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バチャマガ交換日記とは
様々な記事を書いているバチャマガスタッフが回す、「交換日記」。
このコラム連載では、大体何を書いても良い(VRSNSに関係なくてもオッケー)というフワッとしたレギュレーションでお送りします。VRSNSはもちろん、散歩中に起こった出来事などのリアルの話でさえOKとなります。
つまりなんでもあり。広い心でお読みいただければ幸いです。
前回の日記はこちらです!
皆さんはこの記事、読んだことがありますか?
おはこんばんにちは、寝る間をオシムです。交換日記では1ページめ以来、2回目の日記となります。
突然ですが、皆さんはこの記事、読んだことがありますか?
そう、記事が公開されるやいなや、大反響を呼んだ記事『~1ヶ月マヌカちゃん生活~ VRoidアバターを6年間使い続けた男がマヌカちゃんを纏った事による心理的変化の実録』です。知らない人は読んでみよう。
この記事内に貼られた一枚の画像がこちらです。
ここに書かれている「インドネシアで詐欺に2000円ぼられている」という記述が微妙に話題になったとかなら無かったとか。折角なので今回はこれに関連して、インドネシアへ旅行に行った時の話を書いて見ようと思います。
一大巨編になるので覚悟してね!
インドネシア旅行記、準備編
「久しぶりに海外旅行してぇ~」友人同士の飲み会で出た一言が、意外にも皆の心をつかんだのでとんとん拍子で企画が進んだ。
しかし悲しいかな、社会人には長期休みの取得が難しい。友人と休みを合わせる場合はなおさらだ。祝日と合わせて何とかひねり出した4日間から逆算すると、旅行先は必然的にアジア圏となった。
「折角なので誰も行ったことのない国にしよう」ということで選ばれた候補が韓国とインドネシア。ホロライブもにじさんじもIDのライバーがいる!関連したものを現地で見れると面白そう!という安易な理由から、インドネシアを選んだのだった。これが苦難の始まりとも知らずに……
インドネシアの基本情報
インドネシアは日本と同じ多数の島からなる国。赤道近くにあるため、雨がほとんど降らない乾季と時折スコールが降る雨季がある。当然乾季の方が旅行しやすい。
観光地としてはバリ島が有名だが、今回旅行先に選んだのは首都ジャカルタ、そして世界遺産のあるジョグジャカルタ。これらがあるジャワ島とバリ島は結構距離が離れている。バリ島は少し特殊らしく、インドネシア全体を見るとイスラム教が多数を占める。
ここまで話したのには訳がある。旅行に行ったのが3月半ば。雨季に断食月(ラマダン)が重なり、旅行としては最悪の条件だったのだ。
※ラマダンが重なると飲食店が閉まったり、施設の開館スケジュールが変わったりする。
さらにインドネシア、コロナの影響もあってか、ガイドブックがあまり出回っていない。当時はぎりぎり「地球の歩き方」の最新版が出てないタイミングで、最新の書籍情報が2020年とかでした。旅先ではネットが制限されることもあるので、物理書籍は持っておきたい派なのだけどこれには困った。
インドネシア1日目、詐欺に2000円ぼったくられる
ネットを駆使して綿密に旅程を立てて、いざ出発。片道約7時間の旅を終えてインドネシアへ。
旅程は変わるもの。ついて早々、旅行先に考えていた場所の周辺で、デモが開始されるという情報をキャッチ。治安の悪化や現地の混乱を考慮し旅程を入れ替え、3日目に行こうとしていた博物館周辺へと向かったのだった。
そこで出くわすのが親切そうなおじいさん。歯が欠けているものの、身なりは綺麗な人だった。彼は言うのだ。「ここは昔道路だった。ウン年前から公園として整備をして、今では自由に子供が遊べる空間になっている!私はそのプロジェクトの旗振り役をしたんだ!」と。
「お前たち日本人か!私も息子のお嫁さんが日本人だ!私自身も大学で講演したことがある。埼玉や東京、熊本とかな!」
この人、実はすごい人なのでは…?
