もうひとりで悩まない。あなたの悩み、《VRC悩み~ティング》で分かち合いませんか?【寄稿】

ひとりで悩み、抱えていませんか?
どんな悩みでも構いません。あなたの悩みが誰かのために、誰かの悩みがあなたのために。グループワークを通じて皆の心をちょっと軽くする。そんなイベントがこの《VRC悩み~ティング》です。

《VRC悩み~ティング》とは?

精神科で精神保健福祉士として働いているPAY2さんが主催するイベントで、グループワーク形式で行っていく“悩み”について参加者の方と語り合うイベントです。毎週水曜日21時から行われています。

PAY2

専門は臨床福祉学で特に精神保健福祉分野におけるグループワークや対話論、実存分析について学んでいます。メタバース上ではこれらを取り入れたグループワークがメンタルヘルス支援になるのではとこのイベントを企画しました。

スタッフさんの進行の下、悩みを持っている方が悩みを話し、それを聞いた皆がそれぞれ意見を言うという形式でグループワークは行われています。これにはいくつかの約束事があり、
 ・否定はしない
 ・無理に話さない
 ・話を遮らない
 ・主語は私で

ということを守りながら悩みを分かち合っていきます。

悩みはあるけどどんなイベントなのかまずは見学したい方や、悩みはないけど興味がある方でも参加は可能です。参加したからといって悩みを話さなければならないわけではなく、誰かの悩みの分かち合い、つまり悩みを聞く、そして自分の共感したことや感じたこと、思ったことを話す。そうして誰かの手助けができる――そういった意味で参加するだけでも十分有意義なイベントです。

PAY2

グループワークで大切にしているのは、悩みを解決することではなく、“悩める人としての主体性”に気づいていただくためのサポートです。グループワークや対話を通じて、誰もが自分自身と向き合いながら他者との関わりを深め、安心して悩める場づくりを目指しています。

イベントの流れ

開催日時:毎週水曜日 21:00~22:30
(Xの公式アカウントで告知:https://x.com/VRC_nayameeting
参加方法:PAY2にフレンド申請してReq Invite

21:00 リクイン受付開始
21:10 事前説明・スタッフ紹介
21:20 グループワーク
22:25 集合写真撮影
22:30 終了

スタッフ紹介

PAY2<主催>
精神科で精神保健福祉士として働いています。精神保健福祉、対話論、実存分析をベースに現在は哲学における実存主義や他者論についても学びを深めることで、根源的な部分から自己や他者について洞察することで、より深いレベルでのメンタルヘルス支援に繋げられるよう自己研磨を重ねています。『病まずに悩む』がモットーで、好きな言葉はフランクルの「それでも人生にイエスと言う」です。
最近はまってるもの→焼肉屋巡り

のそ<スタッフ>
精神科で看護師をしています。人のお話を聞くのが好きなので、皆さんのお話を聞けることを楽しみにしています!イベントを通じてみなさんと心地良い時間を過ごせることを楽しみにしています!​
最近はまってるもの→お酒、Vtuber鑑賞​

●kakipi<スタッフ>
大学院で心理学について研究しています。人と話さないと死ぬ病に罹患しています。イベントを通じて私の病を癒してください。よろしくお願いします!​
最近はまってるもの→パン作り、ウィスキーの買いあさり​

参加した方々の感想

PAY2さんの言ってた言葉で覚えていることがあって、自分が不安がっているときに「この場所は最終地点だから。このイベントだけは見捨てないから次回も安心してきていいよ」と言ってくれたのがずっと心に残っている。VRCで嫌なことがあってもどんなにネガティブになってもここには来れるんだとその言葉が支えになっている。

最初の頃こそ本当にダメダメで自分の命絶ってやろうかと思うレベルだったけど、そんな中PAY2さんと初めて会ったとき言われた言葉が「人生は後ろ向きにしか理解できないが前向きにしか歩けない」だった。後ろ向きながら歩くとこけてしまうので、今その悩みは振り返っていい時間だし、振り返って落ち着いたら前向く準備したらいいかもねっていう話をして、それからここに通って、通う中で悩みの中にいることって別に悪くないなって思えた。悩みの中にいることは悪くなくてそこにいれるようになって、このイベントに出会えて良かったです。

