VRゲームスタジオが放った『本気』の音楽フェス。『MyDearest JAM 2024』参加レポート

1月20日、VRゲームスタジオのMyDearestが主催する音楽フェス「MyDearest JAM 2024 -OPEN THE GATE-」がVRChatにて行われました。

開催発表時のポスター

究極の「やっちゃいけないこと」。会場は自社バーチャルオフィスの地下!

東京クロノス』や『アルトデウス:BC』、『ディスクロニア: CA』などのVRゲームを手掛けているMyDearestはVRChat内にバーチャルオフィスを公開しており、その中ではオフィスにある椅子やPC機器などを投げて部屋をめちゃくちゃにしたり、(ライブ直前の1月16日に公開された新バージョンでは)夜のオフィスに侵入して機密情報を盗み出すといった「やっちゃいけないこと」が出来るワールドとなっています。

今回の音楽フェスはその上を行く「究極のやっちゃいけないこと」と銘打たれており、なんと「社員の一人がバーチャルオフィスの地下を勝手にライブハウスに改造した」そうです。

ライブを盛り上げる特殊なギミックまで!

単にオフィスの地下をライブハウスにするだけでは飽き足らず、観客を盛り上げる数々のギミックがワールド内には設置されていました。

ステージ付近の床は上でジャンプしたり移動することで光るようになっています。

床が光ることでステージ後方にあるゲージがたまり、満杯になるとステージ上の花火が発火する仕掛けになっていました。

他にも、ステージ上では音楽に合わせた映像を流すスクリーンやスポットライトが稼働しライブを盛り上げていました。

会場の紹介はこれぐらいにして、ここからは(前日に行われた『シークレットライブ』も含めた)実際のライブの様子を写真や動画でお届けしようと思います!

出演アーティストの紹介

【前日シークレットライブ】Sifneos.

ライブ開催前日である1月19日の昼、前夜祭である『シークレットライブ』の開催告知が行われました。

出演したのは事前に告知のあった6組のアーティストの中には居なかった、『Sifnoes.(シフネス)』という二人組のユニット。

活動開始2ヶ月、数々の楽曲提供実績を持つ作曲家兼VRアーティストDizと音声配信アプリにてピアノ弾き語り配信のみで1万2000フォロワーを集める実力派シンガーソングライターMeiの2人による新進気鋭の男女音楽ユニット。常にもう一歩先のクオリティを求め続ける二人が出会い、掲げるテーマは『感情を呼び覚ます音楽』。彼らの音楽と出会うあなたは今宵、感情を共有する共犯者となる。

【Secret Live】MyDearest JAM 2024前夜Secret Live【Sifneos.】  
(リンクは引用者が追加したもの。以降の引用文についても同様)

ライブ後のMCによれば『この日のために新曲を2曲用意し、専用の演出も構成してきた』とのこと。
『本当にこれ、前夜祭なの?ライブ本編じゃなくて??』と思わずには居られなかった内容のライブでした。

前夜祭イベント アーカイブ動画

Alternoise

ここからは1月20日のライブ本編に出演したアーティストの紹介になります。
1組目は去年(2023年)10月開催の『バーチャルライブマガジン 第2号』にも出演していた3ピースロックバンド『Alternoise』。

2023年にVRChatで活動を開始したバーチャル3ピースバンド「Alternoise(オルタノイズ)」。10月に発表したオリジナル1stシングル「逃悲行」がYouTubeで2万再生以上を記録するなど、まさに今大きな注目を集めている。

【音楽フェス】MyDearest JAM 2024 -OPEN THE GATE-【VRChat】 (youtube.com) 

疾走感というか、跳ねる感じの曲調が印象に残ったバンドでした。格好良かった。

NNZ

2組目はボーカル、キーボード、そしてダンサーの三名によるユニット『NNZ』。

ヴォーカルの瀬戸、キーボードのKosuke、そしてダンスを担当するニーノの3人組からなるバーチャルパフォーマンスユニット「NNZ(ネコニャンズ)」。 楽曲だけでなくダンスによるVRならではの視覚的なパフォーマンスを披露する。

【音楽フェス】MyDearest JAM 2024 -OPEN THE GATE-【VRChat】 (youtube.com) 

変則的なメンバー構成ですが、それぞれの個性が組み合わさった独特のパフォーマンスを見せてくれました。あと、瀬戸さんの澄んだ声が聴いてて心地よかった。

Azumos

3組目は、『MyDearest』の音楽スタッフ有志により結成された、ボーカルとピアノの二人からなる『Azumos』。

MyDearestにてクロノスユニバース作品とブレイゼンブレイズの楽曲や効果音の制作、実装している社内メンバーが有志で立ち上げた2人組ユニット「Azumos(アズモス)」。同じくMyDearestで楽曲制作を担当する郡陽介の楽曲を中心に披露予定。

【音楽フェス】MyDearest JAM 2024 -OPEN THE GATE-【VRChat】 (youtube.com) 

『MyDearestの音楽部門ってこんなに凄いの!?』というのが率直な感想でした。ボーカルにピアノ伴奏のみというシンプルな構成での演奏が大半だったにも関わらず、すっかり聞きほれてしまいました。

AMOKA

4組目は、『あいぽ』と『もいさん』の2名による男女ボーカルデュオ、『AMOKA』。

VRChatを中心に活動するヴォーカルユニット、AMOKA。 Sanrio Virtual Festivalに3回連続で出演するほか、Virtual Reality Music Festival(VRMF)の主催など音楽イベントの運営も行う。 国外ではRaindance Immersiveにノミネートされるなど、グローバルに活躍中。

