6月4日にVRChat上で開催されるVR-eスポーツ『VRCボクシング大会 新人杯』が開催され、ゲストチーム含めた24人8チームから見事BD2チームが優勝を果たしました。
今注目VR×スポーツの人気競技。
数多の強豪チームを抑え優勝に至るまでのテクニック、大会当日までの心境、そしてVRCボクシングにかける想いをVRCボクシング主催のtorisan1048さんと一緒にお伺いしました。
※本記事は6月4日(土)に行われた『VRCボクシング大会 新人杯』の優勝特典インタビューです。
楽しむことが第1目標
ーー改めて、優勝おめでとうございました!
3人1チームの団体戦形式の大会ということでしたが、事前に作戦などは決めてましたか?
ーーなるほど。BD2さんが定めた第1目標が活きた試合も多くあったと思います。
例えば、第1試合第1ラウンドのFIRE_EAGLEさんの試合。相手が残り体力を確認した一瞬の隙を突いた一閃は本当に見事でした。
常に相手の動きをみて自分が当てたパンチを計算しながら戦っていました。
「この人ならそろそろ仕掛けてくるだろう」「ヘビーパンチを溜めたらこういう動きをしてくるだろう」という”人読み”は、色んな相手とたくさん試合をして場数を踏んで覚えました。
試合より今のほうが緊張してない?(笑)
FIRE_EAGLEってめっちゃ強いんですけど実はプレッシャーに弱いんです。
そりゃもちろん。緊張してますよ。
ガチガチに固まってるよね。
なんか悪い事して調書取られてる人の答え方してるもん。
ーー優勝の決め手となった中堅戦最終ラウンド、ロープを背にしても焦らずキチンとガードを固めるkutajinさんの堅実な立ち回りがとても印象的でした。
ラウンドを制し優勝が確定した瞬間はどういう気持ちでしたか?
あの時は本当に勝てると思ってなくて、自分が負けてゴングが鳴ったんだと勘違いしてました・・・。(笑)
10回くらい「勝ったよね?」ってメンバーに聞いてました。
kutajinのファイトはマジで良かった。
決勝戦前は「ガードを固めて」としかアドバイスしてませんでしたが、正確にガードをしてしかもちゃんとパンチを返してて良かったです。
ーー疲労も緊張もピークな極限状態でもアドバイスを思い出しながら冷静に立ち回れる強靭なメンタルを持ってたんですね。
チームメイトが常に声かけをしてくれたおかげで試合中も冷静さを保てたというのが大きいです。
ーー優勝コメントやインタビュー内でもBD2さんからは「楽しむ」というワードをよく耳にしますが、やはり「楽しむ」ことが強さの秘訣なんでしょうか?
秘訣かどうかは分かりませんが、楽しまないといつか絶対飽きちゃって練習しなくなると思うんですよね。
ボクシングを楽しんで楽しんで楽しみつづけて気づけば大会当日だったって感じです。
VRCボクシングの先を見据えたトレーニング
ーー大会に向けてどんなトレーニングをしましたか?
筋トレとランニングをしました。
20キロ走って、懸垂やスクワットをやって、VRCボクシングワールドに行くというルーティンです。
ふたりが色々頑張ってるのは知ってましたけど、僕は特に何もしてません(笑)
全員ではないんですが練習会の時に撮影した動画を他チームの人と共有したり、チームとか関係なく色んな人にアドバイスをしてました。
ーー他チームにもアドバイス!?敵に塩を送って良かったんですか?
敵というより「相手してくれる人」って考え方です。自分達だけ強くなろうと思えば全然できますが、みんな仲間ですから。
仲間と一緒にレベルを上げていくほうがVRCボクシング全体が良い方向に進むと思っています。
BD2さんは男の中の男ッス。
チームを組んで思った事
ーー先鋒、中堅、大将のポジションってどうやって決めたんですか?
試合が延長戦にもつれ込んだ場合、体力的に先鋒が戦うことになるのでそれを想定して実力のあるFIRE_EAGLEを先鋒にしました。
プレッシャーに弱いFIRE_EAGLE的にも、先鋒のほうが試合に集中しやすいだろうという狙いもあります。
「このチームで良かった」と安心したのが2回戦の中堅戦でした。
緊張感のある中でkutajinがしっかり白星を挙げた時に彼の『本番の勝負強さ』に気づいたんです。
2回戦まで安心してなかったの?!
そんなぁ~!!
個々の能力が飛びぬけて高い訳ではないですが、互いに声を掛け合い、極端に緊張せず試合に臨めた点が結果に繋がったと思います。
ーーチーム戦は「誰にどのポジションを任せるか」っていう難しさと面白さがあると思います。
ちなみに、3人でチームを組んで頑張ろう!ってなった時はどういった心境でしたか?
