はじめに
バーチャルライフマガジンをご覧の皆さま!(DAM CHANNELと同じトーンで)!
はじめまして!VRラッパーの托 a.k.a. Tokkyです!
普段はVRChatやclusterなど、バーチャル空間で音楽活動をしています。今回、縁あって寄稿させていただくことになりました。
さて、普段の俺にとっての“文章”といえば、通勤電車に心ごと押し潰されながら血文字で記すリリックか、「地獄の鳥かご」ことツイッターに特攻させる140文字の鉄砲玉くらいなものです。
そんな俺がまともに記事を完成させることができるのか…?
…読み手の皆さま。ここから比較的脱線の多い悪路となりますが、ぜひお手柔らかにお願い申し上げます。
※先に申し上げておきますが、ここから描かれる内容は全て個人的な意見・感想です。防音性能は、声質や建物の形状によって異なります。もし紹介した機材を用いて何かトラブルが起きても、一切責任はとりません。ほんとにとりません。
俺にもマイク渡してくれよ!…大声出せないけど
せっかくだしタイトルの元ネタを聞いてみようのコーナー(3分56秒~)
時は大バーチャル時代。
狭い部屋から、いつでも世界中と繋がることができるようになりました。
パルマー・ラッキー氏ら天才の所業=VR技術の発展がそこに臨場感を与え、世界のバーチャル化に拍車をかけていることは…ここの読み手の皆さまに改めて説明する必要はありませんね。
私自身、部屋から一歩も出ずに打ち合わせ、レコーディング、そしてライブまで行っております。そんなバーチャル音楽活動を行う上で避けて通れないテーマ。それは“防音対策”です。
現在、自宅は鉄筋造です。しゃべり声くらいなら、まあ大きな問題はないでしょう。夜遅くなければ実況や雑談配信も難しくないと思います。
でも俺ってさあ、ほら、ラッパーなのでぇ~~(星型のグラサンをかけながら)。平日、夜中にかけて行われるパーティもざらにあるのです。皆が寝静まった時間帯に、大声で叫ぶわけにはいかんのです。声もでかいしね。明日からも、ご近所様との良好な関係は継続しなきゃいかんのです。万が一掲示板の張り紙に「騒音について」なんて張り出された日には…神経質な俺は生きていけません。もちろん、戸建てだとしても、「家族の目(いや耳?)が…」と悩んでいる方はいるでしょう。
「ライブのたび、ネット環境のあるスタジオを借りる」という解決策もあります。しかし毎回ゲーミングPCやVR機器も運ぶというのはなかなか大変なのです(実際、一時期やっていました)。近所にそんなスタジオがなければ尚更です。
ああ、なんて世界は難しいんだ!!!俺には難易度が高すぎるよ!!!
オリジナル楽曲「モブゲーム」
…宣伝も終わったので、ここで要件を明確にしましょう。心の声をお聞きください。
「お家でVRライブがしたい!」「防音対策もしたい!」「賃貸だし自宅の改造はできない…」「歌いながらVRヘッドセットを被ったパフォーマンスもしたい!」
…ちなみに結論から申し上げますと、現在も100%解決はしていません。
今でも快適なバーチャル音楽ライフを目指して奮闘中です。その途中経過をご覧いただきつつ、どこかの誰かの何かの参考になれば、と願っております。
さて、まずは採算度外視。ガチな防音室を見てみましょう。
引用元:https://jp.yamaha.com/products/soundproofing/ready-made_rooms/size_08-15/index.html
…
…た、たっけえ!でっけえ!ぐはあぁ! …あ、すみませんつい本音と断末魔が…。
ちょっとガチすぎましたね。サラリーマン兼弱小零細クリエイターの俺には荷が重いです。どちらかというと、楽器用でしょうか。俺は声だけなので、ここまでは要らないはず。実は興味本位でショールームにて体験したこともあるのですが、最高に素晴らしい環境でした。外を気にせず中でタップダンスしながらトランペットとか吹けちゃいますからね(たぶん)。物がいいのは十分理解しています。でも、俺には明らかにオーバースペックです。
できれば10万円くらいで済ませたいよなあ。最悪設置してみて、合わなかったりしても、なんとか血の涙を流すだけで済む金額で済ませたいよなあ。
というわけで、紹介するのはこちら。だんぼっち。
たぶん、“コスパのいい防音室”として真っ先にあがる製品かなと思います。正直、これを設置しちゃえばだいたい解決しそうです。
大きめのサイズを買えば、身体を用いた、VRならではのマイクパフォーマンスもある程度可能…だと思います。左手にマイクを持ち、右手を上に掲げ、首を揺らしたり、前傾姿勢をとったり…たぶん、できる…と思います。
と、思います。
…はい、私、このだんぼっちを買っておりません。え、なんで?
