
2025年9月19日から9月28日まで『Sanrio Virtual Festival 2025 Summer Edition』が開催されます。今回特筆すべきは、『SANRIO Virtual Fes(以下サンリオVfes)』が初めて開かれた2021年のステージから『キズナアイ』のライブが再上演されること。2021年の『サンリオVfes』は2025年の今まで、一回も再上演されることはなく、アーカイブもごく一部しか残っていませんでした。また、わずか2日間で複数回の上演もほぼなく、タイムテーブルは全ステージで被っており、今よりもVR人口の少ない当時、全てを追いかけることは不可能でした。
そんな中でできるだけ多くのアーティストを見ようとしていた筆者、今こそ2021年のレポートが必要では⁉と思ったので、当時のVRChatを取り巻く環境を思い出しながら、書こうと思います。
目次
SANRIO Virtual Fes in Sanrio Puroland
2021年当時のVRChatは『MusicVket2・3』と『VRMF-Virtual Reality Music Fes-』が大きな音楽イベントでした。『V-kitazawa AWAKE』の『AWAKE24』もこの年に初めて開催されていたりしますが、その年の年末に忘年会か紅白歌合戦かというような規模で開催されたのが『サンリオVfes2021』でした。
当時はコロナ禍ということもあり、リアルで開催のイベントはだいぶ数を減らしていた頃です。『サンリオVfes2021』ではリアルアーティストの出演も多く、コロナ禍によく見られた配信ライブをVRの形態に昇華させたような雰囲気もありました。バーチャルアーティストのライブレポートは過去にもありましたが、筆者が見たリアルアーティストのステージも含めて紹介してみようと思います。
SANRIO Virtual Fes in Sanrio Puroland DAY1
まりなす×GEMS COMPANY


最初に見たのはバーチャルYouTuberグループの『まりなす』と『GEMS COMPANY(以下ジェムカン)』のコラボステージ。2025年時点で『ジェムカン』は活動休止、『まりなす』は2人体制と活動を縮小気味ですが、2021年にバーチャルYouTuberでアイドルらしい活動をしていた2大巨頭といっても過言ではありません。『ジェムカン』と『まりなす』からなる4人による当時のアイドルVTuberの最先端ステージがここにありました。
東雲めぐ


2組目はバーチャルYouTuber『東雲めぐ』。目標の一つに「初音ミクちゃんのようになりたい!」と掲げながらVirtualCastなどでも活動をしていますが、このステージでは『初音ミク』と共演しています。ある意味で夢がかなったステージであり、ファンとしても冥利に尽きるステージでした。
銀河アリス


地球侵略のためにやってきた宇宙人『銀河アリス』のステージの見どころは軽やかに跳ねるようなダンス。このときの『サンリオVfes2021』のステージで一番本人が躍っていたステージだったと思います。
パソコン音楽クラブ


ステージを移動してやってきたのはリアルアーティストの出演する『LUNA STAGE』。『パソコン音楽クラブ』のステージはDJスタイルとなっており、EDMをパーティクルやスクリーンと共に表現するような演出でした。
少年T


『サンリオVfes2021』の特徴は、個人的には「インターネット」あるいは「ニコニコ動画」の文化が強いことだと思っています。『少年T』もその一人。ニコニコ動画で歌い手として活動していた方もVRChatのイベントに出演するということに驚いて見に行っていました。
Mashumairesh!!


サンリオVfesの数少ない皆勤賞アーティスト『Mashumairesh!!』。当時はまだ『キセレゾ』も公開されておらず、私はデルミンしか知らなかったのですが、それでも『Mashumairesh!!』のメンバーの繋がりの深さがよく伝わるステージでした。
DÉ DÉ MOUSE


2011年からサンリオピューロランドのショー音楽などを担当しているトラックメーカーの『DÉ DÉ MOUSE』。『サンリオVfes2021』の前月にリリースしたばかりのキズナアイとのコラボレーション楽曲『Here For You』なども話題となっており、古くからサンリオとかかわりのあるアーティストとしてステージを演出していました。
鹿乃


「ニコニコ動画」の歌い手活動を発端にバーチャルYouTuber活動を始めた『鹿乃』。リアルアーティストの『LUNA STAGE』ではなくバーチャルアーティストの『FUTURE STAGE』での出演でした。透き通るような歌声で客席を魅了していました。
伊東歌詞太郎


2010年代の「ニコニコ動画」を見ていた人なら『伊東歌詞太郎』の名前は見かけたことがあるでしょう。『サンリオVfes2021』では狐のお面を被ったリアルアーティストとして『LUNA STAGE』に出演していました。
樋口楓


『にじさんじ』一期生としても知られるバーチャルライバーの『樋口楓』。「でろーんでろーんこんでろーん」のいつものあいさつに始まり、一人で歌いあげる姿はとても迫力がありました。
ピノキオピー×初音ミク


『ピノキオピー×初音ミク』のステージはその名の通り、ボカロPの『ピノキオピー』と『初音ミク』が二人で歌うステージ。『ピノキオピー』の楽曲MVにも登場する『アイマイナちゃん』や『どうしてちゃん』が見守る、次元を超えた夢のようなステージでした。
ミライアカリ


『サンリオVfes2021』DAY1のトリはバーチャルYouTuber四天王の一人としても有名な『ミライアカリ』。実は直前まで『ピノキオピー』と歌っていた『初音ミク』と同じ『KEI』氏のデザインで、姉妹のような存在でもあります。少しインターネットの文化や歴史というのを垣間見たような気がしました。
SANRIO Virtual Fes in Sanrio Puroland DAY2
AMOKA


