己の血を用いて相手を打ち倒せ。5/29(水)公開予定の『VRブラッドリコール』を先行体験してきました!

5/28 19:20 修正(20:30 再修正)

ゲーム内容の説明の補足について、『ブラッドリコール』公式サイト内のゲーム説明書へのリンクを紹介していた部分をシエラゲームズさん制作のプレイルールの説明動画の紹介に差し替えました。(20:30 紹介動画をXポスト付属のものからYouTube動画に変更)

6/2 14:20 追記・修正

ワールド公開時に追加となった要素の紹介を記事末尾に追記しました。また、内容の変更に伴い、記事中の説明書(サマリーカード)とゲーム内処理自動化ボタンの写真を差し替えました。

『VRガンナガン』を手掛けた団体である一般社団法人REARVが『想起血戦カードゲーム』BLOOD RECALL(ブラッドリコール)をVR化し、5月29日(水)に『VRChat』内でゲームワールドを公開する予定です。

本記事では、先日行われた先行体験会の模様を通して『VRブラッドリコール』の魅力について紹介していこうと思います!

先行体験を行うゆーてる編集長

カードゲーム『ブラッドリコール』について

『ブラッドリコール』はアナログゲーム制作集団『シエラゲームズ』が発表した1~2人用のカードゲームであり、『ガンナガン』プロデューサーのZUME氏が本作のプロデュースも手掛けています。

クトゥルフ神話がゲームのモチーフとなっており、一人用モードでは<神話的狂気>の神々を相手に戦います。

ゲームの流れー勝利条件は『相手のライフをゼロにすること』のみ!

6種の人器(武器)。各カードの上部に(その人器が使われた)年代が表記されています。
また、1つの人器につきそれぞれ2つのブラッドリコール(必殺技)が存在します。

プレイヤーは武器である人器と必殺技であるブラッドリコールを1つずつ選び、人器に設定されている『年代』が古いプレイヤーが先手となって対戦を始めます。

ゲームはメインフェイズ血戦フェイズクリンナップフェイズの順に行われます。

メインフェイズ

メインフェイズでは『カードのプレイ』『自傷』『カード強化』『想起(場にあるカードの購入)』の4つのアクションを自由な順番で行うことが出来ます。

各プレイヤーは攻撃力1の<斬アーツ>カード4枚とプレイする(場に出す)事によってブラッド(リソース)1を得られる<血アーツ>カード6枚のうち、選択した人器に定められた枚数を手札としてプレイを行います。

同じ種類・威力を持つアーツカードを強化(例えば、攻撃力1の<斬アーツ>カード2枚を所定のエリアに送ることで攻撃力3の<斬アーツ>カードを1枚入手可能です)しつつ、自傷によってダメージと引き換えに得たブラッドも使って場にある強力なカードを想起し、それぞれのカードをプレイしてそのターンの自分の攻撃力を確定する、というのがメインフェイズでの行動の大まかな内容になります。

血戦フェイズ

血戦(戦闘)の模式図(公式ホームページより)
手札カードの合計攻撃力の差が相手へのダメージになります。

先手、後手がそれぞれメインフェイズを終了したあとに血戦(戦闘)フェイズが行われ、先手と後手それぞれがプレイしたカードの攻撃力の合計の差がダメージとなります。

先手の攻撃力を見てから後手が相殺することができる』という戦闘システムはこのゲームの大きな特徴の一つと言えるでしょう。

クリンナップフェイズ

クリンナップフェイズでは、双方のプレイヤーがプレイしたカードを全て自分の捨て札に送り、自分の人器に定められた枚数だけデッキからカードを引いて手札にします(カードが足りない場合は手札をシャッフルしてデッキを再構築することが可能)。ただし、直前の血戦フェイズで受けたダメージ分のブラッド(リソース)は場に残り、次回のメインフェイズに持ち越して使用することが出来ます。

そして、直前の血戦フェイズでダメージを与えたプレイヤーが先手となり、再びメインフェイズを開始します。

このようにしてプレイを行い、最終的に相手のライフをゼロにしたプレイヤーが勝利となります。

ダメージを受ける事で逆転のチャンスが!

