前回も中々ご好評いただきありがたい限りです。
今回はイギリス在住、バーチャルライフマガジンではコミュニケーションについて良く記事を書いてらっしゃるタロタナカさんとおしゃべりしました。
オーエンのTwitter
タロタナカさんのTwitter
よろしくおねがいします!改めましてですね(笑)
そうですね!僕等はVRC内で大分前に会っているんですが、読者の皆様に向けて自己紹介をお願いできますか?
かしこまりました、タロタナカと申します。
VRChat上では、VRC調査団や先日開校した私立VRC学園などをやっています。
調査団の方では、VRChatをコミュニティや社会的な観点から考えていくということをやっていて、VRC学園では、学園生活を通してこの空間で過ごす、というのををより深いものにしてもらいたいという気持ちで建てました。
ありがとうございます!
そういえば(記事を書き始める前の)会話中になにか質問がありましたが?
あ、そうなんです!
個人的に、オーエンさんは人や社会、そこに付随する意味性や可能性。そういったものに対する視点や関心が強いように感じるのですが、もう少し深く聞いてみたいな、というのを前から思っていたんですよね。
テーマが決まってるのは初めてのパターンですねw
まぁ、僕は(読者の皆様もご存じの通り)おしゃべりなので、大分文章が長くなると思いますw
でも、人や社会に対する関心が高いのはVRC調査団をされているタロタナカさんも同じだと思います、今日はここら辺を盛り上げていきたいですね!
人と社会とインターネット
なかなかのカウンターパンチですね(笑)
良く言うじゃないですか「会話はキャッチボール」ってw
キャッチボールというよりかは投げたボールがそのまま飛んできた!という感じだったのですがww
ですが、そうですね。僕もそういった部分に関しては関心が強くて、だから、というとあれですが、インターネットという空間が非常に好きなんですよね。
気のせいですよ、ちゃんと投げた場所に返しただけですw
「インターネットという空間が好き」と言うことは、社会というより人と人との関係、群像劇に興味があるということでしょうか?
群像劇、というと神視点的になってしまうのでうのですが、世界70億人が一同介してつながれる可能性を持っていて、そこで人と人とが繋がり、個人の持つ力を最大化できる。そういったコンセプトを強く感じるんですよね。
僕の対談って神視点のゲストが多いなぁw
僕としてはインターネットは皮肉なことにコミュニティ間の分断を加速させている気がするのですが、「世界70億人が一同介してつながれる可能性を持っていて」と言うことはタロタナカさんはそう感じていないということですか?
痛いところを突かれた!僕は割と理想主義的なところがあるので「インターネット最高!」みたいな論調で言いがちなのですが、そこに関してはどうにも否定できない部分ですね。SNSは自分の取りたい情報を選択できるという観点から思考、思想の二極化を加速させる。といった内容の研究結果があるくらいなので…。ですが、それでも自分の知らなかった気づけなかった可能性に触れられる場である。というのは僕の思うところだったりします。というのも、たとえば僕なんかは、インターネットやった結果学校建ててますからね。自分でもびっくりです。
なるほど、それって「コミュニティ間の分断がある≒コミュニティの境目がハッキリしている」のでそういう新しい気付きやそこから生まれる連携など進歩の加速の可能性を信じれる、信じたいということに解釈できるかと思うんですがどうでしょう?
コミュニティの分断から生まれる相互作用の加速、というと具体的にどういうことを指していますか?
要するに「相手と違う」と言うことが分かっていれば、お互いの特徴や相手の長所を受け入れやすいのではないかと言うことです。
例えばタロタナカさんは今イギリスに在住ですが、僕は「タロタナカさんはイギリスに住んでいて日本にいる僕とは違う」と認識してるので、「タロタナカさんが他の人より英語に長けてるのは当然だし、翻訳も僕より苦労なくやってくれるだろうから頼りやすい」と感じれるわけです。
お、なるほど!それはまさしくそうですね。それは何というか反面教師的というか。インターネットの台頭によって顕名性(※1)という概念とその重要性がより強調されたというような境遇と似てますね。興味深いです。
また、自分と合わないと感じたら離れることができる、そういった特徴もまたインターネットの良さなのではないかと考えます。
英語に関してはまだ初学者なのであまり大きく出れないのですがね・・・!
※1:個人が特定できる名前や特技などの印のこと(ざっくり説明)類義語:実名性
(イギリス在住の方が何を言っているんだろう?)
話が割とそれてしまいましたが、オーエンさんにおける人と社会そしてインターネットってどういったものなのでしょう?
僕の対談で話がそれるのはいつものことです、それどころかそれた話だけで書かれた回もありますw
そうですね、僕はインターネットって人間臭い場所だなと思っています。
社会っていうのは個人個人が集まって作られたモザイク画のようなもので、システマチックで離れてみると調和のとれた美しいものです。しかし、モザイク一つ一つにされている我々からすれば窮屈で仕方がありません。その点、インターネットだと抑圧された意識が動き出し、自由に線を引き始めるので無秩序ではありますが、抽象画的な美しさを持つものなのかなと僕は考えています。
面白い言語化だ!!この対談参加してよかった!!
