
前回、株式会社アンドエスティに勤める育良さんと共に、ファッションについてお話をしてきたバチャマガの二人。今回は『Costume Museum 2』で展示されている服を見ながらワイワイしていきます!
前回の記事はこちらです!
本記事で言及するアバター衣装の特徴などについては、裏取りなどはしていない“オタクの妄想”です。事実や製作者様の意図とは異なる場合がありますので、ご注意ください。
ブランドってなに?
Blanc Coeur Femme(R&Coco.)

あ、早速見てくださいよ!R&Coco.さん!


R&Coco.さんは出た当時から大注目だったんですよ。
品質はもちろんなのですが、プロモーションにもめちゃくちゃ力を入れていて、全部良かった。
世界観全部がちゃんとブランドになっているのが良いところです。


「可愛い服だな~」ってみるだけでも十分楽しめるんですが、お洋服とそれを取り巻くカルチャーを含めると凄く味わい深いんですよ。

かるちゃー?

かるちゃー?

カルチャーっていうと何かカッコよく聞こえますよね!

ええと……物理服でも、ブランド物とかになると、それを取り巻く背景とかって色々あると思うんですよ。それを含めてのファッションという見方もあるのかなと思うんですが……

そうですね。皆がブランド物をなぜ着るかという点でいうと、そのブランドを身にまとう事に意味があるという考え方もあるんです。ブランドに対するイメージとか、「そのブランドを着ているという事は……」とその先や背景が想像できる。それが何かってのはブランドによってバラバラなんです。
例えば誰もが知っているようなモード系のブランドで全身固めている場合、完全にモード系が好きな人なんだ、という見られ方をするんですよね。例えその人がたまたまもらった服を着ただけだったとしても。
※モード系は日常着としての機能性よりも、トレンドや芸術性を重視したファッションスタイルのこと。Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)やComme des Garçons(コム・デ・ギャルソン)、DIORなど。

服ってその人の第一印象を決める要素の一つですが、そこにブランドが入ってくると、“ブランドの世界観バフ”がつくんですよね。逆にブランドを展開するときは「こんなバフがつきます」っていう感じで設定すると良いかもしれない。ブランドを身に着けることで、そういうテンションになってくれればいいな……!みたいな。
Millefeuille Lace Dress(ゆめてんぼう)


ブランドで言うとお隣がゆめてんぼうさん。僕が推してるブランドの一つなんですが。
いわゆる地雷系と呼ばれるジャンルの、リアルの方の老舗ブランドです。それがVRChatに来ている。
※夢展望がVRChatで展開しているのが「ゆめてんぼう」

知らなかった……どういう経緯なんだろう

お話聞いてみたいですね。

ここはデザインはもう流石です。それをVRChatに最適化されたシルエットで作っていらっしゃるので……ザ・地雷系という感じでもありつつちゃんと夢展望のお洋服なんですよ。

レースが凄い細かい……


VRChatの服ってディテール細かい方が分かりやすいんですよね。情報量が多い方が良いというか。シンプルなお洋服も全然良いんですが、僕らって情報を食べているようなところがあるので……パッと見た時の情報量が多い方が飛びつきやすい。あとは負荷とのバトルになるんですけど。

そうですね(笑)

いやぁ~本当にかわいいんだよなこれ。
頭ってなにもないと寂しくなる時もあるんですが、ここにヘッドドレスやリボンとかがついてるのも良いんですよね。
nusaさんも今なにも被ってないですけど、何かあるとまた印象が変わると思います。

バッグぐらいしかなかった


お!でもそのバッグも良い例ですよ。
インターネットとかでも「なんで女子ってあんなに何も入らない鞄つけてるんだろう」っていう方いますけど違うんですよ!あれは何かを入れる用途じゃなくて、そこに小さいバッグがあると可愛いからつけてるんですよ!もちろんスマホとかは入るかもしれないんですけど、機能性は求めてない。

そう!それがこの衣装を着て分かったんですよ!!

あと世の中の人たちは、そもそもそんなに荷物持ってないってのもある。僕も持ち歩いてるけど、「折り畳み傘ずっと入れてるけど降ることあるんか!」って。世の中の大半の人はスマホと財布ぐらいしか持ってない。

いつも不思議なんですよね。水筒とか無いと喉乾いた時ってどうするんだろうって。生きていけない。

物理側は荷物がある分、実用性を兼ね備えたファッションが適している場合もあると思うんですが、それでもオシャレなやり方もあるんですよ。
逆にVR側では何も持つ必要がないから、かえって「意味がない」バッグに一番近づけるはずなんですよ!

このバッグには意味がないけどある!

そう。我々は気づけるはずなんですよ。目覚めることができるはずなんですよ。

「リアクロっぽい」「VRChatっぽい」を考える
フェザーマジシャン(kamony-land)

他も見ていきましょうか。
リアクロとは逆に、VRChatっぽいな~ってなる衣装はありますか?