それは、スペースの問題です。俺の部屋、そんなに広くないんだ。
たぶん俺の身体のサイズだと(177cm、ぽっちゃ…ガッチリ体系)、VRできちんとトラッキングさせるには、こちらのグランデサイズが必要になりそうです。これが結構でかいのです。断捨離して、ベッド以外ほとんど物を置かない気合を出せば置けますが(フィギュアだらけの棚と不相応な大きさの4Kモニターとゲーミングチェアを見つめながら)、圧迫感はものすごいでしょう。当時の俺は、ちょっと気が引けて買いませんでした。
気合が足りねえのは理解しています。反省しています。ほんとだってば(爪を切りながら
あともう一つ。「密閉されるので夏場は暑い」ってレビューも見かけちゃって(ほんとですか?誰か教えて!!)…。暑がりな俺には耐えられないのでは?と心配になったりもしたのです。そんな途方に暮れていた俺の目の前に、たらりと垂れた蜘蛛の糸。
それが…isovox2でした。
待ってたぜ当時
せっかくだしタイトルの元ネタを聞いてみようのコーナー(48秒)
結論、現在私はこの「isovox2」を使っております。
だんぼっちと同じくらいの価格帯なのですが、こちらは頭部だけを包むタイプの防音ブースとなります。太めのスタンドに設置(上にのせるだけ)する必要がありますが、そのおかげで床面積は大して使わず、部屋の圧迫感もありません。なんなら、使わないときはさっと畳んで片付けもできちゃいますからね。首から下は剝き出しなので、クーラーの冷風を体調が悪くなるまで浴びることだってできます。
気になる防音性能についてですが、私自身は満足しています。大声で歌っても、「なんか友達との会話が盛り上がっているなあ」くらいに落ち着きます。単に音が小さくなるというより、”音が籠って外に響きにくくなる”感覚ですかね。よくわからんけど。まあそんな感じです。
あとは遮音カーテンとか、吸音材とか、マットレスとか…自己責任で、うまく対策頑張ってください!(責任を負いたくない人)
それと、こいつを導入してから自宅での楽曲制作が超捗るようになりました。思いついたら家でさっとレコーディングできる快適さたるや…。先日リリースしたアルバムも、ほぼisovox2でレコーディングいたしました。
…いや、ちょっとくらい宣伝していいよって編集長に言われたので…。
上の性能を目指せばキリはないでしょうが、いまの俺には十分すぎる設備です。…しかし、こいつにも大きな問題があります。
それは、この“頭だけを包む”という防音ブース特有の欠点。そう、“トラッキングに全然向いていない”のです。いま俺の使用しているMeta Quest2は、頭部のセンサーで腕をトラッキングしているんですよね。なので、頭部と腕を隔てるデザインの防音ブースだと、センサーが腕をうまく追えないのです。まあ当たり前の話。
VALVEのベースステーションなど、外部センサーによるトラッキングだとうまくいくかもしれませんが、未検証です(持っていないので誰か貸してください)。
VRを用いない音楽活動や、ほぼ突っ立ってるだけのパフォーマンスであれば、isovox2で問題ないでしょう。しかし、トラッキングもどうにかしたい…!そこで考えた方法とは…?
さいごに 托さんには頑張ってほしい
まずは、こちらのライブアーカイブ映像をご覧ください。ええ、どうにかこうにかトラッキング、頑張っております。…いるよね?
どうしているかというと…?
「isovox2の防音性能を保てるギリギリのラインまで身体を引いてハンドトラッキングできるようにしつつ、あまり手を動かなさいで済む動き(=左手にマイクを持つなど)を中心にパフォーマンスする」ようにしています。
ええ、力技ですが何か????
もう一つ、ライブの際もレコーディング同様、コンデンサーマイク(オーディオテクニカ AT2020)を用いているのですが、更なる工夫としてコンプレッサーを強めにかけています。ヘッドセットを被って身振り手振り動いていると、どうしてもマイクから離れてしまいがちなので、それでも声が遠くならないようにするためです。
ヘッドセットに直接くっつけるマイクもあるみたいですので、試してみたいですね。でもマイクもお金がかかるから、なるべく買い替えたくないの(貧乏性)。
これからも、この動きと防音ブースとの格闘は続くと思います。少しずつ改善できる気もしますが、どこかで、あきらめて大きな防音ブースを購入している未来も見えます。そりゃあ、全力でパフォーマンスしたいのなら、引っ越してでも、大きめの防音室を設置すべきなのでしょう。
しかし、物事には段階というものがありまして。少しずつ理想に近づくしかないのです。できない言い訳を探す時間より、できることを不完全でもやることが大切なのです。そうやってはじめて、見えてくることもあるのです。
実際いま、この記事のうまい締め方も全然見えていませんが、とりあえず不完全でも締めてみることで、見えることがあると思うんです。一体私は誰に何の言い訳をしているのでしょうか?もうさっさと締めましょう。そういえば諦めると締めるって似ていますね。
と、とにかく…!
あなたの明日のバーチャル音楽ライフにとって、指標の一つになれば嬉しいです。ご清聴、ありがとうございました!またいつかお会いしましょう(また書く機会なんてあるのか?)
ちなみに…
7月29日(土)は「バーチャルマーケット2023リアル in アキバ」に出没いたします!リアルとバーチャル両方で活動するクリエイター=パラリアルクリエイターとして、出展させていただくことになりました(わーい!)
もしお近くにお越しの際は、ぜひ冷やかしに来ていただけるととてもうれしいです!先ほどから何度か宣伝しております曲たちがぎっしり詰まったCDを会場限定価格で売っております!
汗だくのリアルアバターに会いに来てね!
詳しくはこちら! https://event.vket.com/2023Summer/real/creators
投稿者プロフィール
- VRラッパーの托です。なんだか生き辛いあなたのための曲を作っています。VRでもリアルでも、ブッキングはお気軽に。最近太りやすくなってきました。from マネキネッコ集団