私がこのイベントで良いと思ったのは、自分ってひとりじゃないなと思えること。普段みんな悩んでるということをを皆の前に出さないからそこに孤独を感じてしまうけれど、違う悩みでも自分の悩みと通じるところがあったり、自分のほかにも悩んでる人がいるんだってわかるだけでも孤独感が薄れて自分だけじゃないなって安心できるので、このイベントは人を孤独のままにしないでくれるいいイベントだなと思っています。

私視点の話なのですが、最終的には自分でちゃんとそういう行動をしていかないと悩みって解決しないものだと思っていて、だからこの場は表の私がなかなか素を出したり言いたいことって言えない、傷ついたりしてもたまっちゃう人なので、自分の素を出す練習の場として来ています。ここで素を出してコミュニケーションを練習して、少しでも他に活かせたらなと思います。

VRCってそもそも楽しむために始めた人が多いゲームよりのSNSで、なかなかネガティブな悩みを話すことって難しいと思うのだけど、こういった悩みを話すイベントというのがあるおかげで自分の中のマイナスを出せる場所があるということが助かっている。悩むことは自分が見たくないことを見るというスタミナがいることなので、自分だけでやるのは難しいから、こういったイベントで悩みに触れることができるというのは大きい。

このイベントは非常に興味深いイベントで、私自身がこの場で話したこともあって、今までの自分にない視点がもらえたし自分ってそういったことに悩むんだという気づきも得られ、悩みと言う形で吐き出せる場ってなかなかないのでこれからも参加したい。

グループワークをVRCでやる意義

グループワークとは?
一般的に「グループワーク」とは、複数人が同じ目的や課題に向かって協力し合う活動や作業形態を指します。教育現場や企業研修など、さまざまな場面で取り入れられています。

近年、社会全体でメンタルヘルスに対する関心が高まり、早期予防や多様な支援の必要性が強調されています。これに伴い、メタバースプラットフォームの一つであるVRChatを活用し対話型のグループワークがメンタルヘルス支援となり得るのではという気づきからイベントははじまりました。

「VRC悩み~ティング」というグループワークはいくつかの理論や技法を組み合わせ、悩みの共有から生まれる新しいメンタルヘルス支援の可能性を模索することを目的としています。

メタバース特有の匿名性とアバターを介した豊かな自己表現は、グループワークを通じて安心して悩みを共有できる心理的安全性を高め、参加者同士の共感や他者理解を促進すると考えます。これは、物理的・社会的制約を超えて人々が交流し、意見交換を行えるメタバースの利点を活かすことで、従来の対面型のアプローチと同様な効果をメタバースという新しい空間でも再現できることを示唆しています。

これまでの経緯

  • 5年来の友人から誘われて始めたVRChat、メタバースで出会う人達の中には人間関係、仕事、病気、恋愛など様々に苦悩する人達がいた。大学時代の専門領域は精神保健福祉で、その中でも特にグループワークを積極的に学んでおり、メタバースという空間が、コミュニティ活動の新たな場として機能する可能性があると体感し、メタバース上での実践を始めようと考えた。
  • メタバースプラットフォームの1つVRChatで「VRC悩み~ティング」というイベントを開催し、様々な悩みを持つ人とのグループワーク実践を始めた。
  • 実施者によるイベント中の参加者の言動の観察、グーグルフォームによるアンケートから参加前後の気分の変化などについて調査を行い、効果判定を実施した。
  • 2024年5月29日から2024年11月末時点で、のべ300人以上とグループワークを実施。
  • 2024年12月15日日本精神障害者リハビリテーション学会第31回東京お台場大会にて実践を口演発表。
  • 2025年1月からスタッフを増員、ワールドも新しくなり、より多くの人にグループワークを広めていくよう活動中。

企画概要

イベント名:VRC悩み~ティング
開催日時:毎週水曜日 21:00~22:30
参加方法:PAY2にフレンド申請してReq Invite

X公式アカウント:VRC悩み~ティング(https://x.com/VRC_nayameeting

投稿者プロフィール

降谷凪
降谷凪
VRChatで主に言の葉堂(FM言ノ葉)に小説や詩を投稿。またイベントのワールド制作、ツイッター告知文などのキャッチコピーを考えるコピーライター的な活動も行っている。