「でかい湯船に思うさま浸かりたい・・・!」
週に一度はこう考えてしまうほど、まだまだしつこい残暑を皆様いかがお過ごしだろうか。地球圏の、その中でも我々の住む日本はまだまだ暑い。日中に少し走ろうものなら簡単に汗が吹き出してしまうような状態だ。そんな時、銭湯なんかで大きな湯船につかればきっとリフレッシュできるのだろう・・・だろうが・・・以前なら、そういう時は自分へのご褒美と称して近所の「スーパー銭湯」に行っていたものだ。だが今年の頭に引っ越して以降、近所に良さげな銭湯を見つけられず、「銭湯レス」の状態が半年以上も続いているのだ。
そろそろ銭湯で大きな湯船につかりたい、しかし近所にない。どーしたものかと途方に暮れていた時、最高のお風呂体験ができるとの噂のチルワールドが公開された。リアルで行くことができないならば、バーチャルで行くしかない。というわけで「お風呂のある部屋 YUTOROOM -ゆとるーむ-」を早速紹介させていただこう!
全景
先に言っておこう。このワールドはそんなに広いわけではないが、尋常じゃないくらいギミックは盛り盛りだ。その全てを網羅的に紹介していくのは難しいので、掻い摘んで紹介していくことにする。
ワールドに降り立つと、リビングやダイニングキッチン、中庭が見える。
廊下の左にはトイレと、今回お目当てのお風呂!
中庭にはプールとバーベキューコンロがあり、レジャースペースになっているようだ。
部屋の奥には寝室と、ペットのロボット掃除機。
全体としてそんなに広くはないが、おしゃれな1LDKといったところだろうか。
便利なコントローラがあるんです
このワールドでは、左手コントローラのトリガーをすばやく2回引くと左手首に追従する設定パネルが表示される。
設定項目が複数あり、ワールド全体のギミックを一元管理できたり、アラームの設定・QVペンの取り出しやポストエフェクトの調整なども行える。個人的には動画プレイヤーが手首に追従してくるというのがサイバーな感じでとても好きだ。
リビングでくつろぎ・・・
では各所を紹介していこう。まずはリビング、ソファーにテーブル、そして大きな動画プレイヤー。リビングでくつろぐための標準的な要素がバッチリ揃っている。
テーブルの上には湯飲みと煎餅とイメージタブレット。ほっと一息つける小物が置いてあって良い。このイメージタブレットというのは、インターネット上にアップロードされている画像を表示できるアイテムらしい。
動画プレイヤーはよく見るIwasyncPlayerではなく、少し前にリリースされたYamaPlayerというもの。後発だけあって色々なオプション機能が設定できるようになっているようだ。
動画プレイヤー横にはコルクボードとスマホがある。スマホを手に取って写真を取れば、コルクボードに取った写真が貼られるギミックがある。複数枚写真を並べれば、ちょっとしたスクラップブックのようになって良い感じだ。
キメ顔で自撮りを並べよう。
テーブル横には小さな冷蔵庫。上に載っているネコぬいぐるみがかわいい。
冷蔵庫を開けるとなんか見覚えのある飲み物たちが・・・。呑みすぎないよう注意。
キッチンで食事をし・・・
リビングの奥にダイニングキッチン。ダイニングテーブルには豪華な料理が並んでいる。
並んでいる料理は、キッチン側の操作パネルから「朝食」「フレンチコース」に切り替えられる。その選択肢には「バーベキュー(庭)」というものもあるがそれは後述する。どれも総じて豪勢な料理で、フレンチコースにはナイフやフォーク・スプーンで食べるギミックが用意されている。
料理を接写してみたのだが・・・これ実際には食べられないのか・・・
そして前述した「バーベキュー(庭)」だが・・・選択すると庭のテーブルにバーベキューセットが用意されるのだ!
