みんなに支えられてここまで来ました。ゆるく長く続く、音楽好きの憩いの場『題名のないお茶会』開催100回記念インタビュー!

『題名のないお茶会』、通称『あ茶会』をご存じですか?
2020年8月から毎週日曜日のお昼にVRChatにて開催されてきた、
PCユーザー、Questユーザーの両方が参加できる音楽系イベントです。

この度、2022年10月30日に開催100回目を迎えました。
今回はそんな記念すべき100回目を迎えた『あ茶会』の現地の雰囲気と、
主催の『あの子゜』さんに開催の舞台裏などのインタビューをお届けします!

『題名のないお茶会』第100回目レポート

開始のあいさつ、穏やかなギターが奏でるオープニングとサプライズ

イベント開始の呼び声がかかり、集合場所に集まります。
最初に100回記念ということでバシっとスーツでキメてきたこうきぃさんによる
イベントの各種案内がありました。

『題名のないお茶会』概要

【イベント趣旨】
気軽に演奏を披露したり、その練習をしたり、おやつを食べる、
おしゃべりするなど、音楽好きな人たちの交流イベント

【イベントを楽しむための推奨設定】
演者はマイクから演奏を出力するため、World VolumeをOFF、Voice VolumeをUP

【イベント参加にあたっての注意事項】
撮影はどんどんやってもらってOK。しかし録音や録画はNG。

【Join先】
みじんこ

ta-gaさんによるオープニングのギター演奏が行われた後、
今回の会場ワールド製作者のケセドさんより表彰状授与のサプライズが!

「これが婚姻届・・・!」と主催のあの子゜さんがひとたびお茶らけると
お祝いの改まった空気は一変、わちゃわちゃとした和やかな雰囲気になりました。

恒例の記念写真撮影をし、イベントの本編が始まります。
ここからは負荷軽減のため演奏や練習がしたい人や聴きたい人は各インスタンスに分かれます。

各々好きなところで奏で、好きなところで聴ける即席の音楽街

ワールドを俯瞰した写真からもわかる通り、イベントの参加者はワールドの広くに散らばり
各々が気に入った場所に落ち着いたら演奏を好きなタイミングで始めます。

参加者も聴きたい人の演奏を聴きに行ったり、一人の演奏を聴いて途中抜けし次の人のところに
聴きに行く、離れたところで雑談をするなど自由に過ごしています。

軒先で奏でるオルガン、屋上を和ませるリコーダー、
橋の上で音色を運ぶフルート、オープニングでも演奏したta-gaさんは
優しく見守るように橋梁の上でギターを弾いています。

World BGM OFFで無音となったはずのワールドが、一瞬にして
どこにいても素敵な音楽の聞こえる即席の音楽街へと変わっていきました。

各々が音楽を楽しみながら自由気ままに過ごしていると、あっという間に終了時間に。
今週もいつものように『あ茶会』は日曜のお昼を素敵な音楽で彩ってくれたのでした。

このあとは主催のあの子゜さんにインタビューです!

『あ茶会』主催、あの子゜さんインタビュー!

ここからは、『あ茶会』主催のあの子゜さんへのインタビューとなります。
よろしくお願いします!

「こだわり」を持たず、ハードルは低く。ONとOFFを明確に。

100回もイベントが継続するってすごいです。何か意識されてることはありますか?

あの子゜
毎回「こんなことをやらなければならない」といったこだわりを持たずに
気軽に楽しんで参加してもらえることを意識しています。
奏者は自分のペースで演奏の披露や練習ができるように。
お客さんも聴きたい人は聴きに行けて、雑談したい人は離れて雑談してもいいし。

「休んじゃダメ」っていう感覚は『あ茶会』にはなくって。
休みたかったら休んで、その時は他の人がやれるような体制だといいなって思ってます。
少なくとも、「誰かがいないから現場が回らない」という状態ではないですね。

そういえばJoin先があの子゜さんじゃないですよね・・・?