DAY2のトップバッターは我らがVRChat発アーティスト『AMOKA』。今も『サンリオVfes』に出続けている皆勤賞アーティストであり、『サンリオVfes2025 Summer Edition』でも『サンリオVfes2025』ステージの再上演が決定しています。
芦澤サキ


『RIOT MUSIC』に所属していたバーチャルアーティスト『芦澤サキ』。後の『RIOT MUSIC』所属のアーティスト出演は2024年にも『長瀬有花』の出演がありました。
Mom


私が当時『サンリオVfes2021』DAY2の『LUNA STAGE』で唯一知らなかったアーティストが『Mom』さんでした。“知らなかった”なら“知ればいい”というステージのめぐり方ができるのも『サンリオVfes』の楽しみ方の一つだと思います。
MonsterZ MATE


狼男と吸血鬼によるユニット『MonsterZ MATE』。彼らも実は「ニコニコ動画」の歌い手の文化からバーチャルYouTuberになったような存在で、『サンリオVfes2021』らしいアーティストです。VTuberクラブシーンの曲『Beep☆Caramel』をシメに持ってくる最高のステージでした。
VALSHE


歌い手として活動を始めて2010年にメジャーデビュー、2013年には『名探偵コナン』の主題歌も担当していた『VALSHE』も『サンリオVfes2021』に出演。『LUNA STAGE』の舞台上から中性的な声を届けていました。
KMNZ


当時は『LIZ』と『LITA』による2人組だった『KMNZ』。当時VRChatにあった『Gugenka』の公式ワールドで彼女らの3Dモデルが見られたのも懐かしい話です。「バーチャル」と「リアル」の境界を溶かす彼女らのステージをVRで見られてとてもよかったです。
ぐるたみん


「そんなふいんきで歌ってみた」シリーズのタグで知られる歌い手の『ぐるたみん』。イメージが先行しがちな『ぐるたみん』ですが、イメージ通りの満足感あるステージが見られました。
因幡はねる



『有閑喫茶あにまーれ』(現:ななしいんく)の『因幡はねる』はサンリオキャラクターの『ポムポムプリン』が大好きなバーチャルYouTuberとして当時から有名でした。もちろんこの時の『サンリオVfes2021』のステージでもポムポムプリンへの愛を熱く語っていました。
長谷川白紙


2021年の『サンリオVfes』で『LUNA STAGE』を一番活用していたと思えるのは『長谷川白紙』でしょう。大スクリーンやポストプロセスをフル活用し、画面から飛び出してくる光の線が客席を埋め尽くしていました。
YuNi



2018年からバーチャルシンガーとして活動している『YuNi』。当時開催されていたVSingerのVRイベントで見かけないことはないというくらいよく見かけていた彼女ですが『サンリオVfes2021』にももちろん出演していました。『透明声彩』など代表曲を披露し、透明感のある歌声を客席に届けていました。
キヌ


2021年の『サンリオVfes』期間内に複数回見ることができたのは『サンリオキャラクターズ Special Live』と『キヌ』の2組のみ。それほどに『キヌ』のステージは皆に見てもらいたい力の入ったステージで、無料でこのコンテンツを楽しめていいのか!?!?と驚いていた方も多くいました。演目の冒頭で『アイちゃん』(キズナアイ)や『のじゃろりさん』(ねこます)といったバーチャルの先輩方へのメッセージも述べられたこのステージはYouTubeに映像が公開されています。このアーカイブを一度見て当時のVRChatを取り巻く環境に思いをはせながら『サンリオVfes2025 Summer Edition』で再上演される『キズナアイ』のステージを見るのもまた一つの楽しみ方だと思います。
+α/あるふぁきゅん。


2013年から「ニコニコ動画」の歌い手として活動していた『+α/あるふぁきゅん。』。心に響くような優しさもありながら力強い歌声をまさかVRChatでも聞くことができるなんて、と思いながらステージを見ていました。
電脳少女シロ


サンリオVfes2021も終盤に差し掛かったころ、バーチャルYouTuber四天王の一人『電脳少女シロ』のステージもありました。全力で「ぱいーん!」と楽しんでライブを見ていましたが、まだ『サンリオVfes2023』どころか『NAKAYOKU CONNECT』の発表もされていなかった頃です。もうすぐこんな楽しい時間も終わってしまうんだ……と一抹の寂しさを感じながらステージを見ていました。
CHiCO with HoneyWorks


『LUNA STAGE』のトリは「ニコニコ動画」のクリエイター集団『HoneyWorks┗|∵|┓』とシンガー『CHiCO』によるコラボユニット『CHiCO with HoneyWorks』。2014年に放送されたアニメ『アオハライド』の主題歌『世界は恋に落ちている』などをバンド形態で披露し、華やかにステージを締めくくっていました。
キズナアイ




『サンリオVfes2021』『FUTURE STAGE』のトリはバーチャルYouTuberの“親分”こと『キズナアイ』。2021年12月4日に活動休止の発表を行った直後のライブということもあり、『キズナアイ』のステージを一回でも多く見ようと多くの人が詰めかけていました。真っ白い何もない空間から始まった物語が多くの観客で埋め尽くされている光景は何事にも代えがたい感動がありました。
そんな『サンリオVfes2021』の『キズナアイ』のステージが『サンリオVfes2025 Summer Edition』で再上演されます。
リバイバル上演が全くなかった『サンリオVfes2021』でも一番注目を浴びた『キズナアイ』のステージがもう一度見られる貴重な機会です。また、当時は有料チケットを持っているユーザーのみが見られたステージでしたが、今回はなんと無料イベントです。前回見られなかったという方もぜひ見に行って見てください。
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