ここにあるフェザーマジシャンとかはそうですよね。これを物理で着てたらコスプレだなってなるし、普段着として過ごすことはないと思うんですよ。


このデザインの源流ってどこなんだろうって考えると、アニメよりはゲームって感じがしますよね。SSRで出そうだもん。
逆に言うとある意味なじみのある服なんですよ。VRChatではやるのも当然というか。

なるほど……


VRChat過ごして行くうちに、VRChatの中に自分がいるという感覚が強まってくると、こっちが現実味を帯びていく……そうするとリアクロに流れ着くことがあるかもしれない。もちろんそれだけではないと思いますけど。
一方で、「こういう存在でありたい」という思いが強くなると、フェザーマジシャンとかを着ることになるかもしれないですね。
最近『アークナイツエンドフィールド』にハマってるんですけど、ああいう、いわゆるテック系みたいなファッションが出ると着たくなるもん。結局それも「いいな」って思う物の一つではあるので、何を取るかって話だと思うんですけどね。

少し話を変えて、野暮ったいファッションとか、ダサいファッションについてもお聞きしたいんですが……

VRChatで関連して売ってる服ってどれも素敵ですし、このワールドのも皆カッコいいから難しいですよね。

そうですね……ダサいファッションってのも難しいですよね。
(少し考えて)例えば今イケてるとされてるファッションも、昭和とか全く別のシチュエーションに持っていくと全然見方変わってきますよね。と考えると、そのカルチャーにおいて、良いとされているイメージと近いか遠いかという違いだけなんじゃないかな。
異世界転生とかすると「なんだその服は!脱いでこの葉っぱをつけろ!」って言われるかもしれないですよね。

確かに、極端な例を出すと現代日本と古代スパルタでは全然違いますもんね。じゃあVRChatのカルチャーだとどういう感じなんでしょうね?

分かりやすいのは区分はファンタジーっぽい、キャラクターっぽい服と、リアルの……というか多くの人が住んでいる「現代社会」で良いとされる服装を追求するリアクロ。まずこの2ジャンルに大別できますよね。
その中でも沢山派生がありますよね。ゆめかわっぽいものやモードっぽいものとか、王道ファンタジーやSFに近いものとか。もちろん、これらが混ざり合ったものもあります。

確かにリアルっぽいものでも、実際着るかと言われると難しい服ってたくさんありますよね。
Assassin Cloth(MyunMyun)


これとかはまさに、両方の要素を取り入れてるものなんじゃないですか。
こういったボディラインをしっかり出す服っていうのもままあるし、靴とかは完全にリアクロの路線ですよね。

凄いしっかりしてる。これ履いて街中歩いても違和感なさそう!

この革の感じとか良いですよね。この靴から要素を抜いていくと、どこかで物足りなくなる。例えばサイドジッパーとか陰影とか、シワとか。人間って見えてるものから脳内補完をしていって、非言語の物を得ることが出来る。最近流行っている服を見るとその辺の情報量は意識されていそうだなって思いますよね。
ベルトや縫い目とか、チェーンとかの要素を足していくことで情報量が増える。でも全体のシルエットを保っているようなデザインになっていると思います。ここで何を足すかや、シルエットをどうするかは、何を知っているかに依存する場合もあります。ベルトを知らないと「ベルトをつけよう」という発想は出ないじゃないですか。



そうですね……以前やった写真企画でもそういったお話がでたんですど、やっぱりインプットは大事ですね。

特にVRChatは情報量がすごく多いので、インプットやアウトプットは多くなりがちな傾向があるかなって思います。

この服って少し引いて見ると、下半身がリアクロっぽいけど上半身はファンタジーっぽいですよね。

実際街中でこの服着るかと言われると難しいんですが、VRChatだとこれぐらいの露出はまあいるじゃないですか。ファッションの1ジャンルって感じですよね。
……にしてもディテールとかしっかり作りこまれてるなぁ。布の隙間とかもしっかりわかる。
これはこのポーズじゃないとダメだな。

確かに。服の特徴がよく分かる。

オタク的な観点でも言うんですけど、大変よろしいです。

(深く頷く)
……先へ進みましょうか。これどれくらいあるんだろう

まだまだたくさんあります。無限に見れちゃいますね。
見れば見るほど、こだわりが感じられて楽しい!
ROUGE(SELECT SHOP-Cornet-)


これも良いですね。
以前、制作者さんのこるねっとさんと「お姉さんアバターっていいよね」って話で延々と盛り上がったことがあって。多分それぐらい好きだからこそ、どうすれば良いかみたいなことが分かるんじゃないかなって思います。
このボディラインの起伏が強調されるというか……ポーズも相まってよりセクシーさが強調されてますよね。

質感も凄いですね。近くで見るとキラキラしてる。


そう。とにかくパッと見た時の情報が多くて、シンプルなんだけど目を引く服ですよね。
背中あきホルターネック(Store*Snowlight)


Snowlightさんだ!

