VR・AR・MRを始めとする現実拡張技術を利用した作品やサービスを評価・賞賛する『XRクリエイティブアワード』とVR空間のデザインコンテスト『Virtual Reality Architecture Award 02(VRAA)』の合同授賞式が8月29日(土)にVRChat内で開催されました。
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XRクリエイティブアワード 最優秀賞は『バーチャルマーケット4』
XRクリエイティブアワード最優秀賞に選ばれたのはVR法人HIKKYがプロデュースしている『バーチャルマーケット4』
『バーチャルマーケット4』は世界最大級のバーチャルイベントとして世界中から70万人を越える来場があり、来場者が会場に展示された3Dアバターや3Dモデルなどを自由に試着、鑑賞、購入できる、VR空間上の展示即売会となっています。
受賞式のトロフィーを受け取った動く城のフィオ氏は『VR空間がもう1つの生活空間になっていき、クリエイターさんのクリエイティブとコミュニティがこれからのもう1つの未来として大事なものになっていくと思うので、その1歩としてこの賞をいただけて嬉しいです』と述べていました。
その他各賞を受賞した作品は以下の作品となります。(敬称略)
優秀賞 『DepthFieldStream』VoxelKei
VR空間内を立体的に記録して保存や配信し、立体データとして再構築することが出来る仕組みとそのビューワーです。
VR空間での出来事を立体的に記録し、それを従来の平面ディスプレイの環境でも閲覧できるようにすることで、より多くの人にVRの世界の様子を伝えることが出来る可能性を秘めています。
優秀賞(一般)『TRICK SCOOP』KATAKOTO(カタコト)
ARによる現実と仮想現実の連動の実現により、「オバケがいたずらする世界」に没入できる、いままでになかった体験型コンテンツです。
ベストグラフィック賞 『Feather』伊東ケイスケ
小さな人形の少女がバレエダンサーになる夢を目指す物語です。体験者は物語を見守るだけでなく、所々で少女に『FEATHER』を渡すインタラクションが出来ます。
デジタルハリウッド大学賞 『Hapballon』 電気通信大学院 情報学専攻 梶本研究室
VR空間上の物体の把持感覚と触感をユーザの指に対して提示するシステムです。親指と人差し指の腹に設置された風船が膨張し風船同士が衝突することで,VR空間上の物体を指で把持したり,手掌部全体で握ったりした時に感じる力覚を提示します。
VR Architecture Award02(VRAA02)大賞は『Amebient』
一方、VR空間のデザインコンテスト『VRAA02』では“雨部 作戦会議課”による『Amebient』が大賞に選ばれました。
全89作品の応募の中から見事大賞に選ばれ、デジタルハリウッド大学 教授の藤井直敬氏よりVR空間にてトロフィーが授与されました。
本作は『環境に存在している音がつながって音楽になっていく、環境そのものが音楽である』という原初の音楽がテーマの作品となっており、水で侵食された廃墟というノスタルジックな雰囲気のVR空間に、置かれているコップやドラム缶を掴んで上から落ちる水で音を奏でることが出来るワールドになっています。
– Amebient –
— らくとあいす (@rakuraku_vtube) 2020年7月19日
雨と音。そして終わりかけの世界があります。
Rain and sound, world to end.https://t.co/82wvadxrcg
#VRAA02参加作品 pic.twitter.com/pDNVmsxRbV
そのほか各審査員賞を受賞した作品は以下になります。
藤井賞 『Unstructure』
吉田賞 『Virtual Music Visualization』
豊田賞 『Mayakan Volumetric』
落合賞 『hope』
届木賞 『A Miniascape』
VRAA02ポータルワールドの公開とVRAA次回開催について
VRAA02の今後の予定としては、応募作品の全作品への一時審査員・二次審査員のコメントを公表予定としており、現在VRChat内に公開されている応募作品に遊びに行けるポータルワールドも、巡りやすい形に修正し二次オープンする予定との事です。
その際に今回の受賞式のイベントスペースも公開し、『XRクリエイティブアワード』ファイナリストパネルも観覧することが出来るように追加することに加え、授賞式に携わったスポンサーのブースも設置し、public化を予定しているそうです。
今回惜しくも受賞を逃した作品についてもVRAA02公式サイトにて一覧を見ることが出来るので、こちらの情報をもとに気になる作品を探してVR空間に遊びに行くことも楽しそうです。
また、主催の番匠カンナ氏はVRAA03の開催に向けての準備も進めたい旨を語っており、今後ますますVR空間のデザインが活発になっていくことが期待されます。