あの子゜
今Join先になってくれているみじんこさんはあ茶会のことをすごく好きになってくれて、
ありがたいことにもう毎週来てくれていて。
休みたいときは休んでいいんだよって言ってはいるんだけどもw
毎週いてくれるものだから、「じゃあ、Join先やってみる?」って声をかけたら
快くOKしてくれて。今すごく活発に動いてくれてるから助かってます。

ほかにもスタッフとして活躍している無言勢ユーザーを見かけましたね。

あの子゜
『あ茶会』にはすごく活躍している無言勢ユーザーが多くて。
rioilさんには今や100人体制にもなった『あ茶会』のDiscordサーバーを任せてて、完璧にこなしてくれて助かっています。
そのほかにも自分では自分を撮影できない奏者の演奏シーンを撮影してくれるカメラマンなど色んな役割を担ってくれている子がいます。

(左から)Discode管理:rioil、フォトグラファー:nashino、アバター制作、イラスト制作:アナゴ、広報統括:みじんこ

『あ茶会』は演奏している人がメインのように映りがちだけど、
その裏では会場ワールドを作ってくれてたり、奏者のアバターセットアップをサポートしてくれたりとたくさんの人に支えられています。

気軽に運営しているからこそ、お手伝いに入っていける「余白」があるんですね。

あの子゜
運営はそういう感じにしたかった思いもあります。
音楽を取り扱う都合上、「格式高い」って思われたらいやだなと思っていたので。

とはいっても、演奏するんだったらやっぱり人前に出た方がいいし、
自分がした努力を正当に見てもらえる場はあった方がいいと思うので、
普段はまったりとしてますが時折結構気合を入れて奏者共々ステージを提供することもあります。

そうしたスイッチのON/OFFが楽しめるのも『あ茶会』のすごくいいところだなって思ってます。

「日曜日の暇つぶし」が「誰かのため」に変わった瞬間

どういったきっかけで『題名のないお茶会』を開催するに至りましたか?

あの子゜
コロナ禍真っ只中の2020年、毎週の日曜日にあまり外出もできず、
VRChatにログインしても当時遊んでいたユーザーは夜にログインする人がほとんどで
日曜の日中が丸々暇で暇で。
そこでおやつやお菓子を食べる会があったらいいなと思い、類似イベント主催に確認取って
開催してみました。


みんなでお菓子を食べているときにふとta-gaさんがギターを弾いてくれて、
お菓子食べながらギター聴くのすごく楽しいじゃん!!って思ったんですよね!

あと当時はQuest界隈に音楽系のイベントがあんまりないな、と感じていたのもありますし、
Questラジオ体操とかでも「行く予定のコンサートがコロナで中止になった」といった話を
小耳にはさむことが時々ありまして。
そういう話を聞くうち、
なんか、VRChatで出来そうなことがあるんじゃね?とほんのり思ったんですよ。
最初からいきなり大きいことは出来ないので、ta-gaさんと2人で毎週開催しようよと始めました。

最初はただの暇つぶしだったのが「毎週開催しよう、続けよう」って気持ちに変わったのは
「Quest界隈に音楽のイベントがあったらいいな」って想いが芽生えたからだし、
コロナ禍で演奏する環境がない人が今いっぱいいるだろうから、VRでピアノ演奏などで表現できる人がいるんじゃないかなって思って。とりあえず知り合いにそういう人が3~4人ほどいたので「こういうことを始めたよ!」と声かけしたら、そこからどんどん広がっていきました。

実際、Quest界隈黎明期、イベントカレンダーもスカスカだった時代に
日曜日はずっと『あ茶会』があり続けてくれたのは界隈にとってもすごくいいことだったと思います。

あの子゜
小さいところからやってきたからこそ続けられたという感じですね。
うれしい話もいっぱいもらえましたし。

『あ茶会』を開催し始めて、2回目くらいにぴちきょさんが来てくれて
写真を撮りながらすごくほめてくれたんですよ。
「Quest界隈でこういったイベントが増えるといいですねー」とお話したら
「どんどんやったらきっといいことあるよ!応援する!」とエールをもらえまして。
イベント終了後にぴちきょさんから「撮影した写真を雑誌に掲載してもいい?」と
確認のDMが届いて、『flick!』という雑誌に載せてもらうことができて。

それをきっかけに参加してくれたみんなが「毎週もっとがんばろうよ!」ってすごくやる気を出してくれたんです!
友だちが増えていくにつれて、このイベントやそれを通した友だちが
ゆるーくちょっとずつ進化していくのが、すごーく自分は面白いんですよ。

「繋いだ縁」が苦しい時期を支えてくれて、今がある

新しい事の立ち上げには困難が付き物だと思いますが、『題名のないお茶会』にはそういった時期ってありましたか?

