
バーチャルシンガーおはよう真夜中が企画。会場制作/演出を担当する天使まといによるショークリエイティブデュオまとまよ presents「おはよう真夜中5周年記念公演 VRミュージカルwish再演」がバーチャルSNS cluster にて5月3日(土)6月7日(土)7月5日(土)三公演に渡り上映される。

本記事では三公演に先がけ、4月26日に行われた公開ゲネプロの模様を舞台写真、昨年の公演との変化を交えお伝えする。
ショークリエイティブデュオまとまよとして迎える「VRミュージカルwish再演」この二人の表現と創作に共鳴したダンサー、パフォーマーたちと共に届けられた約一時間。
最高のVR体験への出会いとなる決意の物語のレポートをお届けする。
歌と表現への歩みを辿る物語
おはよう真夜中が本作の企画・歌唱を務め、会場・演出制作を天使まといが手掛ける「おはよう真夜中5周年記念公演 VRミュージカルwish再演」公開ゲネプロが4月26日に行われた。
共演者には少年役をなめこ、少女役をPOKKY、ダンサーにyamagoo、EnderYearが昨年同様に名を連ねた。

「VRミュージカルwish」は「いつもひとりだった」孤独を抱えた少女が歌に出会い、メタバースに出会い、希望を見つけるまでの軌跡を辿る物語。おはよう真夜中のシンガー、表現者としての歩み、喜びと痛みを歌とバーチャルならではの舞台演出を重ねながら体感する時間となっている。
公演内で歌唱される楽曲は全ておはよう真夜中オリジナル楽曲だ。
これまで数多くの舞台や挑戦をclusterを中心に展開しているおはよう真夜中。特に再演に至るまでの一年間は主戦場となる歌の舞台をこれまでの自身の範囲から広げ、クリエイターとの共演や同じく音楽の志、熱意を持った仲間との出会いから結成したバンド活動と、勢いを感じ続けてきた期間を経ての舞台公演。
「最高のVR体験を。メタバースのエンターテインメントをもっと広げたい」と公演前に公開されたまとまよインタビュー記事でも語っていた通り、自身にとっての昨年の集大成と語っていた公演を演出、表現としてもブラッシュアップ。劇中の歌唱でもこれまでの音楽ライブを観てきたオーディエンスはもちろん、この日たまたま足を運んだ「おはよう真夜中」とまだ出会っていない層にもメタバースでのクリエーションに心踊ったのではないだろうか。
「VRミュージカルwish」はメタバースでのエンターテイメントとしてはもちろん、ひとりのシンガーの物語として観劇。あるいはアプローチは違えど同じく表現や創作をしている者にとって自身の痛みと重なるシーンに想いを馳せるといった。それぞれの受け取り方で心向けることで、彼女の物語への深みと同時に自身のルーツをも感じられる時間になるはずだ。
ぜひ5月からの本公演を観劇する際は自身にとってこの公演から自身の中にある「動かされるもの」にも注目してほしい。
開演30分前の開場後もすぐさま多くのユーザーが会場に足を運び期待と注目度の高さを感じた。エントランスのフォトスポットやパンフレット、メッセージ。協賛企業のPR映像上映など開場前から「楽しんでもらう」工夫やアプローチが多数されていた。
特に観客席へ踏み入れた時の高揚感、劇場の質感にはバーチャル体験として驚くものがあった。ぜひ開演前に場内も見渡し、探索し開演の期待を高めて欲しい。

開演を告げるブザーを経て、ミュージカルは幕を開ける。
楽曲と舞台演出で体感するメタバースのエンターテイメント
晴天の下で少年(演:なめこ)と少女(演:POKKY)がとあるシンガーの歌を聴き入る何気ない会話のシーンから舞台は始まる。