「色々案内してやるよ!私はこの辺の人たちとなじみが深いからな!皆は私の事を親しみを込めてアンクルと呼ぶんだ。お前たちもぜひそう呼んでくれ!」
そういって歩き出すアンクル。なんでも、日本人がインドネシアの独立に貢献しており、その足跡が残っているとか、その時代の建物がどこそこに残っているとか、ものすごいペースで歩いていく。
「この建物はボロボロだが、もとはホテルだった。ここをリフォームして当時の姿をよみがえらせるんだ!企業からお金を募っていて、日本の企業ももちろん参加している!」等と言いながら周っていく。
そして1時間も歩き回ったころ、彼はおもむろにこういうのだ。(我々はすでにヘトヘトだった。)
「お前たち日本人は恵まれている。その立場をもっと役立ててくれ。これからある場所に連れていく。いかに恵まれているか分かるだろう……」
そこで連れていかれたのがホームレスの集団居住区とスラム街。これまでもちょいちょい怪しい所はあったが、我々の警戒は一気にMAXに上がった。
「ここは昔はひどかったが、今は皆衛生的に暮らしている。私が改善のためにインフラを整えて、清潔な暮らし方を教えたんだ。最後にこの階段を上ってみてくれ。凄い景色が見られるぞ」
階段の上は、線路だった。
「私はここ(線路の上りと下り線の間)で子供たちに勉強を教えているんだ!」
スラム街を後にして、アンクルはこういう。
「ここでお前たちが融資してくれれば子供たちがもっと良い環境で勉強できるようになる。ペンやノート、机だって買ってやれるんだ。そうだな、日本円で一人当たり3000円ばかし出してくれれば大丈夫だ!」
たっか……!
インドネシアでは何を買うかにもよるが、現地で物を買う場合、物価は日本の半額~10分の1ぐらいの感覚だ。向こうもそれをわかっていて、日本円で要求してくるあたり慣れている。そして、ここまでくると流石に分かる。机を買うなんて嘘だ。
我々はごねた。結局一人当たり2000円で手を打った。初日から大きな打撃である。
敗北に打ちひしがれながらその場を後にするのだった。ちなみに後で検索したら建物の名前とか役割とか全然違ってた。ホテルじゃなくて銀行だったり。ただし、一部本当の話が混ざっていた。とんだ詐欺だ!
プロの詐欺師ってマジですごいですよ。こちらに考える暇を与えずにそれっぽい話をくみ上げていく、ちょっとの違和感があっても本丸を取りに行く手腕……コワイ!
「グランドインドネシアモール」へ
もうこれ以上最悪はないだろう……と思いつつ、インドネシア最大のモール「グランドインドネシアモール」へ向かう。
そして最寄り駅を降りた先は……どう考えても地元民しか通らないような生活道路だった。うそやん。
切れた電線があり、ガリガリに痩せた野良猫が道路を横切り、気の強そうなニワトリが歩き回る。降りるとこ間違えた???もう何もかもが怖い。自然と早足になる我々。それでもグーグルマップに従って進むと、急に目の前に超巨大モールが現れた。
本当に、平屋が並ぶ道が急に切れて、バーンと綺麗な場所になったのだ。猫もいない、ニワトリもいない。代わりに警備員がいる。もうその落差が色んな意味で怖い。
「グランドインドネシアモール」はマジでグランドで、半日では周りきれない広さだった。イメージは銀座。銀座のオシャレな建物を1つに集めた感じ。でもその中に普通に西武(SEIBU)やヤマダ電機が入っているのがなんかすごい。
フードコートに行くと吉野家やケンタッキー、丸亀製麺もある。もちろんスタバも、ローカライズされた謎のラーメン屋もある。ていうかスタバと丸亀製麺は主要な駅ならどこにでもあった。スタバは本当に世界中にあるなぁ……としみじみ。
折角なので現地のご飯を堪能する。美味しい。疲れた体にスパイスが染みる……と言いながら帰路についたのだった。
※帰りはちゃんと舗装された道を通って帰れました。行きは正規ルートではなかったらしい。
インドネシア2日目、世界遺産を見に行ったら終電を逃す
世界遺産があるジョグジャカルタへは飛行機で。距離的には東京-大阪ぐらいのイメージだが、電車で行くと6時間ぐらいかかる。ホテルはジャカルタにとっているため、始発便で行って最終便で帰る強行軍である。
空港に向かうまでの一本道で急に話しかけられ、チップをせびられる友人。幸先が悪い……
現地ではJCBで日本語喋れるガイド予約したし……大丈夫っしょ。と言いながらも昨日のことを思うと不安が隠せない面々。結論、滅茶苦茶良かった。
ガイドさんは超親切、世界遺産の「ボロブドゥール寺院」めっちゃデカくてカッコいい、ご飯美味しい。
「ボロブドゥール寺院」は石造のお寺。イスラム教ではなく、仏教の寺院だ。この辺はかつて仏教が盛んだったのだろう。長い間火山灰の下に埋もれていたために、人々の間から忘れ去られており、この寺院に関しては分からないことが多いらしい。
遺跡保護のため1日で寺院に登れる人数が決まっていたのだが、運よく制限がかかる前に到着でき、寺院を上ることができた。とにかく広い公園に、寺院だけがドンとあるので非常に迫力がある。
例えるなら姫路駅から姫路城に行く途中が街道じゃなくて広場になってるみたいな感じ。(伝わる?)