当然バーベキューコンロで肉は焼ける。焼けるときの音と煙が空腹を誘ってくる。肉を見るとテンションが上がるのは、まだ狩猟民族だった頃の記憶が遺伝子に残っているからなのだろうか。
お風呂に入って・・・
今回メインのお風呂入り口。風呂場には男湯と女湯を指定して入ることができる。アバターの性別に合わせるか、中の人の性別に合わせるか、ロマンを追い求めるか・・・それは各自の判断に委ねよう。
脱衣所。この狭い脱衣所にもギミックが盛り沢山だ。
脱いだ服は洗濯機にそのまま投げ込もう。洗濯槽にはsit判定があるので、服が脱げないならば自分ごと洗うことができる。ご想像の通り視界がすごいことになるので、VR酔いしやすい人は気をつけた方が良い。
洗面台では歯を磨いたりドライヤーをかけたり出来る。電源を入れたらちゃんと消すべし。
洗面台の横には冷蔵庫があり、中には入浴直後にうれしいコーヒー牛乳やアイスなどの定番アイテムが冷やされている。湯冷めしない程度に飲食すべし。
冷蔵庫下の引き出しは脱衣所・風呂場のギミックリセットがある。触れるアイテムがかなり多いので、いったんきれいにしたいと思ったらここからリセットしよう。
入浴剤である「バブゥ」も置いてある。湯船に投げ込めばお湯の色が変わるので好きなものを浴室に持っていこう。お風呂に母性を連想するのはきっと間違っていないのだろう。さらにはお風呂にあると嬉しいお酒・ゆずも用意してあり、浴槽に浮かべて雰囲気を味わうことができる。
浴室扉の横には注意書きが。
ここで一点気に留めていてほしいことがある。上の注意書きにも書いてあるが、「水着持ち込みご遠慮下さい」「タオルを使わないで下さい」の部分だ。つまり、リアルと同じように「一糸纏わぬ姿」での入浴が推奨されているという点だ。以下に作者様のX(旧Twitter)を引用させていただく。
流石にフレンドと入浴したり、SNSに投稿する写真を撮影する場合はその限りではないが、一人で入浴するならば、専用のアバターを用意して一度は試してみてほしい。
そしてようやく、このワールドにきた最大の目的である浴室をチェック。下町の銭湯を彷彿とさせる広すぎず狭すぎずのサイズの湯舟、雰囲気があっていいじゃないか!
おお、ケロリン!やはりこれがあるとお風呂に来た!という感じがしてテンションが上がる。
洗い場にはミラーとシャワー、シャンプーやボディソープなどお風呂セットが完備されている。
シャワーホースはつかんで引っ張ればちゃんと伸び、お湯もしっかり出る。至れり尽くせりである。シャワーハットや水鉄砲なども当然ギミックが仕込まれている。
湯舟側から洗い場の方を見ると、入浴中に便利な設定パネルがある。特徴的な機能だけ解説しよう。まず音響効果だが、これがONの時は浴槽のお湯の跳ねる音や人の話し声が実際のお風呂のように反響して聞こえるようになるのだ。これがあるとないとは臨場感が段違いだ。
「どこでもアニメーションシステム」をONにすると、アニメーションオーバーライド用のパネルが出てくる。自身のアニメーションを上書きすることにより、お風呂を浸かるのに相応しいポーズをとることができる。これはかなり便利で、実際にしゃがんだりOVRで高さを調整しなくても、自然な入浴ポーズをとることができる。
そしてぼかし機能。これがONの時に洗い場から浴槽を見ると、すりガラスを通してみたようなぼやけた感じになる。プライバシーにも配慮されていて安全だ。
では前置きはここまでにして、実際に湯舟に浸かってみよう・・・!掲載用写真のため、タオルを巻いているのはご容赦願いたい。
ああ、最高だ・・・。
リアルな入浴体験のために、再現されたギミックの数々。現実のお風呂と遜色ない、反響音や水しぶき、湯気や水面の動き。ワールド作者様のお風呂に対する徹底的なこだわり。こればかりは字で伝えきることはできない、入浴という体験なのだ。