【音楽フェス】MyDearest JAM 2024 -OPEN THE GATE-【VRChat】 (youtube.com) 

メンバー2人の歌唱もさることながら、観客を盛り上げるダンスが本当に激しく情熱的で。
gif動画で紹介せずには居られませんでした。

猫宮ニッチ・クインテット

5組目は、シンガーソングライターの『猫宮ニッチ』さんを中心に集まった5人組バンド『猫宮ニッチ・クインテット』。

ソーシャルVRだけでなく現実でも歌・作詞・作曲など精力的に活動するヴォーカル「猫宮ニッチ」を中心に集まったメンバーによって構成されるバンドユニット。 今年10月に歌唱アーティストにフォーカスしたVRChatの音楽イベント「SPELA」に登場し、そのパフォーマンスが大きな反響を呼んだ。

【音楽フェス】MyDearest JAM 2024 -OPEN THE GATE-【VRChat】 (youtube.com)

猫宮さんの姿やトークの可愛らしさと歌声のギャップが凄くて……『あれだけの表現力を持った歌声を聴いたのはいつ以来だろう』と思えるほどでした。

memex

大トリを飾るのは、AMOKAらとともに昨年の『SANRIO Virtual Festival 2023 in Sanrio Puroland』にも出演し、今年で活動5周年を迎えた『memex』。

ヴォーカルのアランと作曲&Gt.を担当するぴぼによる次世代の音楽活動を模索するバンド。CHUNITHM, Lanota, Muse Dash, SDVX, pop’n music など数々の音楽ゲームに楽曲提供を行っている。 2024年にはSanrio Virtual Fesに出演予定。

【音楽フェス】MyDearest JAM 2024 -OPEN THE GATE-【VRChat】 (youtube.com)

(今回のライブでも見せた)視覚効果も凄いバンドなのですが、ぴぽさんの作る曲とアランさんの情熱的な歌声からなるサウンドはmemexさんにしか出せない独自のスタイルを確立している、とライブを聴いていて感じました。

ライブアーカイブ

今回のフェスの模様はYouTubeで配信され、アーカイブ動画も公開中です。
個性豊かなアーティスト達の演奏の様子やライブ演出をぜひ皆さんの目と耳で確認していただけたらと思います!

アーカイブ動画

前夜祭『シークレットライブ』(再掲)

ライブ本編

なぜVRゲームスタジオが音楽フェスを?~『OPEN THE GATE』というタイトルに込めた思い~

それにしてもVRゲームスタジオである『MyDearest』が、どうしてここまで大掛かりな音楽フェスをVRChatで開催したのでしょうか?

その理由を、『(自社の)バーチャルオフィスの地下を勝手にライブハウスに改造した』張本人であり、この音楽フェスの企画・取りまとめを行った『BUSSAN(ぶっさん)』さんがライブ終了後のMCで明かしてくれました。

中央がBUSSANさん
BUSSANさん

VRChatをやってる人が「お前もVRChatやらないか」と勧める時、「一回VRヘッドセット被ればわかるから!」って皆さん言うと思うんですよ。
そう言われてVRヘッドセットを被って、言われた言葉の意味を理解した時その人はVRChatへのゲートを開く、『OPEN THE GATE』するわけです。

BUSSANさん

これってVRChatだけの話じゃないと思ってまして、VRゲームでも同じ事が言えるんですね。VRChatを1000時間遊んでます、って方でも(VRChat以外の)VRゲームを遊んだ時間を見ると32分、みたいな方もいらっしゃって。
VRゲームもやってみたら意外と面白いですよ、VRChatの皆さんも『OPEN THE GATE』してください!」というのが今回のイベントです。

BUSSANさん

VRChatをやっていないVRゲーマーの方々はこのイベントを見て「あ、VRChatってなんか楽しそうだな」と思ったらぜひ来て欲しいですし、逆にVRゲームをまだやってないよって方はこれを機に、(MyDearestの新作ゲームであり、2月6日からオープンβテストが始まる)BRAZEN BLAZE(ブレイゼンブレイズ)をぜひ遊んでほしいなと思っております。

会場内にあった『BRAZEN BLAZE』の広告。
ライブ会場の作りも『BRAZEN BLAZE』の世界観に沿ったものになっていたそうです。

(※2023年10月に行われたクローズドαテスト開催時の紹介記事です)

まとめ

VRゲームスタジオの社員が企画した音楽フェス『MyDearest JAM 2024 -OPEN THE GATE-』は『VRChatの世界とVRゲームの世界の間にあるゲートを開く』という目的のために開かれたイベントでした。
出演アーティストたちの素晴らしいパフォーマンスもさることながら、個性豊かなアーティスト達を招待して最高の舞台を作り上げたスタッフ達の『本気』をこのイベントから強く感じました。

本気でVRChatとそのユーザーへの『ゲート』を開けようとしているVRゲームスタジオ、『MyDearest』に今後も期待したいです!

関連ワールドとゲーム紹介

MyDearest Virtual Office (beta update)

2023年秋公開の『MyDearest Virtual Office』とは別のワールドです。
BUSSANさんによれば『このワールドの企画とMyDearestJAMという音楽フェスは同一のプロジェクトとして同時進行で開発を進め』ていたとのこと。
(参考:
https://x.com/BUSSAN_8888/status/1748948126881513814

BRAZEN BLAZE

公式サイト:brazenblaze.com/jp/
オープンβテスト開催期間:2024年2月6日(火)~2月13日(火)
(現在、オープンβテストの参加者募集中です。詳しくは公式サイト内のリンクをチェック!)