皆さんはVR空間上で行われるライブに参加されたことはあるでしょうか?
現実では難しい演出や距離感を体験できるVRライブは非常に楽しいものですが、長らく大きな欠点が存在していました。
それは周りに人がいない事。
VRの空間では技術的な課題もあり、全体で何百人と参加していても、同一空間でライブを見ている(=視界に入る人数)が多くて2~30人という事も珍しくありません。
しかし、11月25日に開催された『CIEL LIVE SHOWCASE at VRChat』では、その課題をクリア。400人が疑似的に同じライブ会場に集う光景を見ることが出来ました。
もちろんそれだけではなく、細部まで非常にクオリティの高いライブだった本作。ワールドからライブまでお届けします!
神椿市が舞台となる、作りこまれたワールド
VRライブと言えば、会場となるワールドも気になるところ。ライブの世界観に合わせた場所だとテンションが上がりますよね。
『CIEL LIVE SHOWCASE at VRChat』では、KAMITSUBAKI STUDIOのオリジナルIPプロジェクト『神椿市建設中。』より、「伍番街」の港にある施設が舞台になっています。
入ってすぐに会場……というわけではなく、少し周囲を探索しながら向かっていきます。ワールドのいたるところに神椿のマークがちりばめられていました。
会場前ゲートにはパーテションがあり、待機列が形成できるようになっていました。
VR上では他の人と重なったりすり抜けたりすることが可能です。そのため列形成はリアルほどは意味を持たないのですが、会場の雰囲気もあってか皆が整列して開場を待っていました。
開場するとゲートが開き、指定された場所に向かいます。
建物への入場場所がおそらくインスタンスごとに異なり、ライブ会場で同期されるようになっているのでしょう。筆者の会場ではBブロックに案内されました。
「周囲に人がいる」光景
いきなり会場に行くのではなく、狭い通路を通過します。この通路もワクワク感がたまらない……!
ライブ会場では他のインスタンスの様子が分かり、リアルでもなかなか見られない密度を形成していました。各インスタンスには50人が入れるため、全体で50×8インスタンスの400人が集まっている計算です。まさに圧巻の光景です。
CIELの歌声と演出が光るライブ
期間限定(12/3(日)23:59まで)でアーカイブが残っています。まずはそちらをご覧ください!
※本記事では以後、ライブのセットリストや演出のネタバレを含みますのでご注意ください。
開演前後のナレーションは同じKAMITSUBAKI STUDIOに所属する春猿火が担当。ファンにはうれしいサプライズです。リアルライブと同じように諸注意などを案内していました。
夕暮れだった会場もいつしか夜に。幻想的な雰囲気でライブはスタートします。
1曲目は馥郁の街、暗がりからパッと登場したCIEL。独特な雰囲気を持つ曲ですが、夜空をバックに力強い歌声を披露していました。
さらに、曲に合わせてアバターの色が変わるというギミックも。来場者がサイリウムとなり、演出の一部にもなっています。負荷対策としてのアバターを統一することが多いVRライブですが、こういったギミックが仕込まれるのは珍しく、面白い体験でした。
MCでは「一階席の皆さーん」と呼びかもあり、リアルライブさながらの光景です。ライブ会場の説明など、短いながらも色々なお話をされていました。
2曲目は空より。CIELはMVやジャケットに空がよく使われていますが、「空より」もその1つです。
このまま夜の会場で続くかと思いきや、どこからか飛んできたシャボン玉がはじけると、一気に空が明るくなりました!実は開場前の待機場所でシャボン玉が飛んでおり、どういう意図があるのかと思っていましたが、「あれは伏線だったのか!」と二重に驚きつつ一気に引き込まれていきます。
「また、きっとすぐにまた会えますので、楽しみに待っていてください」と言い残しつつ、ライブは終了。
400人が集まる場を作ったという技術的な部分はもちろん、入場待機列やゲート、そして開演前後のアナウンス等、細かい部分でリアルのライブと同じお作法を踏まえつつ、VRならではの演出を拡張していく、意欲的でクオリティの高いライブとなっていました!
今回は実験的な内容を含む「トライアルライブ」ということですが、今後の展開に期待です!
アーカイブは12/3(日)23:59まで!
ライブのアーカイブはこちらで見ることができます。お見逃しのないよう…!