アバター集会と言われて、どんなイベントを想像するでしょうか?
特定のアバターをドレスコードにしたユーザーが集って雑談を楽しんだり、様々な改変の形を披露して互いにインスピレーションを得たり、そうしたファンによる交流イベントを思いつくかもしれません。
そんな中、アバター制作者本人を招待して大型音楽ライブイベントを開催したファンコミュニティがあったのです。なぜ、アバターのファンコミュニティが様々なイベントを実施するまでになったのか、その背景を含めてイベントの模様をお伝えします。
目次
アバター集会なのに音楽ライブイベント!?
2024年5月、『ソラリア』『フラクチュア』『リズ・シグマ』といった人気のアバターを制作している『Froginyata』のファンコミュニティが、グループ1周年を記念した音楽ライブイベントを開催しました。
イベントには制作者本人であるFroginyataさんも招かれ、ライブ用の特設ワールドへ多くの『VRChat』プレイヤーが集うこととなりました。しかも、使用アバターに対するドレスコードは設定されておらず、ステージ出演者のファンも訪れるなど、アバター集会とは一線を画した内容で、大きな盛り上がりを見せたのです。
多岐にわたるジャンルと高いパフォーマンスの4グループが登場
イベントは『Froginyataアバター集会』の代表を務めるせびるさんが主催となり、『VRChat』の中でも多くの活動実績を持つ4グループが出演しました。大成功を収めた本イベントでしたが、せびるさん達もこうしたイベントを行うのは初のことだったようです。
白黒女性シンガーユニット『Milleneige』
まず登場したのは、chik4さんとゆきたさんによる白黒女性シンガーユニット『Milleneige』です。クールな低音を得意とするchik4さんと、ハイテンションな高音で盛り上げるゆきたさんのパフォーマンス。その強さは歌声だけではありません。
高い活動頻度を誇り、その経験に裏打ちされたMCの実力。ステージでは4曲を歌い切り、一気に熱いテンションへと引き上げられ、観客は「音楽イベントに来たんだ!」と思い知らされることとなりました。
犬猫コンビ!? 男性アイドルユニット『Paws UP』
続いては『Paws UP』が登場。nekoyuunさんとwancobulletさんによる男性アイドルユニットです。一見してちょっとチャラそう、と侮ってしまうと確かな実力に驚かされてしまうはず! 歌唱力はもとより、ステージから観客席へのファンサービス、トークの上手さ、そして対応力……!!
『VRChat』はどうしても接続の不安定さから逃れられません。今回のステージでは途中でnekoyunnさんが切断されてしまうというアクシデントに見舞われるも、機転を効かせたwancobulletさんの語りとパフォーマンスで、最後はnekoyunnさんの復帰と共に演目を成功させていました。アイドルって、スゲぇ……!
圧倒的歌唱力!『こうもりちゃん』
ポップな雰囲気が続いた後に登場したのは、パフォーマーとして幅広く活躍するこうもりちゃんです。怪しい雰囲気をまとわせての登場に緊張しつつも、穏やかな語り口で会場は落ち着いた雰囲気に。直後、そのパフォーマンスへ驚かされることになるとは、この時まったく予想できませんでした。
曲が流れ彼女の歌声が響けば、一瞬で心を鷲掴みにされ、鳥肌の立つ思いでその歌唱力に引き込まれてしまいました。ただ真似して歌うだけでも難しいと言わざるを得ない楽曲を、さも当然のように歌い切る技術力。更には豊かなダイナミクスで彩られた表現力に圧倒され、曲が終わってしばらくしてようやく我に返るような体験となりました。
滾るような熱いJazzを!『StrollZ』
最後を飾ったのはしあのさんとざっくさんによるインストユニット『StrollZ』です。サポートとしてドラムにジャンクさん、ベースにMoiriさんを迎えた構成で、ピアノとサックスの高い演奏技術が、本当に気持ちの良い音を届けてくれます。Jazzが好きならばぜひ聞いて欲しい!
フュージョンジャズな楽曲を中心に、激しくもあり、爽やかでもある演奏が繰り広げられ、身体を動かさずにはいられませんでした。本当に演奏が素晴らしく、音に身を委ねられるような感情に包まれ、豊かな満足感が広がります。
『VRChat』でもリアルでも多くの実績がある『StrollZ』。アバター集会に寄ってみただけだったのに、こんな素晴らしい演奏が聞けて良かったのだろうかと、しばらく余韻に浸っていました。
アフタートークで“アバター制作者”を祝う
ステージ終了後は出演者によるアフタートークとなりました。司会進行として再度登場した主催のせびるさんの姿を見て「そういえばアバター集会だった」とようやく思い出すくらい、豪華なライブだったと思います。
途中切断に見舞われた『Paws UP』の二人が突然“お詫び”しはじめたり、アフタートークは終始楽しい雰囲気が続きました。しかし、さすがアイドルユニット……!? ただでは転ばぬ強さか!
そして満を持して、アバター制作者であるFroginyataさん本人を壇上に迎え、祝賀とともに記念演奏が贈られました。アバターのファンが自発的に集い、アバター制作者本人へイベントを手作りして贈るという、素敵なファンコミュニティの姿がそこにはあったのです。
イベント企画団体『Ribbit×Party』として本格始動!
今回のGroup Anniversaryを機に、ディレクターのだめこと話し合いました。アバター集会というには色々なことをしてきたので「いよいよ何者か分からなくなってきたね」なんて言い合ったり。
そこで、『Ribbit×Party』というイベント企画団体を立ち上げました。
Froginyata集会を軸にして様々なイベントを手掛ける、ということで実はやることの内容はほとんど変わっていません(笑
今後のアニバーサリーやコラボイベント、VketRealへの出展も計画
2024年11月16日(土)にはVirtual Campersのお茶さんをお迎えし、キャンプ回コラボイベントを実施します。
また、12月には『リズ・シグマ』のアニバーサリーイベント、そしてVketRealへの出展も予定していますので、お楽しみに!
色々な企画を計画していますが、私やだめこは普段音楽ライブに出演するような活動はしていません。毎回、手探りの中でどこまで準備すれば十分なのか、といつも頭を抱えているような気がしますね(笑
私達『Ribbit×Party』は『Froginyata』ブランドの周知宣伝を目的としていますが、ただアバター集会を開くというだけでは埋もれてしまうという実感があります。
同じようなことをしていても生き残れないという思いで、新しいことへどんどん挑んでいます。アバター集会という枠組みにとらわれることなく、こんなコミュニティの形があっても良いという姿を見せていけたらと思います。
投稿者プロフィール
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全然生活なりたってない人です
記事中でTrasque本人が使用しているアバターは
以下に権利表記を示すとともに、直接使用許諾の確認を頂いております
・『ナユ』『プラチナ』:有坂みと 様
・『キプフェル』:もち山金魚 様
・『ヌノスプ』:©トノダショップ 様
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初の音楽イベントだったので、終始手探りで進んでいました。ワールド制作を請け負ってくださった神威ユウキさんをはじめ、出演者の皆さんにも……「これであってますか?」「こういうのでいいですか?」「ほんとに大丈夫ですか?」と、何度も確認を取りながら、ディレクターのだめこと協力しながらようやく開催できました。
アバター集会で音楽イベントを本当に楽しんでもらえるのだろうかと不安が募り、開催の一週間前は頻繁にイベント開催中の夢をみていました(笑
相談するたびに出演者の皆さんからは「大丈夫大丈夫!」「問題ないし何とかなるよ!」と励ましていただけて、心強かったですね。