確かに、インターネットと自由という単語は親和性が非常に高く感じます。「レールに敷かれた人生、嫌味な上司、何かいいことねぇかなー」みたいなことはあまりインターネット的ではないですからね。僕もそういう部分に惹かれたのかもしれない。そういう意味合いでは責任があまり強く要求されない遊び場的な雰囲気が強いかもですね。
そうですね、「何でもできる」自由なのか「北斗の拳」な自由なのかは人それぞれの解釈にゆだねられそうですがwww
タロタナカさんも自由が好きなんですか?
世代感が出ているような気がしなくもないのですが、制限がないという意味での自由または無秩序としての自由という感じだと解釈しますww
僕にとって自由は結構大事な概念だったりしますね、制限される、というのはその分取れる選択肢、手段が狭まるということにあたると思うので…なんだかそれってかなしいなって。
やりたいことやりたいですからね。だとしても、それと「何でもしていい」はまた別だと思っていて、イギリスの社会学者JSミルなんかはそこのところを「他人に迷惑かけない範囲なら何してもおk、それが自由(超意訳)」みたいに言ってて、僕はそれを割と支持してたりします。
「公共の福祉に反しない限り」ってやつですね。
これって僕は「相手の自由を阻害しない範囲で」っていう意味だと解釈してて・・・これがあるから現実ってモザイク画なのかなって気もしてます。物理空間だと良くも悪くも目の前の相手に色々相互作用があってそれが避けれない、だから当然お互いの自由のために色々な制限があって・・・でもインターネットだと現実と比べてお互いの影響を受けづらい、だから制限が少なくて済んでいる・・・
オーエンさん表現うまいですね…
でもそれって割といい概念かもしれないですね。言ってしまうと「ばれなきゃなんでもいい」みたいな風にもとらえられますけど、むしろお互いにばれないからこそ、現実では自由の侵害になるようなことが自由の侵害とみなされないという。挑戦の助長というか、一歩踏み外すとママを探し始めたりもしますが、まあそれも1つの良さということで。
まぁ、「主観的に見えてないだけ」の可能性を考慮し続けないといけないですけどねw
人間はどう頑張っても主観的にしか世の中を認知できないんですから、僕は相手の主観を考えるように気を付けてます。
一旦話題を我々にとって身近なところに持ってくると、僕やタロタナカさんにとってVRSNSって結構自由を感じるじゃないですか、でもこれって先ほどの論調からすると不思議な現象のはずなんですよね、なぜならVRSNSの方がボイスベースで且つ(アバターとはいえ)相手の姿が見えて、テキストベースのインターネットより相互に影響を与えやすいはずなんです、それなのに自由を感じている、どうしてでしょう?
面白い話題ですよね、これ。例えば、現実上だと人と物理的距離を縮めることを嫌がるような人でもVR空間上だとできるとか、頭を撫で合うとか、そういうスキンシップ的な部分での自由度だったり、現実だと割と奥手だけどこの空間だと割と自分を表現できるみたいな心理的な部分などもよく聞きます。「アバターを纏うという事」という部分での意味性につながりそうですね、この話。
そうですね、前回の対談で「アバターによる非日常感からいつもと違うことができる」という話がありましたね。
となるとやはり、「お互いの影響を受けない=自由を感じる」というのは違うのかなという気がしてきましたね、やはり「感じる」というからには主観的なものなのでは?
そうですね、先ほどオーエンさんが言ったように突き詰めてみると人は主観でしか語れないというのはあるので、客観的に受けない、と言い切ることは非常に難しいと感じます。どちらかというといい意味でも悪い意味でも気づかない。つまり鈍感になっているのかもしれないですね、ぼくら。
「知らぬが仏」という奴なのか・・・
実際鈍感になっているんでしょうね・・・それでも調査も対談も色々と発信してる身としては鈍感ではいけないと思う反面鈍感でないとできないとも感じたり・・・意識して精進してかないといけないですね。
まさしくです、この仮想空間、見た目や立場、アイデンティティまでかえることができる。
どの社会に属するのかを選択できるという点からも、現実と同じと言い切れない世界なので。だからこそ奥が深いんですけどね。調査する側としてもひとりのユーザーとしても日々得られるものだらけです。
いろんな学びがありますよね・・・両声類とか、鳥人間とか、床コライダーはなくなるものだとか・・・赤ちゃん需要は高いとか・・・
いやいや、そんな摩訶不思議な世界があるだなんてそんなはずは…あったわ…
現実では貴方は狂気に巻き込まれるが、VRSNSでは貴方が狂気を巻き込む。(迫真)
ひえっ
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