個人の感想になってしまうが、ワールド紹介文にあった「最高のお風呂」の看板に偽りなしと感じた。実際、撮影のために長時間湯舟に浸かりあーでもないこーでもないとカメラをいじって集中していたら、ふとしたときに「VRしていたはずなのに何故リアルお風呂に浸かっているんだ・・・?」と一瞬混乱した。「VRで」お風呂に浸かっているとわかっていたはずなのに、集中している間に自分の無意識は「リアル」でお風呂に浸かっていると一瞬誤認してしまったのだ。そんなことが起こってしまうくらい、リアルさや臨場感にこだわりぬかれて作られている。
湯舟だけでなく洗い場や脱衣所に至るまで、入浴中だけでなく入浴前後の体験も考えられており、いつものお風呂に入るための動きが違和感なく行うことができた。もう・・・リアルでお風呂入らなくてもいいんじゃないか・・・?(ダメ)
風呂上りは当然コーヒー牛乳で絞める。これがあるとないとでは入浴後の満足度が段違いなのだ。
そして寝よう
リビングでひとしきりくつろいだ。美味しいものもたくさん食べた。お風呂に入ってさっぱりした。後はそう、寝るだけだ。当然の帰結として、このワールドにはV睡するための設備が完備されている。というわけで寝室の方へ目を向けていこう。
寝室へと続くカーテンは手で引いて閉めることができる。ドアほど空間を隔絶してはおらず、それでいてしっかりと区切ることはできる。
寝室全景。大きく寝やすそうなダブルベッドに、これまた豊富な設定パネルがある。
主要な設定項目を書き出すと、
- ベッドミラーONOFF
- 天面ミラーの角度・高さ
- 掛け布団のONOFF
- ベッドコライダーのONOFF
- ワールドの明るさ
- 動画プレイヤー上の時計
等、ベッド周りで欲しい機能が網羅されているのが嬉しい。
サイドデスクにはONOFFしたいベッドミラーの位置を直感的に操作できるスイッチがありつつ、枕元にもタッチ操作でONOFFできるベッドミラーのスイッチがある。どちらもユーザーが操作するシチュエーションに適したUIが用意されていて、快適なV睡を手助けするためのこだわりが感じられる。
ベッド対面には動画プレイヤーがある。プレイヤーの上の時計は非表示にできる。人間生きていれば、たまには時計を見たくなくなる時があるのだ。
そしてここにもお風呂にあった「どこでもアニメーションシステム」がある。自分のようなたまにしかフルトラしない、睡眠用アニメーションをアバターに仕込んでいない場合、手っ取り早く寝転ぶには標準アニメーションの「Dying」を使うしかない。しかしあれは寝るというより死んでいるので、ベッド周辺にこういった寝転ぶアニメーションができる機能が付いているのは本当にありがたい。
リアルさと臨場感と
「クロスモーダル現象」という言葉がある。
簡単に言えば、「実際にはそれを体験していないが、視覚や聴覚から得る情報で脳がそれを体験していると錯覚を起こす」現象のことだ。VRをやっている皆様なら大なり小なり覚えがあることだろう。今回の記事でいうなら、「湯舟で写真を撮っていたらリアルお風呂に入っていると錯覚した」、という部分だ。このワールドは、そんな風に脳を騙してしまう「本物っぽい」感覚・臨場感・ギミックで詰まっている。「くつろいで」「食べて」「お風呂に入って」「寝る」というチルを達成するために、なるべく現実と遜色ないアクションを起こせるように、なるべく自然な反応をするように至る所にギミックを仕込まれているのだ。もしかしたら、各種アイテムのパッケージが「それっぽい」のもその一環かもしれない。見慣れたものを、いつものように操作する。それでこそ落ち着けるというものだ。
今回紹介しきれなかった細かいギミックがいくつもあり、アイテムをいじって回るだけでも十分に楽しむことができるワールドだ。とはいえその本質はお風呂体験とチルワールドなので、一人の時は専用の一糸纏わぬアバターを準備して、複数人の時はバスタオルや水着を用意して是非お風呂に入りに来てほしい。きっと満足のいく入浴体験ができるはずだ。
ただのチルワールドではない、「本物っぽさ」へのこだわりに溢れた最高のお風呂を堪能しよう。
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