書道でバーチャルと現実を繋げる『青柳美扇の世界個展』体験レポート

11月17日よりVRChatにて『青柳美扇ミュージアム』が公開されました。

さらに同日、東京都港区にて『第6回青柳美扇展』が開催され、バーチャルと現実を書道で繋げるようなイベントが行われました。

青柳美扇 書道家/アーティスト

1990年生まれ。フランス、アメリカ、中国をはじめ、世界10か国以上で書道パフォーマンスを披露。
~実績(一部抜粋)~
・サッカー天皇杯決勝でオープニングアクトを務める。
・『モンスターハンターライズ』の筆文字ロゴを担当。
・JRA『有馬記念』の文字を担当
公式サイトより引用

VRChat(バーチャル)会場

バーチャル会場に入場すると、青柳氏が書道パフォーマンスを披露している1枚の写真。

空間は和紙の白、墨の黒、朱墨の赤をベースにした色になっており、まるで「書道の世界にようこそ」と言われているように感じます。

直進することで先のエリアに進むことが出来ます。

進んだ先は『創造』と大きく書かれた和紙が飾られた和室。

畳と桜の香りが漂うような落ち着く空間に仕上がっており、フレンドとの待ち合わせに最適です。

パブリックインスタンスに入り初めましての方達をお話させて頂きました。

机には青柳氏のメッセージが書かれており、書の現代アートについて簡単に解説されています。

右上にある水色の蝶をインタラクトすることで場面転換。

DNA構造をした桜が僕たちを導いてゆき…

曇りが買った和風な橋に飛ばされてしまいました。

先に進むことで徐々に晴れてゆき…

頂上にたどり着くと、夏の青空を背景に巨大な風神雷神像が僕たちを歓迎してくれます。

現実作品の一つに、風神雷神の衣装や道具などを『美』の一文字で作り上げる作品があり、文字を型取りし鋳造して作り上げる現実の作品が存在します。

リアル会場に設置された風神雷神

バーチャルも現実も非常にそっくりな作りになっており、バーチャルと現実を風神雷神が繋いでいるような印象を受けます。

中心には太鼓が設置されており、ドンドンと叩くことで先のエリアに移動。

進んだ先には、黄金の鳳凰が秋景色と共に私たちを迎えてくれました。

中国では、鳳凰は『天地創造』『高貴な特徴』の象徴として尊ばれおり、欧米では『復興』『二度目のチャンス』を象徴するもの。

鳳凰の体、尾、頭部の装飾に至るまで、すべて美の文字でできています。その数、約5000枚。青柳氏がどのように解釈してこのような作品を作ったのか、非常に気になります。

さらに先に進むと今度は冬景色。静かに積もる雪道の奥に木製の建物が見えます。

もうお気づきの方もいると思いますが、本ワールドのテーマの一つに「四季」があります。

当ワールドはファンタズムセブンやメルヘン村などが代表作のタナベ氏が製作されました。

作品と、四季というテーマを美扇がタナベさんに投げて、「自由に会場を作ってほしい」と依頼した。本会場の完成に至ったそうです。

家のそばに置かれている『寒』の文字を薪にくべると…

展示会場に到着しました。

この会場では四季を超えた世界で青柳氏の作品を鑑賞することが出来ます。

漢字の意味に負けない力強さや轟轟しさ、そして優しさを感じることが出来ます。

他にも多くの作品が展示されており、青柳ワールドをバーチャルで体験することが出来るリッチな空間となっております。

リアル会場

11月17日~20日までの間、Polygon青山にて青柳氏の個展が開催されました。

入り口には先ほど紹介した風神雷神像

そばにQRコードが用意されており、STYLYアプリで読み込むと、ARで3Dモデルを鑑賞することが出来ます。

会場内に入ると、100点を超える書道作品が大小問わず壁一面に展示されていました。

近くで見れば見るほどに、和紙の質感、墨のにじみや跳ねを体感し、筆の複雑さを目の当たりにさせられました。

突き当りには青柳氏がヘッドセットを被りVRで空間に書道をするパフォーマンス映像が流れていました。

青柳氏の作品を見ていると、楷書、行書、草書など、書道でおなじみの書体を会得したうえで、漢字やひらがな等、本来の性格を可能な限り引き出してあげるような、そんなメッセージを感じます。

和紙を超えて空間に文字を書く行為、書かれた文字がどのような顔を見せるのか。

青柳氏の今後の活動にも要注目です。

会場案内