公演のストーリーでも語られている「いつもひとりだった」とおはよう真夜中の独白に場面は変わり「歌うことが救いだった」と孤独感と緊張感を抱えながら一曲目の「midnight beat」で暗い中でも幻想的な光をまとい海底から歌を届ける姿が目に映る。
どこかメランコリックな歌声が印象的な浮遊感のあるこの楽曲とくらげ漂う海底の舞台演出、深い青に包まれながらゆらりと歌う姿に早速この物語に引き込まれる。
昨年の公演のアーカイブもこの機会に改めて目にしたが、歌唱面で比べるとこの公演全体を通して伸びやかな印象を受けた。これはこの一年間での技術的な向上もあるのだろうが、何より「多くの人に届けたい」想いがそうさせているのではないだろうか。歌唱中の所作や動きもどこか軽やかでより楽曲の世界観に溶け込んでいる印象を受けた。

深い海底での歌唱シーンから開けた海の世界に切り替わり、周囲もくらげから鮮やかな魚たちが泳ぎ踊るシーンへ。この公演の随所で体感出来る場面転換の演出は必見だ。
場内のコメントでは共にこの楽曲の印象的なフレーズを歌っている様子も届いていた。
小さなスマートフォンから始まったバーチャルシンガーとしての歩みの語りから、共演者四名がマスコットキャラクターまようさちゃんの姿で舞台に立ち大きな耳を振りながらかわいらしく踊る中、おはよう真夜中のフライング演出を交え「MOON LIGHT」へ。

思わず揺れながら聴きたくなるサウンドと歌声に合わせ、踊るまようさちゃんとの共演と照明演出のシーンは公演内でも屈指の癒しであり非常に心地の良い場面であった。
メタバースclusterとの出会いと交流、憧れを彼女自身が目にしてきた当時の映像を交え、表現者としての始まりを感じる語りを経て「アマオト」へ。場内は舞台だけでなく観客席も雨の中の演出へ。青を基調としたライティングから白く淡い印象へ。
歌唱中は傘を片手に舞台を歩き、端から端へ観客席へ向けて歌を届けていた。
また色調や画角が変わったような観客視点での演出もバーチャルでの表現ならではであった。終盤では舞台の世界へ色づき将来への希望を感じさせられた。この演出はぜひ公演で体感していただきたい。

おはよう真夜中の楽曲の中でも最も盛り上がりを見せるロックナンバー「黎明」のイントロが響きオーディエンスのギアも一段階上がる。
この楽曲で特に印象的だったのが舞台での力強い立ち姿、目線の高さだった。歌声の芯にもこの一年間の研鑽とさらにこの先へ歩みを進める決意を感じた。
スクリーンに大きく映る姿は先ほど述べたように頼もしくこの公演の座長として、clusterのエンターテイメントショーの代表作のひとつとしての毅然とした風格。昨年とスタイリングやメイクも違っていることもあり、より舞台での歌での表現への熱意をビジュアルからも感じた。

それに呼応するような照明、舞台演出、オーディエンスのリアクションも「明日のことはどうでもいい」と楽曲のフレーズを体現し場内の温度を上げているようだった。
この先でより舞台、観客とで磨きが掛かる「黎明」はこの公演の注目演目のひとつになるだろう。
「ひとりだった」と語りを経てバーチャルでの表現を重ね「みんなとの絆」を歌に乗せ届け夕焼けを背に披露したのは「夜歩く」舞台を移動しながら歌唱し時間の移り変わりを鮮やかなライティングで表現する。夕焼けから大きな月に成っていく舞台はぜひ会場で目にして欲しい。

この楽曲は鼓舞するような力強いメッセージというよりも葛藤を抱えながらもそれでも進むことに寄り添い肯定するやさしい力をこれまでも感じていたが、より励みになる印象をこの舞台での歌唱から受け取っていた。
その一方で表現を続け、多くの人たちと時間と喜びを共にする中でも彼女が抱えている痛み、感情は消え去ることはなく「供養しよう」の言葉に続き披露されたのは「Leben」この公演の共演者であり、楽曲のMV撮影にも参加しているyamagoo、EnderYearと共に生きていくことからは切り離すことの出来ない痛みへ立ち向かう人へ向けた彼女たちの表現を届けた。
非常に重々しく、痛々しさをも感じる演目であるが、物語を辿りこの楽曲に巡り着くことに意味を感じる演目であった。昨年と大きく異なる演出として挙げるとすればダンサー務めるyamagoo、EnderYearの舞台での姿が楽曲、歌唱から受け取る心象風景に寄り添った姿になっていたことだ。
またダンスの表現もさらに華々しく豊かに、楽曲の世界観と孤独感とリンクしより没頭するパフォーマンスとなっておりこの先の三公演でどれだけ深く進化していくのか期待が高まる公演の中でもハイライトとなる演目だ。

