【コラム連載】バチャマガ交換日記、9ページめ。【ゆーてる編】

バチャマガ交換日記とは?

様々な記事を書いているバチャマガスタッフですが、それぞれ得意分野やライフスタイルが異なります。普段何してるの?どういうことに興味があるの?ってのを知りたいという話になり、交換日記という体で連載を行うことになりました。

このコラム連載では、大体何を書いても良い(VRSNSに関係なくてもオッケー)というフワッとしたレギュレーションでお送りします。普段バチャマガでお届けしているVRSNSの話題はもちろん、ARやVTuberなどのXR界隈にとどまらず、散歩中に起こった出来事などのリアルの話でさえOKとなります。

つまりなんでもあり。広い心でお読みいただければ幸いです。

前回の日記はこちら。

バチャマガ交換日記、8ページめ。

ごあいさつ

活動時のアバター:サバンナストリート レイシャークコーデちゃん(改変済)
オレンジ色の瑞希ちゃんの時や、
白と青のラシューシャちゃんの時もあります。

D.Na/だなさんからバトンを受け取りました、ゆーてるです!

バーチャルライフマガジンの編集長(二代目)として色々と活動しています!

主に面白そうなネタのリサーチや、何かのゲストとして出演したりとか、企画のお話などを進めたりと表に裏方にとあちこちで動き回ってます。面白そうな話があったらぜひお誘いください!

様々なアバターの姿を持つぼくの活動時の姿を一番よく見かける場所、それは壁新聞の右上ではないでしょうか。

リーチャ隊長に以前書いてもらったこのイラスト、めちゃめちゃ気に入ってて、今や[JP]Tutorial world日本語話者向け集会場「FUJIYAMA」JPの壁面にもひょっこり顔を出しています。

こんな感じであちこちに顔を出すバーチャル尽くしな日々を送る沖縄在住のぼくですが、今回はコラムということでこの間東京に小旅行した時のお話をしようかなと思います。

ノープラン東京小旅行記

ことの始まりは2024年1月某日でした。弟から突然旅行に誘われまして。
※弟はVRChatユーザーではないのでアバターは仮置きでワイルドキャットにしています。

ゆーてる弟

兄ちゃん、東京旅行に行こうよ。

ゆーてる

え、ちょ、お前さん一緒に行く友達は……(何かを察する)

OK。予定入れとく。でもちょ~っと今忙しいので手が回らなくてね、チケット手配とかその周り任せるわ。進めといてちょ。

ということで手配をだいたい任せていたこの旅行、その存在をまるっと忘れておりまして。「なんかあって有給まで取ってたんだけどなんだったけな」くらいのぼやけた認識でぼくの頭の中に残っておりました。

バーチャルライフマガジンもメディアスポンサーとして色々頑張っていた「サンリオVfes2024」の終盤、ライブパフォーマンスDAYの二日間の公演が終了した後のGoogle Calender(週単位表示)にそれは突如として姿を現します。前もって入れてたからなんですけどね。

……は?旅行?東京に????うそでしょ?????

と、もう準備も数時間前と大慌て。ドタバタした始まりとなりました。

2024/3/23 東京旅行DAY1 ~変なホテルとサイゼとバルの話~

いつも機材ガチャガチャ持って行くため長く足止めされる保安検査場を乗り越えて、東京へ。夕方あたりだったので空港からホテル直行で予定を組んでいたようです。

今回の旅行で滞在したホテルは『変なホテル 東京羽田』でした。英語名称も”Henn na Hotel

変なホテル “Henn na Hotel

ホテルの選定理由
  • 空港から近く、乗り換えも少ない(慣れない土地での乗り換えの多さは死活問題)
  • ロボットがいるので機械ちゃんとわかってる人が回しててWi-Fi強そう(期待)
  • 「変」という文字が持つ吸引力(期待)

店員がロボットというのは以前から知っていたんですが、フロントに入ってすぐ目に入ったのはお姉さんのロボットの両サイドにスタンバイする種類の違う恐竜二匹。

そしてフロントに鳴り響くギャオオオとした恐竜の声とガラスが割れるようなガシャーンといった破壊音。もう変。最っ高。

事件報道の関係者ヒアリングパートで出てきそうな高い声をしてました。うん、見た目通り。

今回対応をお願いしたのは「~ラプトル」って名前がついてそうなタイプの細身な肉食っぽい恐竜のこの子。

ロボットの接客とは如何なるものかと思っていましたが、受けてみた側としてはこちらが行うパネル操作に応じて声が出てくるので、感覚的に駅構内のアナウンスに動きが付いたようなもので変ではあるけど不便さは感じませんでしたね。

