
VRChatのアバターで使われるシェーダー『lilToon』が、陰影表現などを強化するワールド向けアセット『VRC Light Volumes』に対応しました。
これによって『VRC Light Volumes』に対応したワールドであれば、光の当たり具合、影のでき方がこれまでよりリアルに表現されるようになりました。
この記事では、アバター、ワールドそれぞれの面で、対応方法を簡単に解説します。
2025年5月23日:誤記を修正しました。
目次
『VRC Light Volumes』とは
『VRC Light Volumes』はRED_SIMさんが開発した次世代のボクセルベースライティングをワールドに適用するためのアセットです。
このアセットを使えば、アバターなどの動的なオブジェクトに対する、光の当たり方、影のでき方などの表現を向上させることができます。
これまではUnityのライトプローブを使って動くオブジェクトに光を当てていましたが、『VRC Light Volumes』を使えば、より緻密に光を当てることができるようになりました。


テストワールドで自動販売機の光の当たり方を比較してみました。従来のアバターは一様な光の当たり方なのに対し、『VRC Light Volumes』対応アバターは自動販売機から照らされる部分がかなり明るく表現されるようになりました。また、指先と顔で明るさが違うなど、光源からの距離の表現も向上しています。


ミラーボールの光の受け方もこの通り。従来のアバターに比べ、光が当たるところ、当たっていないところの明暗がはっきり出ています。
これまで、光の当たり方の表現にこだわった写真を撮影するためには、アバターに外部アセットを導入したり、撮影後にレタッチをしたりする必要がありました。『VRC Light Volumes』対応ワールドと対応アバターなら、それらがなくても従来よりもリアルな表現をすることが可能になります。
アバターは『lilToon』をアップデートするだけ!細かい設定は不要です
アバターを『VRC Light Volumes』に対応させるのはとても簡単。最新版の『lilToon』にアップデートして、アバターをアップロードするだけです。

VCCやALCOMのプロジェクト管理画面から『lilToon』をアップデートしましょう。(VCCに追加されていない場合はこちらから追加可能)
ワールドの対応方法も簡単!
次はワールドを『VRC Light Volumes』に対応させてみましょう。

こちらから最新版のUnitypackageをダウンロードし、ワールドのUnityプロジェクトに追加します。

Hierarchyで「Light Volume」を追加。

そこから「Light Volume」を選択した状態で、Inspectorウインドウの「Edit Bounds」を押して、「Light Volume」を適用させたい範囲を調整します。この時、「Preview Voxels」を押すと、ボクセルがどのように配置されるかを確認することができます。
また、下部にある「Generate Light Probes」を押すと、ここで設定した「Light Volume」に合わせてライトプローブを自動で設定することが可能です。『VRC Light Volumes』に対応していないアバター向けに従来通りライトプローブの設定も必要となります。

次に「Light Volume Manager」を選択。Inspectorの「Baking Mode」を設定します。Bakeryを使ってライトベイクする場合は「Bakery」を、それ以外は「Unity Lightmapper」を選択します。
あとはBakeryまたはUnityのLightingウィンドウからシーンをベイクして、ワールドをアップロードすれば完了です。


すでにリフレクションプローブが設置されていれば、それをもとに「Light Volume」の設定が可能なので、既存のワールドでも簡単に導入できます。その他の詳しい設定や解説は公式のドキュメントをご覧ください。
当初ライトプローブをもとに「Light Volume」の設定が可能としていましたが、リフレクションプローブの誤りでした。お詫びして訂正します。
対応ワールドはハッシュタグで検索!
記事執筆時点でも多くのワールドで『VRC Light Volumes』への対応が行われており、X(Twitter)では、『#VRCLightVolumesReady』というハッシュタグでまとめられています。
RED_SIMさんによるテストワールドもあるので、アバターを対応させた方や、どのような効果があるか試してみたい方は参考にしてみてください。


アバター、ワールドとも簡単な対応で、写真映えや没入感が向上!
アバター、ワールドそれぞれについて対応方法を簡単に説明しました。比較的簡単に設定でき、アバターについてはシェーダーを更新するだけと、対応のハードルはかなり低くなっています。
陰影の表現が向上すれば、写真映えが良くなるのはもちろん、空間やイベントに対する没入感も増しそうですね。気になった方はぜひ試してみてください!
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