ミステリアスでちょっと不気味な『軍艦島』
日本の高度成長と衰退が凝縮されたような日本の廃墟の島を1/1スケールでVRChat上に再現したワールドがVoxelKei(@VoxelKei)氏によって製作されました。
軍艦島を1/1スケールで再現
『軍艦島』は明治時代から昭和時代にかけて海底炭鉱によって栄えてた島です。
資源の少ない日本にとって、貴重な炭鉱資源が取れる場所であった軍艦島。
ゆえに、全長480m、面積わずか0.06平方キロメートルの島にどんどん労働者が移住し、最盛期には約5,000人以上もの人が住んでいたそうです。
今回VRChatで公開された軍艦島は、映像作家の大西さん(@2012apocalypsis)が記録したデータをもとに、フォトグラメトリ(※1)で再現されました。
(※1 フォトグラメトリ…物体を様々な方向から撮影した写真をコンピューターで解析し、3Dモデルを立ち上げる技術)
VRChatのワールドで歩き回っていると1つ1つの建物の大きさがよく分かります。
限られた土地にたくさんの人が住むためには建物を縦に積み上げるしかありません。
島内の従業員住宅は日本初の鉄筋アパートとして建設され、当時としてはかなりハイテクな技術が詰め込まれた未来都市だったようです。
いまでこそ団地というとちょっと古めかしいイメージがありますが、よくよく考えてみればせまい面積に公園や学校、商店街まで、生活に必要なすべてが凝縮されているって相当なスマートシティだったのでしょうね。
労働者の給料も良かったらしく、娯楽施設もたくさんあったそう。島の人々は相当裕福な暮らしをしていたみたいです。
…ですが時代の流れにより、主要エネルギーが石炭が石油へ移行。
だんだんと炭鉱の規模が縮小されていってしまいます。
1974年1月15日に軍艦島は閉山され、かつての賑わいが嘘のように、島全体がガランとした廃墟になってしまいました。
VRChatで公開されているワールドは1/1リアルスケールなので、島がどれほどの規模感だったのかを実際に歩いて知ることが出来ます。
全長480mしかありませんから、意外とすぐに島全体を横断できてしまいます。
不動産屋の定義で言うと480mは約徒歩7分程度の距離なのだそう。
『ちょっとコンビニ行ってくるわ~』の距離にとんでもない人口と建物が密集していたのですね。
ワールド入り口には島内の名所が記載されたパネルがあるので、パネルを見ながらぐるっと廃島めぐりを楽しんでみてはいかがでしょうか。