語られない世界の終わり『終末~World’s End~』ワールドレビュー

突然ですが皆様は、『世界の終わり』と聞くと、どんな情景が思い浮かびますか?

朽ち果てた建物、水没した街、繁茂する植物、徘徊するゾンビ、吹き上がる火山、私がパッと思い付くのはこんなところでしょうか。

『世界の終わり』というものにはある程度、人口に膾炙(かいしゃ)しているテンプレート的なイメージがあるものだと思います。

終末~World’s End~

今回紹介するのも、そんな『世界の終わり』を表現したワールドの一つとなります。

ただしこのワールド、上記で例に上げたようなわかりやすい『世界の終わり』の表現はありません。

どこか無骨で寂れた部屋と、鉄格子の窓から見える景色、それがこのワールドの全てです。

そう、ここにはただ、堅牢な部屋があるのみ。

それなのに何故、解ってしまうのでしょう。

もうこの世界には自分以外の人間は存在せず、この部屋だけが最後の聖域だということが。

『何か』の侵入を防ぐかのように窓に張り巡らされた鉄格子。

いったい『何』から身を守るためにこの鉄格子は張られているのでしょうか。

外の世界では一体何があったのでしょうか。

鉄格子の隙間から覗く黄昏空は何も教えてはくれません。

ずっと同じ画面を映し続けるテレビと、鳴らないラジオが置いてあります。

もしかしたら、『いつかきっと誰かの声が流れるに違いない』、そんな淡い期待を抱いてこれらの物はあるのかもしれませんね。

壁に貼ってあるのは、かつてこのセーフルームにいた住人の写真でしょうか。

彼らはいったい、どこへ行ってしまったのでしょう……?

部屋の中には食料の缶詰もあります。

この部屋の食料が尽きる日もいつかは来るのかもしれません。

ですが、それまでは生き続けなければいけないのです。『人類最後の一人』として。

壁には謎のキーパッドが存在するので、もしかしたらこのワールドにはまだ隠された何かがあるのかもしれないです。

また、時計、ミラー、ビデオプレイヤーと、一通りの便利アイテムは設置してあるので、ホームワールドとして利用しても便利だと思います。

ワールドの雰囲気を壊さないためか、UIの表示スイッチがワールドに溶け込むように設置してあるあたりにワールド製作者様の心遣いを感じられます。

さて、いつか『誰か』が助けに来てくれることを信じて、少し眠りますかね。

おやすみなさい。

『終末~World’s End~』

投稿者プロフィール

浜名湖なこ
浜名湖なこ
浜名湖とは
静岡県西部に位置しており、南部は遠州灘に通じている。もとは砂州によって境される淡水湖が1498年の明応地震と高潮により、砂州が決壊し外海と通じ、汽水湖となった。汽水湖には海水と淡水の栄養素が集まるため、魚などの生物が非常に豊富で魚類401種、甲殻類59種、軟体動物84種と全国一の生物が生息しているとの調査報告がある。