フォトグラメトリーと言う言葉を皆さんは知っていますか?
現実にある立体物をスキャナー等で撮影し、その立体物の3Dモデルを作成する技術の事です。
今ではスマホのカメラからでも行うことが出来るようになり、実際に現実で作った作品を3Dモデルに変換し、VR空間上等で展示会や個展を開くアーティストさんが増えたのではないかと思います。
そんな立体物を3Dモデルに変換する素敵な技術ですが、実はこの技術により日本の伝統芸能の一つでもある『華道』に革命が起こるかもしれないのです!
目次
VRChat内にいけばなの展示ワールドが出来ました
現実の作品がフォトグラメトリーの力によりVRの世界へ!
こちらのワールドに展示されてるいけばなの3Dモデルは全てiPhoneで撮影されたらしく、当時京都で行われていた展示会で作品を撮影し3Dモデルを作成したそうです。
花は『細く、柔らかく、曲がった』物なので撮影もとても苦労しました・・・
実は展示してあるモデルは質感を出すために8Kテクスチャで作成しています。
えっ? 8K使ってたの!?
モデルの粗さはありますが、写真では出せない表現や質感は8Kの力で再現できたのではないかと(笑)
様々な表現方法で作られた作品達
このカクカク周りを囲っている物は一体!?
この作品はモリさんと言う中国の方の作品ですね。
この花の茎は中が竹の様に空洞になっていて、そこに針金を入れて折り曲げて表現しています。
こちらは全方位から見ても楽しめる作品になっています。
いけばなって針金を使っていいんですねぇ。知らなかったなぁ。
先ほどとは違っていけばなは普通みたいですが・・・
何故、萌え萌えキュン♡な感じのタペストリーが後ろに???
たとえば想像してみてください。いけばなと言えば掛け軸の前に飾られていたりするイメージがありませんか?
その掛け軸が現代的に萌えタペストリーに変わっただけですよ。
なるほどー!そう言われると納得しました。
いけばなは空間を考えて作るものなので・・・
ポップアートとどう融合させればよいのか?と考えて作られた作品です。
後ろのタペストリーを含めて一つの作品になります。
VRならではの体験コーナーもあります
ごめんなさい!まだ作成中なんです
このワールドのもう一つの目玉としてVR内でいけばなを実際に体験することが出来るコーナーを作成中との事ですが、現在は花瓶と花のモデルが置かれているのみとなっています。
作品を見てもらって分かったと思うのですが、いけばなって切ったり刺したりするだけが全てじゃないんですね。先ほどの作品の様に、曲げたり針金を入れたりとか・・・そこを再現するのが当面の課題になっています。
VRChat上で色々なギミックが増えてきたとは言え、出来ないことはまだありますからねぇ。
モデルのボーン数を増やしたりとか、シェーダーでごまかしたりとか色々考えてはいるんですけどね。
後、Unity上では出来てもVRChat上では出来ないとかもありますし(笑)
この体験用の花のモデルも急遽揃えただけで、いけばな用の花はお店で売ってるように剪定された物じゃないんですよ。
もっと茎が長かったり余分な枝などがついてたり・・・
なので、体験用のモデルも別に作成したいなぁと。
いずれは別の方法でもVRを使った体験ができるようにしたい
今は色々試作途中のワールドですが、VRChat上だけではなくClusterなどにも同じワールドを作成したり、Questアプリ単体とかでもいけばなを体験できるようになったらいいなぁと考えてます。
それは夢が広がりますね~。
Questの普及台数は今凄いですからねー。
実際はまだ切ったりする動作が出来ないんですけどね。
でも、花を花瓶に入れて並べるだけでも楽しいと思いますのでまずはそこから始めてみるのもいいかと思います。
このワールドを作成しようとした理由は?
出来ないか?とは考えていた
3Dモデルで作成された展示作品を見ましたが本当に凄いです。
でも何故VRでやろうと思ったのですか?
花も生ものですからね。準備や鮮度の事を考えるととても敷居が高く「さぁ、はじめようか」と気軽に出来るものじゃないんですね。
その点VRなら3Dモデルさえ用意すれば気軽に体験できるのでうってつけじゃないかと考えました。
3Dモデルには鮮度はありませんからね(笑)
実はたけやさんは5年前からフォトグラメトリーでいけばなを3Dモデルにしようと試みを行ってまして、でもその時は写真も満足に撮影することが出来ず花とは呼べない物しか出来なくて・・・
当時はXperiaで撮影してました。
フォトグラメトリーの撮影に最適ないけばなも作ろうかなぁっと最近は模索していたりします(笑)
きっかけはTwitter
これだけ急ごしらえなワールドで展示をしたのは実は訳がありまして。
最近Twitterに華道のワードが急にトレンド入りしたことが始まりなんです。
確かにありましたね~。
あの時はビックリしました。
色々課題はあったんですが、トレンド入りした今なら全世界の人に華道の事をよく知ってもらえるチャンスだと思いトライアル版としてこのワールドを立ち上げました。
展示に行われてるモデルも完璧ではないですが、この空気間を少しでも感じて貰えればと思いまして・・・
いけばな界の初音ミクになってほしい
私はこのワールドがいけばな界の初音ミクになってほしいと考えています。
ボーカロイドが出てきて今まで意識されなかった作曲家の方々が表舞台に出てくるキッカケになったように、このワールドからいけばなに興味を持って始めてくれた人が色々な所に進出してこの業界を大きくしてほしいと思っています。
そうなると嬉しいですね。夢が広がります!
なので今はボカロを作ってると思ってワールドを作っています(笑)
いけばなをリアルで始めるのは敷居が高いのでこのワールドが少しでも役に立てれば・・・VRいけばなはコレ!って言わしめたいですね。
まとめ
同業者さんにはこれからどんどん挑戦してほしい!
今では手軽にiPhoneでフォトグラメトリーが出来るようになりましたし、Quest2も普及してVRも手軽に出来るようにもなり、「VRを始めたならVRChatが面白いよ」と勧められる環境も出来てきたと思います。
この3要素が揃った今だからこそワールドを作って展示することが出来ました。
確かにiPhoneもQuest2も数年前に比べると本当に普及したと思います。
VRChatも全世界で人気のVRゲームですからね。
高価なスキャナーを使わずiPhoneを使用しているのも「この業界に気軽に参加してほしい」と言うメッセージがあります。
人柱として始めたつもりなので、同業者さん達は妥協点を見つけて挑戦してきてほしいです。
でも自分も新しい事にはガンガン挑戦していこうと思うので道を譲るつもりはありません!!是非、挑戦してきてください!
これからのワールドについて
いけばなの展示コーナーには作品の解説動画を展示予定との事です。
また、作品解説のためのツアー等も企画してるとのことですので、少しでも興味を持たれた方は是非お二人のTwitterをチェックしてみてはどうでしょうか?
たけや – Twitter
せちろー – Twitter
また今回のインタビューでは載せられなかった裏話もあったりするのですが、そちらが気になる方はたけやさんが冬コミにて出す本にて掲載予定とか何とか・・・
是非そちらの方もお願いします。
最後になりましたが、VR華道や業界のますますの発展を応援しています!
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展示されている3Dモデルですが、私が所属している協会にも確認してもらい、個人の展示としてなら問題ないと許可を頂いたモデルを展示しています(笑)