ここで重要になってくるのが自分のダメージ量に応じて得られるブラッド(リソース)を使って強力なカードを想起(購入)できるという要素です。

このゲームでは、<血アーツ>カードと対戦相手からのダメージ、そして人器を用いて自分自身にダメージを与える自傷(人器によって自傷によるダメージ量や追加効果が異なります)によって得られるブラッドを使って強力な威力を持つ「リコールカード」を場から想起し、その場でプレイすることが出来ます。

リコールカードの一つ『葬送の黒』

上記『葬送の黒』の場合、購入に必要なブラッドは9と高価である一方、追加のブラッドを支払えば最大18の攻撃力を得られます。プレイヤーの初期ライフは20なので、これ一枚で勝敗を大きく左右するレベルの強さです。

リコールカード(【想起者】の記憶)の一部(公式ホームページより)

リコールカードはこの他にも自分のデッキを強化するものや相手を妨害するものなどがあり、これらをブラッドで購入する事で『(時には自分自身で)ダメージを受ける事で逆転のチャンスを得る』ことが可能となっています。このゲームが『極限の瀕死体験』と呼ばれているのはこのゲームシステムによるものです。

以上で説明したゲームの内容は基本的なものであり、記事内での説明を省略したゲーム要素は他にもあります。
プレイルールの説明動画がシエラゲームズの公式YouTubeチャンネルで公開されているほか、『VRブラッドリコール』のワールド内に説明書が掲示されていますので、プレイの際はそちらを参考にしてください!

『VRブラッドリコール』内の説明書(サマリーカード)
Localオブジェクトとなっており、ずっと手元に持っていても怒られる心配はありません

ブラッドリコールの大まかなゲーム内容と特徴の説明はこのぐらいにして、ここからは『VRブラッドリコール』の特徴について説明していこうと思います。

『VRブラッドリコール』の特徴

世界観に沿ったゲームワールド

記事冒頭に紹介したポスト(ツイート)にある通り、『VRブラッドリコール』の舞台となるワールドは『赤海の旧図書館』と名付けられており、『ブラッドリコール』の世界観に沿ったものとなっています。

一族の血に眠るとされる古き赤海の旧書庫
時の止まったその部屋に血廻想起者は生涯で二度訪れる。
一度目は希望の中で生れ落ち、血廻想起者としての役目を受ける時。
二度目は絶望の中で終わり果て、血廻想起者としての役目を終える時。
君はどちらの理由でこの地を訪れたのだろうか?

https://x.com/thyella_games/status/1790684572348452933
ワールド内の窓からの景色。よく見ると満月付近の雲の影から<神話的狂気>の姿が。

『VRガンナガン』と同様の、快適なVRカードプレイを提供するギミック

『VRガンナガン』で提供されていたVRカードゲーム用のギミックである「High-end Analog Game Experience」(高品質アナログゲーム体験)が『VRブラッドリコール』にも採用されています。

高品質のカード

一人用モードで対峙する<神話的狂気>たちのカード
(※『VRブラッドリコール』の一人用モードは制作中であり、今後実装予定です)

ゲームカードはリアルと見間違うぐらい精細に作られており、カードの厚み、傷や痛みまで再現されています。

手札ボール

手札をまとめて持つ手札ボールが各プレイヤーにつき一個ずつ用意されており、複数枚のカードをストレスなく持ち歩くことが出来ます。所有者以外に表面が見えない仕組みも搭載されており、対戦相手に手札を見られないか気にする必要もありません!

カードが吸い付くテーブル

ブラッドリコール(必殺技)カードを選んでセットしている様子。
『BR』と書かれたスペースにカードが吸い付いているのが分かります

カードをテーブルの近くで離すと所定の位置に吸い付く仕様になっており、これも快適なプレイ体験の助けとなっています。

進化した自動化システム

『VRブラッドリコール』では手札デッキが無くなった際に捨て札をシャッフルして組みなおすデッキ再構成クリンナップフェイズの処理、血戦時のダメージのやり取り……といった手間の掛かる処理をワンタッチで自動で行うボタンが設置されています。

赤色のカードが置かれたときにプレイエリア上部にカード(ブラッドカード)も生成されます

また、場に出たカードの種類を自動的に判別し、攻撃力と獲得ブラッドを自動で計算してくれるシステムも存在しています!

上記の動画を例に説明すると、赤色のカード(<血アーツ>カード)を置かれたときにテーブル中央にある『血(ブラッド)』の数値が、白色のカード(<斬アーツ>カード)が置かれたときに『攻撃(力)』の数値がそれぞれ自動計算され、増加しています。

計算やカード移動の手間が省けるため、より快適かつスピーディーなゲームプレイが可能です!

(※ワールド開発団体のREARVさんによると『自動化システムは現在UIの調整中であり、今後変更あり』とのことです)

ワールド内の人器で『自傷』ができる!

