「ガンダムSEED」「マクロス」などを手掛けたデザイナー、宮武一貴氏がお届けする超ド級の迫力!メタバースヨコスカ猿島ワールドに「みかさロボ」出現!

全世界のバチャマガ読者の皆様こんにちは。最近自分の記事ではメカとかロボとかの話しかしていないかもしれないが、今日もロボの話題だ!

去る2/9(金)、メタバースヨコスカの猿島ワールドにて「みかさロボ」が公開された!そのお披露目会に参加し、「みかさロボ」の魅力をたっぷりと堪能してきたので是非とも紹介させていただきたい!みかさロボ、本当にすごいぞ!

公開ワールドであるメタバースヨコスカ猿島ワールドに関しては以前バチャマガの方で記事にしているので、合わせて見てほしい。

この迫力!この威容!これが「みかさロボ」だ!!!

ワールドに降り立ち、桟橋から左を見上げる。そこにはもう「みかさロボ」の雄姿が。

でっか・・・!!

という不思議な感嘆の吐息しか出てこなかった。

あまりVRChatのワールドに詳しくないので恐縮だが、これほど大きな人型の建造物は自分は見たことがない・・・!

もう、本当にもう、とにかくデカい。

このみかさロボは、「マクロスシリーズ」などで有名なメカデザイナーの宮武一貴氏がデザインしたもので、実際の記念艦「三笠」の原寸大パーツを切り貼りしてロボットを組み上げたらこうなるというコンセプトでデザインされている。

どのパーツが元の記念艦「三笠」のどこにあたるのか、というのを見比べながら巨体の周りを見て回るといろんな発見があって面白い。

みかさロボはSFチックなロボットでありながらも、記念艦「三笠」が建造された時代背景を考慮して蒸気エフェクトや滑車音などのどこかレトロな要素もふんだんに盛り込まれている。それがまたいい。

記念艦「三笠」は建造から100年以上経っており、人間でいえば(戦艦でいっても)かなりの御老体だ。そういった事情を反映して、滑車の音が一定のタイミングではなく早くなったり止まりかけたり・・・と、なんというか人間味のあふれる年季の入ったリズムを刻んでいる。

御老体といえば、お披露目会中にみかさロボの調子が悪くなった時、「もうおじいちゃんなんだから〜」とみんなでほっこりしている光景がとても微笑ましかったのを覚えている。

艦橋にはみかさロボを動かせるコクピットがある。こんな巨体を自分の意思で動かせるというカタルシスがあるが、人が動かしているのを遠くで見るのもまた壮大な光景を見れて良い。

艦橋から見下ろせば、眼下に猿島がすっぽりと収まってしまう。どれだけデカいんだ。

艦橋から振り返ってみれば、自分が船の上に載っているのかロボに載っているのかわからなくなる。

みかさロボが停泊している場所の周りには飛び飛びのジャンプ台があり、みかさロボをぐるっと回る形に飛び移ることができる。

意外と次の岩に飛び移るのが難しく、ちょっとしたアスレチック気分を味わえる。もしも足を踏み外して落ちたのなら、眼下の横須賀市街に真っ逆さまだ。

猿島越しにせりあがってくるみかさロボ。みかさロボがデカすぎて脳のスケール感がバグる光景。

観客を写しつつ、みかさロボを遠景に捉えて。この約73mの巨体のスケール感を演出するために最大限の工夫が凝らしてあり、みかさロボのために空気遠近法のフォグを調整しているのだという。

ちなみに今判明しているみかさロボのスペックは以下の通りである。

みかさロボ

全高:72.9m
全幅:50.5m
奥行:26.0m
動力:ボイラー+未知のエネルギー

目的:猿島に客を運ぶ「観光ロボ」

スペックを表にしたくなるのはロボ好きの習性なのだ。

インタビュー

お披露目会の後、横須賀市文化スポーツ観光部観光課の小山田さんに話を聞かせてもらった。

なぜ「三笠」はロボになったのか

ナイン

今日はよろしくお願いします!早速ですが、「三笠」をロボにしようというある意味ぶっ飛んだアイデアはどこから湧いてきたんでしょうか?

小山田さん

えっ?ここにあの宮武さんがいて、さらに「三笠」があるとすれば、ロボにしたくありませんか?私はなりました!
私自身「マクロス」が好きで、宮武さんの作品がずっと好きだったので、私の中では自然に出てきた流れですね。

ナイン

それはわかります・・・!

