
この記事は2026年3月20日に西荻BETTY ROOMで開催されたリアルライブ『ギークリフレクション』のライブレポートとなっている。
開演前

少し肌寒い初春の三連休、西荻窪駅からほど近いライブ会場の前には少しばかりの人だかりができていた。今回の会場である『西荻BETTYROOM』では2024年の夏にもVRChat発アーティストのリアルライブ『StrollZ vs PHANTOM with 緩斗』が開催されており、少しだけ馴染みのあるライブハウスである。順番に並んでオンラインで予約したチケットの確認後ドリンクチケットを交換し、前回とは異なり座席の撤去された広々とした客席に入った。フレンドと雑談をしているうちに客席も多くの人で埋まっており、ライブの開演時間となった。
KAGARIHI
トップバッターを務めたのは生命力をテーマに演奏を続けるロックバンド『KAGARIHI』。VRChatでライブを見るたびに、この轟音をリアルで浴びたいと願ってやまないバンドの一つだった。前回にKAGARIHIが出演したリアルライブ『Y-0 Dawn』が仕事で行けなくなったことを悔いていたので、今回こそは絶対にチケットを買って見に来るぞと意気込んでいた。
KAGARIHIは今回出演する3バンドの中では最も若手で勢いのあるバンドで、MCも演奏も後に出てくる2バンドに勝るとも劣らないアツいステージを見せていた。
今回のライブでは時間が許す限りのオリジナル曲が披露されていた。ライブ映像がYouTubeに投稿されている『エンドロールに花束を』や『何でもない今日の日に、』ももちろん好きだが、個人的に「これは聴きたい!」と思っていた『シュガーロス』も演奏されていたのでとても満足した。なお、『シュガーロス』をリアルライブで披露するのは今回が初めてだったようで、その場を見られたのはとても嬉しかった。
不眠症女
2番手はいつものオープニングSEとともに登場したバーチャルインソムニアポストロックバンド『不眠症女』。2021年5月結成の4人組で、その特筆すべきは各メンバーの居住地だ。北は北海道から南は福岡まで、VRならではの日本全国を股にかけるバンドである。そんな4人が東京に集まってリアルライブに出演するというのだから、これもまた絶対目に焼き付けておきたいと思っていたライブである。
『Spot Light Talks1よりやってまいりました。我々不眠症女、破壊します。』の挨拶とともに始まるライブはそれでもVRChatで見るのといい意味で印象を変えないのがまたすごい。ステージ正面でどっしりと構えるベースのおとうと、上手で暴れるギターボーカルのフレア・スカーレット、下手には落ち着いた雰囲気のリードギターレヴィアス、後方で3人を支えるドラムのやまみー。このなぜか均衡がとれているバンドがVRChatでもう5年も続いていてリアルライブにまで漕ぎ着けられたことが結成当時から見ているファンとして、素直にうれしい。




不眠症女のライブでは1曲目からギターをぶん回し、2曲目の後に客席に降りて乾杯し、MCでは対バン相手のタレコミを流し、というような具合で45分のうちに計8曲を演奏していた。中でも5曲目に演奏された新曲『Stay in shape』はVRChatユーザーへの皮肉を歌った曲ながらもエモーショナルなメロディーで客席も大いに盛り上がっていた。また、リアルライブが初めてでも演奏の息があっているのはさすが5年続けてきただけあるなぁと感心していた。奔放でありながらも最後まで一貫して『不眠症女』という印象を崩さない、いい意味でVRChatらしく激しいライブであった。
PHANTOM
トリは今回のライブの主催である『PHANTOM』。出演したリアルライブの回数はおそらくVRChat発バンドの中でも最多で、安定感がある。以前にも出演経験のあるライブハウスということもあり、とても完成度の高いライブを披露していた。
PHANTOMの対バンライブでは対バン相手のエピソードも混ぜて感謝を伝える少し情を誘うMCがあり、今回も不眠症女とKAGARIHIへの感謝が述べられていた。不眠症女との因縁や共通点、KAGARIHIの生意気さと優しさなどはやっぱりバンド同士だからこそのエピソードで、そこから繋がる4曲目の『アプリコット』にはそんなエピソードがあったのか!という驚きもあった。



PHANTOMのライブで楽しみにしていることといえば、ライブ前にPHANTOMのポストをよく見ると披露される新曲の有無が分かる仕込みがあるのだが、今回は「新曲無いよ」とのことだったのでセットリストは全曲既存曲。それが故に、本当に何回来てもいいライブをするよな~と思わせられる。また、曲中のギターソロが毎回楽しみで、特に『ニジクラゲ』のレーザービームのようなサウンドは本当にライブで聞きたいと思える中毒性がある。
8曲目『ニジクラゲ』のあとのアンコールから、最後に演奏されたのはPHANTOMの代表曲『しらはえ』。アンコールの定番であるこの曲では、観客が「パパンッ」と手拍子を合わせるのが恒例。その音を聞くと「これがいよいよ最後のアンコールなのだ」と実感し、名残惜しいが、それこそが、ライブで聴く『しらはえ』の醍醐味である。
終演後
閉演後は22時までライブ会場がそのままオフ会の会場となり、多くの観客がフレンドと感想を言い合ったり、出演者に挨拶したり、3種類のコラボドリンクを飲み比べたりと交流の場になっていた。
なお、筆者はその後の打ち上げを4次会まで参加し、ホテルに帰ったのが朝6時30分という悲惨な状況になっていたのだが、その後の話はVRChat旅後編:『サンリオピューロランド』に記そうと思っている。

このライブレポートをきっかけにVRChat発アーティストのリアルライブに興味を持ってくれたなら、以下の2つのリアルライブも大変おすすめなので、ぜひ行ってみてほしい。
- 不眠症女の結成初ライブを行ったVRChatのオープンマイクイベント。 ↩︎
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