泊まったお部屋も壁のコンパクトな収納に、コートをかけるだけでパリッパリのピカピカにしてくれる『LG Styler』が設置されているなど充実の施設環境でした。

人生初のサイゼリヤ

ぼくは沖縄在住のため本州に住んでいる人とはあらゆる「当たり前」が異なるんですよね。その一つとして『サイゼリヤ』があります。

これはガチでありネタなんですが、沖縄県民にとって最寄りのサイゼリヤは台湾の店舗なんですよ。それほどにサイゼリヤが遠く、ぼくはサイゼリヤを知りませんでした。

沖縄にピンついてる二つはなぜか検索結果に引っかかってきたサイゼリヤじゃない店舗

ホテルに入ってから調べたら近くにあると知ったので、どうせノープランだしいいかとホテルを飛び出していきました。

テーブルに収まるかどうかおっかなびっくり頼んだメニューの数々。

伝票一枚全部書き込んでテーブルを埋め尽くす量のメニューを確保。エスカルゴに至ってはおいしすぎて二つ頼んじゃった。「サイゼリヤ行くならエスカルゴは絶対頼め」と勧めてくれたフレンドのくぷぅさんには感謝ですね。

2000円でこの量が食べられるなんて、サイゼリヤはもはや付近に住んでいる人への福利厚生なのではないかとすら思えました。

創作バルで知った、老いない生き方

サイゼリヤを出てホテルに帰ろうとした道すがら、創作バルを横目に見かけました。ホテルに戻ってゆっくりしようかと思ってはいたのですが、せっかく馴染みのない土地に行ったので普段行かないお店にあえて行ってみようと扉を開けて『創作バル KEN』の店内へ。

ぼくと弟とで入っていったはいいものの、勝手がわからなかったのでドリンクだけ決めてあとはお任せで色々とメニューを出してもらう形で進めました。

ちょうど前のお客さんが出た後で落ち着いていたところだったのですが、ぼくと弟が入った後から次々と常連さんが入って来て店内が賑やかに。

沖縄から小旅行で来てるというのと、ぼくが関東への進出と転職を検討してることをお話すると常連さんたちは親身になって暮らし周りの情報を色々と教えてくれました。

常連さんに混じってマスターともお話している中で年齢をお聞きするとなんと60代。それまでは40代くらいかなーと思っていたので驚きです。

本業はトラックドライバーのKENさんは趣味を兼ねた副業でこのバルを営んでいます。休みは月に2日しかないそうです。かなり忙しいんじゃないかと聞いてみましたが、「ドライバーもバルもどちらも趣味みたいなもの。好きなことで忙しくなってるので、仕事が大変なこともあるけど全然嫌な気持ちにはならない」とのこと。

見た目と実年齢に20歳ほどの差を感じた彼を見て、肉体の衰えはもちろんあれども世の中で「老い」と呼ばれている衰えは、自分の心に素直になりきれずにいた時間が自分自身をそう変えてしまうのだろうかと思いました。

マスターの人柄に惹かれて常連さんたちが集まる暖かい雰囲気のバルからたくさんの学びを得ました。ふらっと立ち寄ってみてよかった。

2024/3/24 東京旅行DAY2 ~VRChatみたいなお台場とうんこの話~

だらだらとした朝を迎え、のそのそと支度をします。だってノープランだもん。

ホテルといえば朝食。ビュッフェ形式のものをよく見かけますよね。様々な飲食店が立ち並ぶ東京のホテル、そして『変なホテル』の朝食ともなれば一体どういったものになるのか。

ちょくちょく和洋中が混じって文化圏によって色々選べるメニューで、カレーは本格インドカレー。三種同時に味わえるように銀の小皿が用意されていたり、ナンが二種類あったりと30分で食べきれないほどの充実したモーニングでした。もっと早起きしていれば!