あの子゜
2020年当時はQuest対応したワールドがもう少なくて少なくて!
ほとんどない中から毎週の会場を探すのが本当に大変だったんですよ。

毎週開催続けてたら誰かしらワールド作ってくれる人が出てきてくれないかな
って思ってたらほんとに『あ茶会』のためにワールドを作ってくれた人が何名か現れてくれて。
その中でも「毎週Quest対応ワールドを作ります!」と言ってくれた天使のような方がいました。
そうか、毎週作ってくれるなら『あ茶会』は安泰だ。
もう毎回毎回探して回る必要はないんだとすごく助けられました。
その方が、今回100回記念のワールドも製作してくれた、ケセドさんでした。

彼女の週1Quest対応ワールド製作と、『あ茶会』が抱える会場不足との課題が
奇跡的にマッチ
したんです。
そしてケセドさんがQuest対応ワールドを作りまくった影響力は大きくて、
だんだんとQuest対応ワールドを作ってくれる人が増えていったんです。

今となっては逆に「今回はどのワールドで開催しようかな?」って迷うくらいに
Quest対応ワールドの幅が広がっていってますね。

確かに。2020年当時はPC-Questフレンド間分断の要因になるほどQuest対応ワールド数が少なかったのをよく覚えています。
ふとした出会いでワールドの課題が解決したのはほんとによかったですね。奏者の確保は順調だったんですか?

あの子゜
最初の頃は奏者も全然いませんでした。
同一インスタンスに15人以上で落ちるとされていた初代Questのスペック都合上、
Quest対応イベントにおいてインスタンス分けは必須。

そうなると少ない奏者をさらに分割するので各地の奏者が本当に足りなくなる。

片方のインスタンスに奏者が一人しかいなかったときは頑張って喋って場を繋いでました。
イベントの体をなしていないからもう「こうしていきたいんだ!」と夢を語るしかなくって、それで1時間どうにか持たせていたこともありましたねw

でもそれだけじゃなくて、現状出来ないものは出来ないんだから
出来る人をどうにか探しに行かなきゃいけないな
って思ったんです。
当時有名だった音楽イベントに『Open Mic Bar “Spot Light Talks”』(通称SLT)というところがありまして、そこに顔を出し始めたのですがもちろん知り合いはゼロ人ですごくアウェイな空間でしたw

現地で一人ぼっちでも、素敵な演奏が聴けるんだから「とりあえず毎週行こう!」「顔つなぎをしないといけない!」と意気込み、こんにちはー!と声かけて回りました。
とりあえず「デカい猫のアバター」だから、見ているうちに覚えてもらえるだろうなって思ってて、演奏を聴きながら知り合いがいないのでワールドの端っこの方にいる、でもあいさつだけは絶対にして回る

それを何度も繰り返しているうちに「あの人ってなんか、Quest界隈で音楽のイベントをしている人らしいよ」というイメージがちょっとだけSLTの中で浸透しはじめ、その時に声をかけてくれた人がいました。
その人の声かけがきっかけでPC界隈の奏者の人たちとも活発に交流できるようになったんです。
そのきっかけとなった人が、今回も遊びに来てくれた
Ku_Ambientflow
さんです。

すごく寂しくて、イベント存続がヤバかったあの時期に救いの声をかけてくれたのがKu_Ambientflowさんで、
「VRでイベントをやることで努力が実を結んだぞ!」という経験が出来たし、ここから広く繋がることができたので、ほんとにうれしかったです!

SLTの端っこにいる時、嬉しそうにダッシュで飛び跳ねながら
「あの子゜さんだーっ!」って声かけてくれたのは今でも鮮明に覚えてます。

当時は気づいてなかったけどぴちきょさんや、
Ku_Ambientflow
さんみたいな有名な人が声をかけてくれたおかげで、周りの人たちも「あの子゜さんって信用できるんじゃないか」と思ってくれるようになったので、スタッフの声かけもしやすくなったんですよね。

『あ茶会』が今に至るまでに本当にいろんな人に助けてもらいました。
スタッフの子もそうだし、周りの人やそして声をかけてくれたKu_Ambientflowさんには特にお世話になってます。ありがとうございます!

