プロの画家たちによるVRChatとリアル同時美術展イベント「ARTLINK2024」【寄稿】

メタバース展示(WESON MUSEUM)とリアル展示(ART GALLERY ii-Crossing) のハイブリッドによる新たなアートコミュニケーション企画 ARTLINK 2024を開催いたしました。
アートファンの方々はもちろん、これまでギャラリーに足を運んだことのない方々のご来場による、新たなアート体験価値の提供とアートファン作りを目指しています。

https://twitter.com/T_I_SHOW/status/1853723931917922618

ARTLINKとは?

「ARTLINK」は、植村友哉氏齊藤大将氏が主導している、現実とバーチャルを繋ぐVRアートイベントです。

(ARTLINK 2023年の様子)

VR空間での展示により、アートに馴染みのない人でも、自宅から気軽にアートに触れることができます。
毎週土曜日の21時から22時の間、画家によるVR在廊イベントを開催しています。これまでに1万5,000人以上が参加し、アーティストによる作品解説を受けながら、気軽に作品についての会話や質問ができる場が提供されています。

(毎週土曜日21時〜22時の在廊イベントの様子)

特に「ARTLINK」は、美術を通じた国際的なつながりを深めるための重要なプラットフォームとして機能しています。

画家の植村氏は、オセアニアのパラオ共和国に縁があり、同国をテーマにした作品を数多く描いてきました。新型コロナウイルスの影響で海外での個展や文化交流が難しくなった2020年頃、VRを移動や接触のリスクを回避しつつ、芸術鑑賞や国際交流の場を提供する手段として活用してきました。

「ARTLINK」では、パラオだけでなく、アメリカのイリノイ大学とも積極的に交流を行っています。2023年に行われた総合展「ARTLINK2023」では、イリノイ大学の学生や教授もこのVR展示に参加し、日本の作品を海外にいる人々に気軽に鑑賞してもらう機会を提供しました。こうした取り組みを通じて、日本と海外がVR美術展を介して直接的に結びつき、新たな文化交流の形が生まれました。

通常、海外で展示会や文化交流を行う際には、作品の輸送や現地での設営などに多額のコストがかかります。しかし、VR展示会を通じれば、こうしたコストを抑えつつ国境を越えた交流が可能になります。今回の「ARTLINK」のようなVR美術展は、日本と海外を繋ぐ新たな手段として、これからの可能性を広げる鍵になると感じています。

ARTLINK 2024の概要

「ARTLINK 2024」の参加アーティストは主催者の植村友哉氏を含めて14名。
油絵作品(デジタル画像化)とデジタルアート作品を展示いたします。

展示作品は、メタバース/リアル展示会場どちらからでも、ECサイトから購入できる仕組みとなっています。
なお、販売作品はリアル会場展示作品のみ(メタバース展示のみの作品もあります)で、ZINE (ARTBOOK)やポストカード、複製作品、原画を購入できます。
発注された商品は東洋美術印刷株式会社(デジタル印刷機:FUJIFILM Revoria PC1120 Press)で受注印刷・納品されます。

イベント詳細

VRChat展示:2024年11月4日(月) 〜 2024年11月22日(金)
会場:WESON MUSEUM ARTLINK 2024

リアル会場展示:2024年11月18日(月)〜 22日(金)10時-18時
会場:ART GALLERY ii-Crossing(東京都千代田区飯田橋 4-6-2 東洋美術印刷(株)本社横)

参加アーティスト紹介(50音順)

石黒加那|市橋淳子*|植村友哉|奥田麻里子|川端陽子|正垣有紀|船曳信世|吉田泰昌|cotton usagi|H. T.|marron Chantilly|MIU|RAQEL|Yoshiya
* WESON MUSEUM (メタバース展示)のみ

VRが拓く美術の新しい地平

VRを活用した美術展の開催で最も喜ばしいのは、これまで美術に興味を持っていなかった人たちが、偶然訪れた私たちの展示会に参加し、美術の魅力に引き込まれる瞬間です。
毎週土曜日に行っているVR在廊イベントに参加してくださるユーザーの多くは、普段美術に興味がない人や美術館に年に一回行くかどうかというような方々です。

どうしても日本では美術が日常から切り離された高尚な文化のようになってしまっていますが、VRのようなテクノロジーを利用することで美術へのアクセスのハードルを低減し、美術を通じて世界中のさまざまな人々とのコミュニケーションやコミュニティ形成が可能になりました。

ARTLINKが行っているVR美術展は一見、従来のアナログな展示をデジタル化しただけのように見えるかもしれませんが、そこには新たな人との繋がり、発見、そして可能性の拡大という、想像を超える価値があります。

また、テクノロジーに疎い作家の方がVRを使った展示会に作品を出展することで、今まではつながることができないファン層の獲得ができています。
実際、VR展示会の影響で、リアルの個展や展示会に足を運んだという方もこれまでたくさんいらっしゃいます。

ARTLINKの活動の目標の一つとして、「美術の裾野を広げる」ということがあります。
VRを活用して、普段美術に触れる機会がなかなかない方や、もっといろんな人に自分の作品を観てもらいたい作家、そういったこれまでは交わることが少なかったところに交流の機会を創出することで新しい価値が生まれるでしょう。

(ARTLINK 2024年の会場の様子)

協力企業

株式会社シュタインズ
富士フイルム株式会社
東洋美術印刷株式会社
セルン株式会社

関連リンク

X(Twitter)アカウント

植村友哉(https://x.com/Tomoya01U
齊藤大将(https://x.com/T_I_SHOW

オンラインショップ

https://artlink-weson.bookstores.jp/

VRChatユーザーページ

TiShow(大将様)
https://vrchat.com/home/user/usr_4d4a12a7-8b43-4928-a659-6a6b44ecb4b9

ワールドのリンク

WESON MUSEUM ARTLINK 2024
https://vrchat.com/home/world/wrld_918ea5f0-5e3a-489f-a152-df34f2b61bb8

イベント情報

https://www.toyobijutsu-prt.co.jp/wp-content/uploads/2024/10/artlink2024.pdf

協力企業

株式会社シュタインズ
富士フイルム株式会社
東洋美術印刷株式会社
セルン株式会社

寄稿者紹介

大将

VRギャ男です。

投稿者プロフィール

バーチャルライフマガジン編集部
バーチャルライフマガジン編集部