夏が終わる前に『告白が花火の音にかき消されてしまうやつ』をやりたい

こんばんわ。伊達焼き屋です。

猛暑も過ぎ去り9月になりました。
といってもまだまだ半袖で過ごしたい気温が続いてますね。

皆さんは夏の思い出はできましたか?

海に行ったり、実家に帰省したり、お酒好きはビアガーデン、音楽好きならフェスなど、人それぞれの夏の過ごし方があったのではないでしょうか。

かくいう僕は上記のような夏らしいことを何一つしていません。
仕事柄“夏季休暇”という福利厚生は存在せず、土日祝日といった固定休日もないので、地面に落ちたセミを踏まないように家と会社を行き来するだけの毎日でした。

『人生を80年とすると夏は80回しか来ない。そして同じ夏は2度と来ない。』という有名な言葉がありますが、このままだとあと50回はこんな夏を過ごすことになります。

なにゆえお前はそんなことになってしまったのだ。
これが現時点におけるお前の総決算だというのか。

責任者に問いただす必要がある。責任者はどこか。

夏らしいことをしたい

夏らしいことを全くしてないので、夏らしいことをします。
せっかく本腰を入れて夏らしいことをするからには、相当な夏らしさを実行しないといけません。

そこで思いついたのが『告白が花火の音にかき消されてしまうやつ』です。

星が輝く澄んだ夜空、夜風に乗る夏の匂い、告白相手の美しい浴衣姿、緊張感で高まる心臓の音、告白のタイミングを完璧だと思った瞬間、まさにその時に大きな花火が打ち上がり、全てが台無しに。
花火が終わった後、改めて告白しようとするけど、雰囲気が変わってしまい思ったより言いにくくなる・・・。

これ以上に夏らしいことってありますか?ないですよね?ないんですよ。

なのでやります。しかもバーチャルの世界なら自宅にいながら告白ができる。
技術の進歩は素晴らしいですね。

『告白が花火の音にかき消されてしまうやつ』ワールドをつくる

『告白が花火の音にかき消されてしまうやつ』を完璧にやるための舞台となるワールドを作ることに。

といっても僕にそんな技術はないので、同じバーチャルライフマガジンメンバーのran_3(らんさん)に制作していただきました。

美しい星空と穴場っぽいビルの屋上を用意してもらいました。

花火が打ち上がると同時に「好きだ」と言う必要があるので、打ち上がるタイミングをスイッチで制御します。
告白を成功させるのが目的ではなく、花火で告白がかき消されてはじめて成功なのです。

準備は整いました。

じゃあ、夏をやるぞ!

『告白が花火の音にかき消されてしまうやつ』をやる!!

伊達焼き屋

今日は、本当にありがとう。
君と一緒に来られて…すごく嬉しかったんだ。

フレンド

こちらこそ、誘ってくれてありがとう。君といると、安心するし、楽しいよ。

伊達焼き屋

あの…実は、ずっと伝えたかったことがあって…。

ダッ
ポチッ
ダダッ
フレンド

うん、何かあったの?

フレンド

わあ、すごいタイミングだね!びっくりした!

フレンド

あれ?今、何か言ってたよね?ごめん、花火で聞こえなかった。

伊達焼き屋

えっと…その、君のことが好きだって…言ったんだ。

フレンド

えっ…そうなんだ。

フレンド

あの…ごめんね、私、君のことは大切な友達だと思ってるんだけど、それ以上には考えたことがなくて…。

おわりに

夏の夜風が、ビルの屋上をそっと通り抜ける。彼は、一人静かに立ち、遠くに瞬く都会の灯りをぼんやりと見つめていた。さっきまで隣に感じていた温もりはもうなく、夜の静寂が彼を包み込んでいる。

「好きだ」と勇気を振り絞って伝えた言葉は、空の藍色に吸い込まれ、彼女の優しい微笑みと共に静かに溶けていった。胸に残るのは、甘くほろ苦い感情の余韻だけ。切なさが心に広がるが、それを受け止めるしかないと彼は感じていた。

手すりに触れると、冷たい金属の感触が今の心情と重なる。夜風が髪を揺らし、遠くの祭りの音がかすかに耳に届く。この瞬間が永遠ではないことを知りつつも、彼はその場を離れることができない。

夜空に浮かぶ星々を見上げると、胸に抱えた想いが少しずつ溶けていくのを感じる。すべてが淡く、儚く消えていく夏の夜。彼は目を閉じ、今夜の記憶を静かに心に刻み込む。

やがて彼は、何も言わずに屋上を後にする。夜の静けさの中、彼の心には、夏の魔法のような一夜の出来事がいつまでも揺らめいていた。

~終~

投稿者プロフィール

dateyakiya
dateyakiya
バーチャル世界でなにもしないをしています。