遺跡の後は、コピルアックが飲めるというカフェへ。コピルアックはジャコウネコがコーヒー豆を食べ、その後排出されたフンを洗ったもの。コーヒーの中でも高級なものに位置付けられており、日本だとなかなか手が出ないお値段だ。インドネシアはコピルアックの一大産地で、お土産としてよく売られていた。
実際にジャコウ猫を見たりコーヒー飲んだりして一服したのち、お昼ご飯へ。
連れて行かれたところは(おそらく)観光客ナイズされた飲食店。サービスのキャッサバチップス(タピオカの原料でもあるキャッサバをスライスして油で揚げた、いわば現地のポテチ)をポリポリ食べながら、定番のナシゴレンとオレンジジュースを頼む。これがめちゃくちゃ美味しい。
だが、この飲食店の凄いところは料理だけではない。中庭を見てほしい。オウムやダチョウなどをはじめとした数種類の鳥が飼われており、ちょっとした鳥の動物園と化していた。
ガイドさん曰く、インドネシアの男子は5つの宝を持つと幸せになるという言い伝えがあるらしい。宝とは、剣(仕事)、奥さん、車、家、そして鳥。(家だったかどうか記憶があいまいなので違ったらすみません。)
なので鳥を飼っている家は多いのだが……にしても多くない??オウムなんて突然野太い声で笑い出すからビビるぜ。飼い主がよく笑う人なんだろうか。
その後も2、3遺跡を回ってから終了。寺院にインドネシアの故事成語みたいなのが載ってたりして、面白かった。その後は余裕を持って空港に着くことができた。
終電を逃す
いやーよかったよかった。チップも多めに払っちゃった。さあ帰りましょう。
飛行機で帰ったのは良かったものの、空港の各ターミナルを巡回する電車(トラム)がない。あれ~おかしいなぁ……と空港のスタッフに聞くも結果は同じ。掲示されているより早く終電が終わっていた。
うそやん……と道を聞くと、タクシーか、24時間運行している無料巡回バスしかないとのこと。
タクシーが見当たらずにバスを待つこと20分。ついに来た。が、満員だった。
どれくらい満員かというと、観光バスを改造した車内に人がすし詰め状態で立っている。さらに入り口の階段にまで人がぎっしり詰まっていた。日本の場合、階段に人がいるとバスって閉まらないと思うんですけど……
階段の1段目に何とか乗るものの、事故ったら100%終わりな状況。見たことあります?バスの階段の一番下、地面に最も近い場所で、フロントガラスから10cmも離れてない状態で空港線をかっ飛ばす光景……スリも怖いしまさに「超エキサイティング!」な状況でした。更に悪いことに、向かう先が思ってた方向と違う。
巡回バスなのでいつかはたどり着くが、いつになるんだ……と思ってたら急に人が捌けたので中に入れることに。さらに謎のおじさんが「こっちこいよ!」みたいに案内してくれる。これ絶対チップ払うやつやん……と思うとリアクションしづらい。これまでの旅行で、話しかけられる=チップの図式が出来上がっている我々だった。
結局バスには30分以上乗っていたのではないか。目的地についてほっとしたのもつかの間、おじさんも同じ駅で降りて来た。すわチップかと身構えると、見事なサムズアップをして去っていった。疑ってゴメン謎のおじさん……!
