昨年(2024年)8月以来となる『ましろ小劇場』主催のVR演劇『孤剣の月』が6月6日(金)~8日(日)にかけて『VRChat』内で公演予定です。

『バーチャルライフマガジン』でも紹介記事を掲載した前回公演『明後日は終末』と同じく、脚本は静岡県内で2013年より活動している『演劇ユニットHORIZON』の草野冴月さんによる書き下ろし。主催および演出をVRインプロ(台本無しで行われる即興演劇)集団『白紙座』の主宰でもあるめどうさんが行っています。
めどうさんから事前にお聞きした話によれば、
「本作品は幕末の京都を舞台とした30分ほどの短編演劇作品で、注目ポイントは本格的な殺陣です。他にも、没入感を高めるためのギミックや工夫を盛り込んでおり、昨年から更にパワーアップした観劇体験をお楽しみいただけるよう稽古を重ねています」
とのこと。
その内容を、今回ご招待いただいた通し稽古(プレ公演)の模様を通じて紹介していこうと思います。よろしければ最後までご覧ください!

本記事で掲載している写真は通し稽古時のものであり、本公演では衣装や演出などの一部が異なる可能性があります。ご了承ください。
目次
『孤剣の月』あらすじと登場人物
あらすじ
京都見廻組の新人隊員「末継朔太郎」は、ある日、島原の遊女が次々と襲われる事件に出くわす。目撃者の話を聞くと、下手人の特徴は、かつて命を救われた鬼『朧』に酷似していた…⻤の角のような、一振りの刀のような三日月が輝く夜の話。
登場人物(カッコ内は役者名)

主人公『末続朔太郎』(aawayさん)


左:鬼『朧』(ジンライさん)
右:島原(京都市中の遊郭)にある置屋の若旦那『桂屋』(sweet【甘王】kingさん)


左:朔太郎の同僚『本望』(めどうさん)
右:島原の遊女『弓張』(季 -TOKI-さん)
より迫力があり、没入感が深まる舞台を。演出の注目ポイント
本格的な殺陣

最初のポイントは何と言っても殺陣。主役のaawayさんを始め殺陣の演技を今回初めて行う出演者が多い中、半年以上かけて基礎的な動きや『型』の習得を始めとした稽古を積んできたという殺陣は実に本格的。舞台中何度も行われる殺陣は激しさと同時に美しさをも感じる内容です。
殺陣の監修・指導を行った『朧』役のジンライさんによれば「出演者の癖や登場人物の個性に合わせて殺陣を組み立てた」とのこと。各登場人物の戦い方の違いが劇中でしっかり表現されているのも見どころの一つです!

パワーアップした観劇体験
前回公演の時と同じく「リアル世界の小劇場にいるような演劇体験」を目指している『孤剣の月』ですが、今回の公演では「観客が舞台に没入できるような工夫」が多く行われていると感じました。その具体例をいくつか紹介しましょう。
照明へのこだわり


会場である『ましろ小劇場』には多くの照明器具が配置されています。『孤剣の月』の公演において、ここから実際に舞台と出演者を照らす光が出ています。


舞台上の陰影を用いた演技・演出も多くあり、舞台に奥行きを感じることが出来ました。ぜひ公演の際は照明にも注目してみてください!
場面転換の多さとスムーズさ




前回公演の『明後日は終末』は舞台転換の少ない内容でしたが、今回は多め。建物や木々といった大道具が多くある舞台装置が10秒ちょっと、場面によっては3秒足らずの暗転時間で音もなく切り替わるのには驚きました。リアル世界の小劇場以上のスムーズさで行われる舞台転換も、見どころの一つだと思います!
劇を見た感想 ~ぜひ『物語』を楽しんでほしい!~
……と、ここまで演出面について色々と紹介してきましたが、通し稽古を観た筆者としては「演出面以上に『物語』の内容がおすすめ」という事をお伝えしたいです。


島原の遊女を襲ったのは本当に『朔太郎』の命の恩人である『朧』なのか?そうだとして何故鬼が遊女を、そして遊女の在籍している置屋の若旦那を襲う必要があったのか……事件の謎とそれを取り巻く登場人物5名が織り成す物語は本当に構成が巧みで、そして感動的でした。
それに加えて出演者の演技も本当に素晴らしかった……今回が舞台演劇初挑戦の出演者も居るという事でしたが、演技を通じて出演した5人全員がそれぞれ強い存在感を示していて、上演時間約30分という短さを感じさせないほど物語に引き込まれてしまいました。特に『桂屋』と『弓張』役のお二人の『京ことば』による演技は凄かった……(脚本の草野さんなどから指導を受けつつ『京ことば』の習得に努めたそうです。アクセントまで完璧な『京ことば』も聞きどころです!)
殺陣だけでなく、出演者の皆さんの演技、そして何より物語に是非とも注目してほしいです。

『孤剣の月』は『VRChat』内で6月6日(金)~8日(日)の3日間、計5回の公演を予定しています。
YouTube配信も予定されていますが、「リアル世界の小劇場のような」VR劇場の中の観劇の方がより舞台を楽しめると思います。事前予約の上、ぜひ当日見に行っていただければと思います!
公演情報
本公演の観覧には事前予約が必要です!当日会場に入場するためには事前に専用サイトから無料チケットを申し込んでおく必要がありますのでご注意ください。
1.専用の予約フォーム(https://mashirotheater.com/reservations/010)から希望する公演日時を選んで申し込む
2.予約に使用したメールアドレスに届いた『参加用URL』をクリックし、ブラウザ経由で会場のワールドに入場する
(※ましろ小劇場の『参加ガイド』の欄に入場方法のより詳しい説明や鑑賞時の推奨設定などが掲載されています)
YouTubeの『ましろ小劇場/白紙座』チャンネル内にて『孤剣の月』のライブ動画配信が予定されています!
公演後はアーカイブ動画の公開が予定されています。
バーチャル劇場『ましろ小劇場/白紙座』チャンネル https://www.youtube.com/@hakushiza
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・6月6日(金) 22:15開場/22:30開演
・6月7日(土) 20:45開場/21:00開演
・6月7日(土) 22:15開場/22:30開演
・6月8日(日)20:45開場/21:00開演
・6月8日(日) 22:15開場/22:30開演