Ku_Ambientflow
こちらこそ!『あ茶会』がここまでの規模になったのは、本当に魅力的な活動をされてきたこと、そしてあの子さんの実直な努力に他ならないと思っています。これからも応援しています!

『あ茶会』がそもそも始まったのってta-gaさんが弾いてくれたギターからですし、
ケセドさんやKu_Ambientflowさんの出会いからみても、何か事を成す時、各場面の「最初の一人」ってすごく大事なんだなって思いました。

あの子゜
実はta-gaさんはこれまでの100回全てのオープニングをやってくれています。
主催の自分が年度末や三が日などでお休みを宣言するとお休みになるんですが、
有志が勝手に集まって開催したりすることがあるんです。
そういった場合は「ta-gaさんが参加できるかどうか」で1回分の開催カウントするかを決めていて。そうでない場合は非公式開催としています。

演奏者だけでは続けられないし、逆に演奏者がいないと寂しいということもあって
色んな人たちが手を取り合っていった結果続けられてきた100回だなって思ってます。
きっと実際のコンサートもそんな感じですよね。

ゆるい演奏系イベントは週7あってもいい

今後の目標、目指すゴールなどはありますか?

あの子゜
音楽系イベントを開催してて悲しいことがありまして。
毎週日曜日開催している都合上、「日曜日行けないんです、仕事なんです(´;ω;`)」という声をよく聞きます。

とはいえ日曜日以外に開催するのは負荷的に厳しいので、違う主催者さんたちが
どんどん開催していって、Quest界隈のゆるいオールジャンル音楽系イベントが週7開催されている状態になったらいいなって思ってます。


うちから派生して新しいイベントをやってくれたり、違うイベントに行ってもいいんです。
一つのイベントに所属してないといけないっていうこだわりはないし、それで縁が切れるわけでもないですし。

いつでも抜けて、いつでも戻ってこれるゆるさだからこそですよね。

あの子゜
昼でも夜でもいいんですが、演奏系イベントはもっとあっていいよねって思ってます。

あの子゜さん、今回はありがとうございました!

あの子゜さんから告知!

ここまで読んで頂いてありがとうございます。
『題名のないお茶会』を続けてきておかげで楽しい時間を過ごせました。
そしてまさかまさかで大きなイベントにもスタッフとして声をかけて頂けました!しかも2つ!

1つ目は京セラさんのJIMTOF2022出展メタバース上のバーチャル展示ブース

まだ言えないのですが、ある分野のプロデュースという肩書で参加させていただきました。
実際やったことは一緒に遊び、作ってきた信頼できる友人を送り出しただけですが、
とても誇らしい気持ちです。

彼らが作ったものならきっと人に感動を与えられると信じてますし、
一足先に体験した私は「すっご・・・」しか言えませんでした。
楽しめるイベントです!是非体験してください!

2つ目は「じゃぱんくえすた」という
Questに焦点をあてつつもPC,Questと境目なく楽しめる大きな祭典
スタッフをさせて頂いてます。

https://twitter.com/Japan_Questa/status/1585194536111935489?s=20&t=BZh-jivbq7o715uzf_oU5Q

そこでは広報他、多岐に渡る仕事頂いてます。
Quest魂が熱い友人たちと取り組めること、それだけでも嬉しいのですが、
きっとこの熱さがPC、Quest間にあった壁や、
VR、メタバースといったものまで含めた大きな壁を取り払う一歩目だと
個人的には思ってます!

何もない」、「出来ない」も昔の話!

どちらも熱意の先にある技術を体感できる楽しいイベントです!!!
ぜひあそびにきてねぇええええええええええええええ😻










投稿者プロフィール

ゆーてる
ゆーてるバーチャルライフマガジン二代目編集長
楽しいこと、誰かが頑張ってる姿を見ることが大好きなVRライターです!
ぼく自身もVRChat上でいろんな活動してます!

バーチャルの楽しいことをたくさん知ってもらえるようがんばります!