インドネシア3日目と4日目、良いタクシーのあんちゃんと悪いタクシーのあんちゃん
3日目!いよいよジャカルタの本命、モスクへ観光だ!このモスクは東アジアで最大規模を誇るものらしい。意気揚々と駅に着いたまでは良かったものの、スコールがすごい。
規模感は日本でいうゲリラ豪雨なのだが、排水が日本ほど機能していない(+排水溝が詰まってる)ので大変なことになる。車道が水没するのはザラで、道路を横断する際はちょっとした湖を歩くような感覚だ。
必死の思いで到着したモスク。しかし、ラマダン期間中なので特別な観光パッケージになっており、1時間に1回しか中に入るタイミングがない。さらに中に入るには橋を挟んで反対側の建物で裸足になる必要がある。野ざらしを歩くのは抵抗がある。さらに、前回のツアーがちょうど出発したばかりで、1時間待ちの状況だった。
どうする……?と相談した結果、外周だけぐるっと回って帰ることに。イスラム教の本格的な建物は初めて見たが、独特の雰囲気を放っていた。
モスクの向かいにある教会(今度はキリスト教の教会!)もミサの時間で入れず、次の目的地である独立記念塔へ。
途中通りかかった政府関係の建物の広さに驚くが、独立記念等のある公園もまた大きい。入り口どこだ〜と彷徨った挙句に、塔内への入場料がやたらと高いので諦めた。(独立記念塔のみの入場券がなく、3,4の建物をまとめて回れるチケットだったらしい。)
歩き回ってへとへとになりつつ、さらにもう一度降り出したスコールに振られつつ、もう「我らがグランドインドネシアモールに行くしかない」とタクシーに乗ることに。
アジア圏のタクシーって大体ぼったくられるんですが、ためしに値段を聞いてみたら「メーター!」と軽快なお返事が。これは期待できると思って乗せてもらうと、確かにメーター通り。遠回りなどもせずまっすぐモールの目の前に着けてくれて、超良いあんちゃんだった。
カフェでなぜか現地人に間違えられてインドネシア語で話しかけられ、それに日本語で返すみたいな微笑ましい出来事はあったが、さすがの安定感だった。一通りモールを回り切って帰路に着く。
ちなみにモール周辺の広場で『リコリス•リコイル』のコスプレ撮影をしていた。これはクールジャパン。
4日目の早朝便で帰宅するために、6時ごろにホテルを出発。ここで最後の関門が。例によって空港を行き来する電車が動いていない(6時から運行するって書いてあったのに!)、荷物も多いためタクシーに乗ることに。
ここでタクシー乗り場に着いた瞬間、警備員に声をかけられる。
「タクシーはダメだ!ウチの知り合いが車回してるからそれに乗るんだ!」
うそやん。よくよく話を聞くと、(理由は分からないが)タクシーで空港のロビーには入れない、一般車なら行ける。そして警備員の知り合いがなぜか車を回して立っている。
絶対怪しい……。
何が怖いってある種公的な機関である、空港の警備員が言ってるってことですよね。
しかし、初日で詐欺にあい、2日目で脅威のローカルバスに乗り、3日目でスコールの中を歩き、経験値を積んだ我々も負けてはいない。一旦引き返し、ホテルマンに状況を確認する。
どうやら乗り場が違っており、自分たちが乗ろうとしていたタクシーは違法駐車みたいな感じで止まっていたらしい。正規の乗り場へ行くと別のタクシーが並んでいた。もちろん警備員に呼び止められることもない。
タクシーに運賃を聞くと、「15万ルピア」と。あれ〜?ホテルで聞いた時はざっくり10万ルピアって言われたけどなぁ……と思い、タクシーに乗る。今度のあんちゃん、こちらが言ってもメーターはうごかさない。
「メーターを動かす必要はないよ。15万ルピアって言ったじゃん。」
ぼったくりだ!
良いタクシーのあんちゃんもいれば、悪いタクシーのあんちゃんもいる。最後の教訓になった。
そんなこんなで空港へつき、無事に帰国したのでした。
全体として、旅慣れてない人にはジャカルタはあまり向かないかもだけど(観光者向けの案内が少ないため)、ジョグジャカルタはすごく良いところだった。インドネシア人、結構気さくで何かと優しくしてくれる。日本人と見るや、ぼられたりチップとられたりするけど。
「地球の歩き方」最新版も出ているので、今行くと少し状況が違うかもしれない。っていうか雨季とラマダンを避ければだいぶ状況は違うと思います。海外でどったんばったんしたい方はインドネシアおすすめです。
おまけのギャラリー
前の方からの質問「自分のメインアバターとの出会い」
トラスとウェッジ!トラスとウェッジはいいぞ。なんてったってトラスを買うとウェッジもついてくる(またはその逆)お得さもありながら、表情の豊かさ、使い勝手の良さ、界隈の熱量もあり完璧な存在なんだ。
BOOTHによると自分が購入した日は2021/12/16ですって。へぇ~二年半前か。にねんはん……!?時の流れを感じますね。確かVketで出会ったはず……と思ったら写真がありました。
当時はVRChatを本格的に始めようと思ったタイミングで、なかなかしっくりくるアバターが見つからずに彷徨っていました。
そこで見つけたのがトラスとウェッジ。これだ!となりBOOTHへ行ったのを覚えています。
写真を見返すと、1週間たたずに髪色が緑になってました。
そこからはずっと使い続けてますね。改変をしっかりしたり、別のアバターを使ってみたい欲もありますが、結局今の形に落ち着きます。自分も一ヶ月マヌカちゃん生活をしたら色々変わるんだろうか。
次の方への質問「最近特に気になるものはありますか?」
「最近特に気になるものはありますか?」VRChatは特にですが、変化の激しい昨今です。バーチャル・リアル問わず、誰かが気になっている物の話を聞くのは楽しいものです。
自分は最近、XREAL Beam Proを買って色々撮影してます。立体動画楽しい。
以上、大長編のコラムとなりました。最後まで読んでいただきありがとうございます。