自らダメージを負う事でブラッドと人器固有のメリットが得られる自傷の処理も先ほど紹介した【契告書】内のボタンを押すことで行うことが出来るのですが……実はもう一つの方法が用意されています。

これがその“もう一つの方法”のための道具。ゲーム内に登場する刀型の人器『ヒヒイロガネ』を再現したもので、各プレイヤーにつき一個ずつ用意されています。

自傷時にはエフェクトが出ます。
同時にプレイエリア内ではダメージ計算とブラッド獲得の処理が行われています!

逆刃の付いた刀であるヒヒイロガネの刀身を触る(刀を握ったままもう片方の手で刃部分をuseする)ことで自傷の処理が行われます。結構格好いいので、実際にプレイする際には試してみてほしいです!

プレイした感想

筆者も実際にプレイしましたが、『相手のライフをゼロにしたほうが勝ち』というシンプルな勝利条件のゲームである一方、記事でも紹介した『ダメージ量に応じて強力なカードを入手するためのブラッド(リソース)が得られる』『前のラウンドでダメージを受けたプレイヤーが常に後攻となり、相手の出方を見てプレイ内容を決められる』というシステムが一方的な試合を許さず、一発逆転を可能にしているゲームだと感じました。

カードプレイを快適にする様々なギミックの存在もあり、とても快適かつスリリングにゲームを楽しめました。

『VRブラッドリコール』は『VRChat』内のワールドとして05/29 20:00にPublic公開予定です。また、ワールド公開後の5/30(木) 06/13(木) 06/27(木)には『VRブラッドリコール』の体験会も予定されています。REARVの公式X(twitter)アカウントで詳しい情報をチェックしましょう!

公式アカウント

公式X(twitter)アカウント

・一般社団法人REARV(『VRブラッドリコール』制作団体)  https://x.com/REARV_Tw

・シエラゲームズ(原作『ブラッドリコール』制作団体) https://x.com/thyella_games

原作『ブラッドリコール』公式ホームページ

・公式ホームページ https://thyella-games.com/blood-recall

・シエラゲームズ公式BOOTHショップ https://thyella-games.booth.pm/

BOOTHショップでは原作ゲーム本体のほか、ゲームのイラストが描かれたカードスリーブやA4サイズ122ページ(!)にわたって綴られた設定資料集も販売されています。原作ゲームに興味を持たれた方はぜひ。

『VRブラッドリコール』公式初心者体験会

・開催日時 5/30(木) 06/13(木) 06/27(木) 22:00~24:00(開場 21:45)
・参加方法 VRChatグループ『REARV CAFE』または(REARV代表理事の)とむこ(TOMCO)さんにJoin

(6/2追記) 公開時に追加されたワールド内ギミックを紹介!

上記記事は5月中旬に行われた先行体験会を元にして執筆されましたが、その後ワールド公開時までに様々なアップデートが行われ、ワールド内の説明書や自動化システムのUIの改善の他に様々な要素が追加されました。ここでは3つの追加要素について紹介していこうと思います!

チルエリア『還るべき場所』追加

待ち合わせや休憩所として使えるチルエリア『還るべき場所』が新設。

『ブラッドリコール』の主人公でありプレイヤーの分身である『あなた』が『星宿の白』と共に過ごした部屋がモチーフとなっています。一見現代的なアパートの一室のように見えますが、部屋のあちらこちらに二人の生活の跡や世界の終末を感じさせる物が置かれています。

かつて『星宿の白』が旅立ったドア。本ワールドではプレイエリアである『赤海の旧図書館』に繋がっています。

『ブラッドリコール/還るべき場所』では「白」と「あなた」の生活の営みが垣間見えます。

https://x.com/thyella_games/status/1795745315859157137

家紋カードの実装

6枚の家紋カード。それぞれ上にある人器と対応しています

原作カードゲームの拡張パック『最期ノ詩』で登場した家紋カードが『VRブラッドリコール』にも。

各プレイヤーの人器の決定プロセスについて、『ブラッドリコール』の説明書には『各プレイヤーは無作為に配られた3枚の人器カードから1枚を選んで同時に公開する』とありますが、家紋カードを代わりに用いる事でこのプロセスをスムーズに進めることができます。

ワールド内の人器で『血戦』も行えるように!

ワールド内に設置されている人器『ヒヒイロガネ』を用いて自傷が行えることを記事中で紹介しましたが、それに加えて血戦も行えるようになりました!

ヒヒイロガネを握った時に現れるオレンジ色のキューブを斬ることで血戦フェイズの処理が自動的に行われます。

自傷と同じく格好いい演出になっていますし、相手に刀身を当てる必要も無いので、ぜひこちらもプレイ時に試してみてほしいです!

投稿者プロフィール

きっどえー_ kidA_jp
きっどえー_ kidA_jp
VRの世界に生きる「少年A」……なつもりの人。