで広がるバーチャル音楽の輪”

ーー最近のAMOKAさんはVRChat内のみならず、バーチャル外での活動も活発ですよね。
直近だと秋葉原エンタスで開催されている『スパチャDJ』にも出演されたり、池袋HUMAXシネマズでAMOKAの楽曲が劇場CMで流れたり…!

あいぽ『それに関しては本当にありがたいです。でもそれもVRChatのフレンドさんのおかげっていうか。「実はAMOKAっていういいバンドがいるんですよ~」ってのをフレンドやファンの人がエンタスのオーナーのTAKUYAさんに売り込んでくれて…!

池袋HUMAXシネマズの劇場CMの件も、CLUB RUINS ていうクラブでAMOKAがゲスト出演した時にHUMAXのオーナーさんがイベントを見に来てくれてて。それでこのお話をいただきました。
今月12日(木)まで放映していて、『劇場版 鬼滅の刃』の上映前にAMOKAの楽曲がCMで流れています。

みんなが推してくれたおかげで活躍の場が広がっているんです。』

ーーそれめちゃくちゃいいですね。現実の路上ライブと同じじゃないですか。VRにフラッと遊びに行ったらAMOKAっていうアーティストが歌ってて「AMOKAいいな~」っていうのが口コミで広がっていく…っていうのはなかなかYouTubeや配信だけで活動しているのでは起き得ないことですよね。

そういう風に人の輪が繋がっていって、いろいろなステージに行けるっていうのはすごいですね。

あいぽ『ミューコミプラスのラジオの出演ですとか、最近はボードゲームのBGMとして使える楽曲の提供とか、いろいろなご縁で呼んでいただいて。本当、すべてご縁ですね。』

今後の活動について

ーー今人気急上昇なAMOKAですが、今後の活動に関して“こういう事をしたい”っていう目標は何かありますか?

あいぽ『この前のエンタスは良かったよね。だからクラブで流せる曲も作っていきたいよね(笑)やっぱり。』

もいさん『いろんな所とコラボしたいっていうのも勿論あるんですけど、我々VR SNSの世界を思いの外楽しんでいるので…最近はOculus Quest 2が発売されたというのもあるので、ぜひ一度VRの世界を体験していただきたいなっていうのはありますね。

我々はただのVRChatガチ勢なだけなので(笑)

なのでAMOKAの活動を通してVRChatの世界に遊びに来たり、この世界を楽しんでもらえたらと思います。』

からし明太子『そうですね、それと僕たちの活動を通じてVRで音楽やってみたいなって人が増えてくれたら嬉しい。』

ーー最後に!宣伝ありますか?

もいさん『それじゃあ…!
直近の告知が2つありまして、11月14日に「VRChat電音研」っていうところでライブをやります。VRChat内のイベントですね。』

https://twitter.com/AMOKA_info/status/1325097123470143490

もいさん『それから18日が締め切りなんですが、eo Music Tryの“mineo Award”のユーザー投票があります。』

関西発の音楽を世界に向けて紹介する『eo Music Try』に唯一のバーチャルアーティストとして参戦。グランプリ賞品は活動援助金現金100万円とSpotify等での世界133カ国配信デビューでサポートが行われる。

あいぽ『今4位にランクインしているので、この記事を読んでいる人で投票してくれる人がたら…!』

もいさん『あとはYouTubeチャンネルを聞いてくれたら嬉しいなと思います。』

あいぽ『今後も楽曲を上げていくので楽しみにしていてください!』

『AMOKA』
YouTube チャンネル https://www.youtube.com/c/AMOKA_VR
Twitter https://twitter.com/AMOKA_info





取材・文=みつあみやぎこ