「歌うこと。生きること」を表現するシンガーおはよう真夜中としての真骨頂を魅せたステージ。活動開始からこの日に至るまでの映像演出と舞台に立つ姿と歌唱から共鳴したこと、思い浮かべたことを少しでも大切にしていきたいと思える時間だった。
「この先も貴方の夜に寄り添う歌を歌いたい」の語りは自身とこの会場へ足を運んだ人たち、志を共にする仲間たちへ向けた決意なのだろう。
楽曲から受け取るもの、自身の中でも問いを持ち、感じ入るものが大きかった舞台を経て耳に届いたのはやさしいピアノのリズムと自身の名前が歌い出しとなる「Night Song」絵本のような、幼い頃に夢に見たようなポップな天体たちのセットに乗ったまようさちゃんに囲まれ会場ひとりひとりの夜に寄り添い歌う姿が印象的であり、どこか安心感を受け取った人も多かったことだろう。

夜は明け、また新しい日常が繰り返される。難しいことの方がもしかしたら多いかもしれないがそれでもまたゆっくりでも、時には立ち止まってしまっても進んでいくのだとちいさな熱が灯る励ましと安堵感がおはよう真夜中の歌の表現には確かに在ると感じ取った。
本編ラストで彼女の歌を口ずさんでいた誰かもまた、この歌たちと共に歩みを進めていくのだろう。
この公演を創り上げた出演者、クリエイター、楽曲、サポーターたちの名を連ねたエンドロール、まとまよのロゴを背に「シャルデンヴァンクリーフ」を披露。

宇宙を旅するような舞台演出と共に舞台へ姿を表したおはよう真夜中は昨年のサイバーな衣装とは異なり新規ビジュアルの衣装で公演ラストの歌唱のステージを感謝の言葉を添えて会場中に届けた。
誰よりも先を行く歌と舞台への表現の姿をオーディエンスへ焼き付け、この舞台を共に彩った仲間たちと並び「VRミュージカルwish」公開ゲネプロの幕を閉じた。
終演後はまとまよの二人、共演者、スタッフから公開ゲネプロへ足を運んだオーディエンスへ向けて感謝とこの先に控えている三公演、夏から始まる新公演への意気込みが伝えられた。
メタバースclusterで体感することの出来るエンターテイメントとして最前線と言える「VRミュージカルwish」公開ゲネプロを経てこの先続く公演で舞台を共に立つ表現者同士の科学反応でどんな進化を見せてくれるのか、また8月から始まる新公演もまた合わせて期待が高まる。
下記にバーチャルSNS clusterで開催される「VRミュージカルwish」本公演のリンクを記載している。ぜひ当日は会場へ足を運びメタバースのエンターテイメントを体感していただきたい。
関連リンク
VRミュージカルwish本公演
5月3日(土)開場21:30 開演22:00
https://cluster.mu/e/379ee0ec-ef2f-4b9b-9b23-798009340154
6月7日(土)開場21:30 開演22:00
https://cluster.mu/e/36b5a2ce-fa2f-43c8-8819-22279f79e1c7
7月5日(土)開場21:30 開演22:00
https://cluster.mu/e/8a4277cd-7c53-498c-84cd-695774b1386f
VRミュージカルwish公式サイト
https://excellent-taxicab-76c.notion.site/17a9f1c04f0d8012841df640d116d085?pvs=4
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いんふぉ計画-INF design-
バーチャルSNS clusterにて毎日を1.5倍くらい楽しくするエンタメ星予報「いんふぉ星ラボ」イベント・カルチャーが生まれるclusterの歩き方を研究発信をテーマにしたラジオ「cluwalk Labo 〜クラウォークラボ〜 」の二つを軸に活動中。
YouTubeにてイベント、番組アーカイブ公開中(https://www.youtube.com/@INF_design)
歌唱、DJなど音楽イベントを中心に遊びに行っています。