VRで現代演劇の課題を解決!?リアルさを徹底追求した総合芸術劇場『Dramapia』プレオープンレポート【PR】

2024年10月4日(金)VRChatにて総合芸術劇場『Dramapia』(ドラマピア)のプレオープンが行われました。

『Dramapia』は、一般社団法人メタシアターによってVRChat上に制作された施設です。メインとなる劇場が2か所あるほか、稽古室、ミーティング室、カフェなどがあり、さながら現実にある大きな文化施設に訪れた気分を味わえます。

なんでもこの『Dramapia』は、現代演劇の持つ課題をバーチャルで解決するという設計思想のもと誕生したのだとか。

今回は、一般社団法人メタシアター 代表理事のぬこぽつさんと、ワールドを制作したようようさんに案内していただいたプレオープンの様子をお届けします!

案内してくれた、一般社団法人メタシアターのぬこぽつさん(左)、ようようさん(右)
一般社団法人メタシアターについて

VRで活躍するパフォーマーを支援し、より多くの観客が様々なパフォーマンスをVRで体験できるようにすることで、VR体験を豊かにすることを目指し2024年4月に設立。毎年11月にVRChat上の演劇イベント『メタシアター演劇祭』を開催しており、2024年は11月23日~12月1日の期間で開催予定。

実際に文化ホールに来たような気分になれる公園とエントランス

ワールドに入場すると、まずはエントランスではなく建物の外の広場に出ます。“劇場に行く”という体験を味わえるよう、初めから劇場施設内に入るのではなく、公園エリアから建物に入るようになっているのだとか。

エントランス前に横一線に並ぶ大きな噴水が、壮大な施設の雰囲気を醸し出しています。

中に入ると広々としたエントランスホール。円形に並ぶ柱に囲まれた、広大な空間正面の大階段が目を引きます。

入る前から観劇体験がスタート。劇場『PLAY HALL』

木材や間接照明を組み合わせて、波を感じる装飾。

エントランス正面の階段を上った先にある、ゲート状の通路を抜けた先にあるのが一つ目の劇場『PLAY HALL』です。

通路の先は直接劇場ではなく、前室につながっています。劇場入口のドアは、遠隔で開閉できるようになっており、その先の通路の雰囲気も合わせて開演前のワクワク感を感じられる作りになっています。

『PLAY HALL』内は音が反響する作りになっていて、まさに現実世界の劇場のよう。

スポットライトの空気感もリアリティ抜群。

舞台がせりあがったり、照明を細かく調整したりと、現実の舞台とそん色ない演出へのこだわりが感じられます。

スタッフルームからは、あらかじめ設定されたプリセットを組み合わせることで多様な照明による表現をすることが可能。プレイヤーに追従するスポットライトもあります。

これを使いこなすのは難しそうに思いましたが、劇場利用時は技術スタッフのサポートを検討しているということなので、利用する側は照明操作をスタッフさんにお任せして、パフォーマンスに専念することができそうですね。

360度のパフォーマンスを楽しめる『円形劇場』

『Dramapia』には劇場がもう一つあります。それが『円形劇場』です。その名の通り、円形の舞台とそれを囲うように観客席がある全方位型のシアターです。ここでも、照明の調整や、舞台のせり上がりなどのギミックが完備。プレオープンの参加者からは、演劇以外にも使えそうという声も聞こえました。

客席と舞台が向き合った通常の劇場とは、また違った表現を見ることができそうですね。

併設のカフェ 『Theater Cafe』で交流も

『Dramapia』にはカフェが併設されています。これも現実の文化施設にあるような、軽食をとれるカフェをイメージしているそう。

この『Theater Cafe』では、キャストさんが接客してくれます。今後は店舗イベントとしての運営も行われるとのこと。演劇に興味のあるユーザーの憩いの場になりそうですね。

https://twitter.com/Dramapia_vr/status/1843939471953387779

制作に打ち込める環境を作り、現代演劇の課題解決を目指す

日本では演劇を含む文化芸術振興に対する支援が欧米に比べると不足しており、クリエイターが制作に専念しにくいのだそう。安価で借りることができる公共施設は演劇以外の団体も利用するため借りづらく、稽古場の確保一つ取っても課題があるそうです。

そういった課題の解決策の一つとして、VR空間で稽古もでき、制作から公演まで対応できる総合芸術施設という形で制作されたということでした。

舞台にもバミリを表示させることが可能

動画プレイヤーや大きな鏡のある「稽古室」には、操作した人のみに見える、舞台上の位置を表示する『バミリ』を表示させることができます。『PLAY HALL』の舞台と同じ広さなので、立ち位置の確認などが容易にできそうです。

打合せができる「ミーティング室」もあります。稽古中の打ち合わせなどを、ワールド移動の煩わしさなく行えるようになっています。

実際の建築物と見間違えるほどリアルさを追求

プレオープンでワールドを拝見して感じたのは、“リアルさの追求が半端ではない”ということ。モニターやスピーカーの配線まで作りこまれている部分にこだわりを感じました。

ミーティング室入口の電気のスイッチとエアコンの操作パネル。
3階円形劇場入口のガラス張りのエリア。窓に対し直角に取り付けられたガラスとその反射がなんともリアル。

電気のスイッチ周りや、ガラス張りの壁の作り方、外に見える太陽光発電パネルなど、細かいところまで現実世界の施設の雰囲気を再現されています。

まさに、「神は細部に宿る」を体現しているワールドだと感じました。

VRChatで“劇場に行く”体験をしよう

『Dramapia』は、2024年11月23日~12月1日に開催される『メタシアター演劇祭』の会場として使用される予定です。そのほかにも、公演機能を制限したワールドのパブリックでの公開や、公演を希望する団体/パフォーマーへの会場貸し出しクリエイターエコノミー機能の導入などの予定があるそうです。

リアルさや空気感にこだわることで、VR空間を介して実際に劇場に行ったような体験を提供してくれる『Dramapia』。

これまで演劇に興味がなかった方も、“VRで劇場に行く”体験をすることで、リアルの劇場に足を向けるきっかけになるかも。そうすれば、リアルとバーチャルの垣根を越えた取り組みが活発になりそうですね。VR演劇の今後の発展に注目です!

プレオープンの様子はこちら(YouTubeアーカイブ)
おきゅたん VR-Ch.
関連リンク

・一般社団法人メタシアター
 公式サイト
 公式X(Twitter)

・総合芸術劇場Dramapia
 公式X(Twitter)

投稿者プロフィール

やまびこ
やまびこ
2020年11月ごろにQuest2を買ったことをきっかけにVRChatにハマりました。
自分が楽しい、面白いと感じたものをお伝えできるよう頑張ります!