投稿作品数530超え！『VRCサイバーフォトコン』受賞作品紹介

「力」を手にして心躍るストリート風な少年、純真でそして愚かで非常に良いです。
でも、これが若さってやつですよね、本当に眩しいです。素晴らしい。
数分後には生きたまま部品取りされて、闇にほぼ新品の脚部強化インプラントが流れているかもしれません。
ですが、運が良ければ伝説にもなれそうなこの紙一重な感じが、実に……サイバーパンクです。

こういう分かりやすい「力」を手に入れた瞬間は、掃き溜めのような街も美しく輝いて見えるものです。
是非、リスクを冒して限界を攻めまくって派手に死んで伝説になりましょう。
そして、できれば、「生きて欲しい」と願ってくれる人とも出会って欲しいものです。
おめでとう、君が新しいサイバーパンクだ！

微妙に低い位置、広い画角、荒いノイズ。
この何かから逃げている顔の見えない何者かについて考えている内に、そもそもこれが誰の視点であるか考えると面白くなってきました。

カメラの高さとレンズから、簡易アバターロボットや配達用AGV搭載カメラの景色っぽいなと感じました。
そして、暗所で発生する高感度ノイズは、古いカメラを使った骨董品めいたマシンだからかもしれません。

もしこの逃走者に関する情報が、サポートも切れたジャンク同然の旧型ボットを通して外の様子を偶然見ていた人物によるスクリーンショットだけなら。
街中の最新システムや、人の「目」を、誰にも気付かれずに「盗んでいた」ことになります。
そんなことができる奴となれば、まぁ関わらない方が身のためです。

ひょっとすると、本当に逃げるべきは、この逃走者をうっかり目撃してしまった……アナタかもしれない。
警察にこのデータは？そう、まだ共有していないのね。ご苦労様、素敵な写真をどうもありがとう。
オレンジに艶めくエナメルブーツは踵を返し、黒いヒールがアナタの視界から立ち去った。

インド料理屋でよくシークカバブを頼みます。
トルコ料理屋で食べるシシュケバブは、皿で出されるときは野菜の添え物がありますが、基本的に肉だけで構成された伝統的な姿をしています。
日本の串焼き料理なら、久留米の焼き鳥が好きです。
串の一番下に申し訳程度に付いた玉ねぎが慎ましくて、可愛いらしいじゃないですか。
……何の話かと言うと、DJ⑨は肉だけの串焼きが好きなんです。

ここで改めて写真の串焼きを見てみよう。
日本のBBQでありがちな、野菜が挟まれた物です。
まるで小学生の頃に刷り込まれたステレオタイプな見た目のコイツは、火が通るまでの時間がまるで違う食材が一直線に並んでいるんですよ。
「野菜を食えというなら、肉と別で焼くなりサラダを出せば良いだろ！」などと、まぁ面倒くさい文句を自分はつい言いたくなります。

ですが、サイバーパンク世界の都市では、まともな肉は大抵野菜以上に入手困難です。
串の上から下まで本物の肉なんて、超高級な贅沢品間違いなしです。
そして、こういう都市では様々な民族が複雑に絡み合い、新しい文化を作っていきます。
カリフォルニアロールが伝統的な寿司だと紹介されても、殆どの市民は違和感を覚えないでしょう。

高層ビルと整ったネオンの背景から、街の中心地でメガコーポのお勤め人が行き交う場所だと推測します。
被写体の白いスーツはミリタリズムと呼ぶには少々個性的な作りで、上流とも下流とも言えない中堅な立場がにじみ出ています。
身を粉にして働く企業戦士にとっての、ほんのひとと時の幸せがこの1枚に詰まっています。

束の間の休息、疲弊した心身、とりあえず買ってきた謎の肉野菜串料理。
腹が、減った………。
細かいことなんて、どうでもいい。
こういうの、こういうもので良いんだよ。ワザとらしい色味の野菜に、香ばしい人工ミート。
満を持してこの一品に辿り着いたなら、俺だって同じ表情をしたに違いない。
猛烈に串焼きを食べたくなる、そんな素晴らしい写真をありがとうございました。
チバシティの本物の焼き鳥を語る、いつまでもスーツを脱げない元コーポの男の顔を思い出しながら。

光る夜の街へ飛び込んでゆくところを上手く切り取った構図の良さに目を奪われました。 未来を予感させる鮮やかなホログラフィックアクセサリーを身に纏い、夜の街へと誘う軽やかな浮遊感が素敵です。

これはVRCサイバーフォトコンの範疇内であるかかなり悩んだのですが、VRCからさらにサイバー、未来の概念を拡張させてリアルにも広げたもので、私が展開しているブランドコンセプトでもある「ヴァーチャルとリアルの相互互換性スタイル」を体現されている点が非常に面白いと思いました。
ちなみにこの方がアバターとリアルで身に付けているアクセサリー類は中央町戦術工芸というアパレルブランドのもので、実際にVRアクセサリー、現実のアクセサリー、両方購入することが出来ます。

全体的に青で統一されたキラキラと発光する透明感ある衣装がセンス良くとても印象に残りました。
シェーダーによって現実では再現不可能な生地を表現するのはVR上での表現ならではだと思います。

キャラクター性、発想がいい、三姉妹を表現した一枚。 まず構図として襲われる側からの目線から、三人の女性キャラ、テック系ファッション 制服、チャイナドレス。世界観、ストーリー、ワンシーン、キャラクターの立たせ方含めとてもよくまとまった作品だと思います。

キャラの持ち味をしっかりと生かしたワイルドでセクシーな一枚。 テック系ファッションと周りに展開しているホログラムのUIが知的というよりもアングラ、 ファッションも相まって裏家業のハッカーや想像させるストーリーを感じさせる一枚になっていると思います。

日常の何気ない一枚の中にあるサイバーパンクの世界。 後ろ髪をまとめ、そこから見えるうなじに色気を感じるとともに首の裏のコネクターが 我々の何気ない日常とちがう「サイバーパンクの日常」、その世界観が一枚にまとまっていると思います。