モーニングが終わるのは朝の10時。なにやら強そうなアジア系っぽいおばちゃんがモーニング終了のアナウンスをしました。しかしその掛け声は

「ソーリー!!!10時!!!!」

羽田という場所もあって、様々な国籍の方で賑わうレストランのホール。きっと一つの言語じゃ通じないからなんとかミックスしようと即興で捻り出したのかもしれません。にしたって英語にする部分がそっちなのか。

欧米系のお客さんはおそらく周りがそそくさと片付ける様を見て察したのでしょう。海外勢へのコミュニケーションはガッツがあればなんとかなる所はどうやらVRChatもリアルも同様なようです。

二手に分かれた兄弟。弟はスカイツリーとヒルズ、兄は……

おばちゃんの声でレストランを離れたぼくたち兄弟は二手に分かれます。お互い一人になる時間が必要なタイプのキャラをしているので、旅程の中で完全フリーの日程は確保しようと決めていました。

そんな2日目の兄弟のスケジュールがこちら。

ゆーてる弟のスケジュール
  • スカイツリー
  • 六本木ヒルズ
  • ワインや食事を堪能
ゆーてるのスケジュール
  • お台場ユニコーンガンダム
  • 特撮聖地巡礼、コスプレイヤーの大群に遭遇
  • うんこミュージアム TOKYO

……本当に同じ血が流れているのだろうか、この兄弟は。

ささっと部屋を出て行った行き先を決め切れなかったぼくは、とりあえず『ユニコーンガンダム』を拝んでから、そこでぱっと思いついたところに行こうという行き当たりばったり進行で予定を組みました。

ここホントにリアルか?「普通」の人が絶滅したかのようなお台場の公園周辺

フレンドに聞くなどして調べたところお台場はよくロケ地になっていると知ったので、仮面ライダーやスーパー戦隊の聖地巡礼へと繰り出しました。

直近見たシーンじゃなかったので、「場所はわかったんだけど、あのシーンってどんなんだっけ…?」と立ち止まることの多い撮影でした。聖地巡礼前にはちゃんと該当シーンを観ておいた方がいいですね。おぼろげな記憶でプロが生んだカットを再現するのは不可能に近い。

参考:ニチアサは大人の嗜み【仮面ライダー/スーパー戦隊】9つのロケ地を聖地巡礼【お台場有明】

また、特撮の聖地巡礼の最中にたくさんのコスプレイヤーさんとすれ違いました。あまりにたくさんいすぎて、黒髪の私服の人間が浮くという面白い状況。ちなみに現地で一番見かけた髪色はなんとピンク。自然界では起こりえない事象ですよこれ。

ぼくは普段地方にいるので、関東圏で行われてるイベントは基本「行けないもの」として認識から外しているためここで何が起きているのか全然わかってなくって。

撮影登録証の撮影許可をいただいております。

どうやらこの日のお台場、文豪ストレイドッグスのコスプレイヤーさん向けコスプレイベント【文豪コス博】と、AnimeJapan 2024の開催が重なっていたようですね。地方からチームを組んで遠征し、撮影を楽しんでいた方もいたようです。

アバターみたいな人がたくさんいたお台場は、リアルPublicインスタンスでした。

童心に触れる、立ち返る、新鮮なうんこ体験。うんこミュージアム

コスプレイヤーさんたちとの交流を終え、すっかりぬるくなったカフェオレを片手にお台場をふらりふらり。付近の場所で何かないかと調べていたところ『うんこミュージアム TOKYO』がふと目に留まりました。キャッチコピーは『MAXうんこカワイイ』これはもう行くしかない。

「館内に本物のトイレはありません」の注意書きから既に心を掴まれていました。

入り口での説明を聞き、通された廊下には一面に並んだカラフルなトイレが。ここで今回の体験をともにする相棒の『Myうんこ』を手に入れます。手ぶらの旅行のつもりが荷物が増えてしまいましたので弟に一応報告を入れておきました。

会場にはポップでカラフルな「うんこ」の装飾が施されたフォトスポットや、ミニゲームが遊べる『クソゲーセンター』『うんこ動物触れ合いエリア』などの遊び場が盛りだくさん。