小山田さん

2015年くらいにすごい人が横須賀に住んでいるっていう話を聞いて、宮武さんに会いに行ったんですね。その時に宮武さんから、記念館「三笠」を遊び場にして、「三笠」を絵に書いて育ったからそういう巨大なロボットが書けるようになったって話をお伺いして、何か一緒にできるといいですよねという話に。その後「三笠」の中で原画展を開いたりとよくお付き合いさせていただいてます。

その流れでメタバースヨコスカがあって、「日本の巨大ロボット群像」展が横須賀にくるというタイミングがあって、「これはみかさロボ作るしかない!」と宮武さんに話を持っていきました。

「みかさロボ」のデザインのこだわり

ナイン

お披露目会の説明で、みかさロボは記念艦「三笠」を切り貼りしてデザインされたと聞きました。

小山田さん

ええ、外壁だけではなく内部のパーツも切り貼りして作られています。みかさロボは大きいですが、全長でいえば記念艦「三笠」の方が長いはずです。宮武さんからデザインラフをいただいた時に「ここが光ってここが変形してね」と演出やギミックも指示をいただいていたのですが、なかなかワールドでの再現は難しく・・・

ナイン

つまり設定的には変形するのでしょうか?(重要)

小山田さん

そうですね。宮武さんは、現実に飛ぶ・現実にこうあるためには必要な部品がちゃんと揃っている、ということにこだわりのあるメカニックデザイナーです。なので変形やギミックも含め頭の中に出来上がってからデザインされています。

ナイン

なるほど・・・今後変形する姿を見れる機会はありますか?

小山田さん

今のところ未定ですが、気持ちだけはあります!スポンサーお待ちしてます!

バチャマガ読者の皆様へ

小山田さん

本当に自治体の仕事か?というようなことをやり抜けたなと思います。みかさロボはVRならではの表現をしっかり出来たと思いますし、他の自治体様がチャレンジする良い事例になったかな、と。自分たちの持っているコンテンツをどうVR向けコンテンツにするか、という新しいチャレンジにもなったと思います。

本当にこれはVRヘッドセットをつけていないと伝わりにくいと思うので是非とも体験してもらいたいです。

ナイン

今日はありがとうございました!

これ以外にも、ここには載せきれないほどの「みかさロボ」へのエピソードをいっぱい聞かせてもらった。ワールド制作にまつわるクリエイターたちの熱いエピソードや、グッズが欲しい・プラモデル化したいよね、などなど。みかさロボの今後の展開に是非とも期待したい。

終わりに

お披露目会の集合写真。この時運悪く落ちて写っていない。悔しい。

寄稿者として敗北宣言のようになってしまうが、もうこれは現地に来てもらって見てもらうしかない。ここでどんなに語り尽くしたとしても、写真を載せたとしても、現地で味わう迫力には少しも届かないだろう。本能をぶん殴られるような、すごいインパクトだった。

他では見ることのできない大迫力の巨体。そしてその随所に施されたクリエイター方のこだわり。デザイナーの宮武さんやモデリング・ワールドクリエイターの方々、そして観光課の小山田さん、みかさロボは関わった人すべての愛と情熱の結晶なのだ。

現実では(恐らく)味わうことが出来ない巨大ロボットの雄姿、是非とも自らの目で確かめるべし!

横須賀美術館にて「日本の巨大ロボット群像」展が開催中!

みかさロボ公開にあわせ、2/10(土)よりリアルインスタンスの横須賀美術館にて「日本の巨大ロボット群像」展が開催されている。メカデザイナーの宮武さんによるみかさロボの原画も展示されているので、横須賀に行く人は是非行ってみてほしい。

さらに、2/17(土)にはなんと記念艦「三笠」講堂にてメタバースヨコスカ宮武一貴トークショーも開催されるぞ!

MC :森田繁(スタジオぬえ)
日時:2月17日(土)13:00~15:00
場所:記念艦「三笠」講堂
料金:無料(別途、記念艦「三笠」への入館料がかかります)
申し込み方法: Peatix

来場者特典として以下のポストカードが配布される。設定画風前後・三面図風・プラモデルパッケージ風のお洒落かつかっこいいポストカード4種セットと豪華な内容なので、忘れずにゲットすべし。

宮武さんの口からみかさロボ制作秘話を直接聞ける貴重なチャンスなので、この機会にリアルの「三笠」にも是非遊びに行ってみよう!