これもラインがきれいですよね。上がボディにフィットしてるんですが、下は布が厚めで、メリハリが出来てる。要素はシンプルですが、服のシワや、布の縫い目、ステッチが綺麗ですよね……
えーこれも欲しい。

Sweet-EdgeKnit(Hato Shop)


この服も可愛い!ウサギがいますね。


そうですね。チャームをここにつけるって物理だとあまりやらないかなと思います。

邪魔ですしね。

確かに(笑)
VRChatだとネイルでもチェーンが付いてる物とかもありますよね。あれも物理でやったら「何も持てないじゃん!」ってなりますが、そういった意味ではVRChatならではのファッションかなと思います。
これもベルトというかハーネスというか、この部分や、首から下がってるアクセサリー、コルセット的なパーツを除くとリアルっぽくなる。小物の使い方で大きく変わってきますよね。
バニーガールコスチューム(OKITUNELAND)


バニーってVRChatだとずっと人気ですよね。

異常な人気を誇りますよね。やっぱみんな好きなのかな。

まあ……好きだけど……!
足がきれいに見えるとか、バニー本来の良さみたいなのが活かしやすいのかな。なんでこんなにハマるんでしょうね?

質感が出しやすいんですかね?布の感じとか。



あとTPO的に意外とバニーは着れることが多いですよね。セクシー系な衣装の中ではバニーはまだ許容される方じゃないですか。
文化祭でギリ許されるかどうかみたいな。

許されるのかなぁ(笑)

バニー服のデザインが、ボディラインとか女性らしさも綺麗に出せますし、こだわって作られたアバターには相性がよさそうですね。

それはありそうですね!
Scarlet Dominion(アトリエパンダ)


お、これはスチームパンク的な衣装ですね。

赤黒金でゴージャスさがありますね。赤がラインとして入ってるので、リアルで考えると布の裏地だったり複数重なってる一番下が赤いんだろうなって思うんですが、遠目でみるとその赤い線で視線が下がったところに靴が来る。

この靴凄いインパクトありますね。一体に見えて後ろ見ると分かれてるんですよね。



ほんとだ。もしコスプレイヤーさんがこの服を再現しようとすると創意工夫のし甲斐があって楽しくなりそうですね。

シルエットというか要素が少しトレンチコートに似てますね。トレンチコートは塹壕で兵士が来てた服が源流にあるんですが、その辺のミリタリーっぽい発想が入っているような気がします。あと装飾がたくさんあるので礼服っぽい。

こういう風に考えていくの楽しいですね。

「作者さんそんな風に考えてないと思うよ!」の典型だとは思うんですけど(笑)
甚平(Store*Snowlight)


甚平だ!甚平すき!

今まで話したことを踏まえると、これはリアクロですよね。

そうですね。リアクロですよ。


高級そうな草履も履いてる!自分が履いてる無印のやつとは違うぞ!

草履はいてたなぁ。乾くから水泳の時とかに良いんですよね。甚平って風通し良いし、脱ぎ気が簡単だし、高温多湿な日本のための服って感じがします。アバターとのバランスが良いですよね。綺麗だな。

不思議とオシャレ感がある。

実際オシャレだと思いますよ!
布地とかメチャクチャ細かいし。折り目の感じとかもしっかりしてる。細かい皺が出しづらいからか、スーツでも見られる布地の細かさがありますね。
柄がシンプルだけどしっかりと雰囲気が出てるのはすごいですよ!アバターの衣服ってどうしても板に絵が貼ってあるだけなんで、のっぺりすることが多いんですよね。

背中の起伏の入り方も凄いですね。


確かに。ストローの袋でやってみてもらうと分かるんですが、布のシワってこういう感じで交互に入ることが多いんですよ。シンメトリーになってて綺麗に折れ曲がってるんだなって感じがします。

何となく、麻っぽい雰囲気も出てて素敵です。

ああ~その見方もあるかもですね……
あのこれ専門家でもなんでもないオタクがしゃべってるだけので、その辺は注意していただけると。「※この人は服飾の専門家ではなくただのオタクです。」という事でお願いします。

(笑)
そうですね。見方は色々あると思うし、作者さんへの裏取りとかもしてないので話半分で見ていただけると良いかと思います。
こんな感じで色々話してきましたが、そろそろボリュームも大変なことになってきているので締めようと思います!

長時間お付き合いいただきありがとうございました!ファッションってすごいんだな~ってなりました。

さっきも言いましたけど「作者さんはそんな事考えてないですよ」て事も多いと思います。最初に言ったように、色々な服を着て起こる「うわ!これが私…!?」を楽しんでもらえると幸いです!ありがとうございました!

育良啓一郎
(@ikr_4185)
株式会社アンドエスティのマーケティング部にて、メタバース事業「アンドエスティメタバース」のディレクターを担当。
メタバース領域で2018年より活動し、アンドエスティへ2024年1月入社。
制作進行、イベント企画、SNSプロモーションなどを行う。
◆使用ワ―ルド
Costume Museum 2:https://vrchat.com/home/world/wrld_4a30ba88-cf2c-4711-901c-83bb8b359b11/info
参考記事:https://www.dimples.co.jp/wp-content/themes/dimples/articles/sale/column_111/
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本当にどれもめちゃくちゃクオリティが高いですよね……