ふたりの足を引っ張らない、迷惑かけないようにしようって思ってました(笑)
「それネガティブだからやめろ!」って言ったもんね(笑)
“日に日に大会が近づいてくる”っていう緊張がヤバかったです。
そんなときでもBD2さんが「大丈夫だから」って言ってくれて助かりました。
前回大会のチャンピオンというプレッシャーもありましたが、大将として無様な姿をみせたくない気持ちでした。
もちろんそういう状況も楽しむことを前提にしてます。
ーー『信条をブラさず大会で結果を出す』『チームをまとめる』両方やらなくっちゃあいけないのが大将の難しいところです。
BD2さんのBはブチャラティのB!
個人の目標とVRCボクシングの展望
ーー未来を見越して練習を重ねてきましたが、今後の目標はありますか?
今の僕って個人戦になったら1回戦突破も怪しいくらいの強さなんですよ。
大会もFIRE_EAGLEさんが全部勝ってくれたから僕は何も背負うことなく試合に臨めたので、次はちゃんと練習して自分の実力だけで上がっていきたいです。
個人戦団体戦と2回チャンピオンになっているので、次は3回目チャンピオンを狙います。「楽しむ」という信条は忘れずに。
目指すは最強ですね。
torisan1048さんを最強の座から引きずり下ろしたい。
ーー最強の座は誰もが憧れますよね~。試合前公式記者会見とか開きたい!
煽りVTRつくりますか(笑)
FIRE_EAGLE、俺とやる時は12ラウンドでいこう!
じゅっ・・・12ラウンド了解!ヨシ!
ーー大会毎に注目度が上がるVRCボクシングですが、界隈全体として展望はありますか?
先ずはVRCボクシング界隈が大きくなってほしいです。
人が増えてたくさん試合が出来る様になったら色んな人と戦えて強くなれる。
私としては有名人と殴り合いがしたい。
僕も同じで100人規模の大会やリーグ戦が出来たらいいなって思います。
でも人が増えたらtorisan1048さんみたいにリアルのボクシングのライセンスを持ってた人もどんどん入ってきて・・・。そしたら流石に勝ち目なくなるぅ~。
ーーVRCボクシングで現職国会議員と試合をやった経験がある私としてはFIRE_EAGLEさんの想いにとても共感できます。様々なしがらみを取っ払いフラットな目線で挑めるのもVRCボクシングの魅力ですよね。
そうですね。だから体力や年齢を理由にVRCボクシングへの挑戦を諦める人がいなくなるといいな。今は大会を目指す人が多いですが、体を鍛えるためにVRCボクシングをやる人が居てもいい。もちろん両立も可能だと思います。
自分はふたりと比べてだいぶ年上ですが頑張れば結果に表れます。
ハードルは決して高くないですし、まずは参加してみてほしいです。
私たちはどうしてこんなに熱くなるんだろう
ーー私は過去に2度VRCボクシングさんの公式大会に出場させていただき選手と一緒に練習させていただいたんですが、あの時感じた情熱は今も強烈に記憶に残っています。
なんか不思議なんですよね。『私たちはどうしてこんなに熱くなるんだろう』って。
この『熱量』がメタバースを変えていく何かに繋がりそうな予感がしています。
BD2さんが何回も言ってる「楽しむ」ってVRCボクシングへのひとつの対抗案であり、立ち向かい方だと思うんです。
これまでたくさんの選手をみてきましたが、行き過ぎて自分をコントロール出来なくなってしまう人や勝ちに拘り過ぎて自身を追い込んでしまう人もいました。
「俺は本当はこうなりたい」「こういう結果がほしい」っていう感情や、自分が獲得したいもの、自分の望みを叶える行動が起こしやすいこの世界に対してどう立ち向かうのか。
そういった勝負にみんな熱くなっているんだと思います。
ーー貴重なお話ありがとうございました!!
■VRCボクシング大会新人杯 配信アーカイブ
https://www.youtube.com/watch?v=pWWcAgXjg8Q
■VRCボクシング公式Twitter
https://twitter.com/VrcBoxing
主催:torisan1048(@torikinoco1048)
BD2チーム:BD2EXAM(@BD2_VRC)
kutajin(@kutajin2)
FIRE_EAGLE(@FIRE_BRE4K)
写真提供:かつら(@kkatura_vrc)
一切考えてませんでした。
自分は「大会を楽しむ」というのを第1目標にしていて、それをチームメンバーに伝えていました。
勝とうと思えば思うほど緊張して体が動かなくなってしまう。
だからあまり勝ち負けに拘らず、まずは大会を楽しもうって。