その中でも激アツな遊び場が『うんこシャウト』でした。

マイクに向かって大声を出し、そのボリュームに応じた「うんこ」が出現しスコアとなるゲームです。

キャップを逆に被った小学生っぽい男児が、思いっきり

「うんこぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

と叫んでいたのです。最高です。少年、君はその純粋な心そのままに育っていってほしい。

春の期間限定イベント開催期間中だったので、『ウンコ・ボルケーノ』が咲かせた満開のうんこ桜を眺めた後、『うんこミュージアム』を去りました。

出口は便器。もう完璧でしょこれ。この手の施設の「再入場不可」も説得力が高めです。だってうんこだもん。出るものは出る。そしてただ、流れていく。

この『うんこミュージアム』、めちゃくちゃ楽しかっただけでなく学びにもなりました。

雰囲気作りとして「うんこというテーマを通じて、お客様の固定観念を覆す」を徹底して意識されていた施設内部には、本物のトイレがなく、黒・茶色といった暗い色をした「うんこ」が一切ありませんでした。

ここでの「うんこ」の取り扱いは、「生物的な排泄物」ではなく、漫画のギャグシーンに使われることもある、「独特の形をした、なんか身近でミーム性の強いコミカルな物体」にフォーカスを置いたものだったのです。

ぼくたちは子どもの頃、「うんこ」だけで爆笑し、「うんこ」は一大コンテンツでした。10歳以上年が離れている今の子どもたちにおいてもどうやら同じようです。実はこれってすごいことじゃありませんか?

そこに目を付けた運営の「株式会社たのしいミュージアム」さん、企画制作の「面白法人カヤック」さん、めちゃめちゃ凄いなと尊敬しました。

いかがでしたか?

今回、バーチャル全然関係ない散歩話に長々とお付き合いいただきありがとうございました。

ぼくはバーチャルでも、リアルでも、自分の知らなかったところに行ってみたり、目の前の小さなところ、日常をちょっと違った見方をするところから何かを発見することが大好きです。

派手さ、規模は問わず何か面白そうなことがあればぜひぜひお誘いいただけると嬉しいです!

「自分の知らなかったところに行く」この行動の範囲を無限に拡大し、たとえ地方にいたとしてもインターネットさえあれば知見や経験が得られる。そういった機会を幅広く提供してくれるバーチャル・メタバースの世界を盛り上げていくべく、今後も色々と頑張っていきたいと思います。

前の方からの質問

D.Na/だなさんから
「一度会って話したい人は誰ですか?」といった質問がありました。

同じく沖縄出身ということで、黎明期のころからXR/Vtuber界隈の最前線を走り続けたYORIMIYAさんにお会いして話してみたいですね。一度イベントのアフターでほんの少しご挨拶は出来たのですが、それきりでして。

YORIMIYAさんはぼくがテクノロジーや創作の知識もなく、なんとなくVRに興味があっただけの学生の頃から既にVRChatに飛び込んでおり、さらにXR転職し、様々なライブを手がけるなど、ぼくが「バーチャルへの憧れ」を己が内に抱いたきっかけのクリエイターの一人です。

クリエイターに憧れるワナビーだったぼくは、「なんか沖縄で新しい技術が触れるらしい」と当時話題だったコワーキングスペース『STARTUP CAFE KOZA』(今はSUNABACO KOZA)のイベントにちょくちょく顔を出したり、そこの発信からYORIMIYAさんのことを知りました。

記事にするか否かよりも、「バーチャルの世界で何かする人」の立場となった今の自分で「バーチャルの世界に入りたい。ここで何かしたい」と当時憧れていた人に、会ってみたいといった感情が前に来ています。

次の方への質問

「今のあなたの目の前に、VRChat初心者のころのあなたが現れたら、操作方法以外に何を伝えますか?」

2018年ごろに起こったとされるVRChat日本人界隈は、日夜かなりの発展を遂げています。自分が初心者だったころと今とでは出来ることの幅も変わってくるでしょう。さらに今の自分は色々な経験をした上で得た知見もあると思います。

ある意味、「強くてニューゲーム」に近い感覚でしょうか。色々なことを知った今のあなたは、初心者の頃のあなたに何を伝えますか?

それでは、またどこかでお会いしましょう!

投稿者プロフィール

ゆーてる
ゆーてるバーチャルライフマガジン二代目編集長
楽しいこと、誰かが頑張ってる姿を見ることが大好きなVRライターです!
ぼく自身もVRChat上でいろんな活動してます!

バーチャルの楽しいことをたくさん知ってもらえるようがんばります!