『大丸松坂屋百貨店』Adoのイメージディレクター・ORIHARAの「好き」を詰め込むアバターに。オリジナル3Dアバター第三弾の試着会をレポート。制作チームへのインタビューも掲載。

3月8日に『大丸松坂屋百貨店』より販売されたオリジナルアバター第3弾。発売同日の夜、同アバターの試着会イベントが『VRChat』で開催されました。

きょうだい設定となった新作2体はメインイラストレーターに、歌手・Adoのイメージディレクターとしても有名なORIHARA氏を起用。有名ワールド『FUJIYAMA』などに設置されているアバター体験ギミックの『POLYGON LOADING』でも、既に試着可能となっています。

バーチャルライフマガジンでは試着会へご招待をいただきました。今回も直接質問する機会に預かれましたので、その模様をお届けします。

『玲來』と『零韻』の紹介

玲來(れいら)

“クラシック”と“ロリータ”をコンセプトとする『玲來』は、全身をシックな黒い衣装で包んでいます。アシンメトリーを強く効かせたデザインで、それらは外套だけでなくインナーや細かなアクセサリー類にも及ぶ徹底さです。

Expressionsメニューからは、開閉可能な懐中時計を出現させるギミックや、髪型の調整が可能でした。特に髪型は、前髪とサイドをそれぞれ無段階的に細かく変更でき、大きな印象変化を起こせます。

『玲來』を試着してクールなポーズを狙ってみると、そのアシンメトリーな服装が絶妙にフィットしました。ORIHARA氏の得意とする“妖しさ”の魅力を自分の身に纏える楽しさがあります。

零韻(れいん)

“ドール”をコンセプトとする『零韻』は、『玲來』の弟という設定の長身アバターです。きょうだいで統一感のある黒い衣装を中心としつつも、どこか人間離れした雰囲気を醸し出しています。

“仕込み傘”のギミックは左右で逆手に持たせることも可能。通常の傘として開いたり、実際に抜刀できるのでバリエーション豊かな一品です。『龍青』と同タイプの素体なので高身長かつしっかりとした体格ですが、靴にはハイヒールが採用されていて、『玲來』と共通したミステリアスな感じも持ち合わせています。

怒涛の12連作のこの先を問う──「培った土台で今年も更に展開」

試着会では質疑応答の時間も設けられていましたので、その一部をご紹介します。
(※以下、インタビュー)

──オリジナルアバターの発売を開始してから本日で12体となりました。今回の2体はどのような立ち位置なのでしょうか?

DM-Redさん:“正装”を共通コンセプトとして12体の連作となりました。中でも今回の『玲來』と『零韻』は、これまでの経験を活かした、言わば集大成のような作品になったと思います。もちろんここが終着点という訳ではありません。

──第1弾の時点から相互対応の服やスカジャンといった販売がありました。そうしたアバター以外の展開はいかがでしょうか?

DM-Redさん:12体の連作を通じて、オリジナルアバター制作の土台を整えられたと感じています。今年はそうした服装を更に充実させたり、小物を出すなどしていきたいと考えています。

──今回は、ORIHARA氏によるイラストレーションを中心として制作されているのが話題です。もともと、きょうだい設定で2体をリリースする予定だったのでしょうか?

DM-Redさん最初から男女2体の制作をご依頼していたのですが、きょうだいという設定は、制作の過程で決定していきました。その流れの中には、さまざまなアイディアがあり、中には和服のデザインなどもありまして、どの要素も捨てきれず我々もかなり悩んだ部分です。

そんな中で、ORIHARAさんが得意な洋装スタイルの“正装”を「しっかりやろう」と決め、制作を進める中で2体の雰囲気が徐々に近づいて行きまして「これは、きょうだいの設定がイケるのでは?」ということになったんです。きょうだい設定はORIHARAさんにとっても“好き”なものであったため、存分に好みを詰め込んでいただき、現在の形に着地しました。

ちなみに、もともとORIHARAさんは3Dアバターのデザインに興味があったそうで、積極的にご依頼を承諾していただきました。イラストから3Dモデルへと出来上がっていくにつれて、ORIHARAさんも『VRChat』に強い興味を持っていただいてます。

──12連作で土台を整えられたとのことですが、これまでは制作と販売に集中していたものと思います。ここからは大丸・松坂屋としてイベント開催などは想定しているのでしょうか。

DM-Redさん:“2本の軸”で考えています。今日のような販売時の試着会といったことは行っていましたが、もっと「大丸・松坂屋としてのイベントを積極的に実行していこう」というのがまず1本です。

そして、『VRChat』はコミュニティが主体の場ですから、「大丸・松坂屋が皆さんのコミュニティへ参加していこう」とも考えていて、これが2本目です。私達がお邪魔しても構わないよ!というコミュニティの方々がいらっしゃいましたら、ぜひどんどんお声がけいただきたいと思います。

(※インタビューここまで)

第3弾となった今回の『玲來』と『零韻』の発表は、ORIHARA氏の起用ということもあり、驚かれた方も多いはず。これだけにとどまらず、更にVRChatへの積極性を見せる大丸・松坂屋。今後の動きは見逃せません。

この日の試着会に限らず、アバターを体験できる『POLYGON LOADING』というギミックでも『玲來』と『零韻』の試着が可能です。気にはなっていたものの試着会に行けなかった……